2017-04

ジェンダー平等活動グループ、9都市の公共トイレの便器数の男女比の調査報告発表

7月8日、ジェンダー平等活動グループ(正式名称は「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」。2012年に結成された若い行動派のフェミニストのグループ、この年表など参照)は、「9都市公共トイレ男女便器状況調査報告(性别平等工作组「九城市公共厕所男女厕位状况调查报告)」[ここからダウンロード可能]を発表した。この調査研究は、昨年夏ごろから計画が始まっており(1)、その意味では1年近くかかって完成したものだと言える。以下、そのおおまかな内容を、ごく簡単にご紹介する。



一 前書き

トイレは生活の中の小事のように見えるが、人民の生活に関わる重大な問題である。

新中国成立以来、就業する女性が増大し、女性は消費の主体にもなって、女性の外出が増大した。けれど、中国の基礎的施設の基準はまだ男性中心で、トイレの増改築も男性のニーズを満たすためにおこなわれることが多いため、女子トイレは不足しており、どこに行っても、女子トイレの前には行列が見られる。

ニューヨーク市の2人の議員が起草した法案の中に、女性は生理的条件やそれに伴って生じる行為モデルに制約される――女性は、衣服を緩め、座り、ときには連れている子どもの世話もしなければならない――ので、小便のときにトイレの中にいる時間は、男性は平均すると39秒(±6秒)であるのに対し、女性は89秒(±7秒)である、すなわち女性がトイレで使う時間は平均して男性の2.3倍である、と述べられている。子どもを連れていたり、生理だったりするともっと時間がかかる。

2005年の中国の「都市公共トイレ計画・設計基準」は、「トイレの男性用便器(座位・立位)と女性用便器(座位)との比率は1:1~2:3が適当である」と規定した。2012年初め、全国で「男子トイレ占拠」運動が起こり(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」参照)、フェミニストたちが女性の便器を増やして、男女の比率を1:2にするよう訴えた。2013年2月24日、衛生部は「公共トイレ衛生基準」(意見募集稿)を出して、「公共トイレの便器の男女比率は1:2にするのが適当である」と規定した。しかし、武漢のあるメディアは、それを強制しないのならば、女子トイレ増築の願望はかなえられないかもしれないという評論を発表した。

今回の調査研究で、私たちは、男性用便器と女性用便器の数などの現状を調査した。地区によっては、大学や地下鉄のトイレなどに的を絞った調査もおこなった。

二 調査研究方法

調査時期:2012年10月1日~2013年1月31日

調査研究内容
・北京・天津・済南・蘭州・西安・鄭州・武漢・杭州・広州の公共トイレの総数
・上記9都市の公共トイレの便器の数をランダムサンプリングによって調査する
・9都市のユニセックストイレの数を調査する
・バリアフリートイレの状況

今回調査したトイレは、道路のわきや駅、観光地にある公共トイレである。独立した公共トイレもあれば、一部の他の建築物に付属した公共トイレもある。商業経営の場所に付属したトイレは、今回は調査しなかった。

三 調査結果

9都市の公共トイレの状況

9都市の常住人口は、男性51.72%、女性48.28%である。各都市とも、男性が女性よりもやや多い程度である。しかし、9都市のトイレの男性用便器と女性用便器の比率(男:女)は、以下のとおりだった。

北京―1.22:1
天津―1.51:1
済南―1.57:1
蘭州―1.65:1
西安―1.4:1
鄭州―1.56:1
武漢―1.48:1
杭州―1.49:1
広州―1.79:1
総計―1.5:1

すなわち、9都市の男女の便器の比率はみなアンバランスであり、男の方が女より多く、女性のトイレのニーズをまったく満たしていない。

バリアフリートイレ

北京の公共トイレのうち、ユニセックストイレとバリアフリートイレの比率は1%未満であり、しかもバリアフリートイレの大きな部分は占用されているか、壊されている。

    ユニセックス バリアフリー(×は占用または損壊されている)
朝陽区    0      0
東城区    4      5(うち3は×)
豊台区    5      1(うち3は×←この箇所は何らかの誤記?)
海淀区    1(しかし×) 7
西城区    2      0
石景山区   0      0
海淀区    0      1

地下鉄のトイレ

天津の地下鉄のトイレの状況を調査したところ、以下のようだった。
・地下鉄2号線――男性用小便器35、男性用大便器36、女性用便器35
・地下鉄3号線――男性用小便器43、男性用大便器48、女性用便器52
出退勤のピーク時には、女子トイレの前には行列が出来る。

西安の地下鉄2号線でも、男性用と女性用の比率は1.52:1であり、ピーク時には、女子トイレ前に行列が出来る。

大学のトイレ

武漢では、3大学の合計17カ所の公共トイレの状況も調査した。3大学の男女比は、中南財経政法大学は7:3、武漢大学は5:3、華中師範大学は1:3である。しかし、華中師範大学でも男女の便器数は、それぞれ76と55であり、不合理さが明らかだった。他の2大学も、トイレの時間の男女差を考慮すると不合理だった。

9都市の公共トイレの全体的状況の分析

(1) 9都市のトイレの便器の比率は、どの都市も男性用のほうが女性用より多い。
 最も差が少ないのが北京市の1.22:1であり、最も差が大きいのが広州市で、1.79:1だった。全体では、1.5:1前後である。

(2) 経済の発展水準と便器の平等とには、必然的関係はない。

(3) 現在のトイレ改革は、小便器を統計に入れていないので、効果が少ない。
 調査研究の過程で、私たちは、大部分の地区の女子トイレ増築政策は、女性用便器を男性用の大便器の2倍にすることを基準にしていて、小便器を計算に入れていないことを知った。こうした政策によって、実際は男性用便器が女性用便器よりもずっと多いという現実が長い間無視されてきたのだ。

(4) 広州市都市管理委員会はトイレ改築を承諾したけれども、実際の行動にはまだ移していない。
 2012年2月19日、女子大学生が「男子トイレ占拠」のパフォーマンスアートをおこなったら、20日には、広州市都市管理委員会は「強制的な立法によって、女子トイレを男子トイレの1.5倍にする」と微博で発表した。政府が返事をするという点では、広州市都市管理委員会は積極的で迅速だが、実際の行動においては、女子トイレ増築はまだ立法の議事日程には入っておらず、規範的文書も遅々として出ていない。

四 国内外のトイレの男女の便器の比率

1.アメリカでは、12の州で、1990年代初めに「ポッティ・パリティ(トイレの公平)」を保障する法案が成立した。この法律は、公共トイレを増築するとともに、女性用便器の数を男性用便器の2倍にすることを定めた。

2.台湾では、2006年に「建築技術規則」を改正して、駅・学校・映画館の「男女の公共トイレの比率を1:3」にすると明確に規定した。今後はこの規定に従わなければ、建築が許可されない。

3.香港政府は、2012年2月に立法会に対して文書を出して、建築物の規則を改正して、男女の便器の比率を1:1.5にすることを提案した(2)

五 中国の公共トイレの男女の便器の分配の合理化に関する提案

建設部「都市公共トイレ計画・設計基準」について

2005年の中国の「都市公共トイレ計画・設計基準(城市公共厕所规划和设计标准[PDF])」は、第3.1.8条で「公共トイレは女子トイレの建築面積と便器の数を適当に増やさなければならない。トイレの男性用便器(座位・立位)と女性用便器(座位)との比率は1:1~2:3が適当である。独立した公共トイレは1:1にするのが適当であり、商業地区の公共トイレは2:3にするのが適当である」と規定している。

しかし、この基準には、便器の比率または便器の数に対する強制的な規定がないため、具体的に執行する際には恣意的なりがちであり、女性がトイレに行く平等な権利を保障できていない。それゆえ、私たちは、この「基準」について以下の提案をする。

1.「基準」の中の便器の概念について、男性用便器には、しゃがむ便器、座る便器、立つ便器が含まれ、女性用便器には、しゃがむ便器と座る便器が含まれることを明確にする。

2.「基準」の中に、強制的な規定を設けて、公共トイレの中の女性用便器と男性用便器の比率は必ず2対1に達しなければならず、そのうち女性用便器と男性用のしゃがむ(座る)便器の比率は必ず4:1に達しなければならず、女性トイレの面積も増やさなければならず、あわせて各地の行政管理部門(都市建築管理部門)に真剣に執行し監督を強化するよう求めることを定める。

3. 「基準」の中で、公共トイレでは必ずバリアフリートイレを増設し、第三のトイレ(ユニセックストイレ)を適切に増設しなければならないことを規定する。

4. 「基準」の中で、公共トイレの審査許可と検収のメカニズムを規定して、各地の行政管理部門に真剣に執行するよう要求する。各地の都市建築管理部門は、新しく公共トイレを建築するとき、女性用便器の比率と面積が基準に達していなければ許可しない。公共トイレを検収するときは、基準に達していなければ検収しない。現在ある公共トイレについては、3年以内に改築を完成させるよう要求する。改築が完成する前は、一部の男子トイレを振り向けて女性に使わせるべきである。どうしても改築できない場合は、男でも女でも使えるトイレ(ユニセックストイレ)を増やすべきである。

衛生部「公共トイレ衛生基準」(意見募集稿)に関する提案

2013年2月24日、衛生部は、「公共トイレ衛生基準」(意見募集稿)を出した。この「基準」は、「公共トイレの便器の男女比率は1:2にするのが適当である[このアンダーラインの箇所は、彼女たちの原文では黄色のマーカーで印がつけてある]」と規定している (「《公共厕所卫生标准》征求意见稿[word]」の4.2.2.2、卫生部办公厅「关于征求国家标准《公共厕所卫生标准(征求意见稿)》意见的通知」2013年2月21日より)。

この「基準」は、建設部の1:1.5に比べて進歩しているように見えるけれども、私たちは、「強制的な立法」を要求している。

提案:トイレの比率について、まず男子トイレの小便器も便器であることを明確にし、それと同時に男女の便器の比率を必ず1:2にしなければならず、かつ法律を制定することをつうじて強制的に執行しなければならない。

もし強制しなければ、各地区の政府がトイレを新しく建設したり、改造したりする希望はほとんど持てない。

ユニセックストイレの改築・新築プロジェクト

現在あるトイレを拡張することには難しさがあるし、特殊な人々のニーズを満たすためにも、ユニセックストイレを新しく建設するプランを特に立てる必要がある。

提案:公共交通の駅、列車の駅、地下鉄など人の流れが密集している場所にはユニセックストイレを増設する、あるいはユニセックストイレに改築する。

その理由:
 1.現在のトイレの構造は、女性のニーズを満たすことができない一方、男子トイレの空間は使われておらず、浪費を引き起こしている。
 2.ユニセックストイレは、ある幾らかの特殊なニーズを持つ人々のトイレの難題を解決する。たとえば、老人・子どもを連れている人、性別の気質が中性の人とトランスジェンダーのニーズ

トイレの矛盾を緩和し、積極的にトイレの誘導をおこなう

女子トイレの拡張やユニセックストイレの新築・改築がまだのときは、人の流れが密集している場所のトイレに誘導員を配置して、女子トイレに長い列ができているのに男子トレイが空っぽであるという、資源の分配が不均等である現状のバランスを取るようにする。

六 中国の女性の公共トイレを勝ち取る唱導行動

1.男子トイレ占拠―→本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」参照

2.人民代表大会への提案――2012年3月8日、武漢の全人代の代表で、湖北省統計局局長の葉青が、「都市の公共トイレの設計基準を改善し、女性便器比率を高める」提案を出した。(その内容は、上記の五の建設部「都市公共トイレ計画・設計基準」についてとほぼ同じである。)

3.広州で16人の女性が都市管理委員会の前で大いに便器の陣立をして、女子トイレの便器不足に抗議した―→本ブログの記事「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」参照

4.女子大学生が学長に手紙を書いて、女性用便器の比率を増やすように提案した―→本ブログの記事「全国の12師範大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙」参照

5.武漢でお母さんが公衆の面前で授乳して、もっと母乳保育ができる空間を作るよう要求した――2012年8月4日、世界母乳育児週間(8月1日~8月7日)に合わせて、30人あまりの母親が、武漢市で、1分半、「哺乳フラッシュモブ」をおこなった。これは、公共の場所や職場に授乳室を設置することを訴えるためのアクションだった。2013年の全人代と全国政協の期間にも、授乳室増設のための提案をおこなった。

6.唱導への反応:各地区の政府の女子トイレ拡大政策(略)

七 謝辞

9都市のボランティアが厳寒を恐れず、冬に大部分の実地の調査研究活動を完成させたことに感謝する。

付録

1.男の方への手紙

2.両会(全人代と全国政協)の提案の手紙「女性便器の比率を高め、女性の平等な権利を保障することに関する手紙」

3.広州市都市管理委員会の女子トイレ増築立法の過程に関する陳情事項の返信

4.信陽師範学院学長への手紙



上の調査結果については、「男子トイレ占拠」運動の発祥の地であり、また、今回とくに男性用便器に比べて女性用便器が少なかったことが明らかになった広州で発行されている『南方都市報』と『羊城晩報』が真っ先に大きく報じた(3)。それらの記事は、人民網などにも転載された。

この調査は、トータルで7500にも及ぶ便器について男女別に算出しており、非常に大規模なものである。また、ユニセックストイレやバリアフリートイレについても調査しているという点においても、従来にないものだと思う。

また、建設部や衛生部の基準について、調査結果を踏まえて丁寧に批判と提言をおこなっている点、今後新築するトイレについてだけでなく、既成のトイレの改築、ユニセックストイレの増設、誘導員の設置などによって、早急な措置を提起している点でも重要だ。

今後の課題としては、商業施設のトイレや農村のトイレ(4)などの調査があろう。

日本における調査

日本でも男女の便器数の公平さについての調査がおこなわれたことがある。私の知るかぎり、ある程度まとまったものは、以下の2つである。

1 「女と男のトイレ研究会」による調査(5)

1980年代末に、「女と男のトイレ研究会」が、大阪・京都・東京で調査をおこなっている。この研究会は、以下のような人々によって作られた会である。
 ・自分たちの小学校で、トイレの数や所要時間などを男女別に調査し、統計グラフコンクールで入賞した堺市の小学6年生の女子生徒3人(一原教子さん、橋本美代子さん、岩田朋子さん。「女と男のトイレ研究会」の調査の当時は中学に進学)
 ・広瀬洋子さん、島田裕巳さんという研究者
 ・桂坂の会・女の目で見るまち研究会の伊藤陽子さん・安達恵子さん

彼女たちの調査結果は以下のようなものであり、女性用便器がどこでも男性用便器よりも少ないことが明らかになっている。

(大阪)
 ○堺市立月州中学校―→男性用81 女性用49

(京都)
 ○京都府と京都市の施設(観光地にある25カ所の公衆便所、児童公園の中の公衆トイレ、小中学校、府立伏見港総合体育館、市東余熱センター、西京極スポーツセンター、京都こども文化会館[エンゼルハウス]、社会教育総合センター、京都会館)―→清水寺境内の公衆便所を除いて、すべて男性用が女性用よりも数が多かった(たとえば西京極スポーツセンターは、男性用80、女性用49)

 ○デパートでも―→男性用が女性用の1.5倍(阪急百貨店は、男性用66、女性用46、近鉄百貨店は、男性用30、女性用20)。

 ○病院(京都桂病院)―→男性用と女性用の比率は3:1で、兼用のものを男女半々に分けても、女性用は男性用の半数以下。

(東京)
 デパート、劇場、区の施設、高速道路のパーキングエリアなど―→どこでも男性用の数の方が女性用よりも多かった。

2 埼玉県による調査

1995年8月、埼玉県の住宅都市部に「女性トイレレベルアップ検討会」が設置され、委員10人が、女性が不便を感じない県有施設における女性トイレについて検討した。1996年3月に刊行されたその報告書(6)が埼玉県立浦和図書館に所蔵されている。

この報告書には、「県有施設トイレの状況」として、以下のように男性用便器と女性用便器の比率(報告書では「穴数」という概念を使っているが)が明らかにされている。

(1)県立公園

 ・集客的公園施設(体育館・陸上競技場・野球場・ラグビー場などを有する公園を指すようです)―→穴数の男女比は、平均3.0:1(最大5.8:1[双輪場]、最小1.5:1[秩父ミューズ音楽堂他])

 ・その他の公園施設―→穴数の男女比は、平均1.4:1(最大2:1[上尾運動公園管理棟ほか]、最小1.2:1[加須はなさき公園水泳場])

 ・一般園地―→穴数の男女比は、平均1.5:1(最大2:1[久喜菖蒲公園]、最小1:1[和光樹林公園ほか])

 公園施設総計―→穴数の男女比は、平均2:1(最大6.7:1[吉見総合運動公園]、最小1.1:1[和光樹林公園])

(2)劇場・ホール
 穴数の男女比は、最大6:4(埼玉会館改修前)、最少5:5(行田文会館)

(3)事務所等
 越谷県税事務所→6.5:3.5、越谷保健所→5.5:4.5、羽生勤労婦人ホーム→3:4

(4)アリーナ
 さいたまアリーナ→5:5

以上、勤労婦人ホームを例外として、ほとんどの施設で、便器数自体が、男性用の方が女性用よりも多い。

つまり、上の2つの日本での調査においても、本来便器数は女性用の方が男性用の2倍以上必要であるにもかかわらず、実際は、男性用の方がむしろずっと多いという状況が明らかになっている。

ただし、上の2つの日本での調査は今から20年ほど前のものであり、現在は状況が異なっていると考えられる。この点については詳しいことはわからないが、新聞記事や単行本から見ると、女性トイレ不足は、1980年代末~1995年ごろに比較的よく問題になっている。そして、その後は問題が少しずつ解決してきたようにも思われる(埼玉県の報告書は県立施設の改善に生かされているし、1999年には、JR東日本が30年ぶりに便器数の男女比の見直しに取り組んでいるという記事が出ている。また、2007年と2009年には、それぞれ東日本高速道路会社と西日本高速道路会社が女性用トイレを増設しているという記事が出ている)。ただし、この問題についての新聞投書は、ごく最近まで見られるし、最近でも、地方議会では、公共施設や観光地の女性トイレ不足について相変わらず取り上げられている(以上については、本ブログの記事「WANに『中国の女子大学生の「男性トイレ占拠」アクションと日本のメディア』掲載、および日本における女性用トイレ不足問題について」参照)。また、被災地の女子トイレ問題は今日でもよく取り上げられるし、もちろん今後も女性が急増するような場所では、問題になろう。駅のトイレなどについても、先日、私は近鉄京都駅で女子トイレ前の行列を見たばかりである。

いずれにせよ、日本では、この件に関しては、1990年代終わりごろ以降は、まとまったデータはないように思われる。また、問題のかなりの部分が解決したのだとしても、それはどのような要因によるかは、もう少し解明する必要があるように思う。

以上のような幾つかの意味では、日本でも、男女の便器数の公平さの問題は、今後も考えるべき点、取り組むべき点があることは確かである。

また、日本と中国とでは、同じように男女の便器数の公平さが問題になっているといっても、中国固有の問題(ひょっとしたら、公共トイレの数自体が少ないといった可能性もあるかもしれない)が存在する可能性も否定できないだろう。そうした問題も解明する必要があると思う。

(1)本ブログの記事「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」ですでにご紹介したように、2012年9月26日の「性差別撤廃討論群会」の記録に「全国のその他の地方でトイレ報告をする必要があるか……武漢の夏合宿で始動、トイレ1周年のときに発表、李麦子と湯倩がアンケート調査を整理・修正」とあり(郭小花「“消除性别歧视讨论”会议记录(20120926)」性别平等倡导计划2012年9月26日)、昨年夏ごろから計画されていたようだ。また、10月15日には、ジェンダー平等活動グループのサイト「性別平等網(性别平等网)」に、「私たちは、政策を変えさせ、女性のトイレ難の問題の解決を促進するために、全国の公共トイレの比率の調査研究をおこなう」と述べて、杭州での調査研究のためにボランティアを募る記事が掲載されている(「全国公共厕所厕所比例调研——杭州站志愿者招募」2012年10月15日)。ただし、「トイレ1周年のときに発表」するということならば、今年2月19日に発表しなければならなかったはずなので、計画どおりにはいかなかったということだろう
(2)2012 年2 月28 日討論文件 立法會發展事務委員會 《建築物(衞生設備標準、水管裝置、排水工程及廁所)規例》(第123I 章)的修訂建議」中华人民共和国香港特別行政區立法會サイト
(3)“占领男厕所”发起组织发布九城市公厕男女厕位调查 广州公厕女厕位比例最低」『南方都市报』2013年7月9日、「厕位数量男多于女 广州供需倒挂最厉害」『羊城晚报』2013年7月9日。
(4)日本では、1962年の『読売新聞』の「赤でんわ」欄に、農家の主婦のF子さんが、田植えをする際、便所がないことが大きな苦痛になっていると訴えた投書が掲載されており(「のどかな田植え風景の陰に」5月30日朝刊)、その投書が反響を呼んで、婦人面で大きな記事になっている(「農村女性の悩み/田植え時のトイレ/お茶さえ飲めない/反響読んだ『赤でんわ』欄の投書/口には出せなかった苦痛」6月12日朝刊)。詳しくは、本ブログの記事「WANに『中国の女子大学生の「男性トイレ占拠」アクションと日本のメディア』掲載、および日本における女性用トイレ不足問題について」の「3.田植え時の女性トイレ問題」を参照していただきたいが、こうした農作業の際のトイレ問題は、中国ではどのように解決しているのだろうかと思う。
(5)島田裕巳「女のトイレはなぜ混むか」島田裕巳『私というメディア』パーソナルメディア1989年。広瀬洋子「トイレを開ければ社会が見える」『からだの科学』no.152(1990年5月)もこの調査を取り上げている。
(6)埼玉県住宅都市部女性トイレレベルアップ検討会『女性トイレレベルアップに向けて』1996年3月。この報告書については、「公共施設のトイレ、便器数は『男性優位』 県の検討会」(『朝日新聞』1996年4月17日埼玉朝刊)、「トイレの便器数、男女比は2対1――県所有の公園施設/埼玉」(『毎日新聞』1996年4月19日埼玉版)として、新聞記事でも取り上げられている。
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://genchi.blog52.fc2.com/tb.php/434-c2a7987d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

プロフィール

遠山日出也

Author:遠山日出也
 検索から来られた方へ:このブログの記事を分類した一覧である「『中国女性・ジェンダーニュース+』記事総覧」を見ていただくか、下の「カテゴリー」欄を使われると、関連情報がご覧いただきやすいと思います。最近の行動派フェミニストについては、「中国の行動派フェミニスト年表、リンク集」をご覧ください。
 また、「中国女性・ジェンダー関係主要HPリスト」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。日本の問題の一部は、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」や「館長雇止め・バックラッシュ裁判」でまとめています。
 恐れ入りますが、スパム対策などのため、コメントは私が拝見した後で表示させていただきます。
 私への連絡はこちらまで

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

最近のコメント

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード