2017-08

就労促進法、労働契約法その後


就労促進法草案に、「公平な就労」という章を新設

 先日のブログで書いたように、今年3月、全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、就労促進法(就業促進法)の草案の全文を公表し、社会の各界から意見を求めました。しかし、その差別禁止規定の不十分さには批判が相次ぎました。

 4月25日までに、11020件の意見が集まりまり、そうした意見も参考にして、全人代の法律委員会は、6月24日、修正と補充を加えた草案を全人代常務委員会に提出しました。

 一番の修正は、「公平な就労」という章を新たに設けたことです。
 このことは、単なる就労の「促進」だけでなく、就労の「公平さ」を求める意見がいかに多かったかを示しているのだと思います。

 ただし、報道を見るかぎり、たとえば男女平等の問題に関しては、「女性は男性と平等な就労の権利を享有する。使用者は性別を理由として女性の採用を拒絶したり、女性の採用基準を高めてはならない」という規定を設けたにとどまっています。もしもこうした規定だけならば、既に他の法律に存在しているので、さほどの意味はないように思います(以上、(1))。

労働契約法が成立、来年1月から施行

 6月29日、全人代常務委員会は労働契約法(中華人民共和国労働合同法)を採択し、同法は成立しました。
 2008年1月1日から施行されます(2)

 この労働契約法についても、先日のブログで書いたように、劉明輝教授らによって、ジェンダーの視点から問題点が指摘されていました。
 しかし、劉さんの批判した問題点(一部の家政服務員を調整の範囲外に排除していること、使用者が職場のセクハラを防止する義務を規定していないこと、使用者が妊娠している女性を辞めさせる行為に対する規範が欠けていること、使用者が妊娠・授乳期の女性労働者に対して解雇・減給する問題を無視していること)は改善されていないようです。

(1)「促公平就業:最高立法機関重視消除就業歧視」新華網2007年6月25日「就業促進法草案更加強調公平就業」『法制日報』2007年6月25日「就業促進法草案吸収各方意見后首次“亮相”,提請第二次審議 男女平等就業権被明確提出」『中国婦女報』2007年6月25日。
(2)「中華人民共和国労働合同法」
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