2017-06

全国政協や村民委員会の女性比率の最低線を定める提案

全国政協委員の女性比率の最低ラインを定める提案
 先日このブログで、来年選出される第11期全国人民代表大会(全人代)の人民代表について、「女性の代表は22%を下回らない」という規定が導入されそうだということを書きました。
 いま中国では、全国政治協商会議(全国政協)も開催されています。全国政協というのは、全人代と違って立法権や決定権はありませんが、幅広い人が国の政治について話し合ってさまざまな提案をおこなう会議です。
 全国政協の委員も5年ごとに改選されますが、これまでの女性委員の比率は、以下のとおりでした(1)
第1期(1954年~) 6.1%
第2期(1959年~)11.4%
第3期(1964年~) 8.1%
第4期(1975年~) 8.9%
第5期(1978年~)14.7%
第6期(1983年~)13.8%
第7期(1988年~)14.5%
第8期(1993年~) 9.2%
第9期(1998年~)15.5%
第10期(2003年~)16.8%

 全人代の女性代表の比率とほぼ同様に、ここ30年近くはだいたい横ばい状態です。
 そこで、全人代同様、全国政協の委員の女性の最低比率も決めるべきではないか、という提案を全国政協委員で敦煌研究院院長の樊錦詩さんが出しました(2)

村民委員会に女性を少なくとも1名入れる規定の導入を求める提案
 また、いま全人代に参加している全国婦連副主席・書記処書記の洪天慧さんは、「村民委員会組織法を改正して、『村民委員会に少なくとも女性を一名入れる』と規定すべきだ」という提案をしました。村民委員会というのは、農村住民の自治組織であるとされつつも、政府の末端組織としての性格も持っている組織で、3~7名で構成されます。

 洪天慧さんは、「女性は農業生産で大きな役割をはたしているのに、農村における女性の政治参加は少ない。2005年に至っても、村民委員会のメンバーの女性比率は16.7%であり、村民委員会の主任・副主任の女性比率は1%に達していない。村民委員会の中に女性が少なすぎることが、女性が土地経営権などの問題のおいて利益を侵害されることにつながっている」と述べます。
 洪さんはさらに、「現行の村民委員会組織法は『村民委員会のメンバーに、女性を適当に割り当てなければならない(村民委員会成員中,婦女応当有適当的名額)』と規定している。しかし、きちんとした比率の保障がないために、現実には多くの村で女性のメンバーがおらず、多くの優秀な女性が村民委員会に入ることができていない。これは、農業生産労働の主力軍である女性に対して不公平である」と指摘しています(3)

 日本でも間もなく統一地方選挙がおこなわれますが、社会の中の女性やジェンダーの問題を解決するためは、女性の政治参加を促進する必要があるとこは同じだと思います。

(1)「歴届全国政協委員人数和性別構成」国家統計局人口和社会科技統計司編『中国社会中的女人和男人─事実和数据(2004)』(中国統計出版社 2004年)86頁。
(2)「政協女委員的比例也設最低綫」『中国婦女報』2007年3月13日。
(3)「村委会成員中至少応有一名以上女性」『中国婦女報』2007年3月14日。
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