2017-08

中国版《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の展開――2003年~2016年――

<目次>
はじめに
一 2003年、初の中国版《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》上演

 1.中山大学教授・艾暁明のアメリカでの体験と「中山大学ジェンダー教育フォーラム」設立
 2.DV反対ネットワークの陳明侠・卜衛の英語版観劇と「V-Day」運動への注目
 3.上演のテーマと構成
 4.黄静事件(デートレイプ事件)についての運動とも結びつけて
二 中国版《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の展開
 1.年表
 2.中国における上演活動の歴史の特徴・概観
三 上海:復旦大学のセクマイ団体・知和社などの上演
 1.上演中止が続いた2004年に、学生だけの力で上演
 2.フェミ視点も持つセクマイ団体が現在まで毎年上演を続ける
 3.毎回脚本を書き換え、早くから同性愛の要素加える
 4.海狸社――ゲイの妻、トランスジェンダーなども
四 北京:BCome小組と《陰道之道》
 1.フェミニスト行動派との関連が強い、既成組織から独立したグループ
 2.劇の名称自体を変更――《陰道之道》と「Bcome小組」という名称について
 3.ワークショップで声を集めて脚本を作り、完全にオリジナルな脚本に
 4.社会的事件も取り上げる
 5.街頭などで社会運動も
 6.「演劇、コンシャスネス・レイジング、社会運動の三位一体」
 7.セックスワーカーを含めた社会的に弱い立場の女性との連帯
 8.当局による検閲
 9.他グループも、《陰道之道》の脚本を採用
 10.小括
五 広州:山泉劇社の《将陰道独白到底》
 1.学生たちが取材して脚本を作成
 2.完全にオリジナルな脚本にし、劇の名称自体も変更
 3.中国女性のライフサイクルに沿った脚本、社会的事件にも応答
 4.農村でも取材して、農村女性の出産をめぐる苦難を演じ、広東語に翻訳して農村でも公演
 5.当局による検閲
 6.小括
六 北京外大ジェンダー行動グループの「私のヴァギナは言う」活動とそれに対する攻撃
 1.授業の課題として《陰道之道》上演
 2.学生たちの活動とそれに対する攻撃
 3.事件についての艾暁明さんの評論
 4.「処女と妓女は姉妹である」というスローガン
七 フェミニスト活動家5女性刑事拘留事件後の活動
 1.BCome小組
 2.知和社、山泉劇社
 3.広州のF女権小組と同小組版《陰道之道》
 4.Vagina Projectの《陰道説》
おわりに

はじめに

ヴァギナ・モノローグス(The Vagina Monologues)とは、アメリカのイヴ・エンスラーが、女性200人以上に、ヴァギナをめぐる体験を取材して書いたモノローグ形式の演劇である。1996年に初めて上演され、1998年には書籍としても出版された。

さらに、1998年には、「V-day」という、ヴァギナ・モノローグスを上演するとともに、その収益によって女性に対する暴力に対する闘いをサポートする団体も発足した。「V」とは、暴力に対して打ち勝つ(Victory over violence)、バレンタイン(Valentine)、ヴァギナ(Vagina)の3つを意味している。

本稿では、中国における《ヴァギナ・モノローグス》上演をめぐる運動についてまとめてみた。

一 2003年、初の中国版《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》上演

中国で初めて《ヴァギナ・モノローグス》が上演されたのは、2001年、南京のジョン・ホプキンス大学中米文化センターで、同センターの学生らによってである。ただし、このときは、英語版のまま上演された。

初めて中国語版が《陰道独白》という名称で上演されたのは、2003年12月7日、中山大学ジェンダー教育フォーラムとDV反対ネットワークによってだった。まずその間の事情について紹介しよう。

1.中山大学教授・艾暁明のアメリカでの体験と「中山大学ジェンダー教育フォーラム」設立

中山大学教授の艾暁明さんは、1999年からアメリカに訪問研究に行った。そのとき、艾さんは、《ヴァギナ・モノローグス》を見た。艾さんが言うには、「《ヴァギナ・モノローグス》のテーマには、女性に対する暴力に反対することだけでなく、女性がどのようにして自己を認識するか? どのようにして自己の欲望を肯定するか? ということもあった。(…)《ヴァギナ・モノローグス》が多くの問題を提起していることは、私は良いと思った。また、《ヴァギナ・モノローグス》は演劇として比較的成功しており(…)当時北アメリカでは150余りの学校で上演していたので、私は本を買った。当時私が授業に出ていた教室には、歴史学の博士として行っていたので、彼/彼女ら[大学教員ら]は教室では《ヴァギナ・モノローグス》について話さなかったが、彼/彼女らは、女性はどのように自分の身体を見ているかや、身体と女性アイデンティティと女性の自我の関係について話していた」。艾さん自身も、そうした問題に関心を持ち、帰国後、女子学生にも、そうした話をすると、彼女たちも非常に関心を示したという。

また、艾さんは、2003年に台湾の国立中央大学教授の何春蕤さん(1)らをジェンダー教育の集中講義に招こうと思った。そのとき、艾さんは、ジェンダー教育を「フォーラム」という形式でするという構想を持った。なぜなら、何さんの観点はセクシュアリティの面で非常に論争的でラディカルだったが、当時は、中国大陸の女性研究は、そうしたところまで進んでおらず、「性」について語ることが少なかった。また、「性」の問題には、さまざまな性的指向の人やセックスワーカーなどの問題も含まれている。艾さんは、フォーラムをすることによって、さまざまな声を集めることができるのではないかと考えた。かくして、艾さんたちは「中山大学ジェンダー教育フォーラム」を設立した(2)

2.DV反対ネットワークの陳明侠・卜衛の英語版観劇と「V-Day」運動への注目

《ヴァギナ・モノローグス》の英語版は、2002年3月にも、上海アメリカクラブで上演されたが、この時は、その収入は、NGOの「DV反対ネットワーク」(2000年結成)に寄付された。同ネットワークからは、そのコーディネーターの陳明侠さん(中国社会科学院法学研究所教授)とそのウェブサイトの責任者である卜衛さん(中国社会科学院ニュース・メディア研究所教授)が観劇した。

卜衛さんと陳明侠さんも、《ヴァギナ・モノローグス》には2つの関連するテーマがあると思った。第一に、女性と女児に対する暴力に反対することである。通常、性暴力は秘密ないし女性の恥とされるが、この劇は沈黙を破って、女性のために力強い声を発している。それと同時に、この劇は女性自身と女性の性を肯定し、女性の身体を解放することによって、伝統的な性文化に挑戦し、ジェンダー文化の主体を再構築することを試みていることである。この劇は、単なる苦しみを訴える劇ではなく、性の喜びを議論し、女性が新たに自己を発見し、自分の身体を真に自分のものにして、身体の自由と快楽を追求することを通じて、女性に主体としての力を持てるようにするものだと卜さんたちは思った。

卜さんは、この劇は、強姦を警察に届けられないような状況を変革する力になるものだと考えて、上演のために動く。

もっとも、それ以前から、中華全国婦女連合会と民間女性団体は、国連が呼びかけている「国際女性に対する暴力をなくす16日運動」(11月25日~12月10日)という宣伝活動を毎年やっていた。

しかし、卜さんは、先述の「V-Day」の運動は、「バレンタインデー」から「国際女性デー」の間の活動であることを、次の意味で重視したという。
・バレンタインデーに活動することは、性暴力は通常見知らぬ人の間ではなく、知り合いの間で起きることに気づかせてくれる。
・国際女性デーは本来女性が権利を勝ち取る記念日なのに、現在の中国では商業的なものに変質している。国際女性デーに「V-Day」の活動をおこなうことは、私たちが真の国際女性デーに立ち返る助けになる。

また、卜さんは、「V-Day」の活動が「下から上へ」の活動であり、公衆、とくに若い人が上演などの形で参与して、自分のジェンダーに関する経験を議論するものであって、従来よくあったような、「専門家」やスローガン、あるいは重苦しい会議によって、「教育される」あるいは「教え導かれる」ものではないことにも注目した。卜さんは、《ヴァギナ・モノローグス》のような前衛的演劇を上演するような創造的な活動は、とくに若い人を女性に対する暴力反対運動に引きつける力があると考えた。卜さんは、若い人たちは「上から下へ」の会議を嫌がるし、中国式の街頭宣伝活動を嫌がることを知っていたからだ(3)

かくして、艾暁明さんと卜衛さん、陳明侠さんが、ともに、中国語版《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》上演を実現するために協力していくことになる。

3.上演のテーマと構成

(1)上演のテーマ

2003年12月7日に、中山大学ジェンダー教育フォーラムとDV反対ネットワークが共催して、中国版《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》を上演した。艾暁明さんと、台湾人で当時中山大学の教員だった宋素鳳さんが監督をした。

この上演は、同年の「国際女性に対する暴力をなくす16日運動」の一貫として上演された。当初は先述の卜衛さんが述べていたとおり、バレンタインデーの前後に上演するつもりだったのだが、同年春、中国でSARS (重症急性呼吸器症候群)が流行しため、延期せざるをえなかったのだ。

モノローグスといっても、独り芝居ではなく、30数名の学生と2人の教員が共に舞台に上がった(4)

艾暁明さんは、この公演のテーマを「あらためて女性の身体を想像する」とした。艾さんは、世の中には男性の演劇や映画、話が非常に多いのに、女性の演劇や映画、話は少なすぎると述べ、「この劇が特に重要なのは、女性の性の経験を想像していることだ。なぜなら、この部分の経験は、とくに歪曲され、切断され、バラバラにされており、男によって解釈され、歪曲され、虚偽のものになっているからだ」と言った。

この劇に男性は4人出てくるが、いずれもセリフがない、顔の特徴もない黒衣の人として、「邪悪な勢力」を象徴すものとして、舞台の隅に登場するだけである。

もちろん、この劇は男性による解釈を打ち破っただけではない。出演した女性の認識も変えた。ある出演した女子学生は、「私はこの劇に参加して、以前は知らなかった多くのことを知り、自分の身体は自分の一部だということを確認した」と語った。

宋素鳳さんもこの上演を運動として考えており、「《陰道独白》は演劇の形で、それに参加することによって、女が自分を確認し、自分を認識し、自分と自分の身体を肯定することができる」と認識していた。学生の反応から見ても、この目的は達成されたことがわかる(5)

(2)当日のプログラム

2003年のときの上演のプログラムは、以下だったようだ。

「ヴァギナ、私は言った(Introduction)」
「陰毛(Hair)」
「もしあなたのヴァギナが化粧するとしたら」
「私のショートスカート(My Short Skirt)」
「洪水(The Flood)」
「初潮」(オリジナル)
「ヴァギナの事実(Vagina Fact)」(1)(2)
「ヴァギナ・ワークショップ(The Vagina Workshop)」
「私のヴァギナ、私の村(My Vagina Was My Village)」
「回想」
「ヴァギナの事実(Vagina Fact)」(3)
「子捨て」(オリジナル)
「涸れた河流」
「6歳の女の子に訊いてみた(I Asked Six-Year Old Girl)」
「出生の舞」
「私はそこ、産室にいた(I Was There In The Room)」

詳細は不明だが、上の上演プログラムと原作の1998年版(英語で示した)などと比較すると、少なくともタイトルにおいては、かなり多くの箇所が共通している。

しかし、新たな内容も付け加えられているようだ。「初潮」もそうであるし、とくに「子捨て(棄嬰)」は、中国の農村の、一人っ子政策による女児遺棄を扱っている(6)

宋素鳳さんによると、DVや幼女強姦などの問題についても、中国社会の現象に即して、修正がなされたという。

艾さんが言うところによると、艾さんがアメリカで《ヴァギナ・モノローグス》を見たときは感激したのだが、上海で英語版を見たときは、純粋の芸術作品で、かつ舶来品だという感じを強く持ったという。艾さんは、「私たち自身の《ヴァギナ・モノローグス》ができないものか」と思った(7)。そうした思いがこうした修正には反映しているのだろう。

研究者のセシリア・ミルウォーツ(Milwertz Cecilia)さんは、卜衛さんに「アメリカの女性の生活を基礎にして創作した演劇を中国に移植することをあなたはどのように考えるか?」という問いを発している。それに対して、卜さんは、女性の服装が強姦の言い訳にされるということなど、女性の経験には共通点があることを述べるとともに、以下のように答えている。
私たちは当然「差異」にも注意した。この差異は非常に重要である(……)脚本の創作者は、できるだけすべての民族、年齢、地域、性的指向の女性の経験を含めている。しかし、彼女がそれらの女性を取材した後に、自覚せずに自分の経験あるいは分析枠組みによって彼女たちの物語を構築して、他の民族の女性の「代弁者」になってしまう危険を避けることは難しい。その差異はけっして中国の女性とアメリカの女性の経験の差異だけでなく、もっと複雑であり、都市の女性と農村の女性、留守女性(夫が出稼ぎに出て、村に残っている女性)、流動女性、高齢女性と若年女性の差異などを含むことは確かである。2003年、私と艾暁明はどのようにしてこの演劇を「中国化」するか、さらには中国女性の地域に根差した演劇にするかを相談した。私たちは中国の各階層の女性を訪問してインタビューすることができるかどうかも議論したが、もしそうしたら、私たちは各階層の女性の「代弁」をすることにならないか? だから、私たちは学生自身の経験と彼女たちの社会に対する理解にもとづいて創作をした。(8)
卜さんや艾さんは単にアメリカと中国の差異を意識するだけでなく、中国内部の差異を視野に入れていることや、その差異は、単に自分たちと異なる存在を取材することによって埋められるものではないことも意識していることがわかる。

ただし、この時点では、それは、中国の女子学生が新聞記事をもとにしつつ、母親とも対話をして、女児を捨てた母親の痛みも理解して創作する(9)ということだった。

4.黄静事件(デートレイプ事件)についての運動とも結びつけて

2003年、黄静さんという女性教師が交際相手の男性のベッドの上で死んでいるのが発見された。体内には男性の精液があった。黄さんの体は傷だらけだったが、警察は、黄さんの死因は心臓病だとした。それに対して黄さんの母親は疑問を抱き、DV反対ネットワークなどが、真相の究明を求める運動を起こした。

中山大学ジェンダー教育フォーラムは、黄さんの一周忌に記念会をおこなった。その席で、学生たちは、《陰道独白》の一節である「私のショートスカート」を上演した。これは、女性には、セクハラや強姦の心配をせずに、ショートスカートを着る権利があるというものであった(10)

二 《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の展開

1.年表

ここで、中国における《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の流れを概観するために、その歴史を、すでに述べた点を含めて年表の形で示してみる(11)

2001年
 《ヴァギナ・モノローグス》(英語版)が南京のジョン・ホプキンス大学中米文化センターで、センターの学生らにより上演される。

2002年
 3月2日 《ヴァギナ・モノローグス》(英語版)が上海アメリカクラブで上演される。収入はNGO「DV反対ネットワーク」に寄付される。同ネットワークからは、陳明侠と卜衛が観劇。

2003年
 12月7日 中山大学ジェンダー教育フォーラムとDV反対ネットワーク、広州美術館で、初めて中国語版ヴァギナ・モノローグス《陰道独白》上演。監督は中山大学教員の艾曉明と宋素鳳。オリジナルの内容として、現代舞踊《子捨て(棄嬰)》、モノローグ《初潮》を加える。

2004年
 2月5日 上海話劇芸術センターが連続20日(2月10日~3月4日は中国語版、3月5日~10日は英語版)の《陰道独白》上演を計画するが、事前に当局に上演を中止させられる。
 2月11日 北京今日美術館とDV反対ネットワークが2月14日(バレンタインデー)に北京で《陰道独白》上演を計画するが、事前に当局に上演を中止させられる。
 5月13日 上海の復旦大学の知和社が、《陰道独白》上演。初の大学内での上演であり、その後も現在に至るまで毎年上演(V-day在復旦)。

2005年
 3月7日 広西チワン族自治区にある、貧困な女児のための民間の学校・南寧華光女子中学の金鳳芸術団が、劉光華校長の指導の下に、20人の中高生で《陰道独白》上演。オリジナルな脚本として、農村での女児の進学難などの問題も加える。広西の他の中学も巡回し、2006年5月22日までに20回上演。
 5月28日 北京大学劇社、《她*独白》上演。オリジナルの脚本「纏足」「少女の妊娠」「コンドーム」「レズビアン」も加える。

2006年
 9月15日 武漢の華中師範大学の女子学生、武漢で開催された性健康文化博覧会で《陰道独白》上演。中国性学会の専門家たち(男性が大多数)の注目も集める。

2007年
 11月22日 「中国話劇百年――華中大学話劇コンクール」で、武漢大学の「我們」劇社の《陰道独白》が受賞。しかし、のちに受賞を取消される。

2008年
 5月10-11日 厦門大学版《陰道独白》上演。
 6月4日 北京の首都師範大学図書館学術報告ホールで《陰道独白》上演。北京での初の中国語版の上演。荒林が指導教員。

2009年
 3月武漢で《陰道独白》の出演者を広く募集して、民間の劇団が設立され、以下の日時と場所で4回上演。11月7日―武漢大学、15日―華中師範大学、21日―武漢性学博物館、12月3日―武漢VOXバー。
 3月11-15日 北京薪伝実験劇団、《V独白》を北京の9劇場で5回上演。大陸で唯一の版権を得た中国語バージョン。
 6月 北京薪伝実験劇団、上海で3回上演。

2010年
 3月、6月12日-13日 北京薪伝実験劇団、深圳で上演。
 4月30日 成都独白制作組、成都版《陰道独白》上演。5月22日にも再演。
 5月3日 華中師範大学で「性科学文化週間」開幕、《陰道独白》上演。
 12月22日-26日 南京大学第ⅠⅠ劇社、《陰道独白》上演。

2011年
 3月12日 上海の多くの《陰道独白》の劇組の出演者が合同で上演。

2012年
 4月13-15日 上海の海狸社、《陰dao多云》上演。「同妻(ゲイの妻)」、トランスジェンダーなどを取り上げたオリジナルな脚本激増、男性出演者も加わる。

2013年
 1月19日 BCome小組、北京LGBTセンターで初の《陰道之道》上演。2015年8月時点で21カ所で上演、その後も継続。2014年版では、完全にオリジナルな脚本に。
 4月12日 中山大学ジェンダー教育フォーラムの劇組(のちの「山泉劇社」)、初の《将陰道独白到底》上演。中文系副教授の宋素鳳と柯倩婷が指導。完全にオリジナルの脚本。
 11月4日 北京外国語大学ジェンダー行動グループ、「私のヴァギナは言う」写真を公表、その後、誹謗中傷にあう。

2014年
 4月27日 山泉劇社が翌日に予定していた中山大学城校区明徳学生活動センターでの《将陰道独白到底》公演、中止させられる。

2016年
 1月23日 広州のF女権小組、《陰道之道》の冬季公演
 12月9-11日 Vagina Project、北京の間隔年小劇場で《陰道説》上演。

2.中国における上演活動の歴史の特徴・概観

上の年表にもその一端が表れているが、中国における上演の歴史の特徴として指摘されている点(12)を、まず大まかにまとめてみると、以下のようになる。

(1)しだいに上演が増加し、上演団体も多様になり、上演場所も増えてきた。

(2)主催者は大半が大学の団体と民間の団体である。大学の団体の場合、学生主導のケースと、教員が重要な役割を果たしているケースがある。

栄維毅さんは、大学での上演が多い理由は、大学内は比較的規制が緩やかであることやフェミニスト教員がジェンダー平等教育をおこない、フェミニズムの課程を開設していることにあると指摘している。実際、上の年表を見ても、中山大学教授・艾曉明、南寧華光女子中学校長・劉光華、首都師範大学教授・荒林、中山大学副教授・宋素鳳、柯倩婷といった教員の方々が大きな役割を果たしていることがわかる。

その一方、復旦大学の知和社の呉筱燕さんは、「自分がやったときは何のサポートもなかった。中山大学では多くの先生が学生団体の活動をサポートしていることを思うと、いささか残念に思うが、復旦の知和社がこれをした際には、学生の主体性が非常に強かったし、ずっと続けており、現在までやっている。このことはキャンパスのジェンダー環境の改善に非常に大きな働きをしている。現在は先生にも、促されて参加する人も出てきている。私はこの点を非常に誇りに思っており、学生がその中で大きな力を発揮している」(13)と語っている。

(3)まったく専門的訓練や演劇の経験がない女性たちが上演しているケースが大半。

(4)オリジナルな脚本の比率がしだいに増加し、より中国社会に根差したものになってきている。

この点について、BCome小組の艾可さんと戢航(小航)さんは「『ヴァギナ・モノローグス』は中国ではすでに手段となっている。セックスワーカーとレズビアンなどの団体も、彼女たちの『ヴァギナ・モノローグス』を創作でき、最終的に踏襲されるのは『ヴァギナ・モノローグス』という演劇自身ではなく、『ヴァギナ・モノローグス』が伝え、受け継がれた理念になる」と述べている。

(5)演出の方法も多様になり、モノローグだけでもなくなり、出演者の性別も女性だけではなくなっている。

(6)上演のポスターのスタイルが、ヴァギナの描写など面で、抽象的なものから具体的なものへ変わっている。このことは、上演が性のタブーを打ち破っていることを反映している。

(7)当局の審査のために、上演できなかったり、《陰道》という語を変えざるをえなかったりしているケースもしばしばある。

年表にあるように、2004年には、上演を中止させられたケースが続けて2件発生した。

また、復旦大学の知和社の呉筱燕さんは、2010年、単独で公演するために、海狸社を設立したが、海狸社は、劇場で公演するため、《陰道独白》の「陰道」の字を避け、《陰dao多云》と改名した(14)。2005年5月の北京大学劇社の《她*独白》や2009年3月・6月の北京薪伝実験劇団の《V独白》というネーミングも、何らかの規制ないし自主規制によるものだろう。

また、以下の節で述べることを視野に入れれば、次の(8)(9)についても、特徴として挙げることができるのではないか。

(8)社会運動との結びつきがあり、また、それが近年になるにつれて強まっている。

そもそも2003年の初の中国版上演も、DV反対ネットワークという運動体が主催者の一つであった。

(9)社会的マイノリティの視点も近年になるにつれて強まっている。

以下、中国版《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の特徴や現在の到達点をより具体的に見るために、上海の復旦大学知和社、北京のBCome小組、広州の山泉劇社の事例を順に見てみよう。

なお、それぞれの団体について、箇条書き的に特徴を挙げているが、これは、必ずしもその団体だけの特徴ではない。その団体にとくに顕著な点、または、その団体については比較的詳しい資料が見つかる点としてご理解いただきたい(団体間のきちんとした比較は、日本で入手可能な資料だけでは難しい)。

三 上海:復旦大学のセクマイ学生団体・知和社などによる上演

1.上演中止が続いた2004年に、学生だけの力で上演

先述のように、2004年のバレンタインデーの前後には、上海と北京で、上演の試みが当局に中止させられた。

しかし、その年の5月には、復旦大学の学生が、《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》を自分たちで改編した中国語版を上演している。

この上演は、学生たち自身が組織し、資金も学生たちが集めた。練習場所も、どこかから提供してもらうのではなく、学生たち自身が毎回場所を見つけておこなった。監督は大学4年生の女子学生で、出演者も全員学生だった。上演に当たってのさまざまな技術的な問題も自分たちで解決した。

この上演に招かれた艾暁明さんは「学生たちがあまりに聡明だから、私たちは引退しなくちゃいけない」と言い、卜衛さんも「広州では、私たちはまだ教師の役割をしていたが、上海では、私たちは完全に『ゲスト』に堕落した」と言ったほどだ(15)

この上演は、300人余りの観客を集めて大成功したようだ。

2.フェミ視点も持つセクマイ団体が現在まで毎年上演

その後しばらくして上演の主体になったのが、セクシュアル・マイノリティを中心とし、フェミニズムにも関心を持っている学生団体の「知和社」だった。

「知和社」ができたきっかけは、2004年末、創設者の王勰愉さんが、北京のレズビアン団体のメンバーと出会って、大学でセクシュアル・マイノリティ文化を広げる話をしたことである。

さらに2005年、社会学部の副教授の孫中欣さんが、国内で初めて大学の本科の課程として、「同性愛研究」を新設した。孫さんは、王勰愉さんの考えを支持し、団体創設のために力を尽くしてくれた。

知和社設立の中核になった学生たちは、みな《陰道独白》上演に参加した。先述の呉筱燕さんは、当時、社会学専攻の大学院生であり、第1回目の上演を見て、その後、出演者として活躍し、知和社の中核メンバーにもなった(16)

知和社は、さまざまなLGBT団体と交流したり、同性愛をテーマとした映画上映、サロン、講座などおこなったりしている。こうしたセクマイ色の強い団体が上演に大きな働きをしていることは注目される(17)

3.毎回脚本を書き換え、早くから同性愛の要素加える

知和社の毎年の上演は、「《陰道独白》という名前は変わらなくとも、毎回内容は異なっている。脚本を書き換えて、新しく敷衍している。この演劇は、一期ごとの知和社のフェミニズムと性に対する理解を体現してきた」という(18)

知和社の場合、やはり同性愛の要素を加えてきた点に特色があるようだ。たとえば、2011年に上演されたものは「女と女」という幕を加えている(19)。原作にもレズビアンは出てくるのだが、その話は自分たちにはぴったりこなかったので、自分自身の話や自分の身近な話をもとにして、毎年新しく創作してきたという(20)

4.海狸社――ゲイの妻、トランスジェンダーなども

先述のように、知和社の呉筱燕さんは、2010年、海狸社を設立した。

2012年4月には、海狸社が《陰dao多云》を上演するが、その際、「同妻(ゲイの妻)」などオリジナルな脚本が激増した。「同妻(ゲイの妻)」の問題というのは、ゲイが女性と結婚するために、結婚生活が成り立たなくされた女性(妻)の抑圧の問題である。ゲイを演じるためには、男性も出演した。

また、トランスジェンダーのダンサーの金星の自伝をもとにした話も取り入れた(21)

こうした点は、セクシュアル・マイノリティの視点とフェミニズムの視点(同妻を問題するには、この視点も必要だ)を持つ団体としての知和社の流れを汲んでいるように思う

四 北京:BCome小組と《陰道之道》

1.フェミニスト行動派との関連が強い、既成組織から独立したグループ

2012年9月15日、「女性メディアモニターネットワーク」(2012年2月以来、街頭パフォーマンスアートや署名運動、行政への情報公開申請などの手法で、さまざまなフェミニズム運動をおこなってきた「フェミニスト行動派」と呼ばれる若い女性たちの誕生に大きな役割を果たしたNGO)と「一元公社」が「BCome小組」を設立した。また、BCome小組は、下の5で述べるように、フェミニスト行動派とともに、さまざまな運動をしてきた。BCome小組は、行動派の中の一つの団体と言ってもいいかもしれない。

BCome小組のコーディネーターの艾可さんは、「私たちはいかなる大学・体制・組織機構からも離脱した、何もないところから作り上げた、独立したグループだと思う。最初からみんなが非常に自然に、自主決定・自己管理をして、一人ひとりのメンバーの主体性・独立性を尊重した運営方法を作り上げてきた。私たちには、指導教員も、映画監督も、指導者もおらず、各メンバーの主体性が体現されている」(22)と述べている。

BCome小組は、たしかに体制側の組織からは完全に独立していると言える。この点は、復旦大学の知和社とも似ているが、Bcome小組の場合は、大学内という枠組みからも脱している。そのかわりに運動体との結びつきが知和社よりさらに強いと言えそうだ。

2.劇の名称自体を変更――《陰道之道》と「Bcome」小組という名称について

2013年1月、BCome小組は、北京LGBTセンターで《陰道之道》の初演をおこなった。それ以来、2015年9月時点ですでに全国21カ所で上演をおこない、観衆の累計は3000人余りに達した(23)。その後も上演を継続している。

劇の名称について言えば、それまでも《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》という名称を使わなかった団体はあった。けれど、それは、「陰道」という言葉を避けるためだった。しかし、BCome小組は、「陰道」という言葉を残したまま、劇の名称を変えたことに一つの特徴がある。

《陰道之道》という名称の由来については、艾可さんが、次のように述べている(24)

《陰道之道》は、《陰道独白》の理念を借用しているので、「陰道」という言葉を使っているが、「道」は、中国語では何重もの意味があり、《陰道之道》には以下のような意味が込められている。
・この劇の「道」とは、まず通路・パイプ、すなわち女特有の生理的器官であり、一つ一つの生命が必ず通る場所として理解できる。
・「道」はまた、「言う、表現する」という意味でもある。言うことができないものは、見ることができないものであり、承認されず、記憶されない。
・「之道」は、「知道(知っている)」と同音である。女性特有の性別記号として、陰道には独立した思考能力が付与されており、喜びと悲しみを知り、恥と痛みを知っているし、話したいことを持っている。

「Bcome」小組という名称も同じように多義的だという。
・BcomeとBecomeは同音であり、女性には自分になる権利があり、どのような格好をするかを決める権利があるという意味を持っている。
・Bと屄(おまんこ)は同音である。屄は陰道の俗語であり、ふざける、ないしは侮辱の意味を持っているが、Bcomeは、陰道が来た、陰道のオーガズムが来た、《陰道之道》が来たという意味を指している。

いずれも、ヴァギナを家父長制的なタブーから解放し、女性の性の自己決定権を強調するためのネーミングだと言えよう。

3.ワークショップで声を集めて脚本を作り、完全にオリジナルな脚本へ

《陰道之道》は、初演のときは、5幕が原作からの翻訳で、4幕がオリジナルだったが☆、その後オリジナルな内容を増やしてきた。

2013年6月には、以下のように、全11幕のうち、翻訳は3幕だけで、残りの8幕はオリジナルになった。

「ヴァギナ、私は言った」(オリジナル)
「初夜」(オリジナル)
「怒りのヴァギナ」(My Angry Vaginaの翻訳)
「自慰教室(自慰課堂)」(オリジナル)
「私のショートスカート」(My Short Skirtの翻訳)
「性暴力(性侵害)」(オリジナル)
「あえぎ(呻吟)」(オリジナル)
「老婦人」(A Six-Year-Old Girl Was Askedの翻訳)
「婊(娼妓、売女の意。ビッチ)」(オリジナル)
「月経」(オリジナル)
「産婦人科」(オリジナル) (25)

2014年版では、新しく3幕を創作して、すべてオリジナルな内容になった。

「プロローグ 私のヴァギナには話すことがある(引子, 我的陰道有話説)」(新しいオリジナル)
「初夜」(オリジナル)
「自慰教室(自慰課堂)」(オリジナル)
「性暴力(性侵害)」(オリジナル)
「あえぎ(呻吟)」(オリジナル)
「婊(娼妓、売女の意。bitch)」(オリジナル)
「月経」(オリジナル)
「セックスワーカー(性工作者)」(新しいオリジナル)
「道徳の法廷(道徳法廷)」(新しいオリジナル)
「産婦人科で」(オリジナル)(26)

。艾可さんによると、オリジナルの脚本の創作は、集団の知恵の結晶だという。Bcome小組は、ワークショップをおこなって、参加者にとって安全な空間で、自分や身の回りの人の経験を語り合ってもらい、その中からシナリオを作成している。そうすることによって、実際の話を集めることができ、中国のコンテクストに合った話になるので、観衆も共鳴しやすくなるという(27)

具体的に言えば、BCome小組の脚本の創作方法は、十数人でワークショップをし、みんなで1週間に2回集まって、3時間活動をするというものだ(28)

オリジナルな8幕のうち、6幕はこうしてワークショップによって誕生した。BCome小組の微博(中国版ツイッター)は、「創作の効率から見ると、ワークショップは遅いやり方だ。しかし、公演はプラットフォームにすぎない。重要なのは、私たちが演劇を通して、ジェンダーとセクシュアリティの教育の貴重な可能性を発掘することである。ワークショップは小組内部の青年に、自分を整理し、コンシャスネス・レイジングの貴重な成長の機会を提供するものである」と言っている(29)

以下、オリジナルな内容についていくつか具体的にご紹介すると、まず「初夜」を作成したのは、中国の女性の性解放にとって避けて通れないテーマが、初夜の神話を打ち破ることだからだという(とくに中国では、まだ処女性が重視される傾向が強いからだろう)。そのために、みんなが自分の初夜の話を出し合ったが、必ずしも「夜」の話にはならず、「初」も自分なりの定義が必要だった。また、自分と自分、女子学生と女子学生との間でも発生し、ときには愛と何の関係もなかったり、処女膜とさえ何の関係もなかったりするので、いったい何なのだろうか!? ということになった。艾可さんは、そうした議論の中から、自分が解放されたと感じた。すなわち、自分の中で、「初夜」や「処女」が、砂洲に書かれた人の顔が潮汐と海風によって消え去るように、それらの概念とその背景にある価値観も消え去ったという。艾さんは、「初めて本を読んだときや、初めて日の出を見たとき、初めて皮膚に傷を負ったときについては、私たちはそれらを命名したことはない。初夜とは結局何なのか?」と言う。

また、「性暴力」では、大京さんが強姦犯の役を創作して、そのモノローグの中で、多くの男性の(無)意識を表現した。この一幕も、ワークショップの中で話し合った強姦神話にもとづいているという。

「自慰教室」は、肖美麗が多くの人の話を集めて創作し、演じた。

「よがる(呻吟)」は、従来のバージョンでは、顔を出さずに声だけを出していたのを、二人の漫才のようにして、笑いを誘うものにしたという。肖美麗さんと大京さんとの掛け合いだが、この一幕は、みんなで頭を突き合わせて、明りを消して、束縛を破って、努力して声を出したワークショップにもとづいているようだ。

「婊」については、当時「緑茶婊(清純そうに見える売女)」という女性を侮辱する言葉がはやっていたのに対して、そうした「良い女」を押し付ける規範と闘い、中国独自の「婊子宣言(bitch manifesto)」を発表して、この一幕を創作したという。

「月経」は、一人のレズビアンのT(タチ)、一人の女の子、一人のトランスジェンダーの月経の話である。この一幕では、月経は霊長類のメスにはみなある現象で、そこには何の汚名も羞恥も存在しないことや、月経は、情欲や性的指向、性自認の実現を阻止することはできないことを訴えているという。

冒頭の「ヴァギナ、私は言った」も、ずっと英語版から借用してきたのをやめて、自分の「Say It」を創作することによって、自分の言葉でヴァギナを禁句ではなくし、名を正したという(30)

なお、ワークショップによって脚本を作っていくという手法は、他の団体もおこなっている可能性がかなりあると思うが、BCome小組はこの手法について詳しく述べているので、ここでご紹介した。

4.社会的事件にも対応

Bcome小組の脚本のもう一つの特徴は、ホットな社会的問題に関心を持ち、取り上げることだという。たとえば、遼寧省瀋陽市の馬三家女子労働矯正(劳动教养)所での拷問が暴露された時には、それを取り上げた(31)。また、先に述べた通り、インターネットで「緑茶婊(清純そうに見える売女)」という言葉がはやった時に、「婊」を創作した。

5.街頭などで社会運動も

BCome小組のメンバーは、街頭パフォーマンスアートなどの方法で社会運動もおこなってきた。

毎年おこなってきたのが、11月25日(女性に対する暴力撤廃国際デー)の当日または前日の北京の地下鉄でのパフォーマンスである。

・2012月11月25日、北京の地下鉄の車両内で数人の若い女性がフラッシュモブをおこない、《ヴァギナ・モノローグス》の中の「私のショートスカート」の一幕を演じた。その目的は、痴漢を被害者の女性の服装のせいにする言説に反撃することと、実効ある反DV法制定のための署名を呼びかけることにあった(写真→「阴道独白 北京地铁”快闪“」女声网2012-11-30来源: 新浪微博@女权之声)

・2013年11月24日には、10人余りの女性が北京の地下鉄の車両内で、BCome小組が作った《あなたは女が歌っているのが聞こえるか?(女の歌)》(レ・ミゼラブルの中の《民衆の歌》の替歌)というフェミニズムの歌を歌い、女性に対する暴力反対を訴えた(32)

・2014年11月25日には、北京の地下鉄で、白雪姫と白娘子(『白蛇伝』に登場するヒロイン)とマリリン・モンロー(33)のコスプレをして、《あなたは女が歌っているのが聞こえるか?(女の歌)》のDV反対バージョンを歌い、DV反対を訴えた(写真→「女大学生地铁cosplay 呼吁关注反家暴立法」女声网2014年12月2日。本ブログの記事「家庭内暴力防止法の草案発表、草案に対するさまざまな意見と活動」の六、参照)。

・2015年11月25日にも、北京の地下鉄の車両内で《あなたは女が歌っているのが聞こえるか?(女の歌)》を歌い、女性に対する暴力反対を訴えるチラシを配布した(34)

また、以下のような活動もしている。

・2012年11月、一部のメンバーが微博上で裸の上半身に訴えを書いた写真を公表して、実効ある反DV法制定のための署名を呼びかけた(以上については、本ブログの記事「DV防止法の制定プロセスと内容に民間の関与など求める1万人署名運動」「DV防止法制定に関する署名1万2000筆に達し、全人代などに提出」参照)

・2013年5月16日(国際反ホモフォビアデーの前日)には、BCome小組と北京LGBTセンターとが共同で、北京で3組の若い女性カップルがキスしているところに、通りがかった男性が「同性愛は死ね」と言うと、3組のカップルが倒れるというパフォーマンスアートをおこなった(写真→「年轻女孩“快闪”“装死”反对同性恋歧视」女声网2013年5月20日)。

・2013年5月、海南省で小学校の校長が生徒たちをホテルに連れ込む性暴力事件が明るみに出た。それに対して、葉海燕さん(エイズ感染者やセックスワーカーの支援者)が、「私をホテルに連れ込め、小学生は解放しろ」というスローガンを掲げて抗議行動を続けたが、警察に拘留された。それに対して、BCome小組のメンバーは、警察や婦女連合会に葉書を送って葉の釈放を求めた(写真:「声援叶海燕,寄出明信片 围观即是力量,表态亦能声援」2013年5月31日。また、本ブログの記事「海南万寧の女子小学生の性侵害事件と女性運動」参照)

艾さんは、「私たちは行動によって方向付けをするグループであり、《陰道之道》を社会運動として、その活動によってできるだけ社会を変えていきたい」(35)と語っている。

6.「演劇、コンシャスネス・レイジング、社会運動の三位一体」

(1)演劇の素人が演技をすることにより自己変革――艾可さんの場合

この点は、他の団体にも多かれ少なかれ言えることだが、Bcome小組については、とくに艾可さんらが自らの経験を詳しく書いておられるので、以下ご紹介する。

Bcome小組のメンバーには、公演の経験がなかった。しかし、戢航さんが小組を作った初志は、公演をすることではなく、創作と練習を通じてメンバーたちが自己を省みることだったので、演技に対しては特別の要求はなかった。艾可さんも、公演の中で磨かれたのは、演技だけでなく、身体と内心に対する自省だったと述べている。

艾さんは、演技の中で、身体がたえず自己解放されたという。「よがる」演技も、最初は非常に堅苦しいものだったが、掛け合いの中でリラックスし、観衆の反応が熱烈だったので、演じれば演じるほど熱が入り、伸び伸びとできるようになった。よがることは女性特有の表現で、エクスタシーと密接に関係しており、単なる悦びではなく、感情を晴らすことであり、言葉であり、力であり、抗争でさえあるという。最も重要なことは、そのよがりは、AVの中の男のご機嫌をとるための標準的な声ではなく、身体の中の別の一つの自己の存在だということだという(36)

艾さん自身は、BCome小組から得たものについて、以下のようにも述べている。艾さんの話は、2012年11月25日に北京地下鉄の車両内でフラッシュモブをして、「私のショートスカート」を演じたときのことから始まる。

私の身体は硬直し、表情は堅く、声は震えている状態だった。しかし、奇妙なことに、私たちが続けて4回演技したら、その4つの列車の車両の中で、私たちはみんなずっと興奮していたのだ。私たちが口を開き、第一声を上げたら、夢中になってやめられなくなった。このフラッシュモブの訴え――地下鉄の痴漢に反撃し、反DV立法1万人署名を促進すること――が私たちを興奮させたほかに、私は、これは、私が成人して以後、初めて公共空間で、みんなの前に立って、声をあげた――私はストッキングとショートスカートをまとって、大声で「私のショートスカートは、何も求めていない!」と大声で言った――のだということを発見した。それによって感じたことは言葉にしにくいが、私は力を持ったという感じがした。それまでの客体が何も恐れない主体に変わって、女性の身体が公共空間を占領したという誇りと解放を感じた。

私たちのグループは単なる公演グループではない。公演をするほかに、コンシャスネス・レイジングの過程で、感情の面で助け合う親密な関係を持っており、ずっとさまざまな社会運動にも参加している。最初から勇敢な人は誰もいない。もし愛すべき仲間たちのお互いの励ましとサポートがなければ、私たちは、舞台でも、大通りでも、公演やアクションはできなかった。

一回一回公演をし、その間にさまざまなアクションをやり、さまざまな生活の中での変革や自らに対する反省をするにつれて、私たちは舞台の上でも自信を持ち、勇敢になった。舞台に出て、女性の生活の経験を演じ、かつて発したことのない声を発したことは、深い解放であり、そのことは必然的に生活という舞台にも延長された。

もし《陰道之道》の創作と公演に参加していなければ、私は多くのことを知らなかっただろう。
・小学校の前に、マスターベーションによってエクスタシーを得ていたことを。
・この彼女も、あの彼女も、その彼女も、パートナーの有無にかかわらず、性的に独立した娘であることを。
・私のかつての長年の「性の悦び」は、実際は主体的に切り開いた情欲の空間ではまったくなかったことを。終始男の体の下で(姿勢とは関係ない)、客体的な受容者だった。私は自己を探索・発掘して、本当に性を魅力的な日常のこととして実践することを習得した。
・私は、月経によって女性が劣ったものにされる状況を脱し、事務室で大声でナプキンを借りるようになり、トイレに行くときも隠さなくなった。
・私は心から自分の身体を愛しはじめ、もうブラジャーによって乳房を高くしなくなった。
・たとえジェンダー意識とフェミニズム理論に啓発されても、自己の反省と解放は依然として絶えず進行するプロセスであり、絶えずさまざまな面から浸透する男権的生活世界に対して、敏感であり続けなければならない。

私は知らなかった。大学を卒業して3年後になっても、愛すべき友だちと仲間を得られることを。彼らは誠実で、熱心で、若く、勇敢で、自由である。同じ意識と信念によって私たちは一つに結びついている。(37)

(2)「演劇、コンシャスネス・レイジング、社会運動の三位一体」

Bcome小組は、2014年9月に新メンバーを募集したとき、自らについて「演劇の創作と上演、コンシャスネス・レイジング、社会運動が三位一体になった青年のボランティア団体」だと述べている(38)。Bcome小組の活動について以上でご紹介したことから、たしかにそのように言えることはおわかりいただけるのではないだろうか。

7.セックスワーカーを含む社会的に弱い立場の女性との連帯

すでに知和社、海狸社が、レズビアン、ゲイの妻(同妻)、トランスジェンダーを取り上げていたが、BCome小組は、トランスジェンダーやレズビアンに加えて、セックスワーカーという社会的に弱い立場の女性の問題を取り上げている。

2014年版の《陰道之道》の「セックスワーカー」という幕については、2013年4月、BCome小組が取材を開始し、9月には天津信愛セックスワーカーコミュニティに行って、みんなで[《陰道之道》の?]ビデオを見て、ワークショップをして共同で創作をし、草稿を2回書き、討論を数回して、脚本を確定したという(39)

さらに、2014年4月には、BCome小組は、北京の皮区の「新工人劇場」という農村からの移住労働者のための劇場に行って、最新版の《陰道之道》を上演した。この上演は、地区の労働者に開放して、入場券は不要とした(40)。このように、農村からの移住労働者との連帯もはかっている。

8.当局の検閲

艾さんによると、BCome小組の《陰道之道》も、厦門の某大学のグループが大学に上演の場所を使用する申請をしたところ、学校側に拒絶されたという。これまで《陰道之道》の上演をおこなうことができた大学はメディア大学だけであり、自分たちはもっと大学生のために上演したいのだが、こうしたタイプの演劇を大学でするのは難しいという。また、一般に、比較的大きな劇場では、上演の前に文化局に脚本の審査を受けなければならず、艾さんたちも申請したが、審査に通らなかったので、艾さんたちは、事前に審査を受けなくもいい劇場やバーで上演しているという(41)

9.他グループも、《陰道之道》の脚本を採用

たとえば、復旦大学の知和社の「性暴力(性侵害)」の部分のシナリオは、BCome小組のものを用いた(42)

また、後に述べるような反響を巻き起こした北京外国語大学のフェミニズム課程の女子学生たちにも、BCome小組は大きな影響を与えた。2013年10月21日、BCome小組は、北京外国語大学に行って、北外性別行動小組がヴァギナ・モノローグスを練習するのに協力したが、大部分の幕では、BComeが創作した《陰道之道》の脚本を使用したという。北京外国語大学の学生たちはとても熱心で、練習の過程でも、多くのジェンダーとセクシュアリティについての疑問を出したと書かれている(43)。さらに、11月30日と12月1日、BCome小組2.0メンバーが、《陰道之道》上演したが、その中の「婊」は、北外性別行動小組と共同で創作したものだった(44)

2013年12月には、汕頭大学の橘子社が汕大版《陰道独白》初演をおこなったが、これも、BCome小組の脚本を改編したものを使っている。ただし、翌年は橘子社オリジナルの一幕を加えており(45)、BCome小組のものを墨守しているわけではない。

このように、BCome小組の脚本と活動は、他の団体にも影響を与え、他の団体は(ときにBCome小組と共同で)それをさらに発展させているという関係にあると言えよう。

以上で述べたところから、BCome小組と《陰道之道》については、以下のことが言えるのではないかと思う。

10.小括

(1)《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の一つの到達点としての《陰道之道》?

BCome小組と《陰道之道》は、上で述べたように完全にオリジナル脚本を作ったこと、若者たちが完全に独立して活動していること、演劇の素人がコンシャスネス・レイジングなどの自己変革をしていること、街頭行動を含む社会運動とのつながりの強さなどにおいて、中国版《ヴァギナ・モノローグス》上演運動の到達点の一つを示していると言えるのではないかと思う。上演回数も多く、他団体でも上演されていることは、その影響力の大きさも示している。

また、BCome小組は、単に女性に対する性暴力に反対するだけでなく、「よがる(呻吟)」演技を顔を出しておこなったり、「自慰」を取り上げるなど、女性の性的要求も積極的に取り上げている。BCome小組がその流れに属する「フェミニスト行動派」の運動全体がそうであり、たとえば、それは「私はふしだらでもいいが、あんたのセクハラは許さない」というスローガンにそれは見られるし、彼女たちは「性のよろこび」にもたびたび言及している。また、「フェミニスト行動派」は、最初の街頭パフォーマンスアートがバレンタインデーに血染め(のように見える)ウェデングドレスを着てDV反対を訴えたことであることに見られるように、ロマンティック・ラブには批判的である。

また、セクシュアル・マイノリティやセックスワーカーとの連帯がはかられている点も重要だ。

また、「性暴力」の箇所での強姦犯と「月経」の箇所でのトランスジェンダー(MtF)を、(生物学的意味での)男性が演じたことは、劇への男性の登場という意味で興味深い。

(2)当初の中国版上演および、その後の展開にも含まれていた試みの発展

ただし、一‐3、4で述べたように、2003年に初の中国版《ヴァギナ・モノローグス》を上演した際から、それを中国に根差したオリジナルなものにする実践は始まっており、中国内部の差異についても目が向けられていた。

また、2003年の上演も、DV反対ネットワーク主催であり、黄静事件に対する取り組みのような社会運動とも結びつけられていた。また、出演者が、自分の身体についての認識を新たにするなど、意識変革もなされていた。

また、艾暁明さんや卜衛さん、陳明侠さんは、当初から、《ヴァギナ・モノローグス》のテーマには、単に女性に対する暴力に反対することだけでなく、女性の性や身体、欲望を肯定することが含まれていることに注目していた。また、卜衛さんは、V-Dayの運動がバレンタインデーを起点としており、親密な関係の間の暴力を問題にしていたことに注目していた。

さらに、卜衛さんは、《ヴァギナ・モノローグス》のような演劇などの創造的な活動は、若い人々を引き付けることにも注目していたが、フェミニスト行動派の活動は、BCome小組の活動と密接に結びついて展開してきたし、その活動手法の最大の特徴である街頭パフォーンスアートはまさに若い人々が創造的に作り上げたものだった。

また、トランスジェンダーを含むセクシュアル・マイノリティを取り上げたのも、けっしてBCome小組が初めてではなく、少なくとも知和社、海狸社がすでに取り上げていた。また、艾暁明さんの「ジェンダー教育フォーラム」自体が、セックスワーカーまで含めたセクシュアリティの問題や多様性を志向していたことも見逃してはならないだろう。

また、BCome小組が男性を位置付けたといっても、それは2003年に艾暁明さんが述べた意味では女性を主役にしつつも、そのうえで男性を登場させたという意味では2003年版のある種の発展と言えるように思う。

とはいえ、もちろんBCome小組が、より若者が中心になって、より主体的に社会運動をしたことや、若者たちが脚本づくりの過程から主体性を発揮し、その過程からコンシャスネスレイジングをしていたこと、街頭行動をしたこと(公共の場で演じたインパクトについては艾可さんの文を見ても明らかである)、セクシュアル・マイノリティに加えて、セックスワーカーとも共同で脚本を作ったことなどの意義は大きいと言えよう。

五 山泉劇社の《将陰道独白到底》

2003年に《ヴァギナ・モノローグス(陰道独白)》を初めて上演した中山大学ジェンダー教育フォーラムは、2013年に、その10周年を迎えようとしていた。2003年は《陰道独白》の監督の一人だった宋素鳳さんは副教授になり、ジェンダー教育フォーラムの責任者にもなっていた。また、当時学生だった柯倩婷さんも、中山大学の副教授になっていた。2人は、《陰道独白》を新たに上演することに決め、2012年12月、劇組を作った。

1.学生たちが取材をして脚本を作成

2人が学生たちに前回の上演の記録を見せると、反応は非常に良かった。しかし、当時とは性意識が変化したこともあり、月経や初潮、性抑圧などの箇所はあまりピンとこないようだった。そこで、もう一度取材をすることに決めた(46)

2人は4カ月の時間をかけて、学生たちに《ヴァギナ・モノローグス》を上演する意義や、異なる年齢・学歴の女性からも話を聞くことの意義を教えた。2人は、ワークショップなどもおこなって、学生たちに取材の方法についても教えた(47)

その後、30人余りの学生が各地で取材をおこなった。多くの学生たちは、避妊のために「リングを付けた」際の傷害(中国では、多くの農村で、避妊の方法としてIUD装着または卵管結紮が一律に女性に強制されているうえ、中国国内で使用されているIUDの製品の質の低さ、取り扱う末端の人員の教育の不十分さ、IUDを装着した後のアフターケアがないことなどのために女性の身体が傷害を負っている。この件については、本ブログの記事「計画出産政策における女性の人権侵害に対するさまざまな抗議」参照)について驚いた。性抑圧に関しては、暴力を振るわれた経験や女性同性愛者の苦悩についての話などが集まった(48)

2.完全にオリジナルな脚本にし、劇の名称自体も変更

2013年4月12日、彼女たちは、《将陰道独白到底》を中山大学の中国文学専攻の中文堂で上演した。「脚本はもう直接の訳本ではなく、まったく新しい本土化した創作」(49)になり、名称も、《陰道独白》から《将陰道独白到底》(「将」は、「~を」という意味なので、「とことん陰道独白」「徹底的に陰道独白」といった意味であろう)に改めた。

また、中山大学ジェンダー教育フォーラムの「『将陰道独白到底』劇組」という名称も、のちに「山泉文化芸術劇社(山泉劇社)」と改めた。

3.中国女性のライフサイクルに沿った脚本、社会的事件にも対応

4月12日の上演の構成は、以下のようであった(50)

1.陰道之歌(オリジナル)
2.私は大きくなった (遠山注[以下同じ]:初潮の話)(オリジナル)
3.私は私の女児が心配だ (母親の女児に対する期待と心配の話)(オリジナル)
4.しいっ、怪獣が出没する (セクハラの話)(オリジナル)
5.No! 私は言わなければならない (性暴力の話)(オリジナル)
6.殴るな! (暴力の話)(オリジナル)
7.彼を殺した。私は話をしたくない。(DVが原因になった夫殺しの話)(オリジナル)
8.婚前恐「リング」症 (IUD装着強制による身体に対する傷害の話)(オリジナル)
9.男の子、それとも女の子? (出産における男児選好の話)(オリジナル)
10.モノローグは一つじゃない。(オリジナル)

《将陰道独白到底》の核心は、中国の女性として、中国で生まれ育つことだという。誕生して、成長し、ボーイフレンドまたはガールフレンドと恋愛をし、結婚すべきかどうかに悩み、結婚した場合は、産児制限や出産の問題にぶつかる。そうしたライフサイクルの枠組み用いて、実際にあった話を脚本の基礎に置いたという。それとともに、現今の社会的事件、たとえばKimがDVの被害に遭った事件、宋山木グループの総裁・宋山木によるセクハラ事件、李彦がDV夫を殺した事件にも応答するような内容にした(51)

4.農村でも取材して、農村女性の出産をめぐる苦悩を演じ、広東語に翻訳して農村でも公演

2013年7月8日~9日には、劇組の9人が珠海斗門新村に行って、村民たちの前で公演をおこなった。劇組は、劇中の標準語をあらかじめ広東語に翻訳してから、上演した。

出発前、劇組の女性たちに対して、「農村でこんなタイトルの劇をして、村民たちに殴られるのが怖くないのか?」と尋ねる人もいた。しかし、村に行ってみると、むしろ都市と違って、農村の男たちは自然に「陰道」と言っており、女性たちは驚いた。

演じたのは、「婚前恐『リング』症」と「男の子、それとも女の子?」という、農村の女性の出産に関する箇所だった。

「婚前恐『リング』症」は、カップルが結婚についての話す中で、IUDによって生じるかもしれない後遺症を心配しつつ、それを避けようとすれば政策の隙を見つけなければならないという状況を語るものだ。

「男の子、それとも女の子?」は、二人の農婦が登場する。男児選好の習慣によって、1人は、4人女児を産んだのに、そのうち3人を野菜市場などに置き去りにするなどして捨てた。もう1人は、8回続けて女児しか生まれなかったので、息子が生まれるまで、9人もの子どもを産み続けなければならなかった。

《将陰道独白到底》の中の多くの話は、上演した村では、極めて自然に、身近にも起きている多くの女性も体験している真実として受け止められた。こうしたことは都市の人には理解しにくい。たとえば、続けて8人休みなく出産したために、子宮が膣から飛び出す「子宮脱」になったり、女性のIUDが身体に食い込んで臭気を発し爛れるといったことは、都市の人にはものすごく極端な否定的事例だと思われる。しかし、劇団のメンバーは、村で上演の次の日には、連続して9人女児を産んだ事例は他にも実際にあったという話を聞いたりしている。

ただ、劇団の女性たちは、村民たちが劇の途中で自由に出入りするなど、観劇の習慣の違いにはいささか驚いた。また、村民は、現代的な劇には慣れておらず、複雑な「言外の意」を読み取ることが必要な箇所は十分理解されなかったといった齟齬はあった。そうした点については、劇団の女性たちは、農村の習慣は尊重しつつも、自分たちのセリフなどに改善すべき点があると考えたようだ(52)

5.当局による検閲

2014年4月3日には香港中文大学、4日に香港大学でも公演をした(53)。そして、4月28日には、中山大学城校区明徳学生活動センターでの公演をすることになり、すでに許可も得て、前日の午前中には使用料金も納めた。しかし、その午後、許可が取り消された(54)

6.小括

山泉劇社の《将陰道独白到底》も、BCome小組の《陰道之道》同様、まったくのオリジナルの脚本を作成し、劇のタイトル自体を変えたという点が共通している。BCome小組も山泉劇社も、公演が取り消されたことがあることも同じである。

ただし、オリジナルな脚本の作成のやり方や劇のモチーフには相違もある。

また、山泉劇社の場合は、農村でも取材をして出産の問題を取り上げて、農村でも公演をおこなったという点が、大きな特色である。

また、2003年の中山大学での上演も、すでにオリジナルな内容として、農村の「子捨て」問題を扱って、農村女性の出産とジェンダーの問題を取り上げていた。山泉劇社は、それをさらに発展させたとも言いうる。

六 北京外大ジェンダー行動グループの「私のヴァギナは言う」活動への攻撃

1.授業の課題として《陰道之道》上演

北京外国語大学の教員の李今朝さんは、「ジェンダーと社会」課程の中で、《ヴァギナ・モノローグス》の上演を学生たちの課題にした。李さんがその上演を課題にした目的は、学生に、その中の概念・理論を、生活の中の現実・体験と結びつけさせ、生きた学習方法を開拓させたかったからである。また、より多くの人にフェミニズムの問題について考えてほしかったからである。その際、李さんは脚本として、英語の翻訳版ではなく、中国の現在のコンテクストに合っているという理由から、BCome小組が作成した《陰道之道》を選んだ。

この公演は、2013年の北京外大の女子学生節の一部であり、主催機関は大学の共産主義青年団の委員会であり、共催が学生会の女子学生部であった。劇の名前や脚本、公演の時間と場所についても、事前に共産主義青年団の委員会と学生会が審査し、それらの許可を得ていた。

2.学生たちの活動とそれに対する攻撃

学生たちは、劇の宣伝のために、「人人網」というウェブサイトに「北京外国語大学ジェンダー行動グループ(北外性別行動小組)」と命名したサイトを開設して、劇の背景やポイントを説明し、劇のセリフや練習の日誌を掲載した。その一環として、11月4日、17人の学生が、それぞれ白いボードの上に、たとえば以下のような、「私のヴァギナは言う」と題したセリフを掲げた写真を掲載した。
「私のヴァギナは言う:自由を!」
「私のヴァギナは言う:尊重を!」
「私のヴァギナは言う:私が入れるものならば、何でも入れる」
「私のヴァギナは言う:初夜はクソ(屁)である」
「私のヴァギナは言う:私はみだらでもいいが、あんたのセクハラは許さない」

11月7日の公演自体は無事に終わった。

しかし、同日、「成都全捜索」というサイトが、女子大学生の発言の中から、わざと「私が入れるものならば、何でも入れる」「初夜はクソ(屁)である」といった、異論が多そうなものを掲載した。そのサイトは、それらが《ヴァギナ・モノローグス》の中のセリフであることや「ジェンダー行動グループ」によるものであることも説明せず、単に「北京外大の女子学生」の発言として囃したてた。

それは多くのサイトに転載され、その結果、あくどい攻撃や悪口が氾濫した。最も多かったのは女子学生の容姿への攻撃だった。次に多かったのが、「恥知らず」といった性道徳についての攻撃だった。

11月8日、そうした攻撃に対抗して、フェミニストNGO「女性メディアモニターネットワーク」の「女権之声」の微博が、新しい一連の「私のヴァギナは言う」と題する写真を発表した。それは、同ネットワークの職員やBCome小組のメンバーが発表したものであり、女子学生たちに声援を送ることを意図していた。週末には、さらに多くの写真を発表した。男性も「あなたのヴァギナが言えば、私はまじめに聴く」「ヴァギナへ:あなたの言うことを聴くだけでなく、あなたと父権の枷を打ち破りたい」といったメッセージを寄せた(55)

3.事件についての艾暁明さんの評論

中国で最初に《ヴァギナ・モノローグス》を上演した艾暁明さんは、おおむね次のように述べた(56)

女子学生たちが掲げたスローガンは、みな女性の意志――性を含めた生活の各面における自主権を主張するものであり、本来常識であるべきことだ。しかし、ミソジニー文化が社会に存在しているため、彼らは、女性の声を「本能」的に排斥するのだ。

「私のヴァギナは言う:私が入れたいものを入れる」などの言葉は、不意に聞けば唐突だし、デタラメなものと見なされやすい。しかし、その背景には文化的立場があるのであり、そうした立場に立たず、そうした視点で考えない者には、デタラメなものだと感じられるのだ。

「私の手足については、私が決める」と聞いても、デタラメだとは感じないのに、「私のヴァギナについては、私が決める」と言うと、彼らは奇妙に感じる。私たちは、「ヴァギナはそれを持っている人が決めないのならば、他の人によって決められなければならないのか?」と反問する。

なぜ私たちのこの社会にこんなに強姦と性暴力が多いのか? それは、「ヴァギナは戦利品であり、生まれつき他の人の捕虜にならなければならないものだ」という普遍的な前提があるからだ。

ヴァギナの劇を上演するのは小さなことで、一つの劇にすぎないだろうか? しかし、小さなことではないとも考えられる。私たちには、この社会がこんなにも女性の声を拒否していて、女が自分の話をするのをこんなにも聞きたくなくて、こんなにも、女が性や自分の身体の一部をはっきりと口に出すことを嫌がっているということがわかる。

《ヴァギナ・モノローグス》は「自由な性」と「暴力的な性」という2つのテーマに関わっており、多元的な性にも関わっている。「ヴァギナ」という文字だけを捉えてはならず、脚本と劇を見なければならない。空中戦の討論は具体的な文脈を離れて、本質を歪曲しやすい。

4.「処女と妓女は姉妹である」というスローガン

学生たちに対する非難・攻撃の中に、「人と動物には区別がある! もしどうしても主張しなければならないのならば、妓女がやらなければならない」というものがあった。

それに対して、BCome小組の「小五三三」さんは、微博で、「妓女でなければヴァギナの物語がないのではない。『物傷其類』[=動物が、同類が不幸にあったら悲しむこと。転じて、人が、仲間が打撃を受けたために悲しむこと]という、道理を同じくし運命を共にするという同情の心、『処女と妓女は姉妹である』という女性の情誼、『女に祖国はない』という豪壮な気持ちが、度量が狭い人にどうしてわかろうか」と応答した(57)

この発信は、かなりの人に転載され、知られるようになった。

翌年2月、中国中央テレビが広東省東莞で売買春が蔓延している状況を放送したとき、多くのセックスワーカーの顔がわかる画像を放映した。それに対して、北京・武漢・広州の街頭で若い女性が、3~5人ずつ、「セックスワークも仕事だ。セックスワーカーにも尊厳がある」というプラカードを掲げ、モザイクをかけた顔写真のお面をかぶって、画面にモザイクをかけるよう訴えた(写真→「情人节北广武多地女青年上街呼吁:请给性工作者打上马赛克」女声网2014年2月14日[来源: 邮件])。その際、この活動をおこなった猪西西さんと酸小辣さんは、北京外大の事件に際して「処女と妓女は姉妹である」というスローガンが強調されたことを語っている(本ブログの記事「東莞のセックスワーカーに対するメディアなどの人権侵害についてのフェミニストらの抗議」も参照)。

以上の点から見ると、この北京外大の女子学生の活動とそれに対する反撃は、処女と妓女というふうに女性をを分断する発想を批判する上でも意味があったと言えそうだ。

七 フェミニスト活動家5女性刑事拘留後の活動

2015年3月~4月、フェミニスト行動派の活動家5女性が刑事拘留されるという事件が起きた。このときには、イヴ・エンスラーも、「One Billion Rising」という女性に対する暴力に反対する団体が、弾圧を批判し、中国大使館前での抗議を呼びかけた声明に加わった(58)

5人は釈放されたが、その後も中国のフェミニズム運動は、刑事拘留前に比べて活動が困難になったことは否めない。《ヴァギナ・モノローグス》上演活動も、一時は沈滞したようだ。

1.BCome小組

BCome小組は、2015年7月16日に公演をおこなったが、それは、北京フランス文化センターというフランス大使館管理下の施設においてであった。また、この夏の公演はこの1回だった(59)

しかし、9月26日には、BCome小組は新メンバーを募集している(60)。その後、同小組の微博は、新メンバーを加えての活動を毎週報じはじめた(61)。今年になってからは脚本の創作活動も報じており(62)、さらに新しいバージョンを作ろうとしているようだ。

また、2015年11月14日のBCome小組の微博では、「現在、反逼婚(家族や社会からの結婚強要・結婚催促に反対すること)クラウドファンディングを討論している」と述べられており(63)、2016年の新メンバー募集の広告にも、「今年、私たちはクラウドファンディングをして、中国史上初めて、北京で最もにぎやかな地下鉄の駅に反逼婚公共広告を掲示した」(64)と書かれている(この運動に関しては後述)。

このように、BCome小組は、現在も上演活動を進めつつ、社会運動にも関わっている。

ただし、権力などに対する警戒は怠っていないようだ。今年7月23日と24日の公演がネットで予告されたが、場所に関しては「申し込みが成功した後にショートメールの形で通知する」となっていた(65)。この公演は成功したようで、24日には観客たちと出演者がおおぜいで交流する写真を掲載しているが、それを見ると、北京LGBTセンターの文字とシンボルマークが見える(66)

2.知和社、山泉劇社

知和社や山泉劇社も、新しくメンバーを募集している。

2016年3月、知和社がメンバーを募集し、その中で毎年の活動として《陰道独白》上演を挙げている(67)

山泉劇社も、2015年11月、メンバーを募集している。その中で、自らは「演劇によってジェンダー平等+コミュニティ活動」をするグループであり、「女性」「フェミニスト」「セクシュアル・マイノリティ(LGBTQ)」のどれかにあてはる人を優先するとしている(68)

3.広州のF女権小組(Fフェミニストグループ)

F女権小組とは、「広州の最も酷(クール)で婊(bitch)なフェミニストグループ」を自称しており、「FとはFeministであり、FとはFuckである」という(69)

F女権小組は、最初は、2015年10月に、肖美麗さんがメンバーを募集して作ったようだ。その際には、「F女権小組」は「主に演劇と文化活動をつうじて、ジェンダー理念を伝達し、自我の成長といささかの変革の実現を望むフェミニズムグループである」と述べられおり(70)、やや社会運動については控え目ながらも、BCome小組と同様[三位一体」の活動をめざしているように見える。

実際、2015年10月、BCome小組の微博が新メンバーを募集したとき、多くの人から「北京在住ではないけれど、どうやって参加すればいいのか?」という私信が来た際、それに対してBCome小組の微博は、「広州の若者たちが加入しているF女権小組を公に推薦する」と回答している(71)

F女権小組は、2016年1月23日、《陰道之道》の公演をおこなった。その際の構成を見ると、BCome小組の《陰道之道》と同じく、「自慰教室」「セックスワーカー」「婊」などの一幕がある。F女権小組の脚本も、すべて実際にあったことをアレンジしたものだそうだ。

「セックスワーカー」の一幕は、貧困のためにセックスワークをさせられている女性ではなく、金を早く稼いで、自分の生活を変えるためにセックスワークをしている女性が出てくる。しかし、彼女たちも、すべてのセックスワーカーと同様、客の暴力(強姦、殴打、強盗)にあっている。しかも、それを警察に届け出たら、逆に「収容教育」によって半年間強制労働をさせられる。これらは、マスコミが報じない情報だ。

ただし、BCome小組バージョンと違って、F女権小組バージョンは、新しく発表された二胎政策(夫婦に2人目の出産を認める政策)を扱った一幕を増やしたという(72)

同年7月には夏季公演もおこなっている。

また、F女権小組は、「深圳緑色薔薇女工サービスセンター(深圳绿色蔷薇女工服务中心)」という、女性労働者の中でも周縁的地位にいる女性たちを支援するソーシャルワークをするNGOに出かけて、女性労働者の演劇のワークショップもしている(73)。このように、立場の弱い女性と結びつく努力もしているようようだ(73)

また、先にも少し触れたが、2016年3月、F女権小組は、広州地下鉄の駅に痴漢反対の公益広告を出すためのクラウドファンディング始め(4月27日までに3.8万元集める)、4月28日に、3人の青年が広州市交通管理委員会陳情事務局に痴漢反対の宣伝をするよう申し入れ、自作のポスターを提案した(「本ブログの記事「広州地下鉄にクラウドファンディングによって痴漢反対ポスターを掲示する試みなど――2016年の女性たちの公共交通での痴漢反対運動」参照)。

その他にもF女権小組は、読書会、映画鑑賞会、パーティー、サロンなどさまざまな活動をしている。

4.Vagina Project

2016年3月には、陳瑶(青陽)さんら3人が「Vagina Project」という活動を始めた。彼女たちは、60人余りのさまざまな教育水準、さまざま年齢、さまざまな職業、さまざまな性的指向の女性とトランスジェンダーに取材して、陳瑶さんが《陰道説(ヴァギナは言う)》という脚本を書いた。

これも、すべて中国の実際の話にもとづくオリジナルなものである。具体的内容は不明だが、以下の8幕からなる(74)

「私のヴァギナは桃源郷だ」
「私のヴァギナは灰桃色だ」
「私のヴァギナは湿気が多い春だ」
「成人用品店と葬儀場」
「ヴァギナとヴァギナのシュールレアリスム」
「飛び回るベッド」
「私は彼女がほしい(ほしくない)」
「私は熱帯雨林でヴァギナをさらす」

「Vagina Project」に加入した大学の団体または学生は、その脚本の使用権を得ることができるという。すでにこのプロジェクトには、精華大学Purple、復旦大学知和社、北京大学ColorsWorld、浙江大学杭州クィアフォーラム、中山大学レインボー小組、寧波ノッチンガム大学Diversity、北京理工大学クィアビットが参加している(75)

2016年12月9-11日には、北京大学生Fringe芸術祭の中のイベントとして、北京の間隔年小劇場で公演がおこなわれた(76)

以上、全体として、《ヴァギナ・モノローグス》上演運動は、行動派の五女性の刑事拘留の後も活発さを取り戻しているように見える。むしろF女権小組やVagina Projectのような新たな活動が始まっている。

おわりに

以上より、2003年から始まった中国版《ヴァギナ・モノローグス》上演運動は、その後、さまざまな面で新しい発展してきたこと、その中には2003年当初からの志向を継承している面もあることがわかる。原作を乗り越えて、中国に根差したものにしたこと、農村、セックスワーカー、セクシュアル・マイノリティにも注目すること、芸術家の演劇ではなく、コンシャスネス・レイジングや女性運動と結びついたことなどが特に注目される。担い手は劇団によって異なるが、大学の教員や学生、若い女性たちがそれぞれ力を発揮している。

上演運動に際しては、当局がしばしば干渉し、北京外大ジェンダー行動グループのように攻撃を受けるようなこともあった。しかし、それらの干渉や攻撃があることは、上映運動の意義を示しているとも言える。こうした干渉や攻撃の中でも上演運動は前進しており、フェミニスト活動家5女性刑事拘留事件後に女性運動が下火になった中でも、必ずしもその勢いは衰えたとはいえず、継続されている。

こうした上演運動の発展は、中国の女性運動にも、セクシュアリティの問題への注目や女性の性的主体性の強調といった面でも影響を与えていると考えられる。

なぜこのように中国では《ヴァギナ・モノローグス》上演運動が発展したのかという問題も重要だろう。

なお、以下のイベントもあります!!

「私のアソコには呼び名がない!ー中国版〈ヴァギナモノローグ〉から私たちへ―」
日時:2016年12月19日18時半―21時
場所:ウィングス京都
・『来自阴道~The VaChina Monologues』(日本語字幕付)上映
・お話:柯倩婷(山泉劇社プロデューサー)
・コメント:あかたちかこ・遠山日出也
・コーディネート&通訳:熱田敬子
・司会:元橋利恵
・ワークショップもやります。
詳しくは下をクリック↓
https://www.facebook.com/events/933414826802546/


(1)ジェンダー視点だけでなく、セクシュアリティに関する権利の観点を強く打ち出した女性で、1994年の台湾での反セクハラデモの際に「私が欲しいのはオーガズム、セクハラは要らない」というスローガンを唱えたことでも知られる。日本でも、何春蕤著、舘かおる・平野恵子編、大橋史恵・張瑋容訳『「性/別」攪乱―台湾における性政治』(御茶の水書房 2013年)が出版されている。私も『女性学年報』第37号(2016年)に同書の書評を書いた。
(2)全球女权主义口述史访谈 艾晓明(PDF)」the Global Feminisms Project at the University of Michigan(密西根大学全球女性主义项目)より。
(3)米晓琳・卜卫「“诉苦”与愉悦――关于反对性暴力戏剧《阴道独自》的对话」卜卫・张祺『消除家庭暴力与媒介倡导:研究见证与实践』(中国社会科学出版社 2011年)286、290-291頁。
(4)以上は、「女权神剧《阴道独白》中文版十年」凤凰网2013年8月2日(来源:中国新闻周刊)。
(5)张祺・庞明慧「工作札记2 重新想象女性的身体:从“V”的独白到“阴道”独白」卜卫・张祺『消除家庭暴力与媒介倡导:研究见证与实践』(中国社会科学出版社 2011年)314-316頁。
(6)以上は、前掲、张祺・庞明慧「工作札记2 重新想象女性的身体:从“V”的独白到“阴道”独白」314-315頁。
(7)以上は、前掲「女权神剧《阴道独白》中文版十年」。
(8)前掲、米晓琳・卜卫「“诉苦”与愉悦――关于反对性暴力戏剧《阴道独自》的对话」294頁。
(9)前掲、张祺・庞明慧「工作札记2 重新想象女性的身体:从“V”的独白到“阴道”独白」315頁。
(10)前掲、米晓琳・卜卫「“诉苦”与愉悦――关于反对性暴力戏剧《阴道独自》的对话」297頁。
(11)以下の年表は、主に荣维毅「《阴道独白》中国大陆演出十年记」(荣维毅的博客2013年5月21日)とLei Ma「《阴道独白》在中国的十年」(荷兰在线2013年7月17日)をよりつつ、適宜、他の資料から補足をおこなって作成した。
(12)注記のない個所については、「《阴道独白》中国大陆演出十年记」(荣维毅的博客2013-05-21)における栄維毅の指摘、およびLei Ma「《阴道独白》在中国的十年」(荷兰在线2013年7月17日)におけるLei Ma記者と艾可・戢航の指摘にもとづく。
(13)阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日。
(14)前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日。
(15)卜卫「青春无敌:从上海再出发」卜卫・张祺『消除家庭暴力与媒介倡导:研究见证与实践』(中国社会科学出版社 2011年)318頁。
(16)以上は、「同性恋社团生存记录:社员多是同志 期待平等目光」2011年07月18日 11:43(来源:瞭望东方周刊)、「低调知和社:推广两性文化的高校同性恋社团」2011年07月19日 13:09(来源:瞭望东方周刊)。この2つの記事は、内容は同一だが、タイトルが異なる。また、後者には写真がある。
(17)学生社团的角色和影响——复旦大学知和社的主要活动和成就」知和社2008年12月8日 14:08:36
(18)招新 | 重新关注性别、性向的意义」复旦大学知和社2016年3月11日 13:10:16。知和社は、2015年の第二回目の公演では、あらためてイブ・エンスラー自身の脚本に立ち返っているが、その際も、すべての幕に修正を加えている。さらに「ブルカの中で」に関しては「欧米中心主義の傾向が比較的強い」という理由で採用していない(「复旦大学知和社《阴道独白》2015β版剧本」复旦大学知和社的微博2016年1月30日 11:40:28)。
(19)前掲「同性恋社团生存记录:社员多是同志 期待平等目光」「低调知和社:推广两性文化的高校同性恋社团」。
(20)前掲「学生社团的角色和影响——复旦大学知和社的主要活动和成就
(21)以上は、「【记者即时播报】女性先锋话剧《阴dao多云》沪上演出引热捧」解放牛网2012年4月16日。
(22)前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日。
(23)2015.9.5 北京798空间站 OPEN行为艺术节 《阴道之道》即将上演」Bcome小组 2015年8月29日 17:05
(24)前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」。。
(25)女权青年在行动」苏州LESGO小组的微博2013年6月26日。
(26)《阴道之道》来了!」西安Relax同学社的微博2014年5月21日 22:10。
(27)前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」。
(28)前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」。
(29) BCome小组的微博2013年10月20日 09:21
(30)以上は、艾可「《阴道之道》、BCome和我」酷拉时报 Queer Lala Times2013-07-12 17:42:22「『よがる(呻吟)』は、従来のバージョンでは、顔を出さずに声だけを出していたのを、二人の掛け合いにして、笑いを誘うようなものにした」という箇所のみは、前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」による。(31)前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」。
(32)女权之声的微博【国际除暴日:女权之歌首发】2013年11月25日 11:01、「听!女人在歌唱!」女声网2013年11月28日、吕频 「女权主义需要自己的运动之歌 解读《你是否听到女人在歌唱》」女声网2013年11月28日。
(33)なぜこの3人のコスプレをしたかについては、参加者は「今回コスプレをした3人の姿は、完璧な愛情の童話の主人公だったり、セクシーさ・美しさの象徴だったりするけれども、たとえそうした女性でも、実際はジェンダー暴力の被害にあっている。白雪姫の物語は、女性は救われるというイメージで、王子と『それから幸せに一緒に暮らしました』となっているが、もし白雪姫が王子に暴力を振るわれたとしても、白雪姫は殴り返す力をまったく持っていない。現実においても、暴力を振るわれている女性の多くは、経済的に支配されているので、逃げ出せない。モンローには、前の夫に暴力を振るわれたという記録があり、表むきは華やかだったが、心の中は辛く苦しかったのだ。私たちがこのような姿でDV反対の歌を歌ったのは、親密な関係の暴力はいかなる女性の身にも起きる可能性があることであり、遅れた地区や知識水準が低い家庭の中にだけ暴力があるのではなく、都市やインテリの家庭の中にも暴力が存在することを皆さんに知ってほしかったからだ」と語っている(「女大学生地铁cosplay 呼吁关注反家暴立法」女声网2014年12月2日)。
(34) Bcome小组的微博2015年11月26日 16:41
(35)前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」。
(36)以上は、同上。
(37)艾可「《阴道之道》、BCome和我」酷拉时报 Queer Lala Times2013-07-12 17:42:22。
(38)「又要招新啦!!」BCome的微博2014年9月6日 20:49
(39) Bcome小组的微博2013年9月16日 12:20、Bcome小组的微博2014年2月16日 23:58
(40) Bcome小组的微博2014年4月11日 09:12、肖美腻的微博2014年4月12日 18:10
(41)以上は、前掲Lei Ma「《阴道独白》在中国的十年」。
(42) Bcome小组的微博2013年6月11日 23:19
(43) Bcome小组的微博2013年10月21日 01:18
(44) Bcome小组的微博2013年12月3日 00:13
(45)以上は、汕大橘子社的微博【阴道独白演员招募│Q&A】2014年10月8日 23:07
(46)以上は、前掲「女权神剧《阴道独白》中文版十年」。
(47)前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日。
(48)前掲「女权神剧《阴道独白》中文版十年」。
(49)山泉剧社的微博 2013年4月18日 01:07
(50)公民社会猪肠粉2013年4月13日 11:20
(51)前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日。
(52)以上は、「2013年08月11日 珠海斗门下乡演出」阴道独白剧组的博客2013年8月11日 00:15:01。
(53)山泉剧社的微博2014年4月8日 00:26
(54)4月28日演出取消声明」阴道独白剧组的博客2014年4月27日 22:28:21。
(55)以上は、前掲「阴道大声说——作为性别教育的独立话剧之路研讨会 会议记录」妇女传媒监测网络2013年12月5日、「“我的阴道说错了什么”――女大学生宣言风波」『女声』第140期(2013.11.19)(word)、「“我的阴道说”」女声网2013年11月12日 (来源: @女权之声)。
(56)艾晓明谈“我的阴道说”————艾晓明谈“我的阴道说”风波及中国民间女权运动 」妇女传媒监测网络2013年11月11日。
(57)小五三三的微博2013年11月10日 18:30
(58)UPDATE: Global Activists Demand The Release Of Our Sisters In China,3 April 2015、吕频「阴道独白作者再为中国女权姐妹发声」2015年4月7日 06:10。
(59) Bcome小组的微博2015年7月8日 21:21
(60)BCome小组招新啦」离悠 9月 26, 2015
(61) Bcome小组的微博2015年10月17日 14:06、Bcome小组的微博2015年10月24日15:29、Bcome小组的微博2015年10月31日14:19など。
(62) Bcome小组的微博2016年3月12日 15:01、Bcome小组的微博2016年3月19日 14:30。3月19日には「ジェンダーと鬱」をテーマにしているが、これは、前年10月に出発した黄葉さんの「直男癌(異性愛者の男に見られる男性中心主義という病理を意味する)に抗する、うつ病女性のフェミニズムウォーク」(本ブログの記事「林鯨らの『性暴力反対・海南島一周自転車ツアー』と黄葉らの『直男癌に抗する、うつ病女性のフェミニズムウォーク』(北京~広州)」参照)と関係しているのかもしれない。
(63) Bcome小组的微博2015年11月14日 14:44
(64)前掲「《阴道之道》7月演出售票
(65)同上。
(66) Bcome小组的微博2016年7月24日 16:41
(67)招新 | 重新关注性别、性向的意义」复旦大学知和社2016年3月11日 13:10:16
(68)WANTED | 山泉剧社招新啦!! 」2015-11-30 ForVaginasSake
(69)以上は、F女权小组「广州最酷婊的女权小组要招新啦~」女权之声的微博2016年9月12日 14:17:09
(70)一个神秘的女权小组开始招人啦! 」2015-10-22 F女权小组 削美丽
(71) Bcome小组的微博2015年10月26日 09:09
(72)以上は、「看见阴道,看见女人——F小组版《阴道之道》广州首演」 新媒体女性2016年1月31日 09:57:53
(73)以上は、F女权小组「广州最酷婊的女权小组要招新啦~」女权之声的微博2016年9月12日 14:17:09
(74)12月《阴道说》@间隔年小剧场,开票了!!!」Vagina Project的微博2016年11月20日 15:12:39
(75)Vagina Project│灰粉色运动!」Vagina Project的微博2016年6月19日 14:06:34 。
(76)前掲「12月《阴道说》@间隔年小剧场,开票了!!!」。
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://genchi.blog52.fc2.com/tb.php/482-297a6c1f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

プロフィール

遠山日出也

Author:遠山日出也
 検索から来られた方へ:このブログの記事を分類した一覧である「『中国女性・ジェンダーニュース+』記事総覧」を見ていただくか、下の「カテゴリー」欄を使われると、関連情報がご覧いただきやすいと思います。最近の行動派フェミニストについては、「中国の行動派フェミニスト年表、リンク集」をご覧ください。
 また、「中国女性・ジェンダー関係リンク集」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。
 恐れ入りますが、スパム対策などのため、コメントは私が拝見した後で表示させていただきます。
 私への連絡はtooyama9011あっとまーくyahoo.co.jpまで。

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

最近のコメント

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード