女性経済学者の地位向上めざして
2002年から「中国女性経済学者 研究と訓練プロジェクト(中国女経済学者研究与培訓項目)」というものが、北京大学中国経済センター主催で始まっています。
このプロジェクトの趣旨は「高等教育機関と研究機構の女性経済学者の研究能力を向上させ、女性経済学者の学術的地位の向上を促進し、中国の経済学研究とジェンダー研究を推進する」ことです。フォード財団の資金援助を受けています。
プロジェクトの責任者は、カナダのウィニペグ大学の董曉媛教授と北京大学経済研究センターの趙耀輝教授です。
ウェブサイトも昨年出来ました(「中国女経済学者」)。
このプロジェクトでは、定期的に「ジェンダーと発展」をテーマにした国際シンポジウムを開催したり、毎年の中国経済学会で「女性学者フォーラム」をしたりしています。
また、「中国女経済学者懇親会[聯誼会]」というネットワークも作りました。
昨年から、何人かの会員が、IAFFE(International Association For Feminist Economics)の年次総会にも参加しています。先日、IAFFEの機関誌のFeminist Economicsの13巻3-4号(2007年7-10月)が、中国におけるジェンダーとWTOについての特集をしましたが(目次。今ならここから全文ダウンロード可能)、その中国語訳の準備もしているとのことです。
さて、中国の女性の経済学者の地位については、王小波さんと董曉媛さんが2003年にカナダのウィニペグ大学で報告した論文がネットで読めます(「中国女経済学家状況調査及其分析」)。
この論文によると、中国の女性経済学者については統計自体が不足しているのですが、ある調査によると、経済学の教師全体の32.8%を占めており、カナダ(12.8%)と比べても大変多いようです。
ただし、地位が高くなると女性が少なくなるという現象は、やはり顕著です(下表)。
地位 女性比率
教授 10.4%
助教授 32.1%
講師 42.2%
助手 44.8%
また、年齢的には、女性は若い世代の教師に多いです。その一つの原因は、女性の教育水準が向上して、博士や修士になる女性が増えたことです。しかし、もう一つの原因は、改革開放以来、教員を辞めて実業界に飛び込むことがブームになったことや教師の待遇が低かったことのために、男性教師が流失したのに対して、女性の高学歴者は、「時間的に自由が利いて、安定した職業である」教師になる傾向が強かったということだそうです。しかし、ここ数年は、教育制度が改革されて、教師の待遇が大幅に上がったので、若い世代での女性の比率が高さが継続するかどうかは注意しなければならないと述べています。
収入は、男性教師(教授、助教授、講師)の平均が月収3072元であるのに対して、女性教師の平均は2363元と、かなり差があります。大学教員の場合、職称による収入の差が大きいので、それが響いているようです(下表)。
地位 性 収入 (カナダ)
教授 男 4138 (102140)
女 3200 (93000)
助教授 男 2871 (82000)
女 2464 (66430)
講師 男 2360 (67500)
女 2045 (62000)
(元) (カナダドル)
ただ、中国の女性経済学者たち自身は、性別が、賃金や自らの発展に影響しているとはあまり考えていない傾向があるとのことです。著者たちは、この点について、女性学者の「感覚が麻痺している」といいます。すなわち、中国では「女性が高等教育機関で教員になるとき、単に安定した、体裁がいい、わりあい暇があって、家族や夫の面倒をよく見られる職業だ」と考えているというのです。
お二人の論文を読んで、日本と中国を比較してみると、地位が高くなると女性が少なくなる点は同じながら、大学の経済学の教員に占める女性の比率や大学の状況はずいぶん違いがあると感じます。
このプロジェクトの趣旨は「高等教育機関と研究機構の女性経済学者の研究能力を向上させ、女性経済学者の学術的地位の向上を促進し、中国の経済学研究とジェンダー研究を推進する」ことです。フォード財団の資金援助を受けています。
プロジェクトの責任者は、カナダのウィニペグ大学の董曉媛教授と北京大学経済研究センターの趙耀輝教授です。
ウェブサイトも昨年出来ました(「中国女経済学者」)。
このプロジェクトでは、定期的に「ジェンダーと発展」をテーマにした国際シンポジウムを開催したり、毎年の中国経済学会で「女性学者フォーラム」をしたりしています。
また、「中国女経済学者懇親会[聯誼会]」というネットワークも作りました。
昨年から、何人かの会員が、IAFFE(International Association For Feminist Economics)の年次総会にも参加しています。先日、IAFFEの機関誌のFeminist Economicsの13巻3-4号(2007年7-10月)が、中国におけるジェンダーとWTOについての特集をしましたが(目次。今ならここから全文ダウンロード可能)、その中国語訳の準備もしているとのことです。
さて、中国の女性の経済学者の地位については、王小波さんと董曉媛さんが2003年にカナダのウィニペグ大学で報告した論文がネットで読めます(「中国女経済学家状況調査及其分析」)。
この論文によると、中国の女性経済学者については統計自体が不足しているのですが、ある調査によると、経済学の教師全体の32.8%を占めており、カナダ(12.8%)と比べても大変多いようです。
ただし、地位が高くなると女性が少なくなるという現象は、やはり顕著です(下表)。
地位 女性比率
教授 10.4%
助教授 32.1%
講師 42.2%
助手 44.8%
また、年齢的には、女性は若い世代の教師に多いです。その一つの原因は、女性の教育水準が向上して、博士や修士になる女性が増えたことです。しかし、もう一つの原因は、改革開放以来、教員を辞めて実業界に飛び込むことがブームになったことや教師の待遇が低かったことのために、男性教師が流失したのに対して、女性の高学歴者は、「時間的に自由が利いて、安定した職業である」教師になる傾向が強かったということだそうです。しかし、ここ数年は、教育制度が改革されて、教師の待遇が大幅に上がったので、若い世代での女性の比率が高さが継続するかどうかは注意しなければならないと述べています。
収入は、男性教師(教授、助教授、講師)の平均が月収3072元であるのに対して、女性教師の平均は2363元と、かなり差があります。大学教員の場合、職称による収入の差が大きいので、それが響いているようです(下表)。
地位 性 収入 (カナダ)
教授 男 4138 (102140)
女 3200 (93000)
助教授 男 2871 (82000)
女 2464 (66430)
講師 男 2360 (67500)
女 2045 (62000)
(元) (カナダドル)
ただ、中国の女性経済学者たち自身は、性別が、賃金や自らの発展に影響しているとはあまり考えていない傾向があるとのことです。著者たちは、この点について、女性学者の「感覚が麻痺している」といいます。すなわち、中国では「女性が高等教育機関で教員になるとき、単に安定した、体裁がいい、わりあい暇があって、家族や夫の面倒をよく見られる職業だ」と考えているというのです。
お二人の論文を読んで、日本と中国を比較してみると、地位が高くなると女性が少なくなる点は同じながら、大学の経済学の教員に占める女性の比率や大学の状況はずいぶん違いがあると感じます。
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