2017-03

杭州国際マラソンの賞金、今年は男女同一に――女性たちの運動実る

杭州国際マラソン(杭州国际马拉松)は、1987年から始まった、中国では歴史あるマラソン大会の1つです。毎年11月におこなわれ、今年は11月3日におこなわれます。

昨年まで、杭州国際マラソンは、以下のように男女で賞金額に格差をつけていました(少なくとも2006年以降は、ずっと下の金額だったようです)(1)

1位―男子3万元、女子2万元
2位―男子1万5000元、女子1万元
3位―男子8000元、女子5000元
4位―男子5000元、女子4000元
5位―男子4000元、女子3000元
6位―男子3000元、女子2000元
7位―男子2000元、女子1000元
8位―男子1000元、女子800元

それに対して、昨年、この大会に参加した李双双さん(仮名)は、「なぜ、杭州国際マラソンの賞金には男女の別があるのか? 女子も男子と同じルートを走るのだし、男子と比べてけっして楽ではないのに……」と疑問を感じました。

李さんは、なぜこうした差別をするのかについて、浙江省体育局と杭州市体育局に対して、情報公開を申請しました。この問題はメディアでも取り上げられ、さまざまな議論がなされました。李さんには、杭州国際マラソン組織委員会から回答が返ってきたのですが、その回答は、「従来の慣例」「参加人数の違い」などを理由に、男女の賞金の格差を正当化するものだったので、李さんは有志と連名で国際陸上競技連盟にも手紙を書いて差別を是正するように訴えました。

これらは李さん一人の活動ではなく、杭州フェミニズムグループ(杭州女权小组)の活動でもありました。昨年11月には李さんらによって「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ(FM非密杭州性别平等工作小组)」が結成されます(以上については、昨年の本ブログの記事「杭州国際マラソンの賞金の男女差別に女子選手らが抗議、国際陸連へも訴え」参照)。

こうした彼女たちの運動が実ったのか、今年は、杭州国際マラソンの女子の賞金は男子と同額に引き上げられました。つまり、男子と同じく、女子にも、1位に3万元、2位に1万5000元、3位に8000元……というふうに賞金が与えられるようになったのです(2013杭州国际马拉松竞赛规程)。現地のメディアも、賞金の男女平等の問題には注目していたようで、地元の浙江在線(オンライン)というサイトも、今年の杭州国際マラソンについて、「初めて男女が同一賞金に」という見出しで報じました(2)

李双双さんは今、アメリカにいるようですが、このニュースを聞いて、「異国の他郷で、ものすごく感動中」と言って喜びました(3)

また、「フェミニズム(女権)の声」の微博(中国版ツイッター)は、この件について、「行動が変化を起こす!」と語り(4)、李さんも「やらないということは、成功するかどうか永遠にわからないということだ」と述べて、行動の重要性を強調しています(5)

さらに、「サッカーもバスケットボールも、どんな競技であっても、同じ競技は同じ賞金でなければならない」という声も上がりました(6)

もっとも、中国でも、2009年に上海マラソンが初めて男女に同額の賞金を出すなど、他の大会も賞金を男女同額にする流れはあるので、李双双さんらの抗議だけが杭州国際マラソンの賞金の男女平等化をもたらしたというわけではないと思います。ただし、少なくとも、彼女たちの運動が一つの要因だったことは確かだと思います。

それにしても、中国の若い女性たちが先頭に立ったフェミニズムの運動がさまざまな分野で成果を上げる(とくに大学入試の合格ラインの男女差別を大幅に改善したという点は、大きな成果だったと思います)という事態は、私も昨年彼女たちが運動を始めた当初は予想していなかったことなので、私自身が行動の重要さを教えられたような気がしています。

(1)2006杭州国际马拉松竞赛规程」浙江省体育局2006年9月13日、「07杭州马拉松帐户竞赛规程」捜狐体育2007年09月21日、「2009杭州国际马拉松竞赛规程」新浪体育2009年8月14日、「2012杭州国际马拉松竞赛规程」自由马运动网2009年9月12日。
(2)杭州马拉松比赛下周开始报名,首次男女同奖」浙江在线新闻网站2013年9月17日。
(3)李双双不拖延不迷糊的微博【杭州国际马拉松今年首度男女同跑同奖】【在异国他乡超级感动中】9月30日04:26
(4)女权之声的微博9月30日 10:18
(5)李双双不拖延不迷糊的微博9月30日 04:30
(6)不要为了小事暴动的微博9月30日 10:18
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