「同性愛者の家族と友人の会」がサイト開設
この1月1日、「同性愛者の家族と友人の会」がサイトを開設しました(「同性恋親友会」)。
「同性愛者の家族と友人の会」とは、昨年6月28日、広州で呉幼堅さんたちが設立した会です(「内地首個同性恋親友会在広州成立」)。呉さんは雑誌の編集者ですが(現在は退職)、中国で初めて、同性愛者である息子を支持することを公に表明した人です。2005年11月、南方テレビ局の番組に息子と2人で出演して、そのことを表明しました。彼女は、その後、多くの同性愛者の家族から、さまざまな悩みの相談を受けてきました。彼女は、「三色菫呉幼堅」というブログもやっており、ブログを通じての相談も多かったようです。そうしたことが、彼女がこの会を設立することにつながりました。
アメリカにはPFLAG(Parents, Families and Friends of Lesbians and Gays)という団体がありますし(会の英語名はこの団体とまったく同じなので、倣ったのかもしれません)、日本にも「LGBTの家族と友人をつなぐ会(HP│ブログ)」があります。中国の会も、その目的は、こういった団体とそれほど大きな違いはないと思いますが、一応、下のような趣旨を掲げています。
1)客観的・科学的・全面的に、社会に向けて同性愛の知識を宣伝する。
2)健康的な生活理念を主張し、同性愛者のアイデンティティの実現を助ける。
3)同性愛者およびその親や友だちの間の理解や意思疎通を促進し、同性愛者がすごしやすい生活環境を創り出す。
中国の代表的な性社会学者・李銀河さんも、昨年、この会が設立されると、すぐに自分のブログで支持を表明しました(「支持同性恋家長呉幼堅」2008-07-03)。
現在、会の正式メンバー(同性愛者の父母・直系親族)は20名あまり、ボランティアが90名だということです。
昨年は、以下のような活動をしました。
・8月29日~ 電話相談(月・水・金の夜10時~深夜1時)(「同性恋親友会熱線日前在広州開通」)。全国各地のゲイ・レスビアンやその母親・妻から、計243本の電話(昨年12月26日時点)があったということです。
・中秋と国慶節に、レクリエーションを兼ねた、同性愛者やその親どうしの交流、語り合い(「“中秋同賞月,心月両団円”活動邀請函」、「親友会再掀楽第二波:国慶同游」)
・ゲイの人々に向けて、4回にわたって、HIV無料検診を兼ねた交流会(たとえば、「相互関愛,健康生活――呉幼堅見面曁HIV」)
・12月13日 レズビアンどうしのレクリエーションと交流(「同性恋親友会組織“拉拉放松一日游”」)。
それぞれの活動については、上記のブログ「三色菫呉幼堅」にも詳しく書かれていますし(たとえば、「親友会義工聯慶元旦」という記事には、昨年の活動についての最もまとまった記述があります)、会のメンバーである阿山、阿強といった方のブログにも書かれています。
この1月の4日と5日には、初の同性愛者の父母の懇談会を開催するとのことで、10名あまりの父母の参加が予定されています(「首届同志父母懇談会将下月在広州召開」)。
どこの国でも同じで、中国でも、ある母親は、息子が同性愛者であることをカミングアウトしたとき、非常に苦しみ、なんとかして息子を異性愛者に変えられないかと思ったりもしました。けれど、その母親は、インターネットにアクセスしたり、同性愛者の活動に参加したりして、息子を理解するようになっていきます。とくにある会で、50人ほどの同性愛者が集まって討論をしているのを見て、「これらの子どもはみんなまったく正常ではないか? 教育程度も、個人の能力も高い人たちだ。同性愛は、けっして人々が言っているような『変態』などではない」と悟ったことが大きかったそうです。
会のサイトには、子どもから「私は同性愛者だ」と言われたときのQ&Aも収録されています(「当孩子告訴父母是同性恋時,写給中国父母的問答01」、「同02」)。これは、アメリカのPFLAGのサイトに掲載されているものの中国語訳ですが、貴重な情報だと思います(なお、日本の「LGBTの家族と友人をつなぐ会」のHPには、同様の内容の日本語訳があります)。
なお、会のサイトには、「中国同性愛年鑑」と名付けられた、近年の中国の同性愛者に関する年表も収録されており(「中国同性恋年鑒」、こちらは「南方人物週刊」からの転載)、よく整理されていると思います。
「同性愛者の家族と友人の会」とは、昨年6月28日、広州で呉幼堅さんたちが設立した会です(「内地首個同性恋親友会在広州成立」)。呉さんは雑誌の編集者ですが(現在は退職)、中国で初めて、同性愛者である息子を支持することを公に表明した人です。2005年11月、南方テレビ局の番組に息子と2人で出演して、そのことを表明しました。彼女は、その後、多くの同性愛者の家族から、さまざまな悩みの相談を受けてきました。彼女は、「三色菫呉幼堅」というブログもやっており、ブログを通じての相談も多かったようです。そうしたことが、彼女がこの会を設立することにつながりました。
アメリカにはPFLAG(Parents, Families and Friends of Lesbians and Gays)という団体がありますし(会の英語名はこの団体とまったく同じなので、倣ったのかもしれません)、日本にも「LGBTの家族と友人をつなぐ会(HP│ブログ)」があります。中国の会も、その目的は、こういった団体とそれほど大きな違いはないと思いますが、一応、下のような趣旨を掲げています。
1)客観的・科学的・全面的に、社会に向けて同性愛の知識を宣伝する。
2)健康的な生活理念を主張し、同性愛者のアイデンティティの実現を助ける。
3)同性愛者およびその親や友だちの間の理解や意思疎通を促進し、同性愛者がすごしやすい生活環境を創り出す。
中国の代表的な性社会学者・李銀河さんも、昨年、この会が設立されると、すぐに自分のブログで支持を表明しました(「支持同性恋家長呉幼堅」2008-07-03)。
現在、会の正式メンバー(同性愛者の父母・直系親族)は20名あまり、ボランティアが90名だということです。
昨年は、以下のような活動をしました。
・8月29日~ 電話相談(月・水・金の夜10時~深夜1時)(「同性恋親友会熱線日前在広州開通」)。全国各地のゲイ・レスビアンやその母親・妻から、計243本の電話(昨年12月26日時点)があったということです。
・中秋と国慶節に、レクリエーションを兼ねた、同性愛者やその親どうしの交流、語り合い(「“中秋同賞月,心月両団円”活動邀請函」、「親友会再掀楽第二波:国慶同游」)
・ゲイの人々に向けて、4回にわたって、HIV無料検診を兼ねた交流会(たとえば、「相互関愛,健康生活――呉幼堅見面曁HIV」)
・12月13日 レズビアンどうしのレクリエーションと交流(「同性恋親友会組織“拉拉放松一日游”」)。
それぞれの活動については、上記のブログ「三色菫呉幼堅」にも詳しく書かれていますし(たとえば、「親友会義工聯慶元旦」という記事には、昨年の活動についての最もまとまった記述があります)、会のメンバーである阿山、阿強といった方のブログにも書かれています。
この1月の4日と5日には、初の同性愛者の父母の懇談会を開催するとのことで、10名あまりの父母の参加が予定されています(「首届同志父母懇談会将下月在広州召開」)。
どこの国でも同じで、中国でも、ある母親は、息子が同性愛者であることをカミングアウトしたとき、非常に苦しみ、なんとかして息子を異性愛者に変えられないかと思ったりもしました。けれど、その母親は、インターネットにアクセスしたり、同性愛者の活動に参加したりして、息子を理解するようになっていきます。とくにある会で、50人ほどの同性愛者が集まって討論をしているのを見て、「これらの子どもはみんなまったく正常ではないか? 教育程度も、個人の能力も高い人たちだ。同性愛は、けっして人々が言っているような『変態』などではない」と悟ったことが大きかったそうです。
会のサイトには、子どもから「私は同性愛者だ」と言われたときのQ&Aも収録されています(「当孩子告訴父母是同性恋時,写給中国父母的問答01」、「同02」)。これは、アメリカのPFLAGのサイトに掲載されているものの中国語訳ですが、貴重な情報だと思います(なお、日本の「LGBTの家族と友人をつなぐ会」のHPには、同様の内容の日本語訳があります)。
なお、会のサイトには、「中国同性愛年鑑」と名付けられた、近年の中国の同性愛者に関する年表も収録されており(「中国同性恋年鑒」、こちらは「南方人物週刊」からの転載)、よく整理されていると思います。
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