2017-10

24の民間団体が共同で被災地の女性の権利を訴える建議を発表

 6月4日、ジェンター平等や女性の権益に関心を持つ中国の24の民間団体が共同で「被災地の女性のニーズと権利に関心を持て──汶川地震からの提案」という建議(提案)を発表しました(関注災区婦女的需求与権利──由汶川地震引発的建議)。この建議の宛て先は、国家減災センター、国家抗震救災総指揮部、四川省抗震救災総指揮部、各援助機構とメディアです。

 この建議をおこなったのは、以下の24団体です。
 ジェンダーと発展ネットワーク(社会性別与発展網絡
 首都ジャーナリスト協会 女性メディアウオッチネットワーク(首都新聞工作者協会婦女伝媒監測網絡
 ActionAid International中国事務所(行動援助中国辨公室
 中国法学会DV反対ネットワーク(中国法学会反対家庭暴力網絡
 北京農家女文化センター(北京農家女文化中心
 『農家女』雑誌社(《農家女》雑誌社)
 ジェンダーと農村発展研究ネットワーク(性別与農村発展研究網絡)
 北京天津ジェンダーと発展協同者グループ(京津社会性別与発展協作者小組)
 雲南ジェンダーと発展グループ(雲南社会性別与発展小組)
 雲南省社会科学院ジェンダーと参与性工作室(The Gender and Participation Research Center:GPRC)(雲南省社科院性別与参与性工作室
 広西壮族自治区女性理論研究会(広西壮族自治区婦女理論研究会)
 華僑大学観光学院女性研究センター(華僑大学旅游学院女性研究中心)
 広州新メディア女性ネットワーク(広州新媒体女性網絡)
 北京同語ワーキンググループ(北京同語工作組)
 浙江愛心ワーキンググループ(浙江愛心工作組)
 桃色空間性文化発展センター(粉色空間性文化発展中心)
 同話舎─女性自助ワークショップ(同話舎─女性自助工作坊)
 湖南商学院女性研究センター(湖南商学院女性研究中心
 西北工業大学女性発展・権益研究センター(西北工業大学婦女発展与権益研究中心)
 内蒙古自治区赤峰市婦連(内蒙古自治区赤峰市婦聯)
 四川玉妥雲丹貢波医療センター(四川玉妥雲丹貢波医療中心)
 広西財経学院ジェンダーと発展研究所(広西財経学院社会性別与発展研究所)
 雲南省玉龍県民族文化とジェンダー研究会(雲南省玉龍県民族文化与社会性別研究会)
 上海女愛ワーキンググループ(上海女愛工作組)

 以下、提案の大体の内容をかいつまんで紹介します(詳しくは原文をご覧ください)。

被災状況の統計
 現在の政府の毎日の被災状況の告知は、総人数と地域ごとの統計だけで、性別や年齢、民族、都市・農村別に分類したデータがない。救助や復興、今後の防災のためにはそうしたデータが必要である。

物資の調達と支給
 乳幼児・妊婦・母親が特に必要とする物資や、女性の衛生・避妊用具を調達することに注意しなければならない。
 物資の支給に性差別がないようにするべきである。
 物資は、被災者が受け取るのに便利な方式で支給し、負担が重い女性に配慮しなければならない。
 家族を単位として物資を支給する時は、家族のメンバーの中の女性と子どもが同等に得られるように注意するべきである。
 年寄り・弱い者・病人・身障者のほか、女性が戸主である家庭のニーズに特に注意しなければならない。

健康
 妊産婦が基本的な保健サービスを得られるようにし、移動の際はその安全を確保しなければならない。
 被災した女性に衛生用品・入浴施設・清潔な下着を提供するべきである。
 被災した女性にリプロダクティブ・ヘルスのサービスを提供しなければならない。

安全
 災害によって、女性に対するある種の暴力が出現することを認識し、女性に対する暴力(DV、セクハラ、強姦、人身売買、結婚の強制などを含む)に対して防止措置をとらなければならない。
 臨時の居住地において、異なった家庭の男女が雑居することはできるだけ避ける。できるだけ、男女別で、途中と室内の照明が明るい公衆トイレと入浴施設を提供しなければならない。
 救援業務に従事する人々に対して、女性に対する暴力に反対する基本的教育をおこない、救援業務に従事する人々の、女性に対する暴力を予防・制止・報告する責任を明確にするべきである。

生活と就労
 女性は震災によって生計に影響を受けたり失業したりする者が多い。それゆえ、生計扶助や就労訓練や就労の機会に関して、女性が情報を知ったり参与したりすることを保障し、女性に対する生産と就労の指導を強めなければならない。
 女性が労働者募集を口実にした人身売買などに遇うことを予防すべきである。

教育
 臨時の学校の所在地と宿舎・トイレは、女児の安全な就学に有利なようにし、寄宿学校の生活教師の中にできるだけ女性を配置するべきである。
 被災地の学校が再開したとき、女児が再び学校に戻ることができるように保護者と女児を援助し、被災地の女児が被災によって中途退学しないようにさせる。

財産
 財産の公証や法律相談・法律援助において、女性が情報とサービスを得られることを重視する。
 被災後の財産の認定、損失の賠償において、女性に平等な相続権・分配権・使用権を保障する。
 もし被災地で農村で新たに請負地や宅地を区分するなら、女性が男性と同等の土地権を得られるよう保障しなければならない。

参与
 被災地の再建の計画・管理に被災者および女性を参与させる。
 被災者の代表の中の女性の比率が、1/3より低くならないようにする。
 防災や被災者救済の協力機構や専門家委員会の中に、女性組織の代表とジェンダーの専門家を入れるべきである。
 基層の女性組織が被災者救済と復興事業に参与することを支持しなければならない。

メディア
 メディアは、被災や被災者救済における女性の経験、感じたこと、ニーズをもっと重視し、もっと彼女たちの声をを届けなければならない。
 被災者救助や復興における女性の働きを伝えるべきである。
 強靭さや勇敢さを、「男らしさ」「真の男」という言葉を使って賛美してはならない。
 取材は相手の同意を得て行い、強行取材や、被災者救済や被災者の生活を邪魔する行為をなくすべきである。
 二次被害を与えてはならない。

 民間団体は、被災地でさまざまな救援・支援活動をおこなっていますが、それだけでなく、今回こうした提言を出したことの意義は大きいと思います。
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