2017-10

[日本]ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)とその労働争議

ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)について

 昨年、日本で、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)」というフェミニズムの総合サイトが出来ました。今の日本にはフェミニズム系のサイトは比較的少ないのですが、そうした中で初めてできた総合サイトでしたから、私も、2~3日に一度は見るようなり、多くのことを学んできました。

 WANのサイト本体には、現在のところコメント欄はありませんが、昨年12月、「WAN裏方日記」というブログに、「ご感想などお待ちしています」という記事が出て、「このブログのコメント欄に、WANの記事に対する感想を書いていただけたらうれしい」という趣旨のことが述べられていました。

 そこで私は、今年の1月3日、以下のようなWANについての感想を、ブログの最新の記事(1月1日付)のコメント欄に書き込んでみました(実際には、ブログのコメント欄の字数制限の関係で、2回に分けて書きましたが)。



 私は会員でも女性でもありませんし、個別の記事に対する感想でなくて申し訳ありませんが、私の場合ですと、やはり深刻な事態がリアルに述べられた記事、たとえばシングルマザーや非常勤職員についての文が、現実を突き付けられる感じがして、印象に残っています。それから、衆院選の公開質問状はヒットだったと思います。マスコミでは、女性に関する争点がわかりませんでしたから……。

 また、本について著者や読者が語る記事があることは、ユニークだと思います。「この本を読んでみよう」と思った記事がいくつもありました。

 その他にも、私には、このサイトがなければ出会えなかった文章がたくさんありました。個人サイトでできるだけ多くの方が発信することは今後ますます重要になってくる思いますが、すべての人がすべての問題を個人サイトで発信するわけにはいかないことを考えると、総合サイトの役割もけっして少なくないと感じました。

 ただ、総合サイトの場合、書く人と作業する人が別の場合が多いので、負担の片寄りから来る無理が生じないか心配ですが、その意味で、WANの労働組合がサイトに掲載されているのは、きちんとしておられると思いました。良心的だと言われるNPOや出版社でも、労働問題はうまくいっていない場合が多いとうかがっていますが、この点でも、WANが模範になれば──といっても、もろちん試行錯誤が必要なのでしょうが、労働問題を解決する試みについても伝えてくだされば、すばらしいと思います。

 あと、研究と運動を結ぶという意味では、研究者の方に自分の研究の問題意識を語っていただいたり、逆に運動家や生活者の立場から、研究への要望や質問を語っていただいたりする試みがあってもいいのでは? とか、ネットワークづくりという意味では、さまざまなサイトへのリンクをしてみてもいいのでは? とか(自分が会員でもないのに無責任に)いろいろ思いつきますが、今のままでも十分に意義があると思いますので、どうぞご無理をせずにやっていただきたいと思います。



 「WAN裏方日記」のコメント欄は承認制をとっており、上のコメントはまだ掲載されていませんが、これは、単にまだ承認されていないだけかもしれませんし、ひょっとすると私のコメント送信がうまくいかなかったのかもしれません(「送信しました」というメッセージは確認したのですが)。また、「WAN裏方日記」の文を読むと、個別の記事に対する感想を求めているようですので、私のコメントがそうした趣旨とは異なっているために承認されなかったのかもしれません。

[1月6日追記]
 私のコメントは、無事、承認されていました。

WANの労働争議

 それはともかく、私がコメントを投稿した翌日の1月4日、WANのサイトに、WANの労働組合「ユニオンWAN」の委員長・遠藤礼子さんが書かれた「WANはウェブマスター業務の外注化を撤回せよ」という記事が掲載されました(私は、一瞬、「ひょっとしたら私のコメントに答えてくれたのかな?」などと思いましたが、遠藤さんが「WAN裏方日記」をやっているわけではないと思いますし、偶然の一致でしょう)。

 遠藤さんの記事の内容は、ごく簡単に言えば、遠藤さんはWANにウェブマスターとして雇用されたけれど、昨年末でウェブマスターを辞めさせられるとともに、簡単には許されないはずの「労働条件の不利益変更」(具体的には、労働時間を半分にした上で、賃金を下げて、収入を今の1/4~1/5程度にまで減らされる)が一方的におこなわれた提案されているので(*)、それに抗議しているというものでした。

 ところが、その数時間後、この遠藤さんの記事は削除されてしまいました。

 そこで、「ユニオンWAN」は、新しいサイト「非営利団体における雇用を考える会(仮)― WAN争議を一争議で終わらせない ―」をお作りになり、削除された「WANはウェブマスター業務の外注化を撤回せよ!」(←遠藤さんの抗議の詳しい内容は、これをお読みください)という文も掲載しました。

 この「非営利団体における雇用を考える会(仮)」のサイトには、ほかにも、理事長が遠藤さんに記事の削除を通知なさったメールの中に事実と異なることが書かれていることを指摘した文(「理事長からのメール」)なども掲載されています。

 遠藤さんが関西圏大学非常勤講師組合の副委員長をやっていらっしゃた時には、私も、ごく短い間ですが、お世話になりました。遠藤さんはきっと今回も筋を通して、ハッキリものを言っておられるのだと思います。 

 といっても、私はWANの会員ではなく、その詳しい内情を知っているわけではありません。たぶん使用者側にも言い分があることと思います(ユニオンWANの記事の中にも、ある程度理事の方々の言い分も書かれていますが)。WANの理事の方で私が存じ上げている人は少ししかいませんが、その方々は、私の知る限り、とても誠実に学問や活動をなさってきた方々です。

 ぜひ、私がお送りしたコメントでも期待を表明させていただいたように、WANの方々には、ご苦労や紆余曲折はあると思いますが、遠藤さんにも納得がいくような形でこの争議を解決していただきたいと思います。

(*)[1月10日追記]この点については、当初の私の記述が不正確でした。お詫びして訂正いたします。遠藤さんの現在の状態は、簡単に言えば、WANが
 ・(合意や引き継ぎもせずに、いきなり)仕事を取り上げた(→この点はすでに行われた)。
 ・「よって、今後は他のことをやってもらい労働時間を半分にしたうえで、給料も下げたいがどうか」と言ってきたが、この点については、今のところ、まだ決定も実行もされていない。
 という状態だそうです。この点については、詳しくは、「非営利団体における雇用を考える会(仮)」のブログの記事「WAN争議の論点整理(1)」(労働条件の不利益変更)をご覧ください。

[2012年2月9日追記] この争議のその後については、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」というサイトをご覧ください。
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