2017-05

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鄒城市で「現代の孟母」を表彰する「中華母親文化節」

 今年4月27日から30日まで、鄒城市で「2007'孟子の故郷・中華母親文化節」がおこなわれます。その準備委員会は、ホームページも設置しています(中華母親文化節HP

 この「母親文化節」を主催するのは、中華民族文化促進会・中華母親節促進会・山東省文化庁・済南市人民政府です。陳慕華が組織委員会の名誉主任で、中華民族文化促進会主席の高占祥が組織委員会の主任です(1)
 「中華母親節促進会」というのは、2006年12月13日に成立大会を開催した団体で(2)、「中華母親節」の活動を促進し、それを全国的なものにすることを目指しています。発起人は李漢秋教授です(3)

 「2007'孟子の故郷・中華母親文化節」の主旨はというと、「孟母に代表される優秀な伝統的な母の教えの文化を発揚し、科学を尊び、徳を以て人を育て、国のために子を教える新しい母親像を打ち立て、母を愛し、母を尊び、母を敬い、母に孝である良好な社会的気風を全社会的に唱導し、社会主義調和社会の建設を促進する」というものだそうです(1)

 「孟母」(孟子の母親)といえば、とくに有名なのは「孟母三遷」です。「孟母三遷」とは、孟子が幼いときに墓地のそばに住んでいたら、孟子が葬式のまねをして遊ぶのを見た母親が、市場のそばに引っ越したら商売のまねをするので、学校のそばに引っ越したというものです。要するに、子供の教育に母親が果たすべき役割を説いたエピソードで、「孟母」は、母親のあるべき姿を示す模範として影響力を持ってきました(4)

 「中華母親文化節」では、具体的には以下のようなことをするそうです(5)
 1.「孟子の故郷で現代の孟母を探す」審査選定活動。
 2.開幕式で「現代の孟母」の表彰や「母親宣言」の読み上げ。「母親頌」の文芸公演。
 3.「母親の恩に感謝し、真心を明るく照らす」大行動。「母親を祝福する」一万人署名、母親に対して愛の心をささげる活動など。

 1の活動がメインなのですが、この「現代の孟母」の審査選定基準は次の5つです(6)
 (1)本人も子どもも、法規を守り、品行方正である。
 (2)母と子の関係が仲むつまじく打ち解けており、母親は子どもを愛護し、子どもは親に孝行である。
 (3)母親自身の品格が中華民族の伝統的美徳を体現していなければならず、子どもの人としての処世に直接積極的な影響を与えている。
 (4)母親の教育方法が科学的で当を得ており、科学的な家庭教育の理念を体現しえていて、直接子どもが才をなすのを促進している。
 (5)子どもが何らかの面で国家と社会が公認した功績があるか、何らかの面で国家と社会に顕著な貢献をした。

 「中華母親文化節」の目的と意義としては、以下のような点が挙げられています(7)
 1.中華民族の優秀な伝統的文化を発揚する。「中華母親文化」は、中華民族の優秀な文化の主要な構成部分になっている。
 2.社会主義の先進的文化を建設する。家庭は社会の細胞であり、家族の調和は社会の調和の基礎であり、「母親文化」は家庭の調和に対して重要な働きをする。

 以上からも見て取れるように、上の行事には、伝統的なものだけでなく、近代的な性別(ジェンダー)分業、ナショナリズム、家庭教育、「調和社会」論‥‥さまざまなものが混じり合っているようです(「孟子の故郷」としての地域振興という面もあるかもしれませんが)。
 婦連は近年、女性の母親役割を強調する傾向があります。婦連は、母親役割を絶賛する王東華さんに賛同して、彼の著書『発現母親』(書虫HPのデータ)を「母教文庫・孟母系列(シリーズ)」として出版し、「新世紀両親読書活動」の推薦図書にしたこともあります(8)
 どんな女性が「現代の孟母」に選ばれるのでしょうか? また、当日の「母親宣言」などの内容にも注目したいと思います。

(1)「2007孟子故里中華母親文化節全面啓動」(中華母親文化節HP)「2007孟子故里中華母親文化節四月挙辨」『中国婦女報』2007年3月10日
(2)「多位学者倡議設立中華母親節」『中国婦女報』2006年12月19日。
(3)「母親節促進会章程」「李漢秋在母親節促進会第一次会議上的講話提綱」「母親節発起人――李漢秋教授簡介」(いずれも中華母親文化節HPより)。
(4)橋本草子「『列女伝』」(関西中国女性史研究会編『中国女性史入門』人文書院 2005年)が簡潔にまとめています。
(5)「活動安排」(中華母親文化節HP)
(6)「“孟子故里尋探現代孟母”活動候選人徴集啓事」『中国婦女報』2007年3月9日。
(7)「目的意義」(中華母親文化節HP)
(8)杉本雅子「『女は家に帰れ』」関西中国女性史研究会編『中国女性史入門』(人文書院 2005年)99頁。
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