2017-09

「館長雇止め・バックラッシュ裁判」控訴審の現段階

●6月に第2回口頭弁論:「人格権」も争点に。脇田滋意見書を提出

バックラッシュ勢力の圧力に屈した豊中市によって、三井マリ子さんが女性センター「すてっぷ」の館長の座を不当に追われた事件を訴えた「館長雇止め・バックラッシュ裁判」(この裁判についての説明支援する会のサイト)の控訴審第2回口頭弁論が、さる6月5日におこなわれました。当日は、以下の書面や意見書が提出されました。

「第一準備書面」(PDFファイル)……この裁判の新たな争点として、原告に「人格権の侵害」を加えました。単に不当な雇止めをしたということだけでなく、その過程で、三井さんに嘘をついたり、情報秘匿をしたり、三井さんについての嘘の情報(「三井さんは辞めるつもりだ」)を流したりしたことを、「人格権の侵害」だと主張しています。

「第二準備書面」(PDFファイル)(私なりの要約と感想)……ある書面のうち、被告側が第一審ではなぜか提出していなかったページを提出させたら、豊中市らは三井さんを解雇する方針だけはいち早く決めていたことなどが明らかになりました。

「脇田滋意見書」(PDFファイル)(私による要約私の感想)……先進的な内容を含みつつも、筋道だった論理が展開されている意見書です。2003年に改正された労働基準法18条の2や川田知子氏による最近の学説の意義、雇止めに関する立証責任の問題、パートタイム労働指針の意味など、読みどころ満載の意見書だと思いました。

「第一準備書面」と「脇田滋意見書」については、インターネット新聞JANJANのさとうしゅういちさんの記事がポイントを紹介しています(豊中市と財団の行為は「人格権侵害」 館長雇止め・バックラッシュ裁判控訴審・第2回口頭弁論(上)労働者の解雇、必要性の立証責任は被告側にある 館長雇止め・バックラッシュ裁判控訴審・第2回口頭弁論(下))。

●9月18日には第3回口頭弁論:浅倉むつ子意見書の提出を予定

以下の日程で第3回口頭弁論もおこなわれます。ぜひおいでください。

2008年9月18日(木) 午前11時
大阪高等裁判所 74号法廷
法廷後は弁護士解説付交流会 11時30分 弁護士会館へ

この法廷では、浅倉むつ子さん(早稲田大学大学院法務研究科教授)の鑑定書が提出されます。「日本中を覆ったバックラッシュ攻撃の中、豊中市は、ゆるぎない抵抗を示した原告をうとましいと考え、原告排除を貫徹するため、情報の秘匿・操作を続けた」という趣旨のものだそうです。

当日の日程について、詳しくは、ここを参照してください。

●桂さんに対する謝罪問題と「ニュー世話人会ML」事件

この間、この裁判を支援する「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(ファイトバックの会)」で深刻な問題が起こりました。すでにいくつかのサイトで取り上げられていますが、以下、私なりに簡単に説明します。

昨年2月、この裁判で、桂容子「すてっぷ」館長(当時)が証言なさいました。ところが、それに対して、ファイトバックの会のブログにおいて、桂さんに対する事実誤認にもとづく中傷が数多くおこなわれました。そこで、会員の村井恵子さんは桂さんにお話をうかがって、中傷が根拠のないものであることを確認しました。私も、村井さんに協力して、この問題に対する対処を求めました。

その後、いつくかの事情があってしばらくこの問題に取り組むことができませんでしたが、今年5月、桂さんは、村井さんを通じて会に抗議文を提出なさいました。それに対してファイトバックの会がどう対応するかが問題になりました。

私は、当初、以前は桂さんを中傷した人々も、桂さんのご事情がわかれば反省し、すみやかに会としての謝罪もなされるであろうと思っていました。しかし、会をリードすべき世話人会の中には、思いのほか是正や謝罪に対して抵抗する人々が多く、なかなか話が進みません。それでも7月3日の世話人会で、ブログでお詫びを掲載し、問題の記事をブログから削除することが決まりました(7月12日に実施)。会としての丁寧な謝罪文を桂さんにお渡しすることも決まりました。この会議では、謝罪の件をすすめるために「謝罪チーム」も結成され、私は世話人ではなかったのですが、その一員になりました。

ところが、会としての丁寧な謝罪文の件などをめぐって世話人会の中で意見が分かれました。それだけならまだしも、その議論のために予定されていた会議が、会の代表によってキャンセルされるという事態が起こりました。しかも、7月末には、「謝罪チーム」や謝罪に少しでも関わった人を排除した世話人の人々(代表・副代表を含む)だけで、密かにメーリングリスト(ML)が作られました。そのうえ、彼女たちはそのMLを勝手に「ニュー世話人会」のMLと名づけ、その中でばかり話し合いをしたことによって、正規の世話人会は機能麻痺状態に陥りました。「ニュー世話人会ML」では謝罪チームのメンバーを世話人会から排除するための話し合いなどもおこなわれていました。

こうした行為は、組織運営の原則に反するものであることは明らかで、「世話人会の私物化(ひいては会の私物化)」だと思います。また、謝罪に対する誠意も疑われるものです。桂さんもそうした会の状況に気付かれたために、桂さんには会としての丁寧な謝罪文はお渡しできないという状況になってしまいました。

「ニュー世話人会ML」はその後解消されたのですが、世話人会の機能麻痺状態は解消されず、謝罪チームの世話人のうちの4人もの方が会をお辞めになるという事態になりました。 

以上のような状況については、ブログ「ふぇみにすとの論考」の記事「ファイトバックの会ブログ謝罪問題の顛末と、便利に使われる「バックラッシュ」」や「ファイトバックの会「分裂」状態の原因をつくった「ニュー世話人会ML」事件の顛末」、ブログ「『ファイトバックの会』を考える」の記事「世話人会の私物化」に詳しく書かれています。

今回お辞めになった世話人の方のブログである、「ふぇみにすとの論考」と「『ファイトバックの会』を考える」は、その他にも、この問題についてさまざまな記事を掲載されています。私はこの2つのブログに書かれていることのすべてを確認しえたわけではありませんが、私が知るかぎり事実にもとづいた記述になっています。貴重な情報も多く、考え方についてもかなりの部分について賛成できます。会の人々にとっても参考になると思います。これらのブログでは、原告(控訴人)の責任についても率直に指摘されている点も重要だと思います。

世話人の方々(原告を含む)には、ぜひしっかりと反省していただき、今後の会の運動の展望を切り開いてほしいと思います。

9月24日追記:謝罪問題に関するまとめサイトができましたので、ご参照ください(ファイトバックの会 謝罪問題まとめ@wiki)。
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://genchi.blog52.fc2.com/tb.php/197-073abfa5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

[ファイトバックのネタ]謝罪問題について触れたブログ

謝罪チームメンバーだった、縁さん、遠山日出也さんが、この件の展開についてエントリを書いていらっしゃるので、紹介します。 縁さん「かぼちゃの船」(「ファイトバックの会」カテゴリ) 遠山日出也さん「館長雇止め・バックラッシュ裁判」控訴審の現段階」(エントリの最

«  | HOME |  »

プロフィール

遠山日出也

Author:遠山日出也
 検索から来られた方へ:このブログの記事を分類した一覧である「『中国女性・ジェンダーニュース+』記事総覧」を見ていただくか、下の「カテゴリー」欄を使われると、関連情報がご覧いただきやすいと思います。最近の行動派フェミニストについては、「中国の行動派フェミニスト年表、リンク集」をご覧ください。
 また、「中国女性・ジェンダー関係リンク集」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。
 恐れ入りますが、スパム対策などのため、コメントは私が拝見した後で表示させていただきます。
 私への連絡はtooyama9011あっとまーくyahoo.co.jpまで。

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

最近のコメント

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード