2017-06

河野談話に関する安倍発言に対する抗議行動

 今月は、河野談話に関する安部発言をめぐる動きも、中国や台湾でありました。

 3月1日、安部首相は「河野談話」について、「当初定義されていた強制制を裏付ける証拠はなかった」「定義が大きく変わったことを前提に考えなければならない」と発言しました。

 3月6日、中国の外相も、台湾の外交部も、上の安部発言に対して抗議します(中国外相の抗議台湾外交部の抗議。いずれもハイナンネットのブログ――この間の動きをいろいろ伝えています――より)。

 3月7日には、「『河野談話』見直しに抗議する台湾の阿媽および婦援会(台北市婦女救援基金会)の声明」も出ます(「日本軍『慰安婦』問題ネットワーク」[「慰安婦」裁判支援運動や立法運動などを展開してきたグループが、2005年「慰安婦」問題アジア連帯会議を期に結成]のブログに掲載されている日本語訳です。他に「台湾の元『慰安婦』裁判を支援する会」のHPにも掲載されています。「阿媽」とは台湾で「おばあさん」を呼ぶ愛称)。
 この声明の中で、台湾の元「慰安婦」は、「あのとき、わたしと一緒に行った21名の娘のなかで、わたし一人だけが生きて帰ってきた。死んだ人は話すことができないが、わたしは生きている。わたしこそが一番の人証だ」(陳鴛阿媽。85歳)、「あのとき日本の警官に連れて行かれ、私の人生は変わってしまった。わたしが強制的に軍隊に連れ去られたのでないというなら、わたしのような一庶民が、なんで強制的に軍艦で海外に運ばれ、性奴隷にされられたのか」(鄭陳桃阿媽。85歳)と訴えています。
 台湾の被害者数は2000人を超えるとのことです。資料と歴史学者の確認を経て、58名の女性の生存が確認されたといいます(亡くなった方も多いですし、なにより名乗り出られない女性が多いのでしょう)。

 上の台北市婦女救援基金会のHPには、河野談話の遵守を求める国際署名活動や日本交流協会前での抗議行動が写真入りで報道されています(「要求日本政府遵循『河野談話』!接受史實! 儘速對慰安婦受害倖存者謝罪賠償―亞洲受害國同連署抗議行動―」)。
 国際署名はもちろん日本でもおこなわれており、私も署名しました。

 ちなみに、「台湾の元『慰安婦』裁判を支援する会」のHPには、昨年12月におこなわれた、台湾の「阿媽たちのグループ・セラピィ」の模様も掲載されています。「慰安婦」にされた女性が今なおトラウマに苦しんでいること、そこから立ち上がりつつあること――つまり「慰安婦」問題がけっして過去の問題ではないことかわかります。

 台湾の慰安婦問題に関しては、台北市婦女救援基金会のHPの「前台籍慰安婦」欄に詳しく、台湾婦女資訊網の「史的傷痕――慰安婦」のページも参考になります。

 なお、中国本土でも「日政要否認“慰安婦女”史実遭批」(『中国婦女報』2007年3月4日)などの報道はあります。しかし、少なくとも今回の安倍発言に関しては、元「慰安婦」の女性自身の活動は報じられていないようです。
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