2017-04

「館長雇止め・バックラッシュ裁判」宮地光子弁護士の講演

 12月8日、「館長雇止め・バックラッシュ裁判」(原告・三井マリ子さん)(私のHPのこの裁判のページ参照)に関する宮地光子弁護士の講演がありました。

 9月の一審判決に対する簡単な批判は、すでに判決当日におこなわれていますが(遠山日出也「市民感覚との大きなズレ」で報告しました)、この講演では、その時に語られなかった点を中心に、より突っ込んだお話が聞けました。
 以下、やや詳しくご紹介します(ただし、メモや記憶に頼って書いていますので、不正確な箇所もあると思います)。

宮地光子「館長雇止め・バックラッシュ裁判の意味するもの」
   <目次>
はじめに
一、雇止めに関する判例から
二、雇止めに関する原判決の論理とその不当性
 1.雇止めが違法であると言えない理由
 2.法的な権利と言えない理由
 3.不当な目的1─「バックラッシュに屈した」と言えない理由
 4.不当な目的2─非正規雇止め導入のための原告を排除したといえない理由
三、採用拒否に関する原判決の論理
 1.選考手続きにおける不当目的に有無について
 2.選考手続きにおける手続き違反の有無について
四、採用拒否に関する原判決の不当性
 1.採用拒否についての判例
 2.本件採用手続きの趣旨
五、有期雇用をどう規制するか
 1.現行法(略)
 2.ILO条約と勧告の内容
 3.ILO加盟国の義務
 4.労働契約法について

はじめに

 私(宮地)は控訴理由書を書くつもりで、ここ数日、一審判決を読み直していました。今日お話するなかには、まだ弁護団会議でも議論していない、私の個人的な見解の箇所もありますので、そのつもりでお聞きください。

 この裁判が簡単には勝てないのは、第一に、格差社会を支える日本的雇用の根幹である「有期契約」と「採用拒否」(→都合の悪い人間は排除する)と闘う裁判だからです。
 第二に、バックラッシュに屈した行政責任を正面から問う裁判だからです。

 一審で負けたのは辛かったです。でも、負けたために、多く方から、自らの体験などの事実をもとにして一審判決を批判する陳述書を出していただけて、良かったです。
 全部読ませていただきましたが、涙なしには読めないものも幾つもありました。その陳述書の一つに、三井さんが館長時代、「成り行きにまかせていては男女平等にならない。女性一人ひとりの悩みを共有して社会問題として世論をつくり、政治の課題を明確にする」と語った話が書かれていました。これは、今の政治状況とは真っ向から対立する姿勢です。
 ですから困難な裁判ですが、勝ったとき、どれほど女性が勇気づけられるか考えると楽しみでもあります。

一、雇止めに関する判例から

 一審判決は、国内的な観点から見ても、国際的な観点から見てもお粗末すぎます。
 たしかに判例は良くないですが、それでも少しずつ前進しています。そうした判例から見ても、全面棄却はおかしい。

 雇止めに対する判例を見てみると、民間と公務員で状況が異なっていて、まず、民間の場合は、雇止め自体を無効とした(地位確認まで認めた)判決も、いくつも出ています。雇止めを無効にしたのは、以下の場合です。
 (1)反復更新の実態から、「実質的には期間の定めのない労働契約と異ならない」場合。
 (2)(1)とまでは言えないが、相当程度の反復更新の実態から、「契約が更新されると期待することに合理性がある」場合。
 (3)当初の契約締結時の事情から、「契約が更新されると期待することに合理性がある」場合。

 それに対して、公務員の場合は、そうはいかなくて、勝てないことが多い。
 その代表的な判決が、大阪大学図書館雇止事件の最高裁判決です。この判決は、任命権者が、任用を続けることを確約するなどの「特別な事情」がないかぎり、地位確認のみならず、損害賠償も認めないとしました(1994年)。

 しかし、公務員の場合でさえ、最近は変化があります。
 山梨県の昭和町雇止め事件では、嘱託職員の再任用に際して「更新は一定回数に限る」という一般的な扱いをしていたことはなく、原告らに勤務上の問題行動もなかった。けれど、町長がたまたま原告らについての良くない噂を聞いたことから、自分が2期目の任期を開始するにあたって「厳しい姿勢」をアピールしようとして、何の調査もせずに彼女たちを失職させました。
 この事件について、東京高裁判決(2006年)は、「当該地方自治体において、再任用しないことについての合理的な理由がないかぎり、再任用するという運用がおこなわれていた場合」には、原告らが「再任用についての差別的取り扱いを受けないという人格的利益を有していたものと見るべき特別の事情がある」という理由で、損害賠償を認めました(先月、最高裁も昭和町の上告棄却)。

 さらに、中野区非常勤保育士解雇事件でも、東京地裁は、「原告が再任用されるとの期待は、法的保護に値する」と述べて慰謝料の支払いを認めました(2006年)。
 先月の東京高裁判決も、(1)中野区が長期の職務従事の継続を期待するような言動をしていた、(2)職務内容が常勤保育士と変わらず、継続性が求められている恒常的な職務である、(3)これまでの職務の継続が十年前後という長期に及んだなどの理由から、「再び雇用されると期待するのは無理からぬことで、(解雇は)期待権を侵害した」として、賠償を命じました。
 高裁判決はまた、「実質は変わらないのに、民間より公務員が(雇止めのとき)不利」であるのは、「不合理で、実状に即した法整備が必要」であることも指摘しました。

二、雇止めに関する原判決の論理とその不当性

1.雇止めが違法であると言えない理由

 判決は、三井さんに対する雇止めが違法であると言えない理由として、本件の契約更新が「法的な権利として構成することはできない」ことや「『すてっぷ』に反対する勢力に屈したことや、条例制定と引き換えに館長職から排除するとの密約があったとは認められない」ことを挙げています。

2.法的な権利と言えない理由

 判決は、「更新に対する期待は認めることができても、その期待を法的に保護すべき事情までは存在したとはいえない」という言い方をしています。
 しかし、その箇所を読んでみても、判決は「館長が全国公募であったこと」や「館長の業務が、事業の企画・立案及び実施の統括であること」から、「一定程度の雇用契約の更新が想定」されていたことを認めています(もっとも、判決は、「『すてっぷ』の性格から、一人の館長が、館長職を長期間独占することを想定しているとも言い難い」とも言っていますが、三井さんは「長期間独占する」などとは言っていません)。

 にもかかわらず、この判決が「期待を法的に保護すべき事情までは存在したとはいえない」としているのは、やはり「しょせん女性の非常勤の問題だ」というジェンダー・バイアスがあるのではないでしょうか。さきほどの三井さんの言い方で言えば、「10発殴られたら違法だが、4、5発なら我慢しろ」ということです。

 本来ならば、「更新の期待」を認めたなら、その期待が合理的かどうかを検討すべきところです。それなのに、そうしていない。それをやらずに、判決は「法的な権利と構成することができない」と言っています。この言い方は、民間企業の判決の場合は出てこず、公務員の場合に出てきます。この判決は、公務員の場合の枠組みを意識しているのかもしれません。
 *なぜ三井さんは公務員ではないのに、判決が公務員の枠組みを意識しているかという点について、私(遠山)が宮地弁護士に質問したところ、「判決自体にはそうしたことは何も書かれていない。だから、憶測になるが、可能性としては、(1)三井さんの場合は、民間と公務員の中間的な要素があるから、そう思ったのかもしれない。(2)「はじめに『棄却』という結論ありき」だったので、法的な期待権を認めたくなかったから、いちばん厳しい公務員の場合の論理を使ったのかもしれない」といったお答えでした。
 私(遠山)は、もし(2)だったら論外だし、(1)だとしても、被告側さえ、三井さんを「豊中市の公務員」扱いすることを主張していないので、問題外だと思いました。

3.不当な目的1─「バックラッシュに屈した」と言えない理由

(1)組織変更の必要があった理由

 判決は、(三井さんが就いていた非常勤館長職を廃止する)組織変更の必要があった理由として、たった一つ、「2004年に山本事務局長の後任を豊中市から派遣することが困難だった」という点しか挙げていません(他の理由は挙げることができていない)。
 私たちは、この点に関しても、「市からの派遣は3年から5年に延長できる」ことをはじめとして、詳細に反論を展開しているのですが(最終準備書面52-54頁)、それについて、この判決はまったく検討していません。判決が【原告の主張】をまとめた部分(11-25頁)からも落としています。この判決の一番ずるいところです。

 判決は、指定管理者制度の導入を考慮しなかったことも、予算要求の確定方法が通常と異なることもきちんと検討せず、「急ぐ必要があったから仕方がない」としか述べていません。

 判決は、組織変更案が2転3転したのは「実際に職員体制の整備の必要があって、そのための調整をしたから」と言っています。しかし、ほんとうの理由は、正式に理事会などに諮らずにやったので、何か言われるたびに変えた(たとえば寄付行為との関係で、事務局長を館長に名称変更した)などのことです。

 原告への情報秘匿について、判決は「山本事務局長が、原告に対して後任候補者関係の情報を秘匿した真意については、不明といわざるをえない」と言ってますが、この点は、「わからないのはお前だけやー」と、みんなから突っ込みが入るところです。

 また、判決は「原告に後任人事についての意見を聞かなければならないという義務があるとはいえず‥‥違法ということはできない」と言っています。
 都合が悪くなると、判決は「それは違法ではない」という言い方をするけど、私たちは、意見を聞くことが「義務だ」とか、聞かないことが「違法だ」とか言ってほしいのではない。「原告に情報秘匿をしているような『この雇止め』はおかしい」ということを主張しているのです。

(2)バックラッシュ勢力との密約が存在しないとした理由

 判決は「ファックス事件について一部勢力に謝罪していないから、バックラッシュに屈したとは言えない」と言っているけど、最大の屈服は、三井さんを辞めさせたことです。とにかく、この判決は全体の流れを見ていない。
 判決はまた、「本郷部長や武井課長は、三井さんが講演会で『専業主婦はIQが低い』と言ったという噂を聞いたとき、それを否定したから、バックラッシュに屈しているとは認められない」と言っていますが、この点も同じことです。事実無根な噂なのですし、「三井さんはそう言いました」とは言わないでしょう。

 判決はまた、「ファックス文書事件(豊中市のバックラッシュ議員・北川悟司氏らが、三井さんや「すてっぷ」を糾弾した事件)の時点では、すでに男女共同参画条例は制定されていたのだから、ファックス文書事件が、条例制定の引き換えになるとは考えにくい」と述べています。
 私(宮地)は、ここを読んで、「世の中のこと、わかっとらんなー。それともわからないふりをしているのか?」と思います。条例を通してもらったら、「ハイ、サヨナラ」できて、関係を切れるような相手だったら屈服するはずがない。「条例は通したのだから、三井をちゃんとやめさせろ」と、圧力をかけてきたということです。
 むしろ、ファックスが流された後、1年も経って、三井さんに対して初めて組織変更案の説明されたころに、北川議員が問題にしたことに注目すべきです。

 判決は、また、密約があったことを言うには、「バックラッシュ勢力が、条例制定を認めても構わないから、それ以上に原告を『すてっぷ』の館長から降ろすことを優先したことを立証する必要があるが、そういう証拠はない」と言っています。
 これは立証責任を原告に負わせているのですが、「条例だけあっても、推進拠点が弱体化すればダメ」というのは常識でしょう。

4.不当な目的2─非正規雇止め導入のための原告を排除したといえない理由

 私たちは、被告らは「非常勤職員の契約の更新回数に上限を設ける」ために、それに抵抗しそうな三井さんを排除したと主張しました。
 それに対して判決は、「更新回数に上限を設けることは違法ではない」とピント外れのことを言ったうえに、「三井さんを辞めさせた後も、契約更新回数に上限を設けていない」と言っています。
 しかし、この点も、世の中のことがわかっていないと思う。その後も上限を設けていないのは、三井さんが裁判を起こして抵抗したからですよ。

三、採用拒否に関する原判決の論理

1.選考手続きにおける不当目的に有無について

 判決は、「バックラッシュに屈したとは認められない」と言っています。

2.選考手続きにおける手続き違反の有無について

(1)選考委員の選任について
 判決は、「原告を候補者の一人にすべきではないかという意見を述べた理事も、選考委員として選任されているから、選考委員の選任が恣意的であったとはいえない」と述べています。
 しかし、これも世間をわかっていない判断です。本郷部長は、自分が牛耳れるという確信があったから、そういう人も選任しておいたほうが、選考委員会を公正なものとして装うにはいいのです。

(2)本郷部長について
 判決は、「本郷が選考委員になることによって、選考結果に何らかの影響を与えたような形跡は窺えない」と言っています。
 しかし、これでは、不正を立証するには、ビデオで盗撮するか、テープで盗聴するしかないということになります。つまり立証責任を原告が負うという酷なことを言っているのです。

(3)選考方法について
 判決は、「原告は、『財団の職員採用要綱第8条には「一次試験として筆記試験を実施しなければならいない」と書かれているのに、筆記試験をしなかったのは違反だ』と主張している。
 けれど、採用には『競争試験』以外に『選考』もあり、第8条で定める採用試験は、『競争試験』の場合を言っていると解する。『選考』の場合は、筆記試験をおこなわなかったからといって、職員採用要綱違反だとは言えない」(要旨)と述べています。
 この点に関しては、後述します。

四、採用拒否に関する原判決の不当性

1.採用拒否についての判例

 採用拒否についてのこれまでの判例は、国労をめぐる事件を除くと、試用期間から本採用への転換についてのものです。

 有名なのは三菱樹脂事件最高裁判決(1973年)で、この判決は、採用の自由を広く認めています。
 ただし、この判決も「法律その他による特別の制限がないかぎり」という条件を付けています。私(宮地)は、三井さんの事件の場合、財団の職員採用要綱などに照らして見ると、この最高裁判決の枠組みの中でも、採用拒否を問題にしうると考えます。

 また、オープンタイドジャパン事件東京地裁判決(2002年)は、原告の「適性を判断するために試用期間を定める合意が成立していた」と述べたうえで、「本件解約告知(=試用期間中の本採用拒否)が有効と認められるためには、上記試用期間の主旨・目的に照らし、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として是認されるものであることが必要である」と言っており、この事件の場合は、そうではないと判断しています。

2.本件採用手続きの趣旨

 原判決の論理は、採用試験ではなく「選考」でよい。だから、筆記試験を行わなくても違法ではないというものです(79頁)。

 しかし、原判決は、選考委員会を立ち上げたことをまったく考慮に入れていません。
 「職員採用要綱」第4条に「採用試験に関する事項を所掌させるため、職員採用選考委員会を設置する」と書いてあるのですから、選考委員会を立ち上げたということは、採用試験を実施すると決めたのと同じです。
 もし仮に「選考」で行うにしても、要綱の第2条「職員の採用は、より客観的な判定方法を用い、能力の実証にもとづき、職務遂行能力を性格に判定しておこなうものとする」とされていることを無視することはできません(すなわち、より客観的な判定方法である筆記試験をおこなわず、恣意的な判断が入りやすい書類審査と面接のみにした点で、不公正さは明らかです)。

 また、原告にとって本件採用は、まったく新規の採用ではありません。その採用拒否は、原告に対して職場からの放逐を意味しました。つまり、実質的には「本採用拒否」すなわち「解約告知」に等しいものです。
 したがって、上に記した判例で示されているように、「解約告知が有効と認められるためには、上記試用期間の主旨・目的に照らし、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として是認されるものであることが必要である」という論理が適用されるべきです。
 また、判例によれば、その立証責任は、被告にあると言うべきである。しかるに、原判決は「選考手続きに不正を窺わせるような事情が存したこと」の立証責任を原告に負わせるという誤りを犯しています。

五、有期雇用をどう規制するか

 勝訴を勝ち取ることとともに、法律自体を改正する機運を高めることにも努力したい。

1.現行法(略)

2.ILO条約と勧告の内容

 ILO158号条約「使用者の発意による雇用の終了に関する条約」は、労働者の雇用は、当該労働者の能力もしくは行為に関する妥当な理由、または企業‥‥の運営上の必要にもとづく妥当な理由がないかぎり、終了させてはならない」(第4条)と規定していますが、それだけでなく、雇用の「終了が正当でなかったことを挙証する責任を労働者のみが負わないようにする」ための規定をするように定めています(第9条2項)。
 さらに、有期雇用が「この条約に基づく保護を回避することを目的として利用されることを防ぐための適当な保障を規定する」(第2条3項)ことも定めています。

 さらに、ILO166号勧告「使用者の発意による雇用の終了に関する勧告」は、有期雇用が「この条約に基づく保護を回避することを目的として利用されることを防ぐため」に次のことを規定しています。
 「行われている作業の性質、作業がおこなわれている条件または労働者の利益にかんがみ、雇用関係を定めのないものとすることのできない場合」を除いて、「特定の期間の定めのある契約を、期間の定めのない雇用契約とみなす」ことや「1回または2回更新した場合は、期間の定めのない雇用契約とみなす」ことについての措置を定めることができると述べています。

3.ILO加盟国の義務

 日本はILO158号条約を批准していませんが、だからといって、この条約や166号勧告について何の義務も負わないものではありません(以下の点は、ILO条約の批准をすすめる会『国際労働基準で日本を変える』[大月書店]に書いてあるので、関心のある方はお読みください)。

 ILO憲章は、以下のように定めているからです。
 (1)総会で採択された条約は、批准のためにすべての加盟国に送付される。
 (2)ILO条約の送付を受けた国は、1年以内(例外として18カ月以内)に権限ある機関へ、条約批准の議案を提出する義務がある。
 (3)政府は権限ある機関での審理の結果を、ILO事務局長に通知しなければならない。
 (4)権限ある機関への提出義務の不履行に対して、理事会は総会に報告する措置をとる。
 (5)加盟各国政府は未批准条約に関する現況を報告書としてILO事務局に送付する義務がある。

 上のような点について、政府に対して「どうなっているのか?」と迫っていく必要があります。

 なお、この点に関連して、「ILO条約は公務員と民間を区別していないから、公務員にも適用できるか?」という趣旨の質問がありました)が、それに対して、宮地弁護士は「できます」とお答えになりました。

4.労働契約法について

 先月成立した労働契約法は、有期雇用の規制については、ほとんど意味のあることは定めていません。

 しかし、民主党案は、以下のように有期雇用の規制を盛り込んでいました。
 たとえば、「臨時または一時的な業務であって、労働者を雇い入れる場合、当該業務の存続期間であって三年を越えない期間」などの場合を除いて、有期雇用はできないように規制しました。
 また、有期雇用に対する「差別的取り扱いの禁止」も規定しています。
 そうした有期雇用労働者の「雇止め」に関しても、「使用者は‥‥契約の更新の回数、継続的に勤務している期間その他の事情に照らして、当該有期労働契約の更新の回数、継続的に勤務している期間その他の事情に照らして、当該有期労働契約を更新しないことが客観的で合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、更新を拒んではならない」ということも規定していました。

 けれど、民主党は、修正協議で、与党案を基本とした法案を成立させてしまいました。
 しかし、民主党案が上のような規制を盛り込んでいたということは重要です。

 今まで私たちは、「有期雇用の規制」というと、「外国の話」というふうに考えがちだったと思います。
 しかし、民主党案がここまで規定したのは、私たちの力を無視できないからです。現実はここまで来ているのです。
 ですから、わが国でも、私たちがさらに運動を盛り上げるならば、有期雇用を規制する展望があります。

 2005年6月には、有期雇用全国ネットワークも発足しています。その発足記念宣言をお読みください。
 皆さんも、このネットワークが何かをしてくれるのを待つのではなく、積極的に活動をなさることが大切だと思います。

 以上が、私が理解した宮地弁護士の講演の、だいたいの要旨です。

 いつもながら、元気が出るお話でした。
 「控訴理由書」も楽しみです。

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