2012-12

「第5回(2012年)中国10大セクシュアリティ/ジェンダー事件批評」

12月17日、「第5回(2012年)中国10大セクシュアリティ/ジェンダー事件批評」が発表されました(「第五届(2012)年度中国十大性与性别事件评点公告」方剛ブログ2012年12月17日)。この活動は、方剛さんが呼びかけて、10人あまりのセクシュアリティ/ジェンダー領域の学者や社会的活動家が共同でおこなっているものです。
 (*昨年までは「性」を「セックス」と訳してきたのですが、日本語の「セックス」は狭く「性行為」の意味で使われることが多いので、今回は「セクシュアリティ」と訳してみました。と言っても「セックス」自体の話題の比重も高く、迷っていますが)

昨年までの結果についての本ブログの記事は以下のとおりです。
・「2008年『中国10大セックス/ジェンダー事件』
・「2009年度『中国10大セックス/ジェンダー事件批評』
・「『第3回(2010年)中国10大セックス/ジェンダー事件批評』
・「『第4回(2011年)中国10大セックス/ジェンダー事件批評』

この活動は、毎年、中国大陸で起きた、社会的関心を集めたセクシュアリティやジェンダーに関する事件を選んで、性の人権とジェンダーの多元的平等の視点から論評するものです。彼(彼女)らは、この活動をつうじて、性の権利とジェンダー平等を促進し、社会の民主と寛容を増進させることを目的としています。そのため、必ずしも有名な事件を選んでおらず、また、コメントに力を入れていることが特色だとのことです。

今年のメンバーは、以下のとおりです(各人の説明は、昨年・一昨年の発表による)。
 陳亜亜(上海社会科学院文学研究所研究員、サイト「女権在線」責任者、フェミニスト)
 方剛(北京林業大学・性と性別研究所所長、性社会学博士、セクシュアリティとジェンダー研究に携わる)
 郭暁飛(法学博士、中国政法大学教師、主に性法学の研究に携わる)
 黄燦(独立セクソロジー学者、芸術家、世界華人性学家協会性文学芸術委員会副主任、『華人性文学芸術研究』編集長、主に女陰文化と妓女問題の研究に携わる)
 胡曉紅東北師範大学女性研究センター副教授、哲学博士、主にジェンダー研究に従事、ジェンダー教育の視点を重視)
 彭濤(ハルピン医科大学性健康・教育センター副主任。主に性の健康の研究と教育に携わり、ジェンダーの視点にもとづいて健康を促進)
 裴諭新(女性研究博士、中山大学社会学・ソーシャルワーク系講師。研究方向は性・ジェンダー・女性研究で、社会的変化の状況における女性の性選択と生活の政治に関心を持つ)
 沈奕斐(復旦大学社会学系教師、復旦大学ジェンダーと発展研究センター副秘書長。研究方向は、ジェンダーと家族)
 魏建剛(北京ジェンダー相談センター[北京纪安德咨询中心]執行主任、同志亦凡人ビデオ監督、主にセクシュアリティとジェンダー、そのほか多元的権益運動に従事)
 呉筱燕
 朱雪琴(フェミニストカウンセラー、ソーシャルワーカー、主にジェンダーと性の研究に従事)
 張玉霞(新疆大学中文系副教授、新疆大学女性研究センターのメンバー、中国メディア大学映画学博士課程在学、ジェンダー研究に従事、大衆メディアの視角に重点)
 張静(中華女子学院教師、中華女子学院性とジェンダー研究センターのメンバー、ソーシャルワーカー。主に青少年の心理健康教育と相談、青少年の性教育、児童と青少年のソーシャルワークに携わる)

 今回は裴諭新氏が復帰し、呉筱燕氏が新たに加わりましたけれども、郭巧慧、李扁、王小平、張敬婕、趙合俊の各氏が抜けたために、少し人数が減っています。

1.38歳の修士の女性がネットで「貞操」をさらした

事件
 2月、武漢大学の38歳の修士の女性である涂世友が、結婚前は貞操を守るべきだと宣伝するウェブサイトを創建し、自分が「処女」であるという医学検査報告も公表して、激しい議論を巻き起こした。ネットユーザーは、ほとんどみな、彼女の「貞操観」に対して批判的態度を取り、彼女に対して強烈な皮肉を言う者もいた。

コメント
 公民は性生活のやり方を自由に選ぶ権利を持っているけれど、貞操観念自体は性を抑圧する。本当の性の革命は、自主的な選択権に干渉するそうした束縛を打ち破ることに力を尽くす。ネットユーザーの涂世友に対する攻撃は、彼女の年齢・身体・性別・学歴に対する嘲笑に満ちていた。彼女に「誰も欲しがらない高学歴の醜女」というレッテルが貼られたとき、女性ジェンダーのステロタイプなイメージと汚名化は、またもや強化された。

私による補足
 涂世友のサイトは、「雅品贞操网」です。

2.葉海燕が「十元店」で無料のセックスサービスをした

事件
 今年初め、葉海燕は「十元店」と言われる低価格のセックスサービスの場所で、無料で農民工のためにセックスサービスをし、それをミニブログで公表したため、セックスワークが合法化か否かの議論を引き起こした。葉海燕は身体的暴力を受け、[民間女権]工作室は壊された。

コメント
 いささかの人が葉海燕を攻撃したことは、彼女がセックスワークの権利を宣伝したことに対して恐れ慌てたことを示している。その背後には、相変わらず、「女は自分の欲望と身体を自主的に支配してはならない」、「性の売買を目的にした性行為は不道徳である」という観念がある。彼女の行動は、社会の底辺の性の権利と性の現状を明らかにした。この事件は、葉海燕のセックスワーク合法化運動の熱心な活動家してのイメージが確立したことを示している。

私による補足
 「十元店」というのは、1回の料金が10~20元程度の低価格の、主に農民工を相手に売春をするする店です。しかし、売春をする女性たちは、1回警察に捕まると罰金を1500元も支払わないといけません。「中華人民共和国治安管理処罰法(中华人民共和国治安管理处罚法)」第66条では、「売春や買春をした者は、10日以上15日以下の拘留に処し、あわせて5000元以下の罰金を科すことができる。情状の軽いものは、5日以下の拘留または500元以下の罰金に処す」とされており、現実には、累犯者は労働矯正1年に処せられることもあるとのことです。当局が「売買春一掃」キャンペーンなどをすると、そうした取締りはいっそう厳しくなり、罰金を取られることによって、売春する者は、さらに貧困に追いやられるうえに、プライバシーも守られなかったりするので、警察の建物から飛び降り自殺をする女性もいるということです。葉さんには、「私が地獄に入らなければ、誰が地獄に入るのか」という思いがあって、自らセックスサービスをしたそうです。彼女は幸い警察に捕まることはなく(ミニブログは閉鎖させられた)、彼女が自らセックスサービスをしたことによって、周りの妓女と一つに溶け合うことができたとのことです(「“流氓燕”:性工作者站出来」南方周末2012年4月27日)。
 本ブログでも、昨年から今年にかけての葉海燕さんの活動について取り上げましたが(「葉海燕さんの婦連批判と『民間婦連』、底辺の女性への視点」)、民間女権工作室が壊されたのは、単にセックスワーク合法化を唱えたからだけではなく、「中国民間婦女連合会」の設立に動いたことなども含めて権力に危険視されたからではないかと思います。

3.ジェンダー[性別]教育

事件
 2月、鄭州第十八中学が試行した新しい校則は、「力強く勇ましい男子生徒」と「優れた賢い女子生徒」の基準を示した。3月、上海市教育委員会が批准した「上海市男子高級中学基地実験クラス」は、「浩然たる正気(正大で剛直な正しい気風)、楽学善思(よく学び考える)」男子学生を養成することを理念として唱えている。両校とも、子どもがますます「中性化」しているから、こういうやり方で「ジェンダー[性別]教育」を推進すると言っている。

コメント
 ジェンダー[性別]教育は、ジェンダーの平等を提唱し、多元的なジェンダーを尊重することを目標にしているが、この2校のジェンダー[性別]教育は、性別の差違を強化することを出発点にしている。こうしたジェンダー[性別]教育は、本質的には、人々の既成の性別規範が変わることに対する焦りであり、また、各領域における女性の台頭に対する恐れである。こうした教育によって差違を強化することは、多元的な性別の人々にいっそう汚名を着せ、抑圧するものである。私たちは、「多元的な差違」の存在を尊重することによってこそ、社会的平等と各個人の十分で自由な発展が促進されると考える。

私による補足
 鄭州第十八中学の新しい校則については、「郑州一所中学制定“阳刚男生秀慧女生”标准」(中国網2012年2月28日)に詳しく、日本語でも「河南省の中学校、男らしい男子と女らしい女子を提唱」(人民網日本語版2012年2月29日)に詳しく書いてあります。
 人民網日本語版の翻訳を参考しつつ、若干の修正をして紹介させていただくと、
 ・「力強く勇ましい男子」の基準は、女子を尊重し正しく交際し、無駄口を叩かず悪口を言わない。強い意志で挫折を恐れず、英雄を崇拝し模範的人物を敬う。心理的に健康で落ち着きのある振る舞いをし、正義感に満ちている。生活が健康的で上品な趣味を持ち、礼儀正しい振る舞いを心がけ、奇抜な髪型や服装を避ける。
 ・「優れた賢い女子」の基準は、自尊心を持ち身を清く保ち、異性との交流で羽目を外さず、品行も学力も優れた淑女を目指す。男子を追いかけたり罵ったり騒いだりせず、勝手気ままな人付き合いを避ける。恥を知り見栄を張らず、品のある振る舞いを心がけ、自立心と競争心を尊ぶ。
 なお、上海市男子高級中学基地実験クラスについては、「上海拟创办男子中学 称优化教育环境培养真男儿」2012年4月1日(来源:成都晚报)に詳しく書かれています。

4.幼女買春罪の存廃の議論が続いた

事件
 1997年の刑法改正で、幼女買春罪は単独の罪名になり、強姦罪と区別されるようになった。しかし、幼女買春罪にもとづく量刑は強姦罪よりはるかに軽いので、金と権力を持っている階層が低年齢の性のサービスを購入することを保護するものになっており、また、幼女に対して汚名を着せていると、ずっと考えてきた学者もいる。今年3月、中華全国婦女連合会の副主席の甄硯は、幼女買春罪が設置されていることは、未成年者の保護に不利なので、幼女買春罪を廃止する声を再び起こすように呼びかけた。

(私による補注)
 中華人民共和国刑法(中华人民共和国刑法)第236条(強姦罪)は、「14歳未満の幼女を姦淫する者は、強姦と見なし、重く罰する」としています。強姦は「3年以上10年以下の懲役」で、「情状が劣悪」な場合は「10年以上の懲役・無期懲役・死刑」です。
 その一方、刑法は、第360条2項(幼女買春罪)では、「14歳未満の幼女を買春する者は、5年以上の有期懲役に処し、あわせて罰金を課す」としています。「有期懲役」は刑期が「15年以下」に決まっていますから(刑法第45条)、「幼女買春罪」は、最低刑は強姦よりも重いけれども、「情状が劣悪」な場合でも、「強姦罪」ほどは重く罰せられません。
 また、中華人民共和国刑法では、「強姦罪」は「公民の人身の権利、民主的権利を侵害する罪」に属するのに対して、「幼女買春罪」は、「社会の管理と秩序を妨害する罪」に属しています。これは、幼女が自分で売春したので、幼女にも問題があったとされているからです。

コメント
 幼女買春罪の廃止を主張することは、女児と性関係を持った成人を厳罰にすることによって、女児を「保護」する目的を達することを望むことである。社会が児童を保護するという理想は良いものだけれども、この過程において児童の性の権利を侵犯することは避けなければならず、児童自身の声を取り入れ、児童の自己保護と自己決定の能力についての教育を強化しなければならない。簡単に「廃止する」あるいは「廃止しない」というだけではこの問題を根本的に解決することはできない。青少年の性の権利の中で、自ら望むか否か、暴力か否か、年齢の境界、性別の差違などの要素をもっと重視しなければならない。

私による補足
 現行の「幼女買春罪」の規定が不合理であることは間違いないと思いますが、この問題については、私はまったく不勉強です。日本の「淫行条例」と人権との関係についての議論とも関わりがあるのではないかとは思いますし、日本の性交同意年齢は13歳であるのに対し、中国では上記のように14歳であるという相違も気なりますが……。

5.ゲイの妻の自殺事件

事件
 6月15日早朝、成都の某大学の教師の羅洪玲があるマンションから飛び降り自殺をした。その夫はかつてミニブログで、自分は「同性愛だ」と認めて羅に対してお詫びをしたことがある。メディアは「ゲイの妻」の死に注目した。この事件は、同性愛コミュニティでも、同性愛が異性婚姻に入ることや同性愛の婚姻権に関する討論を引き起こした。

コメント
 女性の性の権利の勃興によって、「ゲイの妻」の権利が社会的関心を集めた。「ゲイの妻」現象で起こりうる悲劇の背後には何重もの被害者(「ゲイの妻」、男性同性愛者、双方の家族など)がいて、その背後には多くの社会の深層の原因がある。同性愛者が異性愛の婚姻に入るのに反対することは、けっして根本的には問題を解決しない。この事件は、私たちに、性と婚姻の関係及びその意義を改めて考えさせる。同時に、「ゲイの妻」という議題が、「男性同性愛者」と「女性」という2つの弱者集団の間の戦争にならないよう警戒しなければならない。

6.「私はふしだらでいいが、あなたはセクハラをしてはならない」アクション

事件
 6月20日、上海地下鉄第二運営公司の公式ミニブログが、背中が透けた服を着た女性の写真と、「こんな服装ではセクハラに遭うのも不思議はない」「女の子は自重してください」という言葉とを掲載して、地下鉄の中での痴漢に注意しなければならないと女性に「善意」で注意した。24日に、2人の若い女性が、地下鉄で、手に「私はふしだらでいいが、あなたは痴漢をしてはならない」というボードを持って抗議した。

コメント
 「私はふしだらでいい」は、女性が「セクハラ反対」の議題の中で受動的で保守的になる傾向をひっくり返し、「ふしだらさ」から汚名を拭う視点から、女性の公共空間の中での主体的態度と身体の自主権を宣伝した。「あなたはセクハラをしてはならない」は、婉曲で慎み深い方法ではなく、直接的・主体的方法によって、女性のセクハラに対する拒絶を表明している。この両者の結合は、主流のセクシュアリティ/ジェンダー文化の女「性」の権利に対する制約に力強く挑戦し、公衆に向けて女性の主体的訴えをみごとに表している。

私による補足
 私のブログの記事「痴漢を女性の服装のせいにする上海地下鉄ブログに対する、ネット内外での女性たちの抗議のうねり」も参照してください。

7.84歳のトランスジェンダーが高らかにカミングアウト

事件
 6月、広東の銭今凡は84歳の高齢で高らかにカミングアウトし、トランスジェンダーの身分で記者の取材を受け、トランスジェンダーに対する社会の偏見を変えるように望み、トランスジェンダーの就業の権益を保障するよう訴えた。

コメント
 同性愛者に比べても、トランスジェンダー(トランスヴェスタイト、トランスセクシュアル、インターセックス、異性装パフォーマーなど)の権利の訴えは、現れることが少ない。銭今凡の意気盛んなカミングアウトは、長い間汚名を被り、無視されてきたトランスジェンダーが社会的承認を勝ち取るうえで積極的な意義を持っている。しかし、84歳の高齢になってやっと自らの選択を実現できたことからは、彼がこれまでどのような圧迫と差別を受けてきたのかがわかる。その勤務先と公衆が現在、想像以上に「差別をしていない」[=銭今凡さんはそのように言っています]ことは、主流社会の多元的な性の者に対する態度を本当に示しているとは言えない。

私による補足
 銭今凡さんは、3歳の時に女性になりたいと初めて思いましたが、ずっと男性として生活してきました。2008年に退職幹部として、仏山市当局に「女性になる」と書信で声明を出し、ホルモンによる豊胸をおこない女装を開始しました。2010年には正式に仏山市当局に「女性として生活する」という手紙を出しました。つまり、勤務先には4年前から女性になることを表明していたのですが、メディアのインタビューを受けて広くカミングアウトしたのは、今年6月なので、今年の十大事件に選ばれたということのようです。
 (資料)
 ・「84歳退職幹部、女性へ性転換 元勤務先『問題ない』 中国広東省」新華経済株式会社サイト2012年6月14日。
 ・「84岁变性者钱今凡:8岁时即希望能雌雄同体 」凤凰网2012年6月21日(来源:凤凰网访谈)

8.男性がジェンダー暴力反対に参与した

事件
 11月25日~12月10日の「国際女性に対する暴力防止16日行動期間」に、国連人口基金の在中事務局が提携する「国連 団結して女性に対する暴力を制止する運動の男性指導者ネットワーク」の中国のメンバーの方剛博士が、インターネット上で、男性が女性に対する暴力に反対する活動を起こし、16日で351名の男性が実名で承諾をした。

コメント
 ジェンダー暴力は、力強い勇ましさを軸にした「男性らしさ」の現れであり、根源はジェンダーの不平等にある。ジェンダー暴力に反対する運動は、生理的な男性を敵にしてはならず、ジェンダー平等意識のある男性を養成し、激励し、支持し、彼らと団結してジェンダーが調和した社会を構築することでなければならない。男性は、ジェンダー平等運動に積極的・主体的に参与し、女性に対する差別と傷害をなくすことを力強く推進すれば、男性自身もジェンダー平等の受益者になる。

私による補足
 方剛さんは、長年、男性学研究を含めたジェンダーやセクシュアリティの研究をしてきただけでなく、2010年から、この16日間に、男たちの手で「ホワイトリボン ジェンダー暴力反対男性ホットライン(白丝带反性别暴力男性热线)」を設立し(「著名学者方刚牵头设立“白丝带热线” 反对性别暴力 欢迎男性参与」『都市女報』2010年9月29日など)、上記のように国連の「男性指導者ネットワーク」の中国初のメンバーにもなりました(「制止侵害妇女暴力行为男性领导人网络 联合国首邀中国学者加入」『中国婦女報』2012年11月22日)。
 今年、方剛さんは、男性たちに向けて、「1.私は、永遠にいかなる理由があっても、女性に対していかなる形態の暴力もふるわないことを保証する。」「2.私は、他の人の女性に対する暴力に対して、黙って傍観せずに、きちんと制止する措置を取ることを保証する。」「3.私は、あらゆる可能な機会を利用して、反暴力の行動を宣伝・推進し、ジェンダー平等を全面的に実現することを保証する」という3点を承諾する署名を集めました(「“制止针对妇女的暴力”,男人们一起来承诺吧!”」方剛ブログ2012年11月23日、「“制止针对妇女的暴力”男性承诺活动」捜狐公益2012年11月23日)。
 これを「10大事件」の一つまで挙げるのは少し疑問もありますけれど、この署名は、ネットで実名が公開されるので、方剛さん自身も述べているように、「監督」されることによる効果が期待できます。だからでしょうか、有名人からはあまり集まっていないようなのですが……(「性学家彭晓辉等199人承诺不对女性施暴,受邀公众名人无一回应」方剛ブログ2012年11月26日)。

9.インターネットの「わいせつな写真で不正・腐敗に反対」

事件
 公職についている人のわいせつな写真とビデオが絶えずインターネットで晒され、当事者は「厳罰」を受けた。8月、某大学の共産主義青年団委員会副書記と妻の2人が党籍を剥奪され、公職を解任された。11月、山東の某職業技術学院の団委員会副書記が団籍を剥奪され、学院を辞めさせられた。11月、重慶市北碚区の区委員会書記の雷某某が免職され、立件・調査もされた、などなど。

コメント
 インターネットの集団のお祭り騒ぎ的な「わいせつな写真で不正・腐敗に反対する」中では、「性道徳」が人々が公権力の不正・腐敗に反対する鋭利な武器になった。当事者の「性事」は、そこに不正・腐敗行為が存在するか否かにかかわりなく、「性の政治」のまな板の上の魚肉になった。覗き見、暴露、個人のプライバシーの濫用する方法での「不正・腐敗反対」によって、当事者個人、とくに女性の当事者は深刻な傷を受ける。インターネットの「わいせつな写真で不正・腐敗に反対」は、すでに公民の私的権利を公然と侵害する「性暴力」になっている。

10.フェミニストは行動している

事件
 2月、麦子家が真っ先に「男子トイレ占拠」アクションを起した。4月、中山大学の女子学生がトップ500企業に採用の際の性差別の解決を訴える手紙を送った。8月、多くの女性が坊主頭になって教育部に対する不満を表明し、大学入試の性差別を禁止するよう要求した。11月、多くの女性が裸の胸の写真を出して、ネットユーザーにDV防止立法を支持する署名を呼び掛けた。12月、広州など5つの都市で若い女性が血で染まった[ような色を付けた]ウェディングドレスを着て歩いて街頭で「DV反対」を訴えた。それらを批判する者は、いささかの行為は訴えている理念と無関係であり、「過激」な行動は、訴える人々の反感を招いて、その目的が妨げられると述べた。

コメント
 すでにある社会制度と公共空間にはけっしてフェミニストに十分な訴えをするチャンネルがないので、若い世代のフェミニストは街頭での運動とインターネットでの宣伝とを組み合わせて女性の権利を主張し、家父長制文化に対して挑戦した。彼女たちはアピールをする行動によって、公衆の女性の権利に対する関心を喚起し、抑圧され蔑視された声を伝達し、伝統的性別役割に挑戦した。坊主頭になる、上半身裸になるなどの行為は、身体の自主権に属し、伝統的性別規範に対する挑戦である。

私による補足
 私も、彼女たちの行動についてはブログで取り上げました。
 ・全体の年表→「中国の『ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク』年表
 ・2月→「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション
 ・4月→「各地で雇用における女性差別反対を訴える女子大学生らのパフォーマンスアート」で言及。
 ・8月→「大学入試の男女差別に対する抗議活動つづく――差別を正当化する教育部を批判して、坊主頭になるパフォーマンスアートも
 ・11月→「DV防止法の制定プロセスと内容に民間の関与など求める1万人署名運動
 ・12月→「さまざまな都市でDV反対を訴える『傷を負った新婦』パフォーマンスアート

2012年セクシュアリティとジェンダーの権利擁護人物賞も、行動するフェミニストに与えられました(「向“行动的女权主义者”敬礼!」)。これは当然の結果でしょう。

「中国10大セクシュアリティ/ジェンダー事件批評」は開始当初ほどは話題になっていないようで、現状では方剛さん中心になっているような感じもするのですが、こうした若いフェミニストもメンバーに加えればもっと盛り上がるかもしれない、などと思います。学者中心であることも、一歩引いた視点で見る上では意義があるのだと思いますが。
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「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」年表

本年から活動を開始した、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(性别平等倡导行动网络、Gender Equality Advocacy and Action Network)」は、「男子トイレ占拠」をはじめとしたパフォーマンスアートなど、従来あまりなかった、さまざまな活動を活発におこなってきました。

私は、このブログを、とくに、日本のマスコミがあまり伝えない、「海外の女性の主体的な動き、女性が地位向上を勝ち取っていく動き」を伝えるものにしたいと思い、中国では「一般の人々が主体的に行動するには困難が大きい」が、「その中でも存在している小さな動きにも注目」(1)するという視点で開始しました。その視点ゆえに、彼女たちの活動を多く紹介することになり、彼女たちについてのブログのエントリがずいぶんたまってきました。

そこで、このブログには記載しきれなかった活動も含めて、年表形式で同ネットワークのこれまでの活動の記録を下のページにまとめてみました(年表なので、文字の大きさを小さめにしていただいたほうが見やすいと思います)。

「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」などの活動年表

今後は、彼女たちの活動については、このブログで取り上げるだけでなく、上のページにも記録していこうと思います。なお、上の年表は「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の活動を中心にしていますが、他の団体・個人の街頭活動などについても記しています(活動が多分にゲリラ的におこなわれていることもあって、どの団体が関わっているかが明確に特定できないアクションもあります)。

このように年表にしてまとめると、彼女たちは、自分たちが直面しているさまざまな問題を次々に社会に訴えていることがわかります。活動家としては、李麦子さんや鄭楚然さんのお名前が比較的よく出てきますが、それ以外にも全国の各都市でそれぞれの大学のさまざまな女子学生たちが活動していることもわかります。また、パフォーマンスアートだけでなく、署名運動や情報公開申請、全人代などへの訴えなど多様な手段を使って運動をしていることもわかります。

ただ、幅広い女性労働者と結びつくとか、他の階層の女性(たとえば、農民女性)と行動を共にするとかいったことはまだやっていないようです。中国の社会的政治的条件においては、そうしたことはまだ困難なのだと思います。実際、今年は、広東省の深圳などで農民工を支援する労工NGOに対する弾圧が伝えられており、弾圧されたNGOの中には女性農民工の要求を取り上げてきたNGOも含まれています(2)

2011年以前のNGOの活動やセクシュアル・マイノリティの活動との接点や連続性を示すことは年表の今後の課題

なお、上の年表には、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の活動開始以前のフェミニストの街頭行動などについても、少し書き入れています。

ただし、2011年以前におこなわれた、NGOによるシンポジウム、政策提言・声明、法律・心理相談などの活動はこの年表には含まれていません。また、セクシュアル・マイノリティを軸にした運動も、この年表には含まれていません。2011年以前からのNGOの活動やセクシュアル・マイノリティの活動と「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の活動との接点や連続性を明らかにすることも重要なのですが、この点に関しては、また別にまとめてみようと思います。

インターネット上の年表の利点

なお、インターネットのサイトに年表を掲載することの利点には、次のようなことがあると考えられます。
・新しい事件を次々に書き加えられるので、最新の情報を示すことができる。
・新たに明るみに出た事件や近年の研究によってその重要性が明らかになった事件についても、書き加えることができる。
・スペースの制約がない。
・リンクによってネット上の参考資料を示すことができる。

論文などは、発表後にむやみに書き換えると、さまざまな問題が起こります。しかし、年表の場合は、むしろ書き換える(もしくは書き加える)ことができることが利点になる場合が多いと考えます(3)(もちろん、参考資料や履歴の示し方などについては、一定のルールは必要だと思いますが)。

なお、「リンクによって参考文献を示す」という点に関しては、私のブログのエントリへのリンクを年表の下に示したほかに、パフォーマンスアートのビデオへのリンクを年表の中の(v)という印によって示してみました。

もちろん紙や冊子による年表に関しても、永久に保存することが容易であるとか、持ち運びに便利だとか、パソコンの画面による制約がないなどの利点はあります。しかし、ネットで年表を作成することにも上述のような意義があると思いますので、今回作成してみた次第です。

年表の場合、PDFにしたほうが印刷した場合などはよいのではないかとも思いましたが、今回は、いちおう試験的にHTML形式のふつうのホームページにしてみました。

(1)開設にあたって」中国女性・ジェンダーニュース+2006年8月17日。
(2)2012年2月以来、深圳では、農村からの移住労働者を支援するNGOに対する弾圧が強まっており、そうしたNGOに対しては、消防部門や税務部門などがあれこれ検査をしたのちに、家主がさまざまな理由を付けて賃貸契約の解除を通告してきています。彼ら(ないし当局)は、電気や水道もストップすることによってそうしたNGOを工業地区から追い出そうとしています(张治儒「广东劳工NGO面临大整肃,政府收编和打压两手并重」中国劳工维权网2012年6月8日、「深圳十余家劳工NGO遭遇“特殊时期”」騰訊公益2012年8月21日[来源:新商务周刊])。深圳で女性労働者を支援してきた「手牽手工友(「労働者どうしが手をつなぐ」といった意味)活動室[手牵手工友活动室]」に対しても同様の攻撃がかけられています(「劳工NGO:成长的烦恼」『南方日報』2012年9月3日、「【2012.9.23手牵手工友活动室近况更新】」手牵手工友活动室ブログ2012年9月24日)。
 「手牽手工友活動室」は、2007年に陳燕娣さんらが創設したNGOで、農村出身の女性労働者に対して、職業安全訓練、心理相談、法律の宣伝・相談などを行ってきました。手牽手工友活動室は、今年の2月には、屋外のさまざまな場で、女性労働者に、仕事や家庭、日常生活の中で「不爽[不快]」なことを書き出してもらう活動を継続的におこなって、数百人から声を集め、3月8日に、それらを女性労働者の100の「不爽」として発表するという活動をしました(「【三八节,征集#女工的100个不爽#】」2月17日、「收集#女工的100个不爽#进程」2月19日、「#女工的100个不爽#收集进程」2月21日、「今天到工业区里继续“征集女工的100个不爽”」2月21日、「收集#女工的100个不爽#最新进程」2月26日、「#女工的100个不爽#收集的进程」3月2日、「2012年三八妇女节“征集女工100个不爽”新闻发布会」3月3日、以上はすべて手牵手工友活动室ブログより)。彼女たちは、現在、活動の拠点を失いながらも、活動は続けています(「2012.12.6手牵手工友活动室近况更新」社会性別与発展在中国サイト2012年12月14日[来源:qq郵箱])。
(3)岡本真『これからホームページを作る研究者のために』(築地書館 2006年)も、「日々変化する時間の流れを対象とする年表・年譜には、絶えざる更新が求められる。個人ホームページでの公開は、年表・年譜が持つその性質を満たすものとなるだろう」(p.73)と述べています。
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[日本]「私たちはジェンダー平等政策を求めます」政党アンケート

今回の総選挙で、「『ジェンダー平等』を求める会」(呼びかけ人・賛同人[団体]は24団体280人(1))が、「私たちはジェンダー平等政策を求めます」キャンペーンとして、各政党に男女平等政策に関するアンケート調査をおこなった。私も賛同人の1人だ。

その質問と回答、同会による分析は以下のとおりである(リンク元は、いずれも、「『ジェンダー平等政策』を求める会」に場所を提供している「P-WAN」である←このサイトには他にも今回の調査に関する記事があり、現在はここをクリックすれば、「私たちはジェンダー平等政策を求めます」キャンペーンを一覧できる)。

●質問
・「アンケートの質問(PDF)」

●回答
・「政策リスト回答書・政党別(PDF)」
・「政策リスト回答書・政策カテゴリー別(PDF)」

●「『ジェンダー平等政策』を求める会」による分析や解説
・「10政党からの回答がそろいました/政党別回答をチャート化
・「政策リスト(回答書) いくつかの質問の相関図を作成し比較したデータ(PDF)」
・「「アンケート集計結果 チャート&相関図解説(PDF)」
・「全政党公開アンケートの結果報告及びコメント(PDF)」

12月7日には、このアンケート結果について、「『ジェンダー平等政策』を求める会」の事務局から、以下のような報告が出ている(上記との重複個所などは省略)。 

「ジェンダー平等政策」全政党公開アンケートの政策リスト(全26項目)は2009年女性差別撤廃委員会(CEDAW)勧告をもとに作成したものです(憲法と脱原発、防災復興を除く)。したがって国連女性差別撤廃条約の遵守と遂行に対して各政党がどのくらい積極的かを測る指標となります。CEDEAW勧告については、2009年度、過去2期6年進捗が見られなかったことに対し強い勧告を受け、今年日本政府は進捗がなかったことの報告を国連に提出したばかりです。

さらに今回の政策リストにはトップに、憲法と脱原発、防災復興を加えました。不戦と非核はジェンダー平等政策の前提、と考えるからです。全政党公開アンケートは11月21日に14政党(2党に追加)に郵送(配達証明付)。

昨日までに事務局に届いた回答書は、到着順に「民主党」「国民の生活が第一」「社民党」「日本共産党」「公明党」「緑の党」「自由民主党」「日本維新の会」「国民新党」「日本未来の党」の10政党です。私たちのアンケートに答えてくれた政党に、まず感謝いたします。
 
回答書は4択で「賛成+2ポイント・どちらかといえば賛成+1ポイント・どちらかといえば反対-1ポイント・反対-2ポイント」として、「ジェンダー平等政策」指数を表しました。ポイントが低い順に、「国民新党」‐2、「日本維新の会」9、「自民党」11、「日本未来の党」36、「公明党」38、「民主党」44。「日本共産党」50、「国民の生活が第一」51、「社民党」と「緑の党」は52です。

 
このアンケート調査の意義

私は、このアンケートの意義は、何よりジェンダー平等政策を争点の一つに押し上げる力になっていることだと思う。実際、このアンケート結果を『毎日新聞』や時事通信のようなマスメディアも報道した(「衆院選:ジェンダー政策 各党の違い浮き彫り」『毎日新聞』2012年12月1日、「ジェンダー政策、政党間で大きな違い=女性グループがアンケート」時事通信12月7日)。

たとえば、『毎日新聞』は、このアンケートの結果について以下のように報じている。

専業主婦優遇とされる配偶者控除と第3号被保険者制度の廃止・見直しを巡る設問では、民主、社民、共産などは「賛成」、公明は「どちらかといえば反対」、自民は回答しなかった。また、「婚外子差別の廃止」と「性的マイノリティーへの差別・社会的排除をなくす」については、自民のみ「反対」「どちらかといえば反対」と答えた。一方で「男性の育児介護休業制度の取得促進」は全党が「賛成」と答えた。


時事通信は、以下の点に注目している。

回答した全政党が「賛成」「どちらかといえば賛成」としたのは、「防災復興に女性の参画」「被災地の女性雇用の創出」「ワークライフバランス」など。一方、専業主婦優遇とされる配偶者控除廃止と第三号被保険者制度見直しは、公明党と国民新党が「どちらかといえば反対」、自由民主党と日本維新の会、日本未来の党は答えなかった。民法改正については、民主党、社民党、日本共産党、公明党、緑の党が「賛成」「どちらかといえば賛成」とした。


もちろん、以上のように、このアンケートは、各政党のジェンダー平等政策を知るうえでも有用である。特筆すべきなのは、このアンケートが日本の主要政党10政党すべてから回答を得ていることである。それは、多く人(団体)が賛同人(団体)になったからであるとともに、事務局の方々が多くの政党に丁寧かつ粘り強く働きかけたからであろう。

事務局の方々は、アンケート結果を公表するだけでなく、それを整理し、分析しておられる。この点も、多大な努力を要したと思われる。感謝したい。

また、後述のように、このアンケート結果は、一種の「公約」とも言えるので、今後各政党に働きかける上でも役に立つであろう。

もう少し具体的に尋ねたほうがいい設問もあるのでは?

ただ、今後も選挙の際に同様のアンケートをするとしたら、もう少し具体的に尋ねたほうがいい設問もあるのではないか、とも思った。

たとえば、「実効性のある同一(価値)労働、同一賃金を実現する」「保育所・学童保育の待機児童の解消など子育て支援策を強化する」という政策については、ほとんどの政党が「賛成」と答え、唯一そう答えていない国民新党も「どちらかと言えば賛成」と答えている。また、「育児・介護休暇制度の普及・啓発を促進し、男性の取得を促進する」「家族介護者の負担軽減と介護職従事者の待遇改善を図る」という政策についても、ほとんどの政党が「賛成」と答え、日本維新の会と国民新党だけが「どちらかと言えば賛成」である(こうした回答をもとにして、さまざまな分析もなされている(2))。

こうした結果は、多くの政党から言質を取ったという点では意義がある。しかし、各政党の政策の違いを知る上ではあまり役に立たない。それは、これらの質問が一般的・抽象的なものであることと関係していよう。

上記の「ジェンダー平等政策」を求める会の声明は、「今回の政策リストは2009年女性差別撤廃委員会(CEDAW)勧告をもとに作成したものです(……)したがって国連女性差別撤廃条約の遵守と遂行に対して各政党がどれくらい積極的かを測る指標となりえます」と述べている。

しかし、2009年の女性差別撤廃委員会の最終見解は、上のような雇用の分野についても、さまざまな具体的な問題を指摘し、それらを改善するように勧告している。すなわち、女性差別撤廃委員会は、「2006年に改正された(……)男女雇用機会均等法に(……)間接差別の狭い定義が採用されたことは、遺憾である(……)[女性差別撤廃]委員会は、本条約及び本条約第1条に記載された女性に対する差別の定義を国内法に十分に取り入れるために早急な措置を講じ(……)ることを締約国[=日本]に要請する」とか、「委員会は、とりわけ、男女雇用機会均等法に基づく行政ガイドラインの『雇用管理区分』が、女性を差別するコース別制度を導入する余地を雇用主に与えているかもしれないと懸念している」とか、「委員会はまた、現行の労働法の不十分な保護及び制裁措置についても、懸念を表明する」とか、「委員会は特に、本条約及びILO100号条約に沿った同一労働および同一価値の労働に対する同一報酬の原則と認識できる条項が、労働基準法にないことを懸念する」とか、「暫定的特別措置を含め、具体的措置を講じるよう締約国に勧告する」かと述べている(「第6回報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解(PDF)」男女共同参画局サイトより)(以上のアンダーラインは遠山による)。これらの文言が盛り込まれたのは、もちろん、ワーキング・ウィメンズネット・ワーク(WWN)などの女性運動がCEDAWに働きかけたことよる成果である。

とすれば、たとえば、「実効性のある同一(価値)労働、同一賃金を実現する」という質問には、「労働基準法を改正して~」といった具体的な文言が付けたほうがよかったのではないだろうか? 「育児・介護休暇制度の普及・啓発を促進し、男性の取得を促進する」という設問に対しても、「育児・介護休業法を改正して~」という文言を付けることも考えられる。

といっても、以上は、アンケートの回答がわかってから私が考えたことであり、結果論とも言える。

それに、「『ジェンダー平等政策』を求める会」は、ひょっとしたら、短い期間に多くの政党からアンケートをもらうために、より単純な質問になさったのかもしれない。P-WANとWAN(ウィメンズアクションネットワーク)とは別団体だが(協力関係はある)、3年前にWANでは、雇用問題を含めて詳細なアンケートをおこなっていること(【特設:衆院選/アーカイブ】衆院選は「女性」が争点!――緊急政党アンケート政党アンケート全文)を見ると、そうした可能性も感じる。

あるいは、上で挙げたような具体的政策は、選択的夫婦別姓や婚外子差別解消を実現する民法改正などと違って、まだ国会の審議日程にのぼっていないので、このアンケートの設問に取り入れられていないという面もあるのかもしれない。だとしたら、今後運動をもっと前進させなければならないと思う。

もう一点述べると、「憲法9条を厳守する(不戦)」という項目については、国民新党と日本維新の会が「どちらかと言えば反対」と答えているが、自民党を含めたほとんどの政党が「賛成」と答えている。

この点について、「ジェンダー平等政策」を求める会による「解説」では、「自民党は9条を改正しようとしているのではないかという質問をいくつかいだいたが、これは設問『不戦』の厳守であるとわせてみる必要がある。全ての政党には回答を党としての公式見解としていただいている。 自民党の改正案は集団的自衛権の行使に力点があり、不戦条項の削除ではないとうことなのだろう。それが現実的に不戦の原則を犯すことになるのではないかという議論とは別に、このアンケート結果からは、自民党が『不戦』それ自体に反対を唱える維新、国民新党とは異なる立場をとっていることがわかる」とある。

しかし、日本維新の会は、カッコ内の「不戦」ではなく、「憲法9条」そのものへの賛否を答えた可能性も大いにあるだろう。むしろ、明確に「改憲」「国防軍」を謳っている自民党がこのような回答をしてしまうような「不戦」というカッコ書きのほうに問題があったのではないだろうか?

また、「外国籍住民に対する排除や差別をなくす」という政策に対して、自民党は「賛成」しているが、高校無償化からの朝鮮学校排除に熱心なのも自民党である。こうした点も、質問が抽象的すぎるがゆえの弊害だろう。

ただし、その自民党は、「性的マイノリティ(LGBT)に対する差別や社会的排除をなくす」ことには、「どちらかといえば反対」と答えている。こうした建前さえかなぐりすてた自民党の姿を浮き彫りにしたのも、このアンケートなので、一概に今回のような設問が悪いとはいえない面もある。

今回は、建前さえかなぐり捨てるような右翼ないし極右政党の比率が増したので、建前を尋ねるようなアンケート項目にも存在感が出てきたのかもしれない。憂うべきことだ。

このアンケート結果だけでなく、各政党の行動自体を見ることも重要

アンケート事務局は、上記のように「全ての政党には回答を党の公式見解としていただいている」と述べている。しかし、その党で決定した「方針」や「政策集」や「公約(マニフェスト)」に含まれていない問題に対しては、各党はいったいどのようにして回答するのだろうか? まさかいちいち全党で議論して回答するわけではあるまい。

私は、党としての政策や決定がない場合は、多分に回答をおこなった担当者の理解に左右されざるをえないと思う。実際、2001年からTMGF[=東京メトロポリタンゲイフォーラム]でゲイに関する政策アンケートをおこなってきた赤杉康伸氏は、「こういうアンケート調査で回答をおこなうのは、各党の事務局か政調担当の党職員でした。なので、自党が回答している事実さえ知らない国会議員が多いです」と述べている(3)

だから、その党の実際の行動とは、大きく異なる回答が寄せられている場合もある。

たとえば、「国民の生活が第一」は、「河野談話、村山談話を引き継ぐ」という政策に対して、「賛成」と答えている。私はこの回答に驚いた。

今年8月27日の参議院予算委員会で、同党の外山斎議員は、「河野談話が歴史をゆがめ、そして更に言えば、今日の日韓の関係を間違った方向に導いたのではないか」という立場から野田内閣を追及し、談話作成にかかわった河野氏と石原信雄元官房副長官の参考人招致を求めている。さらに、外山議員は、以前から河野談話を否定していた松原仁・国家公安委員会委員長に対して、「大臣の方から内閣の方にこの河野談話を踏襲しないように、本当は否定すべきだというふうに言っていただきたい」と要請した(4)

そして、参院予算委終了後、「国民の生活が第一」の森裕子幹事長代行(参院担当)自身が、理事会で河野氏と石原元官房副長官の参考人招致を求めた(5)

続く9月3日の参議院決算委員会では、外山議員は、「松原大臣の方からはその後何か御提案はありましたでしょうか」と松原大臣がまだ閣議で提案していないかを質問し、まだ提案していないことがわかると、「松原大臣、いつ、どのような場で提案をされるおつもりでしょうか」「いち早く行動をしていただきたい」と求めるという念の入れようだ。この日は、外山議員は、藤村官房長官にも質問を重ねている(6)

質疑応答を数えてみると、8月27日に6回(往復)、9月3日は8回(往復)、問答しており、生半可な力の入れようではないことがわかる。

国会議事録検索システム」で調べてみると、「国民の生活が第一」の議員が国会審議の中で「慰安婦」という言葉を口にしたのは、外山議員のこの2回の質問だけである。

こんな状況で、「国民の生活が第一」が「河野談話、村山談話を引き継ぐ」ことに「賛成」していると、どうして言えるのだろうか??

時事通信社は、外山議員の質問について、「河野元官房長官の招致要求=生活」という見出しで報じている(7)。森幹事長代行が河野氏らの参考人招致を求めたことは、どう見ても党として河野談話を問題視しているとしか受け取れない。

外山議員や森議員だけではない。「国民の生活が第一」の牧義夫議員(政策担当・幹事長代行)は、2007年に『ワシントン・ポスト』に掲載された「慰安婦」問題に関する意見広告「THE FACTS」に賛同している。また、小宮山泰子議員(組織・団体委員長)は「慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会」のメンバーであった。これらの議員も、日本軍「慰安婦」問題についての歴史修正主義者といって差支えないだろう。

たしかに「国民の生活第一」が「河野談話反対」の方針を公然と決定したという事実はないようだ(8)。だから、「国民の生活が第一」の中にも、河野談話に賛同している(否定していない)議員もいるだろう。しかし、彼(彼女)らが上記の議員を批判したという話は聞かない。また、同党には、日本軍「慰安婦」問題に対して熱心に取り組んでいる議員は見当たらない。

以上から見ると、「国民の生活が第一」の実態に即した答えは、河野談話に対して「反対」であり、どんなに甘く見ても「どちらかと言えば反対」であろう。「国民の生活が第一」は、今回のアンケートに対して、党の実態と異なる回答をしたと言える。ジェンダー平等に関する他の問題についても、この党は、今年7月結党したばかりだからであろうか、はっきりした政策は見つけられなかった(少なくとも同党のサイトには見当たらない)。だから、今回のアンケートについて、何にもとづいて党としての回答をしているのかがよくわからなかった。べつに同党がジェンダー平等に対して否定的だったというつもりはない。むしろ民主党よりも上かもしれないが、回答の根拠が不明なのである。

これは極端な例だが、その他の党に関しても、投票の際には、このアンケートを見るだけでなく、これまでのその党の行動(国会質問、運動への協力など)を確認する必要があろう。

ただし、このアンケートの回答は各政党の行動を変えさせるテコとしても利用できるだろう

ただし、このアンケートは、それに対する回答をテコにして、党や議員の態度を変えさせるという使い方もできるだろう。赤杉康伸氏は、このアンケートに対して、望ましくない回答をした政党の支持者に対しては、その政党の態度を変えるように働きかけることを提言し、望ましい回答をした政党の支持者に対しては、その回答に沿って具体的に行動するよう働きかけるように述べておられる(9)。こうした使い方をするならば、たとえ実態とは少々のズレがあった場合でも、このアンケートに意味があると言えるし、そうしたことは私も今後やりたいと思う。

共産党がクオータ制に賛成していないのはなぜだろう?

私は相対的には日本共産党を最も支持しているのだが、同党はクオータ制には賛成していない。なぜなのだろう?

マルクス主義から直接にその回答を引き出すのは難しそうだ(マルクス自身の時代は第一波フェミニズムの時代なので、「クオータ制」は課題としては浮上していない)。マルクス主義との関係はよくわからないが、北欧の左翼系政党は、クオータ制を取り入れている。

日本共産党のクオータ制に対する回答には「政党の取り組みとしては(……)政党の自主的努力が問われていると考える」という文が付記されている。厳密に言えば、クオータ制も、法律で制定されないかぎりは「自主的努力」なので、どうもこの点に対する同党の無理解(質問自体に対する誤解かもしれないが)があるような気がするが、私は、それと同時に、こうした回答は、同党が外部からの介入を嫌っていることとも関係しているように思う。

この点は同党が置かれてきた歴史的・今日的状況とも関係があろうが、同党がかなり固い組織論を取っていることとも関係がありそうだ(べつに他党が民主的だという意味ではない)。こうした固い組織のあり方は、ジェンダーのような新しい課題を導入する上で妨げになってきたように思う。同党が「同一価値労働同一賃金原則」を受け入れるのも遅かった。この点はもう少し詳しく調べてみなければならないが、今後改革される必要があるように感じる。

(1)「ジェンダー平等政策」を求めるキャンペーンのよびかけ人・賛同人は24団体280人になりました」P-WAN
(2)たとえば、民主党について「雇用・労働・ワークライフバランスに関連する項目は積極的だ」、自民党について「労働・経済に直接関連しないジェンダー項目にはあまり関心を払っていない。反面、子育て休業や男性の育児休業取得推進、貧困解消には積極的である」といった分析がなされている。ただし、自民党に関しては「総論賛成、各論反対の観があり、差別をなくすということには賛成するものの、そのための法整備や条約批准(……)については消極的か、積極反対の立場をとる」ということも指摘されてはいる(「「私たちはジェンダー平等政策を求めます アンケート集計結果 チャート& 相関図解説(PDF)」)。
(3)各々の立場で政治に対してできること」NOV'S BLOG2012年12月10日。
(4)『第百八十回国会参議院予算委員会会議録第九号』p.32-33
(5)河野元官房長官の招致要求=生活」時事ドットコム2012年8月27日、「思わぬ『李明博効果』 河野談話見直し論噴出」MSN産経ニュース2012年8月28日。
(6)『第百八十回国会参議院予算委員会会議録第二十五号』p.6-7
(7)以上で述べた「国民の生活が第一」の問題を早くから指摘しておられたのが古寺多見(kojitaken)さんである(「従軍慰安婦問題で河野洋平氏の参考人招致を求めた右翼政党『国民の生活が第一』が衆院選で社民党と連携か」kojitakenの日記2012年8月27日、「『河野談話見直し』で安倍・橋下・小沢(「生活」)が足並みを揃えたなw」同8月29日、「『国民の生活が第一』の花形議員・森ゆうこ(森裕子)も河野洋平氏の参考人招致を求めていた(呆)」同9月1日)。「たんぽぽ」さんは、「ジェンダー平等アンケート(2)」(たんぽぽの礼拝堂2012年12月9日)で、P-WANのアンケートを根拠に、「[河野・村山談話の]継承に反対であれば、すくなくとも『どちらともいえない』とお茶をにごすところであって、『賛成』なんて心にもない回答をすることは、ないと考えてよいでしょう」と述べておられる。しかし、私は、党の議員の実際の行動にあらわれない(むしろ反している)「賛成」の回答に現実に何の意味があるのか、疑問に思う。せいぜい「党としての方針ではないから、河野談話を肯定していても党員・党議員としては批判されない」という程度の意味しかないが、現実に河野談話を肯定・実践しなければ、その意味も現実のものにならないと思う。
(8)国民の生活が第一」のサイトには、日本軍「慰安婦」のことは特に書かれていない(比較的詳細な「第 2 次基本政策検討案」にも言及はない)。というより女性やジェンダーに関する政策そのものが見当たらない。
(9)以下は、上杉さんのブログの記事「各々の立場で政治に対してできること」(NOV'S BLOG2012-12-10)からの抜き書きである。

私なりの色々考えた上での提言を。とにかく左右両派とも、自分と考え方の違う人を叩くだけでなく、各々の立場でできることは何なのか、書いてみます。

(1)自由民主党・国民新党支持者のLGBTのみなさんへ

 自由民主党・国民新党が「LGBTへの差別・社会的排除」に「どちらかと言えば反対」を選んでも、他の政策面における積極的理由ないしは消極的理由で、あなたは自由民主党・国民新党を支持なさっているのだと思います。どの政策を重視するのかは、それこそ個人による選択の問題ですので、他人にとやかく言われる筋合いはないですよね。

 ただ、特に自由民主党は、設問によっては「どちらとも言えない」と回答していることもある中で、LGBT問題については明確に「どちらかと言えば反対」を選択しているのは正直言って寂しくないですか? これって、「差別解消に賛成しなくても、負の影響は出ない」と見なされているようなものではないでしょうか?

 もしあなたが、自由民主党・国民新党を支持し、なおかつLGBT政策について前進を望んでいるのであれば、自由民主党・国民新党の国会議員に「自由民主党・国民新党支持のLGBTもここにいるので、党としてLGBT問題に取り組んでほしい」という声を伝えませんか?

 直接国会議員に会うのがてっとり早いですが、国会議員のウェブサイトを通しても意見を伝えることができるし、それも心理的に抵抗があれば、Twitterで自由民主党・国民新党の国会議員にリプライを飛ばすことでもOKです。自党の支持者に対して、国会議員も無碍に接することはできないでしょう。自由民主党や国民新党のLGBT政策を変化させることができるのは、支持者であるLGBT、そう、あなたの声なのです。 

(2)LGBT政策について積極的な回答を寄せている政党支持のLGBTのみなさんへ

 その政党が具体的にLGBT政策に取り組むよう、その政党の国会議員に、自分の声を届けませんか。(1)で書いたのと同様に、国会議員のウェブサイトへ意見を寄せたり、Twitterでリプライを飛ばすことが可能です。議員さんは有権者の声は無視できないものですが、逆に有権者から声が上がらない政策については取り組みにくいものです。

 また、最近は地方分権の絡みで、例えば公営住宅の入居要件が地方自治体の条例で決められるようになりました。そこで、自分の住んでいる地方自治体の議会に、「公営住宅法に同性同士でも入居できるように、条例上の要件を修正して欲しい」との陳情や請願を上げてみてはいかがでしょうか?今や、地方自治体議員さんの中でもTwitterを使っている人が増えてきていますし、最初はTwitterで理解のありそうな議員さんにリプライを飛ばしてみるのも手だと思います。

 さらに、LGBTが物理的にはどうしても少数派である以上、多数派とも対話や交渉を続け、理解者や支援者を増やすことでしか、事態は動きません。しかもそれはネット上だけではなく、いわゆる「リアル」での動きも重要です。意見が同じどうしだけで固まらず、そしてネット弁慶にもならず、意見の違う人とこそ対話によって繋がっていくことが大切ではないでしょうか? それが、ロビイング活動や自治体議員の連れ合いをしてきた自分にとっての大いなる実感です。


[2012年12月15日追記]「時事通信社は、外山議員の質問について~」という文言で始まる段落は、最初に書いた際は新聞記事の内容を取り違えていましたので、最初に書いた文を少し書き直しました。
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DV防止法の制定プロセスと内容に民間の関与など求める1万人署名運動

いま中国でもDV防止法の制定が日程に上っていますが、それに対して要請をおこなう署名運動がこの11月5日から始まっています。

全国人民代表大会への連名の手紙に1万人の署名を集める運動

この署名は、簡単に言えば、立法のプロセスと内容に民間の参与を求め、実効性のある立法にするよう要請する署名です。従来の運動に比べて、立法への事前の介入を積極的に求めていること、かなり多数の署名を集めることを志していることに特徴があると思います。

この署名運動は、具体的には、以下に示す「反家庭内暴力立法についての全国人民代表大会への連名の手紙」(1)に名を連ねてもらう形ですすめられています。

全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会:

私たちは家庭内暴力問題に関心を持っているネットユーザーのグループです。私たちは、メディアによって、反家庭内暴力立法がすでに今年の全国人民代表大会の立法活動の計画に入ったこと、また、早くも2011年2月から、法制工作委員会と全国婦連は、一連の立法調査・研究・論証活動をおこなってきたことを知っています。最近は、家庭内暴力事件が頻発して、社会の反家庭内暴力立法を求める声はしだいに高まっています。けれど、家庭内暴力に反対する立法については、長い間情報が伝えられていません。私たちが手紙を書いたのは、次のことを知りたいからです。「反家庭内暴力法」の立法の進みぐあいはどうなのでしょうか? この法律は具体的にどのように実施されるのでしょうか? その中には民間の監督のメカニズムはあるのでしょうか?

(中略)

現在、わが国の憲法・婚姻法・婦女権益保障法などの法律は、明確に家庭内暴力を禁止しています。全国28の省・市・自治区も、家庭内暴力を予防・制止する地方性法規または政策を制定しています。全国婦連・最高人民法院・検察院・公安部などの7つの部・委員会も、「家庭内暴力の予防と制止に関する若干の意見」を出しています。けれども、それらの家庭内暴力に関する規定は、さまざまな法律・法規の中にばらばらにあって、つながりに乏しく、内容も完全でないために、警告する働きがあるだけで、実際の効力は限られています。そのため、国家レベルの反家庭内暴力法を制定することが、家庭内暴力を予防・制止し、被害者の権利を守り、現行の法律の不十分点を解決するために、差し迫って必要になっているのです。

現在家庭内暴力事件は相変わらず頻発しており、立法のプロセスを速め、立法の透明度を増すことが緊急に必要になっています。私たちは、「反家庭内暴力法」の立法の進展を知りたいのです。

家庭内暴力に対する関与は、行政の関与、司法の関与、社会の関与が共同で構成するものでなければならず、その主体は広範で多元的で、相互につながり、補充しあう全体的な枠組みでなければなりません。民間、とくに女性の立法と執法に対する参与は非常に重要であり、有効な民間の監督メカニズム築くことを立法に組み入れることを考慮しなければなりません。それゆえ、私たちは、次のことを提案いたします。

 1、立法の過程において、広範に民間の意見を聴取し、民間の参与と監督を奨励すること。
 2、法律の中に、責任部門の問責のメカニズムを明記すること。
 3、法律の中に、国家は民間の家庭内暴力反対活動にリソースを与えて、サポートしなければならないことを明記すること。

(中略)

貴委員会の1日も早い回答をお待ちしています!

一万名の反家庭内立法に関心を持つ公民

2012/11/05


署名運動の趣旨説明――実効性ある法律にするためには、草案が発表されてからでは遅すぎる。1万集めるのは難しいが、大衆的な訴えであることを示すにはそれが必要

この署名運動の趣旨は上記の文でも簡単に触れられていますが、呂頻さんが、以下のように詳しく説明しています(2)

まず、【なぜ家庭内暴力防止法を督促しなければならないのか】という点に関しては、呂頻さんは、「今に至るまで立法の過程が不透明であり、私たちがどのような法律を手にすることができるのか、はっきりしない」こと、「いまなお立法者はこの法律についての幅広い相談と討論の窓口を開いていない」ことを挙げています。呂頻さんは、「これまでの教訓では、立法者が法律の草案を発表して公衆の討論に供する時には、おおよそのところは既に決まっていて、短いパブリックコメントの募集期間に強烈な提案が集まっても、必ずしも最後の成案を変えることはできない。また、私たちは、何度も、公示的な規定だけあって、実効性のある規定はない法律がたくさん出来て、権利の保障に対する承諾が骨抜きになったという情況を見てきた」と述べています。

だから、呂頻さんは、私たちは【情報を知り、参与し、監督】したい、知らされるのを待っているだけではだめで、【主体的に問う】ことをしなければならないのだ、と言っています。

【なぜ1万人の署名が必要なのか】という点に関しては、「中国は大きいので、1万人は多いとは言えない。もしこの規模に達しなければ、私たちは、訴えが無視されることを心配する。」「その一方、1万人はじゅうぶん多く、大衆的な声を形成したことになるので、重視に値する。だから、要するに、1万人が最低ラインであり、1万人なければ、家庭内暴力防止法に対する多くの人の期待に釣り合わない」と述べています。

【なぜあなたの助けが必要なのか】という点に関しては、「市民の力はまだ非常に発達していない」から「一万人の署名をする民間の活動は決して多くない」、「民間組織が懸命に努力して、一つの組織が数十名、百名のボランティアを集めるだけでも、少なくないと言えるのであって、1万人という動員目標は、きわめて大きな挑戦である」。だから「あなたにはもっと多くの人に働きかけてほしい」と述べています。

上半身裸の写真で訴え――女性の身体に対する支配などを問う

この署名運動のもう一つの特徴は、何人もの女性が、インターネットに上半身裸の写真を掲載して、署名を呼びかけていることです。彼女たちは、写真といっしょにさまざまなメッセージを寄せています(3)

上半身裸で訴えることの意味が直接書かれているメッセージは、以下のようなものでしょうか。

@Foxdian:男の裸の上半身はどこにでもあるのに、なぜ女の裸は人に見られたら恥ずかしがらなければならないのか? DVと裸体は無関係に見えるが、身体と権力とは密接な関係がある。女性の身体に対する汚名も暴力でないことがあろうか?――身体に罪はなく、暴力を恥ずべきだ![身体无罪,暴力可耻!]

麦子家:DVは恥ずべきであり、裸の胸に罪はない[家暴可耻,裸胸无罪]

肖美膩:平らな胸は光栄だ。DVは恥ずべきだ[平胸光荣,家暴可耻](と自分の胸に直接書いてある)。


肖美膩さんは、新聞の取材に答えて、「女性の身体は、長い間スティグマ化されてきており、また人に見られてはいけないもので、見ることは良くないことで、恥ずかしいことだとされてきた」、けれど、その一方で、女性の身体はポルノや車体広告などの商業広告では大手を振っていても「何とも思われない」と語っています(4)

香港のSouth China Morning Post(南華早報)も、Xiong Jing[=熊婧?]さん(24歳のジェンダー研究の学士号取得者)の発言として、「私は、人々にDVと裸体の関係について考えてほしい」「私は『身体は戦場だ』と言うことが好きだ。私は、この方法によって、私の女性に対する支持を示し、女性に対する暴力への関心を引きたい」というものを伝えています(5)

以下のような訴えもあります。

@白亦初:私の身体を愛している。身体を傷つけてはならない。

@pinerpiner[=呂頻]:どれだけの鮮血が流れれば、目覚めるのか?!(裸の上半身に鮮血[のような塗料]を流した写真を掲載して)


pinerpinerさんは、自らの微博では、「わき毛には愛がある。DVには罪がある[腋毛有爱 家暴有罪]」という文字を上半身に書いた写真も出しておられます(6)

トランスジェンダーやレズビアンが上半身裸になって訴えている写真もあります。

@灰烬ashWang:“暴力はなくさなければならず、性別は解放しなければならない”。今日はちょうどジェンダー暴力に反対する16日アクションの最初の日である。女性やトランスジェンダーたちは、ジェンダー暴力の被害者である。大部分のDVはジェンダーにもとづく暴力である。私は、ふだんは束胸(注:胸のふくらみを押さえるシャツ、ナベシャツ)を身につけているトランスジェンダーである。私はジェンダー平等を促進することによってこそ根本的にジェンダー暴力をなくすことができると考え、署名した。DV反対は私から始める。

@済南Les工作社公式微博:反DV立法を促進するために、済南Les工作社は署名に応ずる


肖美膩さんの「平らな胸は光栄だ。DVは恥ずべきだ[平胸光荣,家暴可耻]」という訴えに対しては、次のような議論がネットで出たことが報じられています。

1.DVは実際は平らな胸のロジックと一致しており、どちらも男性の女性の身体に対する支配権を示している。前者は赤裸々であり、後者は非常に隠蔽されており、また、女性を、暴力をふるう対象・客体から、身体が支配されることを内面化した「主体意識」にするプロセスを完成させている。女性の身体は戦場であり、身体の自主権はDV反対に体現されているだけでなく、平らな胸を自ら誇りにすることにも体現されている。

2.男性の暴力は文化的な構築であって、単純な物理的存在ではけっしてなく、女性が賦与された記号的な意味も、そのほかの物理的存在をはるかに超えている。二者は同一の男権の記号システムの統一されたロジックの中のコードである。しかし、肖美膩の裸体と平らな胸はこのロジックと矛盾しており、積み重ねた卵を崩れ落ちさせている。これは、一般的なフェミニズムアートと比べて、先走りすぎている。

フェミニストの中でも、裸の胸を出した写真については両論あるということのようです。

ただし、インターネット投票では、やはり否定的な意見が多いようで、上の2つの意見を掲載しているようなフェミニズム的な記事の中でのネット投票でも、12月7日現在の投票結果を見ると、「ただの炒作[私はこの言葉のニュアンスがよくわからないのですが、「大げさな宣伝」「売名」といった意味のようです]だ。抗議は他のやり方でやるべきだ」という回答が6割以上で、「勇敢な行為だ。型破りなことをやってこそ、注目を集めることができる」は3割弱です(7)。――といっても、3割近い肯定的意見があることにむしろ注目すべきかもしれませんが。

裸の写真は、最初は微博の管理者によって削除されたそうですが、のちに多くの女性が参加するようになると検閲はストップされたと呂頻さんは言っています。

また、全国人民代表大会への連名の手紙には、すでに5千人の署名が集まっているとのことです(8)

(1)「反家暴16日行动的号角已经吹响,就反家暴法立法致全国人大的联名信」社会性別与発展在中国サイト2012年11月7日=「就反家暴立法致全国人大的联名信」。
(2)呂頻「为什么要一万人?需要你的支持,一个都不能少」社会性別与発展在中国サイト2012年11月9日(来源:邮件组)。
(3)万人签名促反家暴法立裸胸行动专题报道」社会性別与発展在中国サイト2012年11月28日。当初はミニブログで発信されたもののようですが、写真とメッセージは、ここでまとめて見られます。以下、枠で囲ってある発言は、このサイトからのものです。
(4)裸体反家暴,征万人签名推动立法」南都網2012年12月3日(来源:南方都市報)。
(5)Mimi Lau “ Chinese women post nude photos online to fight domestic violence ” South China Morning Post2102.12.4→(抄訳)「中国女性网上发裸照反家暴」新华网2012年12月5日(来源: 新华国际)。
(6)腋毛有爱 家暴有罪」pinerpiner新浪微博11月16日。
(7)以上は、「女性裸体抗议家暴 "平胸光荣 家暴可耻"惹争议」凤凰网2012年11月29日(来源:凤凰时尚综合)。
(8)以上は、(5)に同じ。
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さまざまな都市でDV反対を訴える「傷を負った新婦」パフォーマンスアート

11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」でした(1)。国連は、この日から12月10日の「人権デー」までの16日間を、「ジェンダーにもとづく暴力反対のために行動する16日間」に指定し、世界中の個人や団体に女性と女児へのあらゆる暴力を根絶するために行動を起こすよう呼びかけています(2)

この期間に、中国のさまざまな都市で、若い女性たちが、DV反対を訴える「傷を負った新婦」パフォーマンスアートをおこないました。彼女たちは、殴られて怪我をしたかのような化粧をし、血で染まったように見えるウェディングドレスを着て、通行人に向かって、親密な関係における暴力をなくすために、ビラをまいて訴えました。

この「傷を負った新婦」パフォーマンスアートは、すでに今年2月14日のバレンタインデーにも、李麦子さんら3人の女子大学生が北京の前門でおこなっています(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」の5「今回のアクションと中国のフェミニズム」参照)。今回は、国連のキャンペーンにあわせて、それを集中的におこなったということです。

11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に武漢で

まず、11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」には、武漢市の漢口の江漢区の民政局の入口の大通りの前で、午前10時に、葉さん、華さん、王さんという3人の若い女性が、殴られて顔に怪我をしたかのような化粧をし、「血染めのウェディングドレス」を着て、「暴力が身近にあるのに、相変わらず黙っているの?」「DV[家暴]は家庭内部の問題[家事]ではない、DVは違法である」と書いたプラカードを掲げ、通行人にチラシをまいて、親密な関係の中での暴力をなくすように訴えました。

葉さんは、「みんなは、DVは私領域の問題、家庭内部の問題だから、第三者には口を出す権利がないと思っています。しかし、実際は、暴力は公民の人身の安全を侵犯する行為であり、法律によって制裁されなければなりませんし、親密な関係の中の暴力はもっと許してはならないのです」と語りました(3)

別の報道では、「樹葉」さんが組織者であること、樹葉さんは同級生たちと募金を集めて、3着のウェディングドレスを買ったとも報じられています(4)

樹葉さんは、華中師範大学文学院の大学院生として、世界トイレの日(11月19日)に、同大学の学長に女子トイレ増設を要望する手紙を出した人であり(本ブログの記事「全国の12師範大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙」参照)、9月16日に武漢大学の門前でおこなわれた、花瓶を叩き壊してミスコンに抗議するパフォーマンスアートの発起人でもあります(本ブログの記事「ミスキャンパスコンテストに対する抗議行動」参照)。

12月2日には5都市でいっせいに

12月2日には、杭州・上海・広州・西安・東莞という5つの都市で、いっせいに、あわせて数十名の若い女性が街頭で「傷を負った新婦」のパフォーマンスアートをおこないました。以下、各市の具体的な状況をまとめました。

杭州市

浙江大学社会学系2年生の陳芳さん(仮名)と張晴さん(仮名)が、午前10時、朱墨で赤く染めた「血染めのウェディングドレス」を着て、「傷を負った」かのような化粧をして、他の2人の仲間とともに杭州市の武林の繁華街にやってきました。彼女たちは、ある大きな百貨店の入口で、「殴るのは親しさではなく、罵るのは愛ではない」「DVをいっさい容認しない」と書いたプラカードを掲げ、宣伝ビラをまきました。

彼女たちは、記者に対して、自分たちはずっと女性の権利に関心を持ってきたこと、親密な関係における暴力が中国では深刻だから、全社会が重視する必要があると述べました(5)

広州市

広州市番禺区の繁華街では、鄭楚然さんと梁小門さんが、血の色の染料で染めたウェディングドレスを身にまとい、顔が痣だらけになって腫れ上がったかのような化粧をして、「彼女が被害に遭っていたとき、あなたがたはどこにいたの?」「彼女が自衛するのを待っていてはならない。夫を殺したときになって、たびたびDVの被害にあっていたのを知ることになる」と書いたプラカードを掲げました。彼女たちは、寒風と小雨の中、DVに反対するスローガンを大きな声で叫びつつ、親密な関係における暴力に反対するビラを配りました。

数分もしないうちに、彼女たちの周りには数十名の人垣ができました。けれど、彼女たちの訴えに対して、ある男性は「もし女房がひどいことをしたり、怠けていたり、ばくち好きだったりしたら、絶対殴らないといけない」と言い、ある通行人の男性は「自分は妻や子どもは殴らないけれど、他人が女房を殴るのを見ても他人の家の中の問題だと思うから、干渉すべきじゃない」と言うといった具合で、同意しない人も多かったとのことです(6)(けれど、無視されるのではなく、このように議論になっただけでも、すごいとも言えると思います)。

西安市

西安市の雁塔区育才路の陝西省婦女連合会の前でも、格蕾さんら2人の女子大学生が、顔に殴られて青いあざができた化粧をし、血に染めたウェディングドレスを着て、DV反対のパフォーマンスアートをしました。彼女たちとこの活動の組織者の黄文さん(男性のようです)とは、「殴るのは親しさではなく、罵るのは愛ではない」「暴力が身近にあるのに、相変わらず黙っているの?」と書いたプラカードを掲げて、道行く人に訴えました。

格蕾さんは、「私たちが婦女連合会の門の前の街頭このような活動をしたのは、多くの大衆と市民に、親密な関係の暴力を含めた家庭内暴力は、実際は私たちの身のまわりに存在していることを知ってもらって、みんなに黙ったままでいてはならないことを訴えるためです」と語りました(7)

下が、このパフォーマンスアートのテレビ報道のビデオです。
视频:女大学生穿“染血婚纱” 行为艺术反对家庭暴力

東莞市

東莞市では、中堂鎮センターの前の広場で、「丸子」「小玉」「大雁」と名乗る3人の女子学生が、「暴力は身近にあるのに、どうして黙り続けていられるだろうか?!」「愛のために声を上げよう 愛のために暴力を禁止しよう」と書いたプラカードを掲げてDV反対を訴えました。写真を見ると、ウェディングドレスを着ているのは1人だけですが、3人とも、顔に赤い血の跡や青いあざができきているような化粧をしています(8)

「青年女性実践とジェンダー平等」秋令営で決定

以上のように一斉にパフォーマンスアートがおこなわれたのは、もちろん偶然の一致ではありません。

11月23日から26日まで、武漢で「青年女性実践とジェンダー平等」秋令営(オータムキャンプ、合宿)が開催され、中国の中部地区の、ジェンダー問題に関心を持つ青年活動家35名(女性30名、男性5名)が参加しました。そのとき、パフォーマンスアートの計画についても話し合われたのですが、11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」であることから、いくつかの候補の中から、「傷を負った新婦」パフォーマンスアートなどが選ばれたのです。

もちろん女性に対する暴力やDVに対する反対運動は、パフォーマンスアートという形でだけおこなわれているのではなく、DV防止法についての署名運動などもおこなわれています。それについては、次回ご紹介したいと思います。

(1)その起源は、「ドミニカ共和国がトルヒーヨ独裁時代に反対運動をしていたミラバル3姉妹が、投獄されていた夫たちに面会に行った帰りにトルヒーヨ政権の放った男たちにより殺害されました。当局側はそれにより反政府運動が鎮静化すると考えていましたが、逆に民衆の怒りを買い、半年後にトルヒーヨ自身の暗殺へと結びつくことになりました。国連は1999年、彼女らの活動を称賛し、女性への暴力に抗議するため彼女らが暗殺された11月25日を『女性に対する暴力撤廃国際デー』として採択しました」というものだそうです(「女性に対する暴力撤廃国際デー」国連情報誌SUNブログ対応版)。
(2)女性に対する暴力撤廃デー」UN Women 日本事務所公式サイト。
(3)以上は、「武汉3名女青年化身“受伤新娘” 街头反对家暴」荆楚网2012年11月26日(来源:楚天都市报)。
(4)武汉3女子穿带血婚纱缠绷带宣传反对家暴」荆楚网2012年11月26日。
(5)以上は、「五城市女青年穿“染血的婚纱”演行为艺术反家暴」新華網浙江頻道2012年12月2日。
(6)以上は、「5城市数10名女青年街头穿染血婚纱宣传反家暴」中国新聞網2012年12月3日(来源:羊城晚报)。
(7)以上は、「西安女大学生穿"染血婚纱" 呼吁别对家暴沉默」西部網2012年12月2日。
(8)东莞年轻女子身穿"血"婚纱 宣传反家暴」東莞陽光網2012年12月3日。
(9)嵘嵘「武汉青年社会参与与性别平等主体秋令营培训公报」google group性别平等计划2012年12月3日。
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