2017-08

本年の動向2―女性の視点からのメディアチェック

 1月 「2005年ジェンダー平等促進専門家推薦メディア」活動、8つの非女性メディアを表彰。
 3月 女性メディアモニターネットワーク、「2005年十大性差別コマーシャル」を選定。


 最近話題になったのは、3月に女性メディアモニターネットワーク(婦女伝媒監測網絡)が、「わが国のテレビコマーシャルには明らかに性別によるステロタイプの問題が存在しており、若干のコマーシャルには性差別の疑いがある」という調査報告を出したことです。
 その中で同ネットワークは、「2005年十大性差別コマーシャル」を選定しました。たとえば、ある自動車のコマーシャルは、肩をあらわにした服を着た助手席の女性が、車を運転している男性に向ってほほ笑みかけていて、車が止まると、男性が車から降りて女性のためにドアを空けてやるというものでした。また、ある電子辞書のコマーシャルは、衣服やショットや表情によってセクシーさをとことん強調された美女が、最後の場面だけ電子辞書を引くというものでした(1)
 このコマーシャル批判はかなりの反響を呼びましたが、市民からは「どこがいけないのかわからない」といった声も出ており、「我々のコマーシャルには性差別の意図は何もない」という反論をしたメーカーもありました(2)。それに対してネットワークが「主観的にはそうした意図がないのは確かだろうが‥‥」ということを自サイトで説明するなどのことがありました(3)

 「女性メディアモニターネットワーク」とは、メディアと女性の問題を考える女性ジャーナリストなどによって結成されたNGOですが、1996年3月に結成されています。
 また、それより前の1992年3-9月に、『中国婦女報』(中華全国婦女連合会の機関紙。中国共産党の指導の下にある官製の団体だが、近年少しずつ女性の独自の権利を主張するようになりつつある)において、すでに「コマーシャルの中の女性像」について議論がおこなわれています。その時には洗濯機に「愛妻号」という名前が付いていることなども問題になりました。
 また2004年9月には、中国メディア大学に「女性とメディア研究センター」が設置され、同年11月にはジェンダーとメディア行動グループ(Gender and Media Action Group)というNGOも結成されています。
 ですから、今回の動きもけっして昨日今日に始まったものではありません。
 しかし具体的に「十大性差別コマーシャル」といった形で批判をしたのは初めてであり、それだけに反発も表面化したのでしょうが、この事件はもう一方で、中国におけるメディアと女性の問題を考える気運の高まりも示しているとも言えると思います。

 また今年の1月には、中国婦女報社と中国メディア大学、女性メディアモニターネットワークなどによる「2005年ジェンダー平等促進専門家推薦メディア」活動が、8つの非女性メディアを表彰しました(4)
 これは、女性向けメディアでないにもかかわらず、女性やジェンダーの問題をきちんと報道しているメディアを表彰したものです。
 こちらの方は、多くの団体が加わった幅広い人々による活動ですから、悪いものを批判するのではなく、良いのものを表彰するという、いわば穏健な形になったのでしょう。
 もちろん批判だけでなく、評価も必要だという面もあるわけですので、両者があいまって効果をあげるかもしれません。この十年間ではあまり状況に変化がなかったとも報告されていますが(1)、今後に注目したいと思います。

(1)「有関人士認為広告性別歧視十年没大変化 首都女記協婦女伝媒監測網絡評出2005十大性別歧視広告渉嫌者為名牌」『中国婦女報』2006年3月10日。
(2)「性別歧視広告名単 廠家:我的広告没性別歧視意図」『北京娯楽信報』2006年3月8日。
(3)「弁別性別歧視重要性及其他―対電視広告与性別歧視問題進一歩説明」
(4)「“2005促進性別平等専家推進媒体”評選掲曉 中国日報等八家獲此殊栄」『中国婦女報』2006年1月9日、「2005 我們看伝媒」『中国婦女報』2006年1月13日。
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