2017-02

「2013年中国10大セクシュアル・マイノリティニュース」

中国では、近年、年末になると、ゲイサイト「淡藍網」などが、セクシュアル・マイノリティに関する「10大ニュース」を発表するようになったが(本ブログの記事「2007~2009年の各年の中国10大セクシュアル・マイノリティニュース」「『2010年中国10大同性愛ニュース』」「『2011年中国10大セクシュアル・マイノリティニュース』」「『2012年中国10大セクシュアル・マイノリティニュース』」参照)、昨年(2013年)末も、同様に「10大ニュース」が発表されたので、それらをご紹介する。

一 淡藍網による10大ニュース

12月9日、「淡藍網」が、以下の「10大セクシュアル・マイノリティニュース」を発表した(「淡蓝网盘点:2013年中国十大同志新闻」淡蓝网2013年12月9日)。

1.「2人のお年寄り」楊さんと何さんが、友人とネット上の友人が証人になって結婚した

北京のお年寄りのゲイカップルが1月30日、同性婚をおこなったが、その一人の息子が暴力的に乱入した。しかし、2人は愛を固く守ると言った。

楊さんは退職した教師で、何さんはお茶を配達する労働者だったが、お互いに「小宝」、「大宝」と呼び合ってきた。二人が「二人の年寄りの愛情(两个老头的爱情)」というアカウントで、微博(中国版ツイッター)を始めると、楊さんと何さんは話題の人物になり、フォローワーは1万人を超えた。二人が恋心を発表し、結婚する計画を予告すると、何千何万のネットユーザーの熱い議論を巻き起こした。

しかし、その幸福であるべき結婚式は順調にはいかなかった。その1人の息子が突然闖入して、テーブルをひっくり返したり、賓客を殴ったりしたため、予定していたいたネットでの中継を余儀なくされたのだ。

二人のお年寄りは、こうしたことが起きたために「私たちの尊厳が失われて、苦痛だった」、「なぜ赤の他人が私たちを祝福してくれるのに、実の息子がそうできないのか」と嘆いたが、「愛を固く守る」と言った。

[資料]
・「老年同性恋人秀婚纱照 撑同志反歧视」淡蓝网2013年1月20日。
・「外媒:中国老年同志宣示同性恋情 引网友热议」淡蓝网2013年1月26日(来源:参考消息)。
・「北京“两个老头”举办同性婚礼 遭儿子闹场」淡蓝网2013年1月31日。

2.香港で「1人が1枚の写真」によって、LGBTを支持して差別に反対した。黄耀明が立法会で発言した

香港の芸能人の黄耀明(アンソニー・ウォン)と何韵詩(デニス・ホー)が去年カミングアウトした後、LGBTの権利を擁護するための組織として「大愛同盟(Big Love Alliance)[facebook]」を立ち上げた。彼らは連名で、facebookと微博で「1人が1枚の写真で、LGBTをサポートして差別に反対するアクション」を起こした。2人は率先して「撑同志 反歧视(LGBTを支え、差別に反対する)」というスローガンを手に持った写真を公表し、多くの人が後に続いた。

2月18日には、黄耀明が、「大愛同盟」の代表という身分で、香港の立法会の政制事務委員会の会議に出席した。彼は、香港の政府に対して、できるだけ早く、性的指向による差別に反対する立法について、公開の意見募集をおこなって、「国際人権規約」の中の「性的指向の違いによる差別をなくす」という規定を実現するよう訴えた。

黄耀明は、その席で、「去年の11月、性的指向による差別に反対する立法の意見募集が否決されたので、私は非常に傷ついた。香港政府が先頭に立って意見募集や立法をしない以上、私は香港市民として、『大愛同盟』を結成し、積極的に公衆とコミュニケーションをして、同性愛者がこの社会で被っている差別と偏見について説明したい。欧米の国々は、同性愛者の平等な権利のために、より高いレベルに歩みを進めているのに、香港は国際的大都会であるにもかかわらず、差別に反対するための討論や意見の募集さえ始めることができておらず、まして立法はできていない。私は、このことは、国際的大都会として恥だと思う」と訴えた。

[資料]
・「黄耀明何韵诗成立同志组织 推动反歧视」淡蓝网2013年1月13日。
・「黄耀明首次在立法会为同性恋权益发声」淡蓝网2013年2月18日[淡蓝网综合]。

3.多くの人々が人民代表大会の代表に手紙を送って、同性婚を認める立法をするように訴えた

2013年の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の期間に、100人余りの同性愛者の父母が人民代表大会の代表[日本で言う議員]に手紙を送って、同性婚姻を認める法律を作るように訴えた。彼らは、同性愛者である自分の子どもが承認と尊厳を得られることや、新しい「婚姻法」の下で平等な婚姻権を得られることを望んでいる。また、著名な社会学者の李銀河も、ふたたび同性婚姻法案を人民代表大会の代表に提出した。

広州市の同性愛者の大学生の梁文輝は、百名の人民代表大会の代表に郵便を出して、代表たちに、「両会」で同性婚姻立法の議案を提出するように訴えた。彼は自分の手で100通の手紙に切手を貼って、一通一通、ポストに投函した。

全国人民代表大会の代表の呉青は、取材を受けたとき、同性愛と異性愛には区別はないから、同性婚に賛成すると述べた。

[資料]
・「2013两会在即 李银河盼递交同性婚姻合法化提案」淡蓝网2013年2月17日[淡蓝网综合]。
・「百余同志父母致信人大代表 呼吁为同性婚姻立法」淡蓝网2013年2月26日。
・「广东大三男同性恋致信全国人大代表」『南方日報』2013年2月28日。

4.アイスランドの女性首相が夫人とともに訪中し、中国側は礼儀正しく応対した

4月17日、アイスランドの女性首相のシグルザルドッティルが夫人を伴って中国を訪問した(アイスランドは2010年に同性どうしの結婚も可能になった)。中国の中央テレビは、夕方のニュース番組で、シグルザルドッティルが、中国側が首相と夫人を友好的に応接していることに感謝しているシーンを放送し、彼女と夫人のレオスドッティルが一緒に座っている写真も放送した。これは史上ほとんど前例がないことだった。

このアイスランドの「ファースト婦婦」はいっしょに故宮を参観した。また、首相夫人は、北京外国語大学にも行って、アイスランド語を学んでいる中国の学生と交流した。

[資料]
・「冰岛总理夫妇的中国行」北青网2013年4月30日。

5.長沙のLGBT差別反対パレードの組織者が12日拘留された後、釈放された

→本ブログの記事「長沙で100人余りのLGBTパレード、しかし発起人は行政拘留12日に」参照。

6.ゲイのためのモバイルアプリケーションが投資を獲得し、科学技術界が多元的価値観を認めた

淡藍グループが開発したゲイの交友のためのアプリケーション「Blued」のユーザーが200万を突破した。Bluedは、LBS(位置情報サービス)にもとづくゲイの社交のためのアプリケーションで、位置情報による交友機能のほかに、友だちグループの概念を取り入れ、音声・画像・地理座標の発信など、微信(中国大手IT企業テンセント[騰訊]が作った無料インスタントメッセンジャーアプリ[Wikipediaによる説明])の基本的機能に近いものを実現した。さらにゲイニュースや小説、ゲイの活動の送信もおこなっている。

Bluedが年初に上海中路資本の300万ドルのエンジェル投資を獲得したことは、科学技術界が多元的価値観を重視したことをはっきり示した。わが国の法律法規の整備と社会意識の進歩にともなって、もっと多くの創業投資企業がゲイ向け商品に対して関心を持つようになるであろう。

[資料]
・「直男玩不转的创业:同志交友应用Blued获数百万投资」淡蓝网2013年9月15日
・「同志社交应用Blued用户突破200万 将推女同版Pinkd」淡蓝网2013年12月2日(来源:36氪)
・Steven Millward“Blued, a gay dude flirting app from China, picks up 2 million users and plans lesbian app next” December 2, 2013→「中国のゲイ向け交流アプリ『Blued』が200万ユーザを獲得、レズビアン向けアプリも計画中」THE BRIDGE2013年12月11日。

7.90歳の「中国の良い外祖母」が同性愛者の外孫を勇敢に支持した

90歳の外祖母が同性愛者を支持しているビデオが、8月からインターネットで人気を集め、幅広い関心を得た。ビデオの中の福州のおばあさんはネットの友人に「中国の良い外祖母」という名を与えられた。

この慈愛に満ちたお年寄りは、「差別反対、権利を勝ち取ろう!」というボール紙を手に持って籐椅子に座って、自分の外孫が良いボーイフレンドを見つけて幸福な生活をすることを願っている。

この「中国の良い外祖母」は、国内で最も高齢の公に同性愛者を支持している親族であり、多くのネット仲間が彼女に対する敬意を書き込み、内外のメディアも報道した。

[資料(ビデオ)]
・「90岁外婆拍视频支持同性恋外孙」新浪新闻中心2013年8月16日(来源:信息时报)。

8.台湾の多元成家立法が対立を引き起こした

台湾パートナーシップ権推進連盟が起草した「多元成家民法修正案」が9月に法務部門に提出された。その修正案には、同性婚姻、パートナーシップ制度、家族制度、養子縁組などの内容が含まれていた。

支持者は、台湾社会には既に多くの異なった形態の家族が存在しているにもかかわらず、彼らの関係がまだ法律的な保障が得られていないために、生活上の困難がもたらされていると述べている。だから、法律は「成家(結婚)」にもっと幅広い選択肢――同性愛者に対してだけでなく、「同性婚姻合法化」だけでもない――を与えるべきであると主張している。

この草案は台湾の宗教団体の反対を引き起こし、幾千幾万の支持者と反対者が11月30日、街頭に出て対峙した。

いま多元成家草案の中の「婚姻の平等な権利」はすでに一読を通過した。もし三読を通過すれば、台湾は「多元的性別の婚姻権」の先駆けになる(台湾の立法手順)。

9.同性愛者の母親がファーストレディに手紙を出して、社会的差別の解消を訴えた

11月17日、深圳の董お母さん、江西の小濤お母さん、貴州の雲お母さんなど、5人の同性愛者の母親が、EMS(Express Mail Service)で「彭麗媛(=習近平夫人)さんへの手紙」を出した。

5人の母親がファーストレディの彭麗媛に手紙を出したのは、学校で性の安全の教育を強化することや、できるだけ早く「差別反対法」を制定して、同性愛者たちへの社会の偏見と差別をなくすことを訴えるためだった。

彼女たちは、彭麗媛がWHOのエイズ予防・治療親善大使になって、エイズ防止活動に活躍していることを歓迎しつつ、ゲイのエイズ感染率が比較的高いのは、社会の偏見や差別が重要な原因であることなどを述べて、差別を解消するように訴えた。

[資料]
・「中国同志母亲致信第一夫人 呼吁消除社会歧视」淡蓝网2013年11月23日。
・「習氏の好感度アップ、妻も一役 エイズ予防活動に参加」朝日新聞デジタル2012年12月3日。

10.長沙LGBTセンターがNGOの登録を拒否され、行政再議を申し立てた

11月11日、長沙LGBTセンター準備委員会の責任者の向小寒が民政登記を申請したが、長沙市民政局は「指導部が決裁しない」という理由で拒絶したので、向小寒は、湖南省民政庁と民政部に対して、その理由について情報公開を申請した。

11月29日、向小寒は、湖南省民政庁の公式の回答を受け取ったが、そこには以下のように記されていた。

1.「中華人民共和国婚姻法」第5条に「結婚は必ず男女の完全な自由意志によらなければならない」と規定されており、婚姻は必ず一人の男と一人の女によるものでなければならない。すなわち、「婚姻法」は同性の結婚や恋愛の関係を認めていない。それゆえ、同性愛の社会的組織には法律的基礎がない。

2.「社会団体登記管理条例」第4条は、「社会団体は必ず憲法・法律・法規及び国家政策を順守しなければならず、社会の道徳気風に反してはならない」と規定している。同性愛は、わが国の伝統文化や精神文明に反するので、成り立ちえない。


このことは、12月6日付け『ニューヨークタイムス』でも「Homosexuality ‘Against Spiritual Civilization,’ Hunan Government Says(同性愛は「精神文明に反する」と湖南省政府は言う)」という見出しで報じられた。

[資料]
・「长沙同志中心申请注册 官方回复 “同性恋违背社会道德风尚”」同爱网2013年11月29日。
・“Homosexuality ‘Against Spiritual Civilization,’ Hunan Government SaysNew York Times December 6, 2013→小寒「纽约时报就“湖南民政部门发表同性恋违背精文明建设言论”进行报道」同爱网2013年12月6日。

二 「同志亦凡人」による10大ニュース

「同志亦凡人(Queer Comrades)」という、LGBTのためにインターネットビデオを作成している団体も、12月31日、10大ニュースを発表した(「千人近いネット友だちが共同で選出した」とのことだ)。こちらの10大ニュースはビデオで発表されており、今年1月6日には、中国語と英語の字幕付きのものも発表された(「2013中国十大同志新闻 字幕版」←最初は広告が出ます)。

以下をご覧いただければわかるように、「同志亦凡人」の10大ニュースのうち7件は「淡藍網」のものと重なっているので、重なっていない3件についてだけ、ご紹介する。

1.レズビアンが5つの都市でいっせいに誇りを持って献血した

7月1日、瀋陽・広州・北京・武漢・鄭州の5つの都市のレズビアンが、いっせいに誇りを持って献血した。

昨年7月1日、新しい「献血者健康検査要求(献血者健康检查要求[GB18467-2011])」(献血できる条件を定めた規定)が施行された。以前の規定は、「同性愛者」の献血を禁止していたが(献血者健康检查要求[GB18467-2001]の4.5.3)、新しい規定は、「同性愛者」という身分には言及せず、「男どうしで性行為をする(男男性行為)」者の献血だけを禁止した(5.2.2)。すなわち、少なくとも女性同性愛者は献血できるようになった(本ブログの記事「中国、女性同性愛者の献血禁止を撤廃」、「女性同性愛者らの組織『同語』、新献血政策に対して見解――男性同性愛者に対する政策の問題点も指摘」参照)。

しかし、その後1年間たっても、レズビアンが公然と献血したという報道はなかったので、新しい「献血者健康検査要求」の施行状況をチェックする必要があった。

24歳の小航とfreeと猪西西(いずれも仮名)は、いま北京で仕事をしているレズビアンだ。彼女たちは、新しい「献血者健康検査要求」の施行1周年にあたって、自ら献血することにした。

彼女たちは、「女性同性愛者は誇りを持って献血する(女同性恋骄傲献血)」というスローガンを書いたTシャツを着て、献血をしようとした。

しかし、彼女たちが東直門の交通のカナメにある採血スポットで献血しようとしたら、そのスタッフに拒否された。freeと小航が体重計に乗ったとき、2人とも[規定の]45㎏を超えた数字が出たのだが、スタッフは、2人が身に着けているスローガンを見つけると、「体重計が壊れた」と言い、「体重が不合格」という理由で彼女たちの献血を拒否した。そこで、やむなく海淀区の北京血液センターに行って、そこでついに献血に成功した。

小航は、「同性愛者はずっと多くの汚名を負わされてきた。たとえば、同性愛者は病気だとか、同性愛者の血は不健康だ、などと。レズビアンの献血の解禁は、レズビアンの健康上の汚名を取り除いた。私は、このことをもっと多くの人に知ってもらえるように尽力したい」と語った。

この活動は、6月29~30日に開催された、20余りの草の根組織が集まった「第2回レインボーメディア賞研修ワークショップ」(第1回は4月に昆明で開催)で、指導者に啓発されつつ、メンバーが計画したものだ。この研修ワークショップは「レインボーメディア賞」という、優れたLGBT報道に賞を出している団体が主催したもので(共催は、北京紀安徳[ジェンダー]相談センター、同性愛者の家族と友人の会、同語、女性メディアウォッチネットワーク)、プレスリリースの書き方、メディアに対する働きかけの方法、ニューメディアでの発信の技術などを教える研修のようだ。

この研修の模様や瀋陽での献血の現場の状況を伝えるビデオが「媒体奖培训再结硕果 “女同性恋骄傲献血”五城连动-字幕版 」(同志亦凡人)である(中国語と英語の字幕付き)。

[資料]
・「同志献血解禁1周年 四城拉拉骄傲献血」网易女人2013年7月1日。
・「 2013中国彩虹媒体奖LGBT媒体倡导工作坊(沈阳站)招募启事」中国彩虹媒体奖的博客2013年5月10日。

2.淡藍がホモフォビアの教材を暴露した

5月17日、淡藍網が「あなたの身辺のホモフォビアの教材を暴露する」という発表をおこない、13本の教材についてホモフォビアを指摘した。その13本の教材は、人民教育出版社の『生命教育』、広東高等教育出版社の『大学生心理健康教育』、南京林業大学出版社の『大学生の生殖と健康教育読本』、民族出版社の『心理カウンセラー(基礎知識)』などの教材または一般向けの啓蒙書である。

さらに、10余りの団体(淡藍公益、同性愛者の親と友人の会、北京紀安徳相談センター、北京LGBTセンター、同語など)が連名で「教育出版機構・大学・教育者への公開書簡」を発表し、教材からホモフォビア的な内容をなくすように訴えた。

[資料]
・「淡蓝5•17系列活动:揭露你身边的恐同教材」淡蓝网2013年5月25日。

3.北京の高齢のゲイカップルが同性結婚をした

4.黄耀明が立法会に出席した

5.長沙の5月17日の活動が成功したが、組織者は拘留された

6.台湾/香港プライドパレード

10月26日と11月9日、台湾と香港でそれぞれLGBTパレードが挙行され、ともにパレードの参加人数の記録を作った。今回の香港のパレードには大陸からさまざまな団体が参加し、その中には同性愛者の父母の団体もあった。

7.中国の良い外祖母が外孫をサポートした

8.全国人民代表大会の呉青が同性婚に賛成した

9.アイスランドの女性首相が夫人とともに訪中した

10.百人余りの同性愛者の母親が人民代表大会の代表に手紙を出して、同性婚姻立法を訴えた


四 全体として感じること

「10大ニュース」の選定について

2つの「10大ニュース」を比べてみると、「淡藍網」による10大ニュースには入っていて、「同志亦凡人」による10大ニュースには入っていないのが、「6.ゲイのためのモバイルアプリケーションが投資を獲得し、科学技術界が多元的価値観を認めた」、「9.同性愛者の母親がファーストレディに手紙を出して、社会的差別の解消を訴えた」、「10.長沙LGBTセンターがNGOの登録を拒否され、行政再議を申し立てた」の3件である。

逆に、「同志亦凡人」による10大ニュースには入っていて、「淡藍網」による10大ニュースには入っていないのが、「1.レズビアンが5つの都市でいっせいに誇りを持って献血した」「2.淡藍がホモフォビアの教材を暴露した」「6.台湾/香港プライドパレード」である。

以前、私は、「淡藍網」はゲイサイトとしての性格が強いせいか、その10大ニュースは、若干、ゲイ中心の傾向があると思うと述べた(「『2011年中国10大セクシュアル・マイノリティニュース』」)。そのことは、今回の「10大ニュース」の選定においても、「淡藍網」のみが選定した「6.ゲイのためのモバイルアプリケーションが投資を獲得し、科学技術界が多元的価値観を認めた」などはゲイに関するニュースであり、「同志亦凡人」のみが選定した中の「1.レズビアンが5つの都市でいっせいに誇りを持って献血した」がレズビアンに関するニュースであることに現れているように思う。

また、「淡藍網」も「同志亦凡人」も同性愛の話題が大半だが、それ以外の「バイセクシュアル」や「トランスジェンダー」の話題はなかったのか、と思う。たとえば、本ブログで、「バイセクシュアルの運動が現れはじめる」で述べたような、バイセクシュアル関係の新しい動きを取り上げてもよかったのではないだろうか?
また、同性婚に話題が偏り気味の感じもしないではない。

明るい出来事、セクシュアル・マイノリティの権利にとって前進である出来事が多いが……

とはいえ、「10大ニュース」を全体として見ると、明るい出来事、セクシュアル・マイノリティの権利にとって新たな前進である出来事が多い。

その一方、湖南省当局が「同性愛は、わが国の伝統文化や精神文明に反する」と言ってNGOの登記を拒否したりとか、Tシャツに「同性愛」と書いてあるのを見たとたんに「体重計が壊れた」と言って献血を拒否するなど、旧い体制や意識も強力に残存していることがわかる。

また、企業がゲイ向け商品に注目したことは、それ自体は明るいニュースだが、セクシュアル・マイノリティ間の経済的・社会的格差が今後顕在化してくることを示しているとも思う。
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