2017-08

つくばみらい市主催のDV講演会中止に抗議する署名

 つくばみらい市主催で予定されていた平川和子さん(東京フェミニストセラピーセンター所長)の「ドメスティックバイオレンス(DV)」をテーマにした男女共同参画講演会が、直前になって、DV防止法に反対するバックラッシュ勢力や右翼的な活動家の抗議を受けて、中止されていたことが明らかになりました。

 講演会中止に抗議し、改めて実施を求める署名活動がおこなわれています。私も署名しました。皆さまにもご協力をお願い申し上げます(一次締切1/28)。

賛同署名フォームへ

つくばみらい市における平川和子さんの講演会直前中止に抗議し、改めて実施を求めます

 1/20につくばみらい市主催で予定されていた平川和子さん(東京フェミニストセラピーセンター所長)の「ドメスティックバイオレンス(DV)」をテーマにした男女共同参画講演会(タイトル「自分さえガマンすればいいの?―DV被害実態の理解と支援の実際」)が、直前の1/16になって、市によって中止を決定されていたことが、毎日新聞ほか(注1)で報道されました。報道によれば、1/16にDV防止法に反対する民間団体が、市役所前で「数人が拡声器を使って抗議する騒ぎ」を起こしたため、市の担当者が「混乱を招く」(毎日新聞1/18)「市民に危険が及ぶ恐れがある」(産経新聞1/17)と中止を決定したものです。抗議した団体の代表(男性)は、「市長直訴の抗議により、中止が正式に決定された」、「少数が巨大な行政を圧倒・屈服させた」と発言されたと伝えられています(注2)。

 講師予定者の平川さんが直ちに市長宛に送った抗議文によれば、市側の説明では「西村と名乗る男性と他に数名の女性が、役所内に拡声器を持って押しかけ、職員に対する誹謗中傷などを大声でまくしたて、講演会の中止を求めて詰めより、そのうえ講演会の当日には街宣活動を行うとの予告をしたため、講演会の参加者に危険が及ぶ恐れがあるとの判断のもと、やむなく中止した」とあります。平川さんはこれを「講演会主催者と私に対する暴力であり、参加市民に対する暴力」にほかならないと認識しており、私たちも彼女の認識に全面的に同意します。

 改正DV防止法(2007年制定、本年1月11日施行)によれば「主務大臣(法務大臣と厚生労働大臣)は都道府県又は市町村に対し、都道府県基本計画又は市町村基本計画の作成のために必要な助言その他の援助を行うように努めなければならない」(第2条の3、5項)とされています。改正前にすでに茨城県が策定したDV対策基本計画の関係文書によれば、「県民一人ひとりが「DVは許さない」といった認識を強く持っていただくことが、何よりも大切なことです。このため、県では、今後とも学校や家庭、地域、職場などにおいて、人権意識を高める教育や男女平等の理念に基づく教育を促進していきます」とあります。つくばみらい市が計画していた講演会は、まさに県が推進している「地域における人権意識を高める教育」そのものといえます。そのような事業が少数の暴力によって妨害されることを、見過ごすわけにはいきません。

  中止の報道に接してわたしたちは大きな衝撃を受け、あってはならないことが起きたとふかく憂慮しています。市の行事が少数の人々の暴力的な行動によってくつがえされたことそのものが問題であるだけでなく、DVという暴力に対する人権を守るための事業が、少数の人々の暴力によって実施不可能になるとすれば、DV被害者および支援者を暴力から守るべき責務を負う、自治体の姿勢に対する信頼もゆらがざるをえません。このような暴挙がまかりとおるなら、今後他の自治体においても、DV関連の事業がいちじるしい不安にさらされるだけでなく、講演や学習会等の啓発事業についても「混乱をおそれて」自主規制する自治体が続出しないともかぎりません。

 このような暴力に対して、市がとるべき態度は、きぜんとしてこれを退け、安全を確保したうえで、予定通り事業を実施すること以外にありません。市当局が、暴力に屈して出した今回の中止決定をすみやかに取り消し、あらためて日程を調整して、平川さんの講演会を実施することを、わたしたちは心から求めます。また平川さんおよび関係者の身辺の安全に配慮することをも要望いたします。

(注1)「DV防止法:反対団体の抗議で講演会中止 つくばみらい市」@毎日新聞(1/18)
「抗議受け市の講演会中止に DV被害支援めぐり」@MSN産経(1/17)
「DV防止法講演会 団体抗議で中止に つくばみらい」@東京新聞茨城版(1/18)
(注2)http://seaside-office.at.webry.info/200801/article_15.html

呼びかけ人(敬称略・50音順・08.01.21現在)
青山薫・赤石千衣子・麻鳥澄江・有村順子・石田邦子・市場恵子・伊田広行・伊藤公雄・稲邑恭子・井上輝子・上野千鶴子・小川真知子・戒能民江・木村涼子・熊田一雄・黒岩秩子・小島妙子・今大地はるみ・坂上香・早苗麻子・佐藤明子・さとうももよ・出納いずみ・鈴木隆文・鈴木ふみ・土橋博子・角田由紀子・寺町知正・寺町みどり・内藤和美・中原道子・中村彰・西野瑠美子・丹羽雅代・沼崎一郎・橋本育・長谷川京子・姫岡とし子・弘田しずえ・福沢恵子・フックス真理子・船橋邦子・細谷実・堀田哲一郎・皆川満寿美・三井富美代・米田佐代子

「全文を表示」をクリックすると、平川和子さんご自身の抗議文が見られます。

平成20年1月20日

茨城県つくばみらい市長 飯島 善様

意見表明

 私は昨年11月に、貴市主催の男女共同参画講演会講師のご依頼をいただきました。その前10月より1月15日まで、1月20日(日)の講演会に向けて、秘書広聴課と連絡を取り合いながら、DVの実態理解と支援の実際を参加者の皆様にお伝えし、家庭という密室のなかで起きるDVをなくしていくための具体的方法などについて、参加者と共に考えるべく、準備を進めてまいりました。

 貴市が実施した「男女共同参画に関する市民意識調査」のDV被害に係る調査結果をお示しいただきました。また講演会のタイトルについても、最初は、今回サブタイトルとなった「DV被害実態の理解と支援の実際」を私が提案しましたが、もっと市民にわかりやすいようにという理由で、市側からは「自分だけガマンすればいいの?」が提案され、それがメインテーマとなりました。

 このような共同作業が進むなか、1月16日の早朝、突然に、講演会中止のご連絡をいただきました。私は非常に驚き困惑しました。なぜ、急に、こんなことになってしまったのでしょうか。その中止理由について伺いましたところ、課長補佐より、以下の通りのお返事がありました。

 1月16日早朝に、西村と名乗る男性と他に数名の女性が、役所内に拡声器を持って押しかけ、職員に対する誹謗中傷などを大声でまくしたて、講演会の中止を求めて詰めより、そのうえ講演会の当日には街宣活動を行うとの予告をしたため、講演会の参加者に危険が及ぶ恐れがあるとの判断のもと、やむなく中止したということでした。もちろん私は、1月4日に、「DV防止法(家族破壊法)犠牲家族支援の会、代表・野牧雅子、幹事・小菅清、犠牲家族代表、その他」が要請書を持って市役所に現れたこと、あるいはその後にも同団体に関係する人たちからのメールや電話やFAXなどが多数寄せられたことも、お知らせをいただいておりました。しかし、1月15日までは、講演会実施について、貴市も私も、双方ともに揺らぐことはありませんでした。私はDV被害当事者の声を皆様にお届けするべく努力するつもりでおりました。

 以上の流れを振り返ってみますと、講演会の中止理由は、1月16日に起きたわずか数人の人による威嚇や講演会妨害活動の予告にあると考えざるをえません。まさにこれは講演会主催者と私に対する暴力であり、参加市民に対する暴力にほかなりません。

 こうした暴力を行使する団体に対する憤りを感じると共に、市側の安全対策がもう少し実効性のあるものであってほしかったと、残念でなりません。

 本年1月11日に施行された改正配偶者暴力防止法では、保護命令の対象がDV被害者の家族や支援者にも拡充されました。さらにこれまで都道府県のみに義務付けられていた「配偶者からの暴力の防止及び被害者のための施策の実施に関する基本計画の策定が、市町村の努力義務」となりました。今回の事件は、こうした支援体制の充実がさらに始まろうとする矢先に起きました。

 DVという家庭の中で行使される暴力被害について、市民と共に考える講演会が、わずか数人の暴力行為によって中止されるに至ったことが、当日参加予定だった100名以上の皆様に及ぶ悪影響は、はかり知れないものがあるのではないでしょうか。

 今回の中止という決定を非常に残念に思いますとともに、私自身や市民に対して、今回の事態についての、文書による充分な説明を求めたいと思います。また今後の講演会開催予定など市民への啓発事業と市民への暴力に対する危機管理のあり方についての再考をお願いする次第です。

 私に対する文書による回答は、以下のところに1月末日までに、お送りいただきますようお願い致します。

平川和子

 なお同文を以下の関係者および関連団体にも送りますことをお知らせ致します。
つくばみらい市記者クラブ
茨城県内のDV被害者支援関連団体
茨城県女性青少年課
NPO法人全国女性シェルターネット
その他DV被害者支援関連の団体
内閣府特命担当大臣(男女共同参画)上川陽子大臣
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