2017-11

ラディカルなHP・「男権転覆ネット」

 久しぶりに中国のネットを見てみると、9月15日に「男権転覆ネット(顛覆男権網)」というHPが創設されていました。

 そのHPの上の箇所には、「全世界の女性は」「団結して」「男性の覇権をくつがえそう」という文字が次々に出てきます。
 また、左上には、「サイト長語録」として、「全人類を抑圧しているのは、奴隷制でも封建制でもなく、資本主義でもなくて、人間性の貪婪である。男性の覇権は、すなわち人間性の貪婪の直接の体現である。全人類を解放する根本問題は、男権を打ち倒して、人間性の貪婪を有効に制止することである」という言葉が掲載されています。
 このHPは、そうした、いわばラディカル・フェミニズムの言葉に満ちています。

 「サイト長」は、ペンネームで「水でできた骨肉」。
 これは、『紅楼夢』の主人公の「男は泥でできており、女は水でできている」というセリフをもとにしているのでしょうが、このHPは自分ひとりで作っているそうです。(「本站介紹」)

 何よりも驚かされるのは、「中国の第二次文化大革命運動」をおこすと言って、「婦連を砲撃せよ」という「大字報」を書いたことです(もちろんこれは、文化大革命の時の「司令部を砲撃せよ」という、毛沢東の「大字報(壁新聞)」にならったものでしょう)。
 この「大字報」というのは、具体的には「中国の婦連はなぜ失敗するのか」「21世紀の纏足した女たち」などの文章のことであり、これらを全国婦連と地方の婦連に送りつけたとのことです。

 婦連(婦女連合会)と言えば、中国共産党の指導の下にある唯一の全国的女性団体。このサイトやご本人が今後も無事に活動を続けられれば良いのですが。
 このサイトはつながりにくいのですが、いまのところ、まだこのサイトは無事のようです。

 ただ、このサイトの文章はまだ十分読めていないのですが、「中国の婦連はなぜ失敗するのか」などの文を読んでみると、議論が少し抽象的で、社会的分析が弱く、家族単位的思考を脱していない感じがしました。
 単純に女-男の関係で問題を考えていることの弱点かもしれません。ラディカル・フェミニズムのごく一部に見られると言われる、男女二分法の上で、女性の道徳的優位性を説くフェミニズムという感じです。 

 「中国の婦連はなぜ失敗するのか」の論旨は以下のようなものです。
 「婦連が女性を社会に押し出す行動は明かに失敗だった、それは、女性に対して『自尊・自信・自立・自強すべきだ』と言って、女性に、夫や子どもに対する感情を放棄させ、一個の徹底した理性の動物にさせることである。そうではなく、教育の矛先を男性に向けて、男性を、愛情と婚姻に忠実にして、家庭に回帰するように導くべきである。
 中国の婦連は自然と人間性の立場から、男性主導の理性の世界にメスを入れるべきである。婦連は、不合理な男性の世界を変革すべきで、女性をどのように変革すべきかばかりを考えるべきではない」

 けれど上の論文の批判は、婦連の弱点、すなわち女性に「自尊・自信・自立・自強しろ」と説くだけで、男性の世界の変革をおろそかにする傾向があるという弱点を突くものであることは確かだと思います。

 また「21世紀の纏足した女たち」の方は、近年の美容整形を「男性社会の審美基準による抑圧」として批判したものです。

 その他さまざまな文章がこのHPには掲載されており、その中には理論的には疑問を感じるものも少なくないのですが、(良い意味での)ラディカルさを感じさせるものも多いように思いました。

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