2017-11

香港プライドパレード2009に1800人あまり

 第7回台湾プライドパレードの翌日の11月1日、第2回香港プライドパレードがおこなわれました(パレードのサイトは「香港同志遊行2009」。2008年の第1回のパレードについては、本ブログの記事「香港初のプライドパレードに1000人あまり」参照)。

 今年のスローガンは、「驕傲做自己 同志愛出来(Be Proud! Be Yourself!)」でした。

 参加者は、主催者発表で1800人あまりでした。昨年の1000人と比べて、80%増です。ただし、当日のテレビや一部の新聞は、参加者を「数百人」とか「400名あまり」と伝えています(「香港同志遊行2009 now 報導[youtube]」、「港同性戀者游行爭取不受歧視」大公網訊2009-11-1など)(1)

 今年の香港プライドパレード準備委員会は、香港女同盟会(女性のセクシュアル・マイノリティのための団体)、午夜藍(男性セックスワーカーの互助団体)、香港彩虹(セクシュアル・マイノリティのための団体)、女同学社(〃)、Gay Harmonyで構成されました。他にも、28団体が参加しました(游行队伍报名)。香港女同盟会の陳文慧(Connie Chan)さんがパレードの総責任者をつとめました。

 今年は、香港のパレードも、台湾同様に「レインボー大使(彩虹大使)」を選び、映画監督の許鞍華さんが「レインボー大使」になりました。

当日のパレートの模様

 パレードは、午後2時半に灣仔の修頓遊楽場を出発し、軒尼詩道を通って、中環の遮打花園まで行進し、そこで集会やショーをしました(2)

 下が、準備委員会が編集したyoutubeのスライド「香港同志遊行2009參與人數多達1,800人」です(音が出ます)。


 動画は短いものが多いですが、行進している様子がわかるものを下に幾つかリンクしておきます。
香港同志遊行2009即時視像速報之14
香港同志遊行2009即時視像速報之16
香港同志遊行2009即時視像速報之18
香港同志遊行2009即時視像速報之20

 このパレードでは、男性セックスワーカーの互助団体である「午夜藍」のポランティアは、反射テープを巻いた作業服を着て、ヘルメットをかぶってパレードしました。これは、セックスワーカーも労働者階級であり、がんばって骨が折れる仕事をしているのだから、社会的な差別をなくすようにアピールするためでした。

 また、「神は同性愛者も愛する」という横断幕を掲げて、20名のキリスト教徒も行進しました。

 外資系銀行の外国籍の人々が結成した「Interbank」、外国人の同性愛者組織「Homolympics」もデモに参加しました

多かった本土からの参加者

 このパレードには、本土の北京愛知行研究所(エイズ防止やセクマイ差別反対の活動をする民間組織)・上海女愛小組(レズビアン組織)・広州同城社区大学生彩虹隊・藍絲帯同志旅遊網(Gay travel site in China)・貴州黔縁工作組(エイズ防止、反同性愛差別)も参加しました。愛白成都青年同志活動中心(Aibai Chengdu LGBT Yuoth Center)が横断幕を掲げてパレードしている姿は、愛白網の記事「爱白等大陆团体参加香港同志游行」の写真で見ることができます。

 陳文慧さんによると、本土から300人が参加したとのことです。本土ではデモができないので、参加した人という人も多かったようです。香港在住で「香港彩虹」や「彩虹中国」の創設者である、張錦雄さんも、本土の現状について、「なぜ異性愛の映画だけが(映画館で)放映できるのか? 絶対に差別だ!」と怒りました(3)

 北京から参加した阿強さん(「夫夫網」主宰)は、自分のブログとサイトに、多数の写真を掲載した参加記を書いています(与2000名同性恋者在香港骄傲走上街←この記事の中には、「同性愛者の親と家族の会(同性恋親友会、本ブログの記事参照)」が横断幕を掲げた写真もあります)。阿強さんは、デモの隊列の大部分は、本土の同性愛者と香港で仕事をしている外国人だったと言います(4)。香港中文大学の大学院生の阿才さんによると、これはけっして不思議なことではなく、「香港は、実は開放的でありつつ保守的なところで、香港のLGBTは様々な原因で必ずしもパレードに参加できないけれど、内地からは香港にパレードに行きやすいので、内地から来たLGBTが多いのは当然である」とのことです。阿強さんによると、内地から来たある人は「この活動に参加して、自分の生活に自信とパワーを得て、もう一人ぼっちだとは思わなくなった」ということです。

 ブログの記事「亲历第二届香港同志游行」も、北京から参加した人の写真入りの参加記です。この記事によると、パレードの人々は、バスが通るたびに、レインボーフラッグを振って挨拶したそうです。バスの乗客もたいていは、ほほ笑んだり、挨拶したそうですが、一人、パレードに向かって中指を立てた人がいて、ぞっとしたと書かれています。

政府関係者は招待を断る

 今回の香港のパレードに対しては、台湾と違って、宗教団体の直接の公然とした反対活動はありませんでした。

 しかし、香港プライドパレード準備委員会が、香港特別行政区行政長官や労工及福利局(Labour and Welfare Bureau)局長、政制及内地事務局(Constitutional and Mainland Affairs Bureau)局長、平等機会委員会主席を招待したところ、みな招待を断りました(5)

(1)当日の写真やビデオを見ると、一度に映っているのは数百人程度のように見えます。
 ただし、この点は、一つには、ある時点におけるデモの隊列の人数を数えるか、最後の集会に至るまで少しでも関わった延べ人数を数えるかで違いが出てくる部分もあるだろうと思います。
 もちろん、メディアのほうに、日本の警察側発表が時にそうであるように、バイアスがある可能性も否定できないと思います。
 また、かりに数百人だったとしても、必ずしも香港での活動そのものが弱まったとは言い難いように思います。というのは、昨年は、1000人あまりのうち、約400人は台湾や中国本土からの参加だったのですが、今年は台湾のパレードが前日にあったので、台湾からの来援は昨年よりも難しかったでしょうし、香港から台湾のパレードに参加した人たちが帰ってくるのも難しかったと考えられるからです。
(2)以上は、パレードのサイト「香港同志遊行2009」より。
(3)(2)より下の、ここまでの記述は、「撐婚姻反歧視大遊行 千同志高呼一起PROUD(1)」「同(2)」「同(3)」「同(4)」『成報』2009年11月2日(「媒体报道香港同志游行:反歧视千同性恋者高呼一起PROUD」愛白網2009-11-02にも同じものが掲載されています)による。
(4)もしパレードの参加者が、テレビなどの報道のとおり、数百人で、本土からの参加者が、陳文慧(Connie Chan)さんの言うとおり、300人だとしたら、阿強さんの観察は正しいことになります。あるいは、デモに参加した人と最後の集会やショーに参加した人との違いなのかもしれません。
(5)「下月1日上街 要求性傾向平等 同志游行高官拒撐場」『蘋果日報』2009年10月23日(香港同志遊行2009のサイトの「媒体報道」に収録)。
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