2017-04

江蘇省、極めて限定的な婚姻内強姦の禁止案も撤回

 婦女権益保障法が2005年に改正されたのに伴って、各省ごとに制定されているその施行規則(辨法)も、今、改正されつつあります。
 江蘇省は、その施行規則に、「離婚事件の一審判決がまだ効力を生じる前、あるいは二審の期間に、夫は妻に性行為を強要してはならない」という規定を導入しようとしていることが、昨年末、報じられました。このことは、このブログでも取り上げました(「江蘇省、極めて限定的に婚姻内強姦を禁止か?」)。

 しかし、最近、江蘇省の人民代表大会の常務委員会でこの施行規則を審議した際、上の規定は削除されました。
 同省の人民代表大会の内務司法委員会の責任者によると、その理由は、「『婚姻内強姦』が犯罪になるかどうかは、いま法学理論の分野で長い間、論争の焦点になっている。だから、この条項は『地方での立法の範囲には属さない』」というものだそうです(1)

 上で述べたように、江蘇省が導入しようとしていた規定は「離婚事件の一審判決がまだ効力を生じる前、あるいは二審の期間」というきわめて限定的な期間だけ強姦を禁止する規定にすぎませんでした。もしこうした規定が導入されたら、へたをすると「一審判決以前だったら(まして離婚訴訟以前だったら)、性行為を強要してもよい」と解釈される危険もあると思いますので、今回削除されて、かえって良かったような気もしないではありません。
 けれども、削除した理由を聞くと、けっしてそうした理由から削除されたわけではなく、地方の立法の限界という理由なので、喜べないです。

(1)「江蘇省実施婦女法辨法一審時増加了鼓励夫妻聯名登記財産条款,但――“妻子可調査丈夫私房銭”内容被刪」『中国婦女報』2007年9月28日。
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