2016-07

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公共トイレの男女の便器数の不公平是正を求める運動の2014年以降の展開

 はじめに――2012年、2013年の運動 
 一 2014年世界トイレの日:李麦子ら、「都市公共トイレ設計基準」に男女の便器比率を1:2にする強制的な規定導入を求める書簡
 二 2015年2~3月:全人代の代表や全国政協の委員への働きかけの広がりとフェミニスト5女性の刑事拘留
 三 2015年世界トイレの日:観光地のトイレ整備計画に便器比率におけるジェンダーの視点を求める建議
 四 2016年青年節:8大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙
 おわりに――運動の継続、新しい参加者

はじめに――2012年、2013年の運動

行動派フェミニスト(女権主義行動派)の活動が最初に広く知られたのは、2012年2月~3月に全国各地でおこなわれた「男子トイレ占拠」のときであろう。

中国では(も)、公共トイレの便器数が男女の生理的差異などを十分考慮せずに決められているため、女子トイレの前にはしばしば行列ができる。それに対して、李麦子さん・鄭楚然さんをはじめとした女子大学生が、広州市の越秀公園近くの男性トイレを一時的に占拠し、行列を作って待っている女性に男性トイレを使用してもらうパフォーマンスアートをおこなって、女性トイレ不足の解決を訴えた。その後、全国各地の女子大学生たちが同様のアクションをおこなった。

また、李さんと鄭さんは女子トイレを増設する提案を微博やメールを使って全国人民代表大会(全人代)の代表や全国政治協商会議(全国政協)の委員(いずれも日本で言う議員)を送り、全人代などに提出してもらった(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」 「WANに『中国の女子大学生の「男性トイレ占拠」アクションと日本のメディア』掲載、および日本における女性用トイレ不足問題について」「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」)。

さらに、2012年の世界トイレの日(11月19日)には、女子学生の増加が著しい全国の12の師範大学(北京師範大学、天津師範大学、河南師範大学、広州第二師範大学、華中師範大学、信陽師範大学、杭州師範大学、重慶師範大学、江西師範大学、西北師範大学、陝西師範大学、新疆師範大学)で、各大学の女子学生が、女子トイレ増設を要望する手紙を学長に送り、いくつかの大学から増設するという回答を得た。また、2013年の世界トイレの日には、13都市の女子大学生らがそれぞれの都市のケンタッキーとマクドナルドの店舗にユニセックストイレ設置を求める手紙を出した(本ブログの記事「全国の12師範大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙」、「世界トイレの日に、13都市の女子大学生らがケンタッキーとマクドナルドの各店舗にユニセックストイレ設置を求める手紙を出す」)。

こうした動きに対して、衛生部(医療や衛生を担当する省)も、2013年2月、「公共トイレ衛生基準」の意見募集稿において、男女の便器の比率を1:2にすると定めた。それに対しても彼女たちは、同年7月、全国9都市の公共トイレの便器の状況を調査し、現状ではむしろ男性用便器の方が多いので、衛生部の「基準」に強制性を持たせるべきことなどを訴えた(本ブログの記事「ジェンダー平等活動グループ、9都市の公共トイレの便器数の男女比の調査報告発表」参照)。

「男子トイレ占拠」で有名になった彼女たちだが、その後は、彼女たちの労働や教育における女性差別、女性に対する性暴力に関する活動がより注目されるようになった。

しかし、2014年以後も、公共トイレの問題についての運動は続いている。そして、2015年2~3月に李麦子さん、鄭楚然さんを含むフェミニスト活動家5女性が刑事拘留されるという弾圧にあって以後も、運動は続いている。今回は、そのことについてご紹介したい。

一 2014年世界トイレの日:李麦子ら、「都市公共トイレ設計基準」に男女の便器比率を1:2にする強制的な規定を求める書簡

2014年の世界トイレの日には、「都市公共トイレ設計基準」の男女の便器比率を1対2にすることを強制的な規定にするために、李麦子さんは、12都市(北京・西安・蘭州・杭州・寧波・重慶・東莞・武漢・広州・昆明・韶関・香港など)の23名の大学生や設計師とともに、中華人民共和国住宅・都市農村建設部と各地の住宅・都市農村建設委員会に建議の手紙を出した。

この活動に参加した、蘭州で都市計画を専攻している女子大学生の小雨さんは、「昨年2月の『都市公共トイレ設計基準(意見募集稿)』は、『公共トイレのサービス地区の男女の人数がほぼ同じならば、男女の便器の比率は1:2とするのが適当である』と言っていますが、強制力がないために批判されています。もし強制しないならば、女子トイレの増設はやってもやらなくてもいいことになってしまいます」と話した(1)

この建議に対しては、各地の住宅・都市農村建設委員会からも、必ずしもすぐに改善するという内容ではないが、何通か返信が届いた(2)

二 2015年2~3月:全人代の代表や全国政協の委員への働きかけの広がりとフェミニスト5女性の刑事拘留

2014年2月には、李麦子さんが微博で呼びかけて、100人あまりの女子大学生や若い女性が、300人余りの全人代の女性代表に対して、女性用便器不足の問題を取り上げるように郵便やメールで訴えた。

この活動に参加した北京の大学二年生の林さんは、冬休みの期間を利用して、100人余りの代表の連絡先を調べた。中国の全人代の代表(議員)は、日本の国会議員と違って専業ではなく、議員事務所があるわけではない。それでも代表が教授や企業家の場合は調べやすかったが、公務員の場合は調べるのが難しかったという。

代表からの返事は、「受け取りました」という簡単なものが大半だったが、取り上げるとか、参考にするといった積極的な回答も2通あった(3)

2015年にも、154人の女子大学生などの若い女性たちが、全人代の代表や全国政協の委員らに対して、女性用便器不足の問題を取り上げるように訴えた(4)

すなわち、2012年には李麦子さんと鄭楚然さんの2人でやった全人代の代表などへの働きかけが、2014年、2015年には100人、150人の運動へと広がったのである。

しかし、同年3月6日から7日にかけて、李麦子さんと鄭楚然さんを含む5人のフェミニスト活動家(フェミニスト五姉妹)が刑事拘留されるという弾圧にあう。

ところで、この年の全国政協では北京大学中文系教授の葛暁音さんが「公共トイレ建設における女性トイレ比率向上に関する提案」を出したのだが、この提案は、上述の154人が出した提案にもとづくものだったのだ(5)

つまり、全国政協で公共トイレの女性トイレ便器比率の向上が提案されたのに、そのような提案活動をしてきた李さんや鄭さんたちは獄中にいるという皮肉な事態になり、女性たちの中から批判の声が上がった。

また、4月29日付けの「女権の声」の微博は、「男子トイレ占拠」から3年にして、北京市が全市の公共トイレについて、新しい基準にもとづいて、女性便器の数を2倍にする見込みであることを伝えた(6)。こうした事態も、5人の刑事拘留の不当性を浮かび上がらせたと言えよう。

5人は4月13日に釈放された。しかし、「フェミニスト五姉妹の釈放は、けっして弾圧の終わりではなかった。彼女たちは現在に至るまで本当の自由を取り戻していないというだけでなく、恐怖と混乱によって、フェミニズムアクティビズムの活動空間全体が大きく縮小された。街頭での活動はストップし、講座やシンポジウムにも中止されたものがある。一部の参加者は運動から退き、多くの人はもうNGOには加入しなくなった。中国のフェミニズムアクティビズムは衰えた」(呂頻)(7)

しかし、李さんらも若い中国のフェミニストも、トイレの問題に関する活動をストップしたわけではない。

三 2015年世界トイレの日:観光地のトイレ整備計画に便器比率におけるジェンダーの視点を求める建議

観光地の女性トイレに行列ができることは、中国でもよくある。

2015年4月6日、中華人民共和国国家観光局は、「全国観光トイレ建設管理行動3カ年計画」を発表し、2015年から2017年までの間に全国で5万7000カ所の観光トイレを新築ないし増築するとした。しかし、この計画は、男女の便器の比率には全く触れていなかった(8)

そこで、2015年の世界トイレの日、李麦子さんは、10都市あまりのジェンダー平等に関心を持っている人と連名で、観光地の女子トイレの比率を高めるとともに、ユニセックストイレの増設を求める書簡を国家観光局に出した(9)

この書簡は、「『全国観光トイレ建設管理3カ年行動計画』を完全なものにし、女性便器の比率を高め、ユニセックストイレを増設する建議」と題するもので、具体的には、以下の点を要求していた。

1.「行動計画」の中に、以下についての強制的な規定を入れること。公共トイレの女性用便器(しゃがみ込み式、腰掛式)と男性用便器(しゃがみ込み式、腰掛式、小便器)の比率は必ず2:1に達していなければならず、そのうち女子トイレと男子トイレのしゃがみ込み(腰掛)式の比率は必ず4:1に達していなければならず、女子トイレの面積も必ずそれに応じて増やさなければならない。

2. 「行動計画」の中で、公共トイレについては、必ずバリアフリートイレを増設するとともに、適切にユニセックストイレを増設しなければならないと規定すること。

3. 「行動計画」の中で、公共トイレの審査・許可、および検査の上で納品する制度を規定し、各地の観光管理部門がきちんと執行するよう要求すること(10)

四 2016年青年節:8大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙

2016年5月4日の青年節(五四運動を記念して定められた日)には、8大学(陝西師範大学・遼寧師範大学・北京師範大学・広州大学・広州工業大学・南京財経大学・鄭州大学・汕頭大学(11))で、女子学生たちがそれぞれの学長へ手紙を出す活動をおこなった。それらの手紙は、大学の男女の便器の比率を変えて女子トイレを増やしたり、ユニセックストイレを増設するなどして、女子学生の長期にわたるトイレ難の問題を解決することを求めるものだった。

さらに、彼女たちは、大学の学内や校門前で、手に「トイレの比率は2:1、そうでなければ女子学生は待ち切れない」と書いた紙を持っている写真を公表した(12)。この活動を報じた微博の記事には、陝西師範大学・遼寧師範大学・広州大学・広州工業大学・南京財経大学での活動の写真が掲載されている(13)

青年節の日に行動を起こした理由について、広州大学の蔡さんは、「公共空間において女性が権利を勝ち取らなければならないというだけでなく、より重要なのは、私たちは若い女性として、若い女性という形象でフェミニズムのために行動をすることだった」と述べた(14)

今回の活動の呼びかけ人は、陝西師範大学の在如さんだ。在如さんは、ずっとフェミニズムに関心を持っていたが、卒業する前にこの問題を何とかしなければならないと思った。在如さんは、かつて女子トイレが満員だったために、やむをえず男子トイレに入ったこともあり、この件はもう猶予できないと考えていた。在如さんは、自分の大学のトイレの情況について実地に調べてみた。在如さんが調べたところ、「私たちの大学は師範大学で、女子学生の方が男子学生よりはるかに多く、わが校の公式微信によると、2015年の男女の学生の比率は3:7であるのに、男女の便器の比率は基本的に1:1です。授業が終わると、女子トイレの入り口には長い列ができるのに、男子トイレにはほとんど人がいません」とのことだ。

在如さんは、同じような情況の大学の学生たちに対しても、学長に手紙を出す活動をしようと呼びかけたところ、8つの大学から応える声が上がった(15)

活動に参加者した北京師範大学の張雪莉さんは、「2年前に私たちの大学では、女子学生が学長に女子トイレを増やすよう求める手紙を出したので、2つの教学楼でトイレを3:1の比率にしました。けれど、私は先日、ある教学楼ではまた元に戻したことを発見しました。私もいつもトイレに並んでいるので、本当にもう待ちきれません」と語った。

「男子トイレ占拠」の呼びかけ人である李麦子さんは、「トイレは大学にはなくてはならない教育施設なので、大学の男女の便器の不合理さの問題は、実は教育資源の分配の不合理さの問題であり、女性の平等な教育権に関わる問題なのです。2012年から今までに、多くの大学が改革をしました。一部の男子トイレを女子トイレに改造した大学もありますし、教師の休憩室を女子トイレに改造した大学もあります。これはどちらもよい手本であり、各地の大学も参考にできます」と語った(16)

今回活動がおこなわれた8大学のうち、北京師範大学と陝西師範大学は、2012年の世界トイレの日にも活動がおこなわれている。しかし、他の大学は、2012年とは異なっている。2012年当時の学生はおおむね卒業しているであろうことから考えても、2016年の活動は新たな担い手によって進められたのだろう。

成果

2012年と同様に、今回もいくつかの大学で成果を収めた。

この行動によって、1カ月も経たない間に便器の比率が変わったのは広州大学だ。

広州大学では、ジェンダー/セクシュアリティの問題に取り組んでいる「Gスポットグループ(G点小組)」の4人の女子学生が、学長に手紙を出して、大学の男女のトイレの比率を1:2にするように訴えた。

この行動を呼びかけた菜菜さん(仮名)らが、広州大学の2つの文科の教学楼の男女の便器の比率を計算したところ、だいたい1:1であり、1:1.5という規定にも達していなかった。まして、文科の教学楼では女子学生はもっと多いので、女子トイレに対するニーズはもっと高いはずだ。そこで、菜菜さんは、広州大学の最近3年間の学生募集の男女比率を調べるとともに、大学の各学院の男女の比率も調べた。すると、4つの学院では女子学生の比率が80%を超えており、それらはすべて文科専攻だった。こうした調査を経て、菜菜さんらは、学長に手紙を出したのだった。

約2週間後、菜菜さんは、広州大学の学長の事務局と後方勤務部から電話で、「便器の比率を調整するというプランを試行する」という回答を受け取った。具体的には、6つの男子トイレを女子トイレに改造して、6月から使用できるようにするということだった。

他にも、陝西師範大学と遼寧師範大学で、大学当局からトイレの改築をおこなうという回答があった(17)

陝西師範大学では、5月17日、在如さんと後方勤務部、学校の各学院の学生工作部の書記が便器の比率の計画について協議をした。5月20日には、大学は「雁塔校区の一部の教学楼のトイレの調整プラン」を発表し、男子トイレを女子トイレに改造して、これまでは男女の便器の比率が3:2だったのを、1:2に変えるとした。

遼寧師範大学では、鐲子さんが学院の党総書記と話をした。党総書記は「男女のトイレの比率の問題と調整の問題は夏休みの計画に入れる。大学は学生が理にかなった提案をすることを奨励するし、理にかなった提案は積極的に取り入れたい」と述べた。

南京財経大学の維尼さん本人には大学から回答が来ていない。しかし、ある日、教学楼で、後方勤務部の職員と警備の職員と不動産の職員がいっしょにトイレの状況を調査して、彼らはトイレを改造することに関してしゃべっていることが目撃された。

ただし、広州工業大学の阿思さん、汕頭大学の春暁さん、鄭州大学の木木さん、北京師範大学の張雪莉さんには、現在(5月下旬時点)、まだ大学からの回答などはない(18)

広州大学での運動の成果は、地元の『羊城晩報』でも報道された(19)

ユニセックストイレ

上述のようにユニセックストイレの設置も要求されているが、とくに最近はそれがトランスジェンダーの問題としてもしっかり論じられるようになったと感じる。

李麦子さんは、「大学でもユニセックストイレを増設してはどうかと思います。なぜなら、男子トイレと女子トイレという二元的区分は、セクシュアルマイノリティの一部にはフレンドリーではなく、彼/彼女がトイレを選択しようとしても、選択しようがないからです。それに、ユニセックストイレを設置したら、女子トイレには長い行列ができるのに、男子トイレは誰も使っていないという状況をなくせるからです。だから、ユニセックストイレは将来の趨勢でもあります」と述べている(20)

李雪莉さんも、「私たちは女子学生のトイレ難についてだけでなく、大学には一般にユニセックストイレがなく、バリアフリートイレもないことにも注意し、解決しなければならない」と述べている。

李雪莉さんは「実際には人は2つの性別があるだけでなく、トランスジェンダーもいる。トランスジェンダーは、性別と関係する公共施設を使うときに困惑を感じる。たとえば、MtFとFtMのトランスジェンダーは、男が女装することもあり、女が男装することもあるので、トイレに行くときに、周囲の人が困惑したりフレンドリーでなかったりするし、セクハラや痴漢だと言われることもある」と述べている。

ただし、大学側はユニセックストイレには、まだ消極的なようだ。

在如さんは、少なからぬ人がユニセックストイレに対する要求を持っていることは知っていたが、女子トレイ不足の問題という厄介な問題をまず解決したかったので、手紙にはそれは書かなかったという。しかし、彼女たちが大学の指導部との面会したときには、ユニセックストイレについても議論した。大学は、ユニセックストイレについてもプランに書くとしたら、過激すぎると言った。すなわち、ユニセックストイレには良いところもあるけれども、大学に圧力がかかる(?)かもしれないし、ユニセックストイレだと男女の間、あるいはさまざまな性別の間でセクハラの問題が起きるかもしれないので、しばらく棚上げにすると話したという(21)

おわりに――運動の継続、新しい参加者

以上をまとめると、まず、2014年、2015年と、全人代などの代表への働きかけに参加する人数は広がっていたことがわかる。

フェミニスト活動家の刑事拘留事件の後は、活動の規模は縮小したが、世界トイレの日の活動に見られるように、運動は継続されている。

とくに2016年には、2012年の12大学には及ばないまでも、8大学で学長への手紙や写真での要求のアピールがなされ、成果も上がっている。これは、街頭での活動でこそないものの、全国一斉の(ネットでなく)実地での活動であり、新しい人々による活動の広がりを示すものであるように思われる。

(1)女权之声的微博【厕位比例2:1,否则女生等不及!建议住建部强制比例】2014年11月19日 11:57
(2)麦子家的微博【占领男厕所两周年,各地建设部门对于扩建女厕的回复。】2015年2月24日 20:55
(3)百名女大学生上书两会代表:希望解决女性如厕难」『北京晚报』2014年3月6日 16:47
(4)女代表女委员关注公厕改革 不能对女厕排长队习以为常」『中国婦女報』2015年3月14日。
(5)同上。
(6)女权之声【“占领男厕所”3年了,北京市公厕女性厕位数有望翻倍】2015年4月29日 11:58。
(7)Lu Pin“Critical Mass? On the Perilous Point”Free Chinese Feminist2016.1.31.
(8)关于印发《全国旅游厕所建设管理三年行动计划》的通知旅办发﹝2015﹞ 78号」中华人民共和国国家旅游局2015年4月8日。
(9)麦子家的微博 2015年11月18日 19:32
(10)关于完善《全国旅游厕所建设管理三年行动计划》,提高女厕位比例、增设无性别厕所的建议」问道网。
(11)この大学名については、「学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)にもとづく。
(12)女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(13)同上および「学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)。
(14)男女比例失衡4女生致信校长改厕所 广大6男厕改为女厕」金羊网2016年5月30日 16:17、
(15)以上は、「中国式厕所风波」自由亚洲电台(RFA)2016年6月3日、女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(16)以上は、女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(17)以上は、「女权青年在行动:一封信,让男厕变女厕!」新媒体女性的微博 2016年5月25日、「男女比例失衡4女生致信校长改厕所 广大6男厕改为女厕」金羊网2016年5月30日 16:17、「广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。「广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。
(18)学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)にもとづく。
(19)广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。
(20)女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(21)以上は、「中国式厕所风波」自由亚洲电台(RFA)2016年6月3日。
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家族などからの結婚圧力(逼婚)を批判する若い女性たちの運動――2014年~2016年

<目次>
はじめに――「逼婚」「剰女」という流行語
一 2014年:「逼婚」を肯定するコマーシャルに対する抗議運動

 1.家族のために結婚することを肯定する「百合ネット」のコマーシャル 2.インターネット上での抗議運動 3.バレンタインデーに十数名が百合ネット総本部前などで、替歌とプラカードで抗議
二 2015年:北京・上海・広州の街頭で活動
 1.北京 2.上海 3.広州
三 2016年:クラウドファンディングで北京の地下鉄に反逼婚広告
 1.クラウドファンディングと微博での逼婚反対の呼びかけ 2.広告審査によって表現をソフトにされつつも、北京地下鉄の東直門駅に広告を掲示 3.「反逼婚連盟」はその後もオンラインとオフラインで集い 4.「女権の声」が反逼婚についての体験談を募集
おわりに――「逼婚」の背景として、中国的「孝」、若者の経済的情況、人口政策なども

はじめに――「逼婚」「剰女」という流行語

子どもに結婚をするように圧力をかけることを、中国語で「逼婚」と呼ぶ。とくに子どもが春節(旧正月)で帰省したときに、家族や親せきから「なんでまだ結婚しないの?」「相手はいるの?」「なんで連れて帰ってきて会わせてくれないの?」などと結婚を催促されることが多く、若者たちの悩みの種になっている。

2012年には、親が子供に早く結婚しろと強要する「中国式逼婚」が、流行語にもなった(1)

2016年2月には、「中国関心下一代(次世代に関心を持つ)工作委員会健康スポーツ発展センター」が『中国逼婚調査報告』を出した。この報告では、25歳から35歳の若者に対する圧力が最も大きく、86%の人が結婚を催促されたことがあるという。女性の方が男性より6%比率が高いこともわかった(2)

結婚適齢期を過ぎても独身でいる男女を軽蔑して呼ぶ言葉である「剰女 (残った女、売れ残り女)」「剰男」も、流行語になっている(3)。こうした言葉も結婚規範の強さを示している。

一人っ子政策などに起因する性別のアンバランスによって、本当は「剰男」の方が大量に出現している。彼らの大多数は貧困で、学歴も低く、農村に住んでいる。しかし、メディアは彼らが単身であることは咎めない。

中国のマスメディアの「剰女」についての記事の多くは、都市の教育を受けた単身女性に対して、「仕事にはもう頑張るな、高望みをするな、結婚相手をえり好みするな」というものである。「男の30歳は花であり、女の30歳は黄土の泥である」という言葉があるが、これは、単身男性と単身女性の二重基準を示している。中華全国婦女連合会のサイトさえ、「剰女」に関する文章を無批判に転載し、その中には、「剰女」を「娯楽の場での一夜の情事が好きだったり、役人や金持ちの妾になったりする」などと否定的に捉えたものもある(4)

もっとも、結婚を強要することを批判する「逼婚」という言葉が流行するようになったことは、結婚規範からの脱却を志向する若者の意識が強まったことを示しているとも考えられる。

さらに、近年、「逼婚」を批判する社会的運動もおこなわれるようになった。この運動は、行動派フェミニスト(女権主義行動派)と呼ばれる人々が中心になっていると見られる。つまり、こうした運動が起こったことは、新しい女性運動の台頭とも関係している。

以下、「逼婚」を批判する、こうした女性を中心とした運動について見ていきたい。

一 2014年:「逼婚」を肯定するコマーシャルに対する抗議運動

1.家族のために結婚することを肯定する「百合ネット」のコマーシャル

「逼婚」を批判する運動が起きた1つのきっかけは、2014年の春節の前に、結婚相手の紹介会社「百合ネット」が次のようなコマーシャルを流したことである。

主人公は高等教育を受けた美女である。彼女は、祖母のもとに、学士帽をかぶって卒業証書を届けたりしてきた。ところが、祖母からは、毎年、「結婚したの?」と聞かれる。けれど、彼女はずっと結婚しなかった。しかし、祖母が病に倒れて「結婚しなさいよ」と言ったので、彼女は「今年は祖母のためにも、必ず結婚しよう」と思って、百合ネットの実店舗に行って、結婚相手を探した。最後の場面では、ウェディングドレスを着た彼女が、病床の祖母の前に一人の男性を連れて来て、目に涙を浮かべて「おばあさん、結婚したよ」と言う。

このコマーシャルは、春節の期間、中国中央テレビの3つのチャンネル、10の衛星テレビ、多くの都市の駅のスクリーンで放映された。

2.インターネット上での抗議運動

このコマーシャルに対して、微博(中国式ツイッター)上で批判が巻き起こった。たとえば、@我是你認識的王小能さんは、このコマーシャルは、「仕事をするより結婚したほうがいい!」「あなたはきれいで、有能で、学歴が高く、仕事の出来がいい。でも、結婚していなければ何の価値もない」という価値観を反映していると指摘した。また、@風小餐さんは、女は適齢期になれば結婚するのが「天地の定め」で、女は子どもを産むことが「本分」であることも示していると述べた。

1月29日、百合ネットは謝罪したが、コマーシャルの放映を中止するか否かには触れておらず、ネットでは、誠意がないと評された。

2月6日、@柴晋寧さんが、新浪微博で「#1万人が百合ネットをボイコットする#」活動を始めた。彼女は、百合ネットにコマーシャルの削除と謝罪を求め、それに同意する人はこのエントリを転載(リツイート)するよう呼び掛けた。そうしたところ、2月8日昼までに、1万5119回、このエントリは転載された(5)

3.バレンタインデーに十数名が百合ネット総本部前などで、替歌とプラカードで抗議

2月14日のバレンタインデーには、十数名の若い女性が北京の百合ネットの総本部に抗議に行った。彼女たちは、自分たちが作った替歌《おばあさん、強要しないで(外婆别逼我)》(テレビの人気バラエティ番組《パパはどこに行くの?(爸爸去哪里)》[아빠! 어디가? の中国版]の主題歌の替歌)を合唱した。彼女たちは、「お父さん、お母さん、もう私に強要しないで。私は、一人で生活するのもいいのです。結婚することも、子どもを産むことも、選択ではないの? 私自身に選ばせて」などと歌い、「私に強要しないで」「私は結婚したいときにする。結婚しないならどうだというのか」などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。若い男性も、「おばあさんに言われたからといって、私と結婚しないで」というプラカードを掲げた(動画→「女权青年逆袭百合网反逼婚 」女权之声FeministsVoices)。

彼女たちは、百合ネットの広報部の責任者の楊晶さんに、「結婚を強要するコマーシャルの放映はもうしないでください」という訴えを提出した。そこには、以下のように書かれていた。「まず、このような結婚・恋愛観が陳腐である。結婚は女性の生活の選択肢の一つでしかなく、女性の価値はけっして婚姻によって実現しなければならないものではない。婚姻を女性の最も重要な、ましてや唯一の生きていく道だと考えるのは、女性を拘束し、差別する行為である。また、結婚するかしないか、いつ結婚するか、誰と結婚するかは、みな女性自身の問題であり、家族の圧力や親孝行と関連づけるべきではない。百合ネットのコマーシャルは、倫理道徳によって女性の婚姻自主権を否定している疑いがある。」(6)

彼女たちは、ビルの中の百合ネットの総本部前だけでなく、ビルの外や、地下鉄の車両内や地下鉄の構内でも、歌を歌い、プラカードを掲げてアピールした(動画→女权青年逆袭百合网反逼婚 」女权之声FeministsVoices)

百合ネットは、その日の午後二時、メールで、コマーシャルの放映を中止すると回答した。

この抗議行動は、『南方人物周刊』によると、NGO団体「女権の声」が組織したものである。

この抗議行動に参加した熊婧さんは、「女権の声」に入る前は、武漢の師範大学の学生だった。熊婧さんの父母は、卒業後は、熊婧さんが教師か公務員になって、安定した生活を送ることを望んでいた。しかし、熊婧さんはジェンダー研究を専攻する大学院生になり、自分がフェミニストだと自覚するようになって、賃金が低く不安定なNGO「女権の声」の職員になった。最も母親の心配と父親の怒りを引き起こしたのは、彼女の不婚主義だった。熊婧さんは、父親とはできるだけ交流を避けるようになった。

また、艾可さんの母親も、艾可さんが結婚するまでは家を出てはならないと考えていた。しかし、艾可さんは、長い時間をかけて母親を説得した。けれども、多くの人は、親元から逃れるために結婚することが多い。艾可さんは、これはとても悲しいことだと考えている(7)

二 2015年:北京・上海・広州の街頭で活動

2015年には、北京・上海・広州の3都市で街頭行動がおこなわれた。

1.北京

2015年1月24日午後、未婚の若い女たちと男たちが、北京の三里屯や工人体育館前などで、流行している《小さなリンゴ(小苹果)》という歌と踊りを反逼婚バージョンに改編した歌と踊りを踊りつつ、通行人に「自由を愛し、結婚を強要しない」という歌詞で包んだおひねりを配布した(動画: 小苹果反逼婚)(8)

2.上海

2月4日には、上海の繁華街や地下鉄の車両内で、4、5人の若い女性が、結婚強要を批判するプラカードを持って無言で抗議をおこなった。彼女たちのプラカードには「非暴力不合作剰女連盟(非暴力・非協力の売れ残り女連盟) お母さん、春節のときに結婚を強要しないで! 私の幸福は私が決めます!」と書かれていた(9)

4月末には、5月1日に、上海で結婚を強要された女性や「剰女」というレッテルを貼られた女性10~12人を集めるワークショップをすることが発表された。その協力者として、「万静如(北京BCome小組コーディネーター、話劇《陰道の道》シナリオ制作および俳優の一人)」と「李橙(北京某ジェンダーNGO研究員、BCome小組メンバー)」のお2人の名前が掲載されている(10)

3.広州

3月6日、広州のある街頭で、数人の若い女性が、「私は子どもを産まないことを選択する」と書いたボードと「私はシングルを選択する」と書いたボードを持って、通行人に「シングル」や「不出産」に対する考え方を書いた付箋を貼ってもらう活動をした。

こうした活動をしたのも、終わったばかりの春節で、親戚たちから結婚や出産を催促されたからである。たとえば于磊さんは結婚して3年になるのに、まだ子どもができいなので、姑に「村の中で面を挙げて歩けない」と言われたり、舅に「子どもができなかったから、気が晴れなかった」と暗に言われたりしたという(11)

2015年は、このように街頭行動が3都市に広がった。これらがおこなわれたのは、フェミニスト5女性が刑事拘留された3月6~7日の直前の時期(広州における活動は、まさにその前日)である。つまり、運動が前年よりも広がったことに加えて、街頭行動の自由に対するまだ制約が弱かったことが幸いして各地で街頭行動ができたと言える部分があろう。

三 2016年:クラウドファンディングで北京の地下鉄に反逼婚広告

1.クラウドファンディングと微博での逼婚反対の呼びかけ

2016年1月17日、微博アカウント「@反逼婚聯萌」が、以下のように、反逼婚広告を出すためのクラウドファンディングを呼びかけた。

愚痴や恨みごとを言うよりは、力を尽くして変えるほうがいい! 2016年の春節には、私たちは共に反逼婚行動を起こして、この「逼婚文化」に満ちた社会に対して、結婚を強要する親戚たちに対して、私たちの心の中の声を表に出そう!

結婚するのも、しないのも、私の私事、私の生活、私の自由。

私の人生は、他の誰の支配も受ける義務はなく、まして「上の世代の人の言うことを聞いて」、人に指図され、動かされる義務はない。道理は、こんなに簡単なことだ。

私たちは団結し声を上げて、反逼婚の心の声を、老若男女の誰でも見ることができる主流のチャンネル(たとえば屋外広告)を使って、すべての人に向かって大声で叫ぼう! (12)

目標は3万5000元である。当時、メンバーは約10人だったようだが、1m×1.5mの広告を出すためには3万8000元かかるので、彼女たちだけでは負担しきれず、クラウドファンディングを呼びかけたとのことだ(13)

出した金額に応じて記念品を送ることも宣言された。たとえば、38元出した人には、結婚を強要する親戚や父母らに出すための、「あるフェミニスト芸術家が特別にデザインした『反逼婚はがき』」が贈られる。また、148元、198元を出した人には、それぞれ反逼婚手提げかばん、反逼婚Tシャツが贈られる。

このクラウドファンディングによって、最終的には、383人から2万8593.50元が集まった(14)

この活動の最終的な目的は、公共空間で声を挙げることであり、単に一枚の広告ボードを出すことだけではなかった。そのためには、小さな範囲内で宣伝するだけで満足しはならず、メディアの影響力を使い、SNSに載せて、不断に自己の影響力を放射する必要があった。反逼婚広告は潜在的な広範な受け手とのコミュニケーションが必要だという考えから、お礼の品を送るという方法を使い、寄付をした人とつながりを作ることができるようにした。もっとも、実際にやってみると、「38元」以上というのはハードルが高すぎると思う人もいたので、現物によるお礼はしないが、より少額なサポートを提示したところ、寄付の総額はかえって増えたので、少額の寄付が非常に重要だということがわかったという経験もした。また、お礼を送ること自体にも、時間と精力が必要なので、今回のような場合は必ずしも必要ではないかもしれないといった認識も得た(15)

『北京晩報』の記者が、呼びかけ人の一人の「Coby」に対して、「なぜこの活動を呼びかけたのか?」と尋ねると、「Coby」は、そのきっかけは、幾人かの友だちがみな「結婚を強要された」経験があることだと述べた。学校に通っていたときは、家族に「ボーイフレンドを作るな」と言われ、卒業したら、「女の子はすぐに結婚をして嫁に行くことを考えなければいけない」と言われる。「家族は、いつも私に結婚するように言います。わが家は伝統的で、祖母は、私がボーイフレンドを見つけないのは我儘で、家族に心配をかけていると言います。母親は、結婚していない女は、完全な女ではないと言います。父親はもっとひどく、私の友達を家に呼んで私に勧めます」と述べた(16)

反逼婚聯萌のアカウントは、「#今年の年越しは逼婚なし#」というハッシュタグも作って、微博上での各自の意思表明を呼びかけ、それに応えて、さまざまな人が、自らの顔と自らの意見を書いた紙を写した写真を発信した(17)

北京LGBTセンターの人たちもそうした写真を発表した。たとえば、小鉄主任は「逼婚はいらない。オーガズムに達せられることが必要だ」と書いた(18)

2.広告審査によって表現をソフトにされつつも、北京地下鉄の東直門駅に広告を掲示

彼女たちが最初に広告会社に提出したデザインは、若い女性が頭上で両手をクロスさせて「ノー」の意を示すポーズをとっているもので、「逼婚退散」と横に大きな字で書かれ、縦には、「今年の春節は結婚を強要するな 私の人生は私が決める」と書かれたものだった。彼女のTシャツの上にも、「逼婚」の文字にバッテンが書かれていた(19)

このデザインは、広告会社と北京工商局に下属する部門に審査された結果、拒否された。熊婧さんによると、彼らは拒否した理由は言わなかったそうだが、もっと大人しいデザインにすることにした(20)。つまり、「鋭い」内容は削除して、できるだけ温和で和やかで、前向きな言葉づかいに変えなければならなかった。また、彼女たちも、目上の人および社会の公衆が耳を傾けて、共鳴することができるような表現を望んだ(21)

2月4日、北京地下鉄の東直門駅に、照明看板広告を出すことができた。

それは、可愛い女の子の絵が、大きなハートマークを抱えているデザインであり、その中には、下のように書かれていた。

「親愛なお父さん、お母さん、心配しないで。
世界は広く、
さまざまな人生があります。
独身でも幸せになれます。」

その下には、「単身者も良い青年です。単身のプラスのエネルギーを届けます」と書かれ、「単身自在ホットラインへの電話を歓迎します」として電話番号と受付時間(毎週水~金、12:00~19:00)と記してあった(22)

@反逼婚聯萌は、この広告の前で写真を撮って発信することを呼びかけ(23)、李麦子さんもこの広告の前で自分を撮った写真を微博で発信した。その写真では、李さんは頭上で両手をクロスさせて「ノー」の意を示すポーズをとっている(24)

5月1日には、北京798芸術地区で、反逼婚ポスターの設計者の米果が、ポスターと「連盟」の活動の贈呈用の葉書を印刷した。そのデザインは、地下鉄内の当初のポスターのデザインだった(25)

3.「反逼婚連盟」はその後もオンラインとオフラインで集い

@反逼婚聯萌は、ホットラインだけでなく、微信(Wikipediaによる説明)で交流グループを作って、お互いの経験を交流している(26)

『南方周末』に、5月7日、北京の雍和宮新胡同の醒覚コーヒー館で、「反逼婚連盟」のメンバーである16人の若者(女性14人、男性2人)が集まって集会を開いたという記事が掲載されている。この集会は、2月に「連盟」が結成されて以降初めてのオフラインの活動だったという。この記事は、「反逼婚連盟」には、百人余りのメンバーがいると伝えており、1月にクラウドファンディングを呼びかけたのが約10人であったのと比べて、ずいぶん増えている。

この記事内には、以下のようなメンバーが出てくる。
・Coby――連盟の「盟主」、28歳。
・Caroline――大学3年生で、「連盟」の話劇グループの主要メンバーの1人。
・猪川――33歳の男性で、父母に結婚をひつこく催促されて8年になる。
・二猫――「連盟」の対外ホットラインを管理している。

あるメンバーは、結婚を催促する圧力があまりにも大きいのですでに結婚したが、結婚した後も問題は解決していないと述べている。なぜなら、続いて父母は2人日に子どもを産むよう迫っている。キーワードは変わっても、やり方はまったく同じだと(27)

また、未婚の男性と比べて、同じ年齢の単身女性は、より大きな逼婚の圧力に直面していると述べる参加者もいた。「70年近く以前に、ボーボワールは『第二の性』の中で、『社会の伝統が女性に賦与した意義は、婚姻である』と述べました。現在の社会は多元化したといっても、保護者の多くは伝統的な考え方を強く持っています。今回の広告を出す活動に参加した女性の人数は男性よりずっと多かった。私は、これは重要な要素だと思ったので、反逼婚広告では、私たちは女性を主役にしました」と言う(28)

4.「女権の声」が反逼婚についての体験談を募集

4月20日、微博アカウント「女権の声」が、以下のように「私の反逼婚の話」を募集した。

 今の若い人には、「結婚を催促」されたことがない人は、ほとんどいない。一定の年齢になると、父母や親戚、同僚、同級生、関係のない他人、商業広告、社会の文化全体が、いっせいに飛び出してきて忠告する。

 結婚すべきだ、結婚すべきだ、結婚しないと年をとって/遅くなって/相手がいなくなって/子どもを産む一番いい時期を逃して/死んで……、さまざまな結婚を催促する理由の、一つはあなたに当てはまっているに違いない!(……)

 逼婚文化は強大だが、現実の中には、妥協に甘んじず反抗する者も少なくない!

 それは、理想の伴侶を見つけるためには、「妥協」したくないからかもしれない。

 事業と自己の価値の実現に忙しいので、「結婚」を日程に上らせる時間がないからかもしれない。

 一生、何ものにも拘束されないという自由を愛しているので、「包囲された都市」の中に閉じ込められたくないからかもしれない。

 社会が良くないので平等な婚姻の権利を享受できないからかもしれない。

 結婚しない理由は多いけれども、それぞれの反逼婚の話には、みんな個人の意思と生活の方法についての省察が含まれている。みんな自由を追求し、改革を渇望する勇気を含んでいるから、これらの話は有意義であり、記録される値打ちがある。(29)

この呼びかけの結果集まった文章のうち、7点の力作が「女権の声」の微博に掲載されている(30)

そのうち、ある男性は、「逼婚」の圧力の強さを次のように語っている。父母に「しばらく結婚しないつもりだ」と答えると、親戚の子どもの名前を出して「あなたと年はあまり変わらないのに、みんな結婚して、とてもしっかりしている」と言い、ガールフレンドがいると知ると、「どこの人? 年齢は? 仕事は?」と尋ねる。いなければ、「条件がいいのがいる。紹介しよう」と言ってくる。「結婚しなくてもちゃんと生活していけている」と言っても、「誰それはあなたより何歳も年下なのに、みんな結婚して、あなたが残っている!」と言い、弁解したら、今までに10回以上も、涙声で訴えられたり、突然激怒されたりして、「なんでこうもわからずやなの。年をとるほど馬鹿になる。まともな人間なりなさい。そんなに自分勝手ではいけません」と言われたりする。春節には、親戚が遊びに来て、私に会うなり次々に、「相手はいるのか? いつ結婚するのか?」と聞く。(31)

ある女性は、次のように訴えている。「私は永遠に自由で自分のために生きていたい。けれども、あなた方は、私に結婚を強要して、私を婚姻の牢獄に閉じ込め、一人の男に縛りつけて、もう自分ではないようにする」、「逼婚は、『あなたのため』という名目を付けているが、実際は貴方の幸福を奪うことにすぎない」(32)

おわりに――「逼婚」の背景として、中国的「孝」、若者の経済的情況、人口政策なども

中国における「逼婚」圧力の強さは、上述のようなジェンダー構造と関係しているのはもちろんだが、中国における「孝」が、単に親に尽くすことではなく、子どもの出産により血統を継ぐことに重点が置かれていることと関係しているという指摘もある。たとえば、呂頻さんは、「逼婚」の背景として、「伝統的観念においては、結婚して子供を産むことがいつも『孝』という倫理道徳と堅く結びつけられてきた」ことを挙げ(33)、彭暁輝さんも、「中国では結婚は個人の問題ではなく、家族の問題である。また、中国人は代々血統を継ぐという家族理念が強いことも、特有の『逼婚』現象を引き起こす」(34)と述べている。

ただし、結婚を催促する圧力そのものは、日本でもけっして軽視できないことは言うまでもない。

また、問題は、単なる親の意識やマスコミの論調にだけではなく、若者を取り巻く経済的な面にもある。若者が「逼婚」に反対しようとしても、現実の問題に直面することが指摘されている。すなわち、海外に留学するには学費がかかり、商売をするには立ち上げる資金が必要で、家を買うには「頭金」が必要なのだから、若い人が父母に助けてもらおうとすれば、父母の意向には背きにくいということである(35)。こうした、現在の社会における青年の自立を支える社会的条件の弱さと関連しているという点も重要で、この点も日本にも同様の問題があることが指摘できよう。

さらに、マスメディアが結婚を奨励する理由として、「社会の安定」のためであるとか、「激烈な総合的な国力の競争」のために、「人口の資質」を向上させるためということも言われている。「人口の資質」を向上させるというのは、都市の高学歴の女性に結婚させて「優良な」遺伝子の子どもを作らせるという意味である。メディアはしょっちゅう嬰児の「出生欠陥」についての報道をしており、かつ大多数はその責任を「高齢で初めて出産する産婦」のせいにしている(本当は環境汚染の影響が大きいにもかかわらず)ともいう(36)

こうした側面を見ると、一見家族内の問題のように見える「逼婚」に反対することが、社会のジェンダー構造、婚姻システムの問題はもちろん、それ以外の面でも大きな社会的な広がりを持っていると言えるだろう。


(1)互動百科、2月の十大ネット流行語を発表 (2)」人民網日本語版2012年3月7日、趙 蔚 青「2012年中国の新語・流行語」(愛知大学中日大辞典編纂所『日中語彙研究』第2号、2012年)。
(2)江苏人逼婚最执着,平均每年超10次?」『扬子晚报』2016年2月14日。
(3)時代の流行語『剰男剰女』」新華網日本語版2010年12月8日、「剰女」Insight CHINA日本語版2013年10月23日。当局側の文献の中では、2007年に初めて教育部の文書が「剰女」を新語として挙げている(「关于“剩女”你知道的十个常识」新媒体女性的博客2016年2月1日。
(4)做一个剩女,到底碍了谁的事儿」2016-01-31 新京报书评周刊→「做一个“剩女”,到底碍了谁的事儿」女权之声2016年2月1日。
(5)【传媒观察室】百合网“借外婆逼婚” 网友联合反击道德绑架」南都网2014年2月8日→「百合网“借外婆逼婚” 网友联合反击道德绑架」女声网2014年2月10日。
(6)不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议」女声网2014年2月14日(来源:邮件)=女权之声的微博【不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议】 2014年2月14日 12:09。
(7)冯寅杰「逼婚广告,让爱等待」『南方人物周刊』2014年3月24日。
(8)女权之声的微博【春节将至反逼婚 女青年街头跳“小苹果”】2015-1-28 18:02
(9)上海女青年举牌抗拒父母春节逼婚」中新網2015年2月5日。
(10)[5.1上海]【爱自由•反逼婚】故事工作坊及论坛剧场招募」女权之声2015年4月28日 14:02。
(11)@兔子走丢了「她们选择单身和不生育?!你怎么看?」公益服务网2015年3月9日。
(12)[反逼婚众筹]:送个我们自己的新春“红包”」反逼婚联萌的微博2016年1月17日 22:25。
(13) DIDI KIRSTEN TATLOW“Exalting Life as a Single in ChinaThe New York Times, February 3, 2016→狄雨霏「中国单身青年反逼婚,没那么容易」纽约时报中文网2016年2月3日→女权之声的微博2016年2月4日。
(14)反逼婚众筹:送个我们自己的新春“红包”
(15)被纽约时报报道,她们的众筹有何神奇之处?」2016-06-15 灵析
(16)大龄青年众筹“反逼婚广告”」『北京晚报』2016年1月21日。
(17)反逼婚联萌的微博#今年过年不逼婚#
(18)北京同志中心1月29日 11:53
(19) DIDI KIRSTEN TATLOW“Exalting Life as a Single in ChinaThe New York Times, February 3, 2016→狄雨霏「中国单身青年反逼婚,没那么容易」纽约时报中文网2016年2月3日→女权之声的微博2016年2月4日。
(20)同上。
(21)为了反逼婚,她们直接在北京地铁投了广告! 」尖椒部落2016年2月4日、女权之声的微博【为了反逼婚,她们在北京地铁投了广告】2月4日 12:14
(22)同上。
(23)过年必须拍的一张照片,来看看你拍了吗?」2016-02-05 单身也幸福的 反逼婚联萌。
(24)麦子家的微博2016年2月4日20:17
(25)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(26)被纽约时报报道,她们的众筹有何神奇之处?」2016-06-15 灵析
(27)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(28)为了反逼婚,她们直接在北京地铁投了广告! 」尖椒部落2016年2月4日、女权之声的微博【为了反逼婚,她们在北京地铁投了广告】2月4日 12:14
(29)女声征文│我的反逼婚故事」2016年4月20日。
(30)猪头猫「被逼婚,我遭过的“七宗罪”」2016年5月3日 17:37、米果「请停止社会给予单身的负面意义」2016年5月17日 12:16、Ele_象「拒绝做受人摆布的附属品,我们已踏上“反逼婚”的征程」2016年5月18日 17:27、冬惊「传宗接待是每个成年人应尽的义务?」2016年5月19日 11:48、卢平「女孩,别让逼婚毁了自己」2016年5月20日 16:36、七七「反逼婚十年,我越活越美丽」2016年5月20日 16:54、Gabby「反逼婚历险记」2016年6月12日 18:26。
(31)猪头猫「被逼婚,我遭过的“七宗罪”」2016年5月3日 17:37
(32)☆卢平「女孩,别让逼婚毁了自己」2016年5月20日 16:36
(33)不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议」女声网2014年2月14日(来源:邮件)=女权之声的微博【不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议】 2014年2月14日 12:09。
(34)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(35)大龄青年众筹“反逼婚广告”」『北京晚报』2016年1月21日。
(36)做一个剩女,到底碍了谁的事儿」2016-01-31 新京报书评周刊→「做一个“剩女”,到底碍了谁的事儿」女权之声2016年2月1日。
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