2012-11

長沙市で中国大陸初のLGBTパレード

11月24日、湖南省長沙市で、中国大陸初のLGBTパレードがおこなわれました。

このパレードは、午後2時半から、21人(1)(「30人あまり」という報道もある(2))が、黄色や白のTシャツを着て、レインボーフラッグやさまざまな訴えを書いた紙片を持って行進しました。彼(彼女)たちは、南湖大市場を出発して、五一大通りを経由して長沙駅までパレードをし、道行く人にレインボーフラッグなどを配布しました。

記事の中の写真(記事1記事2)を見ると、Tシャツには、「差別反対」とか「カミングアウトしよう」といった言葉が書かれており、紙片には、「Yes.I am gay」、「性は媒介物にすぎない。性別とは無関係だ」、「同性愛≠異類[異類:人類とは種を異にするもの]」といった主張が書かれています。

この写真この写真からは、まさにパレードをしている様子がよくわかります。

パレードの組織者である「向小寒」さんは、事前に準備した300本余りのレインボーフラッグと100余りの記念品は全部なくなり、少なくない市民が支持し、いっしょに記念写真に収まったと述べました。

ただ、紅網の記者が、レインボーフラッグを受け取った20人近くの人に尋ねてみると、中年男性の1人が、これは同性愛を示す旗だと答えましたが、他の人はレインボーフラッグの意味を知らず、スローガンもよく見えなかったと述べました。

青年たちの中には、レインボーフラッグを受け取った後、騒いだりお互いにからかったりしていたのに、記者がインタビューすると、「よく知らない」と口々に言った人たちもいるようです。また、インタビューに応じた人は、みな「同性愛を差別したことはない」と強く言ったということです。

初めてのパレードであり、なかなか困難な条件の下でおこなわれたことがわかります。

パレードに参加した中南大学の学生の「小邪」さんは、自分はけっして性的指向を隠さないけれど、もしパレードのときに知り合いの先生や同級生に会ったら、隠れるかもしれないと述べました。

発起人の「向小寒」さんは、この活動は、先週長沙の公安部[警察]に届けており、これは、大陸の都市の初めての同性愛差別反対のパレードのはずだと語ったということです(3)(べつに車道をパレードしたわけではありませんし、日本のデモのように警官が交通整理をするわけではないのですが、無事におこなわれたことはたしかです)。

ある同性愛者は、同僚にからかわれたことがあって、不快だったと語りました。同性愛の教師やソーシャルワーカーは昇進できない、と指摘する人もいました。同性婚を合法化してほしいと言う人もいました。

沿道の一般市民も、自分は同性愛者ではないが、同性愛者は差別されてはならないと語ったと書いてある記事もあります(4)

なお、今回のパレードについて、メディアは「同性愛街頭游行」と報じており(といっても、報道したメディアは非常に少ないのですが)、記事中にも「同性愛者」という言葉しか出てきません。しかし、写真を見ると、扮装から見ても、トランスジェンダーかな? と思われる人もおり、メディアは一般の人の理解のことを考えて「LGBT」とか「同志」という言葉を使っていないだけの可能性(あるいはメディア自体がLGBTのことを同性愛者としてしか理解していない可能性)も大きいと思います。また、このパレードは、まず間近いなく、外国や台湾、香港のパレードに想を得ていると思いますので、「LGBTパレード」と書かせていただきました。

(1)湖南长沙同性恋街头游行 路人接旗不认“同”」紅網2012年11月24日。
(2)【中华论坛】逆天了! 长沙同性恋街头游行(组图)」中华网论坛2012年11月24日。
(3)以上は、(1)に同じ。
(4)以上は、(2)に同じ。

※写真は、「湖南长沙同性恋街头游行 呼吁公众消除歧视」现在新闻2012年11月26日(来源:现在网-长江商报)、「中国同性恋志愿者街头游行呼消除歧视」第一金融网2012年11月25日(来源:狐捜)にも多い。
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全国の12師範大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙

11月19日は、世界トイレの日(World Toilet Day)でした。この日の前後に、中国では、全国の12の師範大学(北京師範大学、天津師範大学、河南師範大学、広州第二師範大学、華中師範大学、信陽師範大学、杭州師範大学、重慶師範大学、江西師範大学、西北師範大学、陝西師範大学、新疆師範大学)の女子学生が、女子トイレを増やすことを要望する手紙をそれぞれの大学の学長に送りました。

この活動は、今年2月、広州で「男子トイレ占拠」アクション(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」参照)の発起人だった李麦子さん(仮名)が、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(Gender Equality Advocacy and Action Network)」などを通して呼びかけたものです(1)。李さんによると、近年女子学生が占める比率が高くなっている師範系大学の女子トイレ不足が深刻になっているので、今回の行動を呼びかけたということです。

各師範大学の情況と女子学生の訴え

北京師範大学

北京師範大学では、3年生の鄭さんが学長に手紙を出しました。鄭さんは、手紙の中で、「授業が終わったら、多くの女子学生は、大急ぎでトイレに行かなければなりません。なぜなら、もしトイレで順番を長い時間待つことになれば、次の授業に間に合わないかもしれないからです。これは、疑いなく女子学生の生理と心理に対する試練です。トイレは小さな問題のように見えますけれど、トイレには毎日行くのですから、大きな問題です。長い間積み重なると、女子学生の泌尿器系統に良くない影響があるかもしれませんし、女子学生の学業にも不利です」と訴えました。

鄭さんによると、北京師範大学の男女の学生の比率は3:7で、鄭さんがいる文学院には、男子学生はもっと少ないのに、トイレの比率は1:1だということです。鄭さんはいつも学校の教二楼で授業を受けるのですが、この建物の女子トイレには便器が3つしかなく、休憩時間にはいつも長い列ができると言います。

もっとも、『法制晩報』の記者が北京師範大学の女子学生20人に取材したとろ、彼女たちはみな、女子トイレに行列ができることはないと答えました。中には、鄭さんの売名行為ではないかと言う人もいました。また、北京師範大学宣伝部の李先生は、「董奇学長はすでに手紙を受け取りました。今後、女子トイレの問題を調査し、もし事実なら解決に着手します」と述べつつも、「学校のすべての教学楼の各階のトイレの男女の比率はみな1:1ですが、ふだんは女子学生が行列を作るという情景は見られません」と言いました。

しかし、鄭さんは、他の建物については調査していないけれど、自分がふだん授業を受けている教二楼の2階は、午前中、授業を受ける人が多く、休憩時間になると2階の女子トイレは長い列ができるので、やむをえず1階と3階のトイレに行くけれども、どちらも列ができているのだ、と言いました(2)

また、『新京報』が取材したところ、たしかに教七楼は、授業を受ける人が少ないので、「休憩時間も、せいぜい1~2人が待っているだけ」(ある大学院1年生)だけれども、教二楼は、行列ができており、清掃の人も「一番ひどい時は、外の渡り廊下にまで行列ができている」と言いました(3)

私も、女子学生のほうがずっと多いのに、(宣伝部の人も認めているように)トイレの男女比が1:1だという点から言っても、鄭さんのような経験をする学生はいるだろうと思います。

実際、鄭さんには、すぐに学長の秘書から、「董学長は、最近関係部門と一緒にこの問題を研究して、明日(11月21日)午前、関係する指導者と責任部門の同志を集めて、問題を解決する具体的措置と任務の割り当てを研究して決定するつもりです」という回答が返ってきました(4)

天津師範大学

天津師範大学3年生の艾智慧(仮名)さんは、学長への手紙で、「私が何人かの同級生と調べたところ、わが校の教学区の男子トイレと女子トイレの比率は約1:1でした。たとえば、勧学楼のB区では、各男子トイレに小便器11と大便器9、合わせて便器が20ありましたが、女子トイレの便器は22で、男子便器より2つ多いだけです。女子学生の数が男子学生の数よりはるかに多いキャンパスにおいて、このような便器の比率であることは、非常に不合理です。さらに、女子学生の用便の時間は、男子学生のおおよそ2~3倍かかります。ですから、たとえ男女の人数が同じであったとしても、女子トイレの便器は男子トイレの2~3倍であるべきです」と書きました。

艾智慧さんは、女性がトイレに行くのに長い間行列を作る問題は、けっして取るに足りない問題ではなく、それぞれの女子学生にとっては、どのように時間の割り振りをし、どのように勉強の計画を立て、どのように休憩するかという、日常生活にとって非常に重要なことであると考えています。

今年の世界トイレの日を前に、トイレの調査活動が呼びかけられたのに応えて、艾智慧さんも、天津師範大学のソーシャルワーク専攻の学生として、ボランティアを募って、天津の公共トイレの便器の数の比率の調査もしているところです。艾さんは「しばらく後に結論が出たら、関係部門に提出します」と語っています(5)

華南師範大学

華南師範大学の文怡さんは、「私たちの大学では、男女の学生の比率が1:7になっているのに、トイレの数は同じなので、授業が終わるたびに、女子トイレの前には長い行列ができます。多くの建物を駆け回って、やっとトイレにたどり着ける情況であり、女子学生にとって影響が大きいのです」と語っています(6)

華中師範大学

華中師範大学文学院の大学院生の樹葉さん(仮名)は、学長宛ての手紙で、「華中師範大学は伝統的な師範学校であり、学校側が発表した数字によると、今年の新入生のうち、女性は7割を超えたにもかかわらず、男子トイレと女子トイレの比率はまだ1:1です。トイレの問題は女子学生の勉強と生活の中で大きな問題です。この間、学校は外国語学院の一部の男子トイレを女子トイレに改造して、私たちに進歩した現実を見せてくれましたけれども、もっとスペースを広げるように希望します。」「私は比較的水を飲むのが好きなのですが、この良い習慣のために、私は辛い思いをします。女子トイレに行って行列をすることは、知力と体力を費やす戦争になっています。女の同胞たちは、休憩時間に『問題』を解決するために、少しでも空いている女子トイレを探して走り回るのです」と訴えました。樹葉さんが調査したところ、小便器をプラスすると、男性用の便器はもともと女子トイレを上回っているのに、(人数が多い)女子学生に対する配慮がなされていないので、もっと多くの建物で、女性が「便利」にしてほしいと述べています。

樹葉さんは、9月16日に武漢大学の前でおこなわれた、ミスキャンパスコンテストに抗議するパフォーマンスアートの発起人でもありました(本ブログの記事「ミスキャンパスコンテストに対する抗議行動」参照)。

『長江日報』の記者が取材したところ、校務主任の駱軍さんは、「ここ数回の学長の午餐会で、すでに何度も、学生たち、とくに女子学生たちが男女のトイレの比率の問題を出していることは掴んでおり、学校としても、学生のニーズを学校の発展計画の中に組み入れるつもりです」と言いました。学長の楊宗凱さんも「トイレに行くことは大きな問題であり、関係部門と協議して、できるだけ早く解決したい」と述べました(7)

中山大学副教授で、中山大学ジェンダー研究フォーラムの責任者の柯倩婷さんは、「師範大学の女性の比率は年を追って増していて、華中師範大学外国語学院の男女の比率は1:10になっているのに、トイレの比率は少しも変わっていません。師範学院などが率先して女子トイレを増築して、女子学生に『男子トイレを占拠』しなくてもよいようにし、また『女子トイレ増築』を単なるスローガンに止めないようにすべきです」と語っています(8)

杭州師範大学

今回の手紙を送る活動に参加した杭州師範大学の学生の夏嘉蔚さんは、「大学では、男子学生と女子学生の比率は1:7であり、ある学院では1:14にまで達しているのに、男女のトイレの数の比率はずっと1:1です」と批判しています(9)

夏さんは、杭州師範大学の文一校区の国際服務工程学院に在学中ですが、彼女によると、各階の6~7つしか便器がない女子トイレは非常に混雑しているとのことです。下沙校区の看護専攻の呉さんの場合は、クラスに男子学生が1人しかいなくて、女子学生が28人いるのに、教学楼は各階に男女のトイレが3つずつだったので、女子トイレはいつも混雑しているのに、男子トイレは空っぽなので、男子トイレで用を足したい衝動に駆られることもありました。

こうした女子学生のトイレ難の問題について、夏さんと呉さんは小さな調査をして、男子学生がトイレに一回83秒しかかからないのに、女子学生は3分、生理の時はさらに長くかかることを明らかにしました。

以上のような事実をもとに、夏さんと呉さんは、学長の葉高翔さんに手紙を書いて、女子トイレと男子トイレの比率を2:1に調整するように訴えました。

葉高翔学長は、学校のトイレの問題は、学生だけの問題ではなく、ダンス・看護・就学前教育などの、女性教員の多い専攻では、教員たちも困っていること、旧い校区は改造が少し難しいけれども、新しい校区では男女のトイレの比率を1:2にし、第二期工事の看護学院の教学楼では、男女のトイレの比率を1:3さらには1:4にできると表明しました(10)

信陽師範学院

「懶羊羊」さんは、信陽師範学院のソーシャルワーク専攻の2010年入学の学生です。「懶羊羊」さんのクラスは、49人の学生のうち、43人が女子学生です。「懶羊羊」さんも、授業が終わると、多くの女子学生が、次の授業に遅れないようにトイレに急ぐと言っています。休憩時間は10分しかないのに、女子学生はトイレに男子学生の2~3倍の時間が必要で、女子トイレの入口に行列ができるのは、いつものことなのに、「男子トイレはほとんど人がいない」といいます。

「懶羊羊」さんが同級生と調査したところ、学内に女子トイレは1044、男子トイレは889で、比率は1.17:1でした。

11月18日、「懶羊羊」さんは、学長に手紙を書いて、「調査研究のデータと私たちの推計にもとづくと、女子トイレと男子トイレの便器は、2:1が適切な比率です」と訴えました(11)

陝西師範大学

陝西師範大学でも女子学生が学長に手紙を送りました。王さんは、授業が終わるたびに、女子トイレの前には行列ができるので、それを見ると尻込みしてしまう、と言っています(12)

李麦子さんは、記者に対して、陝西師範大学では2年前、キャンパスの中に「女性立式トイレ」を設置したけれども、それは実用的なものではなく、また設置した場所がわりあい辺鄙なところだったので、女子学生のトイレ難を解決しなかったと語りました。

陝西師範大学の、トイレに責任を持つ部門の責任者は、「まだ手紙は受け取っていないが、学生の実際の情況を考慮して、学生の比率にもとづいて、学生の大学生活の便宜を図りたい」と述べました(13)

トイレについての調査研究も

以上でおわかりいただけるように、女子大学生たちは、自分自身の体験を訴えるとともに、天津師範大学、華中師範大学、杭州師範大学、信陽師範学院などでは、トイレについての調査もおこなったうえで、学長への手紙を書いています。

女子大学生たちは、学内だけでなく、北京・武漢など、10の都市で小調査をおこないました。その結果、公共の場所の男女のトイレの比率は、多くは1:1であること、けれど、女性がトイレに行く時間は平均4分半であるのに対して、男性は1分半でしかないことを明らかにしています。今回の手紙を書く活動の組織者でもある李婷婷(=李麦子と思われる)さんは、「この面だけから見ても、女子トイレの数は男子トイレよりも多くなければならない」と語っています(14)

また、11月5日、苗傑さんが、鄭州市の政治協商会議に「女子トイレの比率を高めて、女性の平等な権利を保障する」という提案の手紙を書いて、女子トイレ比率の拡充とユニセックストイレの増設を訴えました。その苗傑さんも、現在、何人かのボランティアとともに「トイレ調査研究活動」をおこなって、鄭州市の都市区、観光スポット、駅などのデータを収集して、現在の問題点を明らかにして、提案をおこなう予定だと述べています(15)

これらは、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の活動の一環のようです(本ブログの記事「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」の中の「8月?~ ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク、全国の公共トイレの調査研究も開始」参照)。

また、今年の世界トイレの日は、2月以来の女子大学生らの運動のためか、『南方都市報』や『三秦都市報』が、女子トイレ不足問題を含めた、公共トイレについての調査報道をおこないました(16)

広州市都市管理委員会から返答

また、以前お伝えしたように、8月20日、李麦子さんや鄭楚然さん、区佳陽さんら16人の若い女性が、広州市都市管理委員会の前で、女子トイレ不足問題の解決を訴えるパフォーマンスアートをおこないました(本ブログの記事「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」参照)。その際に彼女たちが都市管理委員会に出した訴え(陳情として扱われた)の回答が、10月23日付けで返ってきました。

その回答は、「李婷婷・鄭楚然・区佳陽・余丹丹など同学[学生に対する敬称]」宛てに書かれており、以下の「一」~「四」のような内容(要旨)です(17)

まず、「一、本市の公共トイレの基本的状況」では、「一部の地区のある時間帯に、たしかに女性のトイレ難の現象がある」ことを認めたうえで、それに対して、下の3点の対応をしたことが記されています。
 1、2011年初めに「公共トイレの女性便器比率の向上に関する実施意見」を制定した。
 2、女性のトイレ難の場所に、ユニセックストイレを増設した(ここでは、具体的な地点が何か所かあげてあります)。
 3、新築または増築する公共トイレの設計の審査において、一律に男女の便器の比率が1:1.5以上にするようにした。また、関係する管理部門や企業に、女性便器の比率を増やすように建議をおこなった。

次の「二、存在する困難」では、トイレの設計から完成までには時間がかかることや、女性トイレの面積を増やす際の用地の困難などが書かれています。

「三、トイレに関する立法活動」では、2012年度に「広州市都市公共トイレ管理規則[弁法]」を立法計画に入れるべく、調査研究をし、初稿を作成したが、今年は立法の項目が多く、任務が重いので、入れられなかった、といったことが書いてあります。

「四、越秀公園前の公共トイレの女性のトイレ難について」では、トイレの混雑状況を調査した結果や、行列ができる時間は限られているけれども、混雑を緩和するために、公園の中のトイレへの案内を増設するなど、緊急の措置を取ったことが書かれています。

一の1と3の点は、以前から広州市が述べてきたことですし、他の箇所も、今後すぐに事態が改善できるという回答ではないようです。ですから、事態の緊急性という点から見ると歯がゆい感じで、熱意にも物足りなさを感じます。

しかし、全体として、わりあい丁寧に書かれた回答であり、広州市も、それなりに女性のトイレ不足問題について対応していることがうかがえます。実際、武嶸嶸さん(北京益仁平センター性差別撤廃プロジェクトコーディネーター)は、この回答を見て、「私たちの声が具体化した」と喜んでいます(18)

女子大学生らの訴えは、じわじわと成果を上げつつある?

以上で見てきたように、師範大学の学長に対する女子トイレ増設の訴えに対して、学長側もある程度の対応をしていることといい、広州市都市管理委員会からそれなりの回答が返ってきたことといい、10月に北京市が男女の便器の比率の基準を現行の1:1から1:2以上(1:1.5以上と報じているメディアもあるが)に変更することを表明したことといい(本ブログの記事「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」参照)、このかんの動向を見ていると、女子大学生たちの訴えが、じわじわとある程度の成果を上げつつあるのかな、という気がいたします。

女子トイレ増設の訴えは、雇用の平等などと比べれば、権力や男性の既得権をさほど脅かさないから、比較的成果を上げやすいのかもしれません。しかし、「男子トイレ占拠」というパフォーマンスアートを全国でおこなったうえに、メディアや全人代の代表への働きかけ、地道な調査、都市管理委員会への陳情、今回のような学長への手紙など、さまざまな手段を使っての粘り強い訴えが成果を上げつつあるという面も否定できないように感じます。

(1)たとえば、「帮忙推荐师范类院校志愿者,麦子需要你的帮助! 」(google group性别平等倡导计划2012年11月13日)参照。「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(Gender Equality Advocacy and Action Network)」については、本ブログの記事「若い行動派フェミニストたちの『ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク』」参照。
(2)以上は、「12所师范院校女生致信校长要求扩建学校女厕」網易新聞2012年11月20日(来源:法制晩報)。
(3)12女生致信校长呼吁大学增建女厕」『新京報』2012年11月20日。
(4)【北师大校长表示将解决女生如厕难问题!】」麦子家微博2012年11月21日。
(5)以上は、「天津师大女生致信校长:比例不合理 女厕该扩建」中国新聞網2012年11月20日(来源:城市快報)。
(6)“扩建女厕”发酵 山东12所高校女生写联名信」騰訊網2012年11月20日(来源:山東商報)。
(7)以上は、「全国12所师范院校女大学生上书校长:增加女厕」湖北教育新聞網2012年11月20日(来源:長江日報)。
(8)“扩建女厕”发酵 山东12所高校女生写联名信」騰訊網2012年11月20日(来源:山東商報)。
(9)中国十二所师范院校女学生致信校长要求扩建女厕」新華網2012年11月19日。
(10)以上は、「杭师大女生致信校长建议调整厕位比例」新浪浙江2012年11月20日(来源:青年時報)。
(11)以上は、「郑州女大学生向政协提建议 讨要“方便权”」中国新聞網2012年11月20日(来源:大河網)。
(12)11月19日"世界厕所日" 女性呼吁扩建女厕解决如厕难」中国経済網2012年11月20日(来源:西部網)。
(13)陕师大女生致信校长求增女厕 学校:会考虑实际情况」華商網2012年11月20日。
(14)中国十二所师范院校女学生致信校长要求扩建女厕」新華網2012年11月19日。
(15)郑州女大学生向政协提建议 讨要“方便权”」中国新聞網2012年11月20日(来源:大河網)。
(16)街头公厕,你知道我在找你吗? 市区繁华地段公厕多藏“深闺”,女厕蹲位不足,市民盼新建」南都網2012年11月20日(来源:南方都市報)、「记者街头体验女性“如厕难” 11月19日是第12个世界厕所日市民普遍反映,女厕依旧不够用」人民網2012年11月20日(来源:三秦都市報)。
(17)广州城市管理委员会关于女厕扩建的信访事项的回复函」社会性別与発展在中国サイト2012年11月7日。
(18)广州城市管理委员会关于女厕扩建的信访事项的回复函」google group性别平等倡导计划2012年11月6日。
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ミスキャンパスコンテストに対する抗議行動

以前このブログでお伝えしたように、今年4月9日、李麦子さん、可さん、鳳さん、尚さん(いずれも仮名)ら数名の女子大学生が、西安でミスコンに反対するパフォーマンスアートをおこないました。彼女たちは、「ミスコンを拒否する。花瓶にはならない。自分自身にしかならない(拒绝选美 不做花瓶 只做自己)」と書いたパネル(そのパネルには、花瓶に×印を付けた絵も描いてある)を掲げつつ、花瓶を金づちで叩き壊すパフォーマンスをおこないました。

「花瓶」という言葉を中国語辞書で引くと、「花瓶」という意味の次に、「飾り物、お飾り(の女性)」(中日辞典)、「旧社会で事務室の飾り物的女事務員」(中日大辞典)という意味が出てくるほどで、女性を飾り物扱いすることを示す一般的な表現のようです。

可さんは、「現在多くの大学でミスコンをしていて、少なくない女子大学生が参加しています。しかし、それらは一部の企業の宣伝の手段になっています」と批判し、李麦子さんは、「ミスコン(選美)の問題は、誰が『美』を定義するのか? という問題です。その答えは、往々にして男性の審査員と大衆が定義するというものですが、女子大学生の美は、自分自身で決定するべきです」と主張しました(以上は、本ブログの記事「女性差別反対を訴える女子大学生のパフォーマンスアート続く」参照)。

その後も、ミスキャンパス選出に対する反対運動はおこなわれています。

9月 武漢でミスキャンパスコンテストに抗議行動

9月16日にも、数名の仮面をつけた女子大学生が、武漢大学の門の前で、花瓶を叩き壊してミスコンに抗議するパフォーマンスアートをおこないました(この抗議活動は仮面を付けておこなわれていますが、4月や後述の10月の抗議活動は素顔のままでおこなわれています)。

彼女たちのうちの2人は、「花瓶にはならない。自分にしかならない」と書いたプラカードを掲げました。その横では、別の女性が、高さが1.2メートルもある大きな古い花瓶を、金づちや煉瓦で叩き壊しました。その花瓶には、女性美に対するステロタイプな要求――「色白である」「鼻が高い」「乳房が大きくてまっすぐに立っている」「大きな目」「柳腰である」などと書いてある、多くの紙片が張ってありました。

下が、このパフォーマンスアートのビデオです(中国語字幕付き)。
实拍高校女生街头砸花瓶反对大学生选美

このアクションの発起人の樹葉(仮名)さんは、「私たちの目標は明確であり、あちこちでおこなわれているミスコン、とくに大学のキャンパス内での大学生のミスコン活動に抗議することです。なぜなら、ミスコンは、女性の多元的な性格と才能の発展に不利であるだけでなく、伝統的なステロタイプな要求にもとづく美の選択なので、女子大学生が将来職業選択をする過程でも容姿差別の問題を引き起こす可能性があります。」「私たちは、他の人に私たちの美醜を定義してもらう必要はありませんし、まして外部の力がそれを強化し、規範にする必要はありません」と語りました。

8月末に広州で、大学入試の男女差別を容認した教育部(日本で言う文科省)に抗議して坊主頭になった数人の女性(本ブログの記事「大学入試の男女差別に対する抗議活動つづく――差別を正当化する教育部を批判して、坊主頭になるパフォーマンスアートも」参照)も駆けつけて、このミスコン反対アクションを盛り上げました。[梁]小門さんは、「女子大学生に対するこのような消費文化とミスコン文化は、実際に女性の地位向上に不利です」と語りました。

差別に反対する公益機構である北京益仁平センターの武嶸嶸さんも、「現在、大学のキャンパスにもミスコンの波が押し寄せていますが、これは注意・警戒すべき問題です。女性を外見で判断することは、女子大学生に対する容貌差別をますます過酷にする可能性があります」と語りました(1)

なお、ミスコン批判をした女性たちの中には、「美男子選び(選美男、オスコン)」をやって対抗しようという意見を出す人もいたようですが、それに対しては、「主流のモデルをコピーするだけではないか。男女を逆さまにするにすぎない」といった意見が出て(於:「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」のフォーラムと思われるgoogle groupの性別平等計画[性别平等倡导计划]のフォーラム)、おこなわれなかったようです(2)

ミスキャンパス審査に50項目の数値的な審査基準があったという報道をめぐって

彼女たちがこのパフォーマンスアートをしたきっかけになったのは、以下の報道です。

「中国キャンパスモデルネット(中国校园模特网)」が、湖北の大学の「十大ミスキャンパス」を選ぶコンテストをおこなったのですが、主催者は、その際に、50条の審査基準を発表しました。それは、「身長は頭部×7.1cm」「バストは身長×0.51cm」「アンダーバストは身長×0.432cm」「ウエストは身長×0.34cm」「腹周りは身長×0.457cm」「ヒップは身長×0.542cm」、「乳房は豊満で、均整がとれており、垂れていない。2つの乳房の大小・形状・位置は均一で、2つの乳の間の距離は20cmより大きく、乳房の底面の直径は10-12cmで、底面から乳頭までの高さは5-6cm。乳房はぴんと立っていて、トップとアンダーとの差は17-20cmが適当である」といったものでした(3)

もっとも、『中国婦女報』の取材に対して、主催者側は、「メディアに提供した資料の中に、私たちが準備活動をしている時にインターネットで収集した肉体美・人体美に関する資料が含まれていた」ので、誤解されてそのように報道されただけであって、それらは「私たちが審査基準として確定したものではけっしてない」と弁解しています(4)

私も、実際に上のような細かい測定ができるはずがないことを考えると、この弁解自身は、真実であろうと思います。また、上のような細かな基準が報道された結果、このミスコンはネット上で非難を浴びて、活動を一時休止せざるをえなくなっていますから、こうした基準は、中国でも非常識なものだと捉えられていることは押さえておく必要があると思います。

しかし、同じ『中国婦女報』のべつの記事(姚鵬執筆)で批判されているように、「いかなる基準で女性の身体を審査しても、その本質は男権社会の視点から女性を見つめることであり、女性に対する差別である」(5)と言えます。

また、細かな数値を書いた資料を参考にするということ自体、女性の美を数量化して測定する発想があるからでしょう。実際、キャンパスモデルネットの審査委員会の声明も、「最終的に確定した方法では『物差しのよる美人審査』『数字の物差し』を採用している。ただし、いささかのデリケートな物差しは除外したた。体形の審査の項目にあるのは、顔の形、五官[顔立ち。眼・耳・鼻・舌・唇]の比率、体重と身長の比率、スリーサイズの比率、身体全体の比率である」(6)というふうに述べています。

なお、主催者は、「百度[中国のサーチエンジン]で、『顔面美学基準(面部美学标准)』とか、『肉体美学基準(形体美学标准)』で検索すると、多くの検索結果が出てくる」から、そうしたものを参考資料にしただけである、とも述べています。そこで、私が実際に、百度で「面部美学标准」で検索したり「形体美学标准」で検索したりしたみたところ、出てきたのは美容整形のサイトが大半でした。こうしたことは、美容整形業界の発想とミスコンとの間に共通性があることを感じさせます。

10月 北京で全国ミスキャンパス選出の予選会場前で抗議行動

10月21日、第4回舒蕾中国ミスキャンパスコンテスト(舒蕾中国校花大赛)の北京ブロックの予選が北京の尚客でおこなわれました。その会場の入り口に、中国人民大学の女子学生2人が、「ミスキャンパスをボイコットする」「花瓶になることを拒絶する」と書かれたパネルを掲げてやって来て、花瓶を叩き壊すパフォーマンスをおこなって、抗議しました。彼女たちは、「私たちはミスキャンパスコンテストを拒絶します。拒絶するのは男性の審美の覇権であり、拒絶するのは、千篇一律でまったく個性がない美です」と語りました。

それに対して、大会組織委員会の樊冬梅さんは、「私たちのミスキャンパス選出も、大学生の個性の美、特色の美を発掘することを望んでいます。」「彼女たちのミスキャンパスと私たちの今回の活動の主旨に対する理解は一面的です。私たちは今回の活動によって、単なる花瓶ではなく、内面も外面もすぐれており、人品と容貌を兼ね備えていて、21世紀の中国の大学生の斬新なイメージの新しいミスキャンパスを選出したいと願っており、これは私たちの4回のミスキャンパス大会の一貫した主旨です」と語りました(7)

「美貌だけを審査するのではない」と言っているのは中国の他のミスコンも同じなのですが、実際に選出されている女性たちを見ると(「中国校园模特网」「舒蕾中国校花大赛」のサイト参照)、一般的に言う「美女」ばかりであるということは、少なくとも美貌が相当の水準に達していないといけないのでしょう。また、とくに「個性」ある美女という感じもいたしません。

ミスキャンパスコンテストの参加資格

なお、湖北十大ミスキャンパスコンテストの参加資格は、「湖北省内の各大学の在校女子学生(大学院生を含む)」で、「身長162cm以上、体重55kg以下、年齢23歳以下、容姿端麗、身体健康」となっています(「中国十大校花评选活动选手条件」)、また、舒蕾中国ミスキャンパスコンテストの参加資格は、「18歳以上、30歳以下」の「大学在学中の女性」となっていますが、「附則」に「美容整形や性転換手術を受けた人の参加を拒否する」とあります(「大赛章程」)。

「校花」を「ミスキャンパス」と訳しましたが、「未婚」であることは条件に書かれていません。しかし、年齢には制限があります。「湖北十大~」のほうは、やはり数字にこだわっているようです。なお、「美容整形や性転換手術」を受けた人の参加を拒否するという点は、新聞報道で見るかぎりは、今のところは、とくにその点を取り上げて批判することはおこなわれていないようです。

フェミニズムの見地からのミスキャンパスコンテスト批判

散発的な、少人数の行動であるとはいえ、上のような抗議が何度もおこなわれている背景には、市場経済化に伴って、ミスキャンパスコンテストが盛んになってきたことがあります。

また、以上で見てきたように、女子大学生らの運動がミスコンを批判しているのは、女性が飾り物(花瓶)にされることや、女性の美を自分自身ではなく他者(とくに男性)に定義されること、女性に画一的でステロタイプな「美」が要求されていること、就職の際の容姿差別にも結びつくような「美」が女性にとってが規範化されること、企業の宣伝の手段になっているといった理由でおこなわれています。大きくまとめれば、フェミニズムの見地からのミスキャンパス批判だということになると思います。

こうした女子大学生による明確なフェミニズムの見地からの、花瓶を叩き壊すパフォーマンスアートをおこなうミスキャンパス反対運動がおこなわれるようになったのは、今年からです。4月のアクションに李麦子さんが登場しており、8月のアクションも「性別平等計画」フォーラムで話し合われている点から見ると、これらの反対運動は、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(性别平等倡导行动网络、Gender Equality Advocacy and Action Network)の活動(本ブログの記事「若い行動派フェミニストたちの『ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク』」参照)と深くかかわっていると考えられます(8)

ミスキャンパスコンテストの主催者について

湖北の大学の「十大ミスキャンパス」に選ばれると、称号や証書、トロフィーだけでなく、芸能プロダクションに推薦したり、テレビ番組への出演の機会もあるということが主催者のサイトに書かれています(9)。また、「舒蕾中国ミスキャンパスコンテスト」は、中国の大学生向けのファッション雑誌である『新鋭』誌が主催しています。こうしたことは、中国のミスキャンパスが、モデル業界や芸能界、ファッション業界主導でおこなわれていることをうかがわせます(もっとも、ミスキャンパスになった女性たちのその後については、まだ調べられていませんし、本当に何らかの形で人生のチャンスをつかめているのかどうかはわかりませんが……)。

日本におけるミスキャンパスコンテストも、そうした業界とつながりがあるようです。ただ、日本の場合は、学園祭で学内団体(その団体に学外のスポンサーがついているケースが多いにしても)が主催しておこなわれる場合が多いので、反対運動の側も、学内の主催団体などと話し合って中止を求める場合が多いのですが(たとえば、昨年の「ICUの企画に反対する会」)、中国の場合は、こうした学外の団体が学外で選出しているようで、それが反対運動のあり方の違いになっているのかな、と思います。

なお、それとは別に、中国でも、ミスコンを公的機関が参与しておこなう場合もあって、中華全国婦女連合会が、共産党や政府はミスコンに関与しないように要望したりしています(10)(婦女連合会のミスコン批判は、フェミニズム的見地からの批判とは少し相違もあるのですけれども)。

日本の場合は、1980年代後半から90年代初めごろにかけては、自治体が主催するミスコンに対する反対運動が高まったけれども、運動はその後鎮静化し、最近は商業主義とも結びついたミスキャンパスが盛んになって、昨年は国際基督教大学で反対運動がおこったといった経過を山口智美さんがまとめておられますが(「ICUミスコン論争に関して思ったこと」ふぇみにすとの論考2011年6月7日)、中国の場合はどういう歴史的経過になっているのか調べてみなければならないと思います。

(1)以上は、「抗议"乳间距"评选 女大学生砸花瓶」新浪新聞2012年9月17日(山東商報)、「女大学生街头砸花瓶 抗议“乳间距”评选 」合肥在線2012年9月17日(来源:漢網-武漢晩報)、「女大学生砸碎花瓶 抗议乳间距20cm标准」網易女人2012年9月17日。
(2)Re: 【性别平等倡导计划】 60万高校女生选美 湖北高校10大校花开评,辣评:大学校花评选要求测乳间距 选美不能成猎色借口 」性别平等倡导计划2012年9月6日。
(3)双乳间距超过20cm才是好校花?」網易女人2012年9月6日(→「中国ミスコンの美人基準が以上の細かい件」ロケットニュース24 2012年9月9日)、「『乳首の間は20センチ以上』、中国ミスコンの審査基準」AFPBB News2012年9月9日。
(4)“湖北高校十大校花评选”调查:主办方否认曾发布乳间距标准」『中国婦女報』2012年9月12日。
(5)姚鵬「无论何种选美标准都难改歧视本质 」『中国婦女報』2012年9月15日。
(6)校花评选组委会 声 明(2012湖北高校10大校花评选组委会2012年9月12日)」中国校园模特网
(7)校花大赛北京赛区遭“砸场”抗议称拒当校花」第一視頻2012年10月26日。
(8)4月や10月のアクションについても、どのように具体的に彼女たちが関わっていたのかまではわかりませんが、「性別平等計画」フォーラムの中に出てきます(嵘嵘「WOMEN在行动!她们“占领男厕”之后又“砸花瓶”」性别平等倡导计划2012年4月10日、李麦子「舒蕾杯中国校花大赛场外 拒做花瓶“砸场”抗议」性别平等倡导计划2012年11月6日)。
(9)湖北高校10大校花评选9月5日启动」中国校园模特网
(10)「全国妇联《遏止美女经济》提案建议: 禁止党政部门参与组织选美」『中国婦女報』2005年3月11日。
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杭州国際マラソンの賞金の男女差別に女子選手らが抗議、国際陸連へも訴え

来たる11月18日におこなわれる杭州国際マラソン(2012杭州国际马拉松)(主催:中国陸上競技協会、杭州市人民政府、浙江省体育局)の優勝賞金は、男子の部は3万元ですが、女子の部は2万元です。準優勝の賞金も、男子は1万5000元で、女子は1万元、3位の賞金は、男子は8000元で、女子は5000元、4位以下も同様に格差が付けられています(2012杭州国际马拉松竞赛规程)。

こうした賞金の格差に対して、出場を予定している女子選手の李双双さん(仮名)は、「なぜ、杭州国際マラソンの賞金には男女の別があるのか? 女子も男子と同じルートを走るのだし、男子と比べてけっして楽ではなく、むしろより多くの体力を使わなければならないのに」と疑問を呈しました。

10月24日、李双双さんは、なぜこうしたな差別があるのかについて、浙江省体育局と杭州市体育局に、それぞれ、情報公開申請表を提出しました。

新聞の取材に対して、杭州国際マラソンの組織委員長で、浙江省スポーツ競技センター主任である龍江さんは、その理由として、以下の2点を挙げました。
【1】「杭州国際マラソンは、男女で競争の激しさが異なる。今年の申し込み情況から見ると、参加する男子選手は、ハーフマラソンとフルマラソン合わせて3000人あまりいるが、女子選手は300人あまりしかいない」
【2】「杭州国際マラソンの例年の男女の成績も、一つの原因である。男子の最も良い成績はすでに2時間5分前後に達しているが、女子はまだ2時間30分あまりである。相対的に見て、男子の最高クラスの選手のほうが世界レベルに近づいているので、賞金が高いのである」(1)

私などは、「そうはいっても、マラソンに出場するまでの社会的ハードルは女子の方が高いのだから、男女の賞金は同一にするべきではないか」と大づかみに考えるのですが、上の龍江さんの議論に対して、中国では、以下のような反論が出ました。

まず、【1】の点については、柯倩婷さん(中山大学中文系副教授)が、「しかし、逆に、これまでの女性に対する賞金の額が低すぎたから、女子がおおぜい参加しなかったのだと考えられないだろうか?」(2)と反論しています。

【2】の点については、李昀さん(華南理工大学外語学院副教授)が、「これ[女子の記録のほうが世界レベルから遠いこと]は、主催者自身こそが反省しなければならないことではないか? 国際マラソン大会の女子の世界記録が2時間15分前後[で、杭州国際マラソンと15分あまり差があるの]ならば、なぜ、杭州マラソンの主催者は女性の参加を励ますためにもっと多くの措置を取って、記録を向上させずに、かえって差別的な競技制度を作って、女性が参加する積極性を挫かなければならないのか?」(3)と述べています。

中国でも、2009年に、上海マラソンが初めて男女に同額の賞金を出し、その後、厦門・広州などの国際マラソンも同額の賞金を出すようになっています(4)。たとえば、厦門国際マラソンでは、2004年の第1回から2008年の第5回までは、男子の賞金のほうが女子の賞金より高かったのですが、2009年の第6回からは同額にしました(5)

国際的に見ても、男のほうが女よりも賞金が多い競技がまだ多いようですが、テニスでは、2007年から4大国際大会すべてで、男女の賞金の額を同じにしました。

そうしたことから、李双双さんは、「女子の賞金が男子より低いという国際的慣例は、淘汰される時期だ」と述べているのですが、李さんが微博(中国版ツイッター)で賞金の男女差に疑問を発表すると、議論が巻き起こり、「男子のほうが体力があって、競技レベルが高く、競争も激しく、見る価値が高いのだから、賞金が高くても非難すべきではない」という意見を出す人もいました。

しかし、新華網も、武嶸嶸さん(北京益仁平センター)が「オリンピックを含めた各種のスポーツで、女性はすでに重要な位置を占めており、性別によって賞と賞金を分けるというやり方は女性選手を尊重しておらず、女子スポーツの向上にもマイナスである」「国際的に影響力のある大会はとくにこの面の平等に注意しなければならない」と言っていることを報じています(6)

龍江さんも、「今後は、男女の賞金を同じにすることを排除しない」とは述べました(7)

杭州国際マラソン組織委員会の回答

その後、李さんの情報公開申請に対して、杭州国際マラソン組織委員会から、以下のような回答が返ってきました。すでに新聞の取材に対して龍江さんが答えたことと大差ない内容ですが、以下、ご紹介します(8)

李双双(仮名):

こんにちは! あなたが郵送した政府情報公開申請表を拝見しました。出された問題について回答いたします。

杭州国際マラソンの賞金の設定に男女で差違がある理由は、以下のとおりです。

1、従来の慣例通りにしたこと:杭州国際マラソンはずっと過去の賞金設定の基準どおりにしてきています。初期も国際的な慣例にもとづいて設定しましたし、現在もまだ国際的に多くの競技で男女の賞金の設定が異なるという情況があります。

2、参加人数の区別:杭州国際マラソンは、ずっと男子の参加選手と女子の参加選手の比率に大きな違いがあり、去年を例にとると、フルマラソン・ハーフマラソン合わせて3000人あまりが参加しましたが、そのうち女子選手は300人あまりだけでした。男子種目の競争のほうが激しく、難度も高いのです。

3、競技レベルの違い:杭州国際マラソンはここ数年競技レベルが次第に高まり、絶えず世界各地から優秀な選手が参加してきていますが、その中では男子種目の全体的な競技水準の方が明らかに女子種目よりも高いのです。

ここ数年、組織委員会は競技レベルを向上させ、杭州国際マラソンがより良いブランドになるようにずっと努力しており、競技の賞金の金額をしだいに増額して、男女の賞金の差違をなくすことはすでに考えています。

(以下略)



国際陸上競技連盟への公開状

李双双さんは、当然、上の杭州国際マラソン組織委員会からの回答には納得できませんでした。そこで、国際陸上競技連盟に手紙を書くことに決め、1週間かけて、友だちにも助けてもらって、その手紙を英語に翻訳しました(9)

11月4日、李さんたちは、以下のような訴えを送りました(10)

尊敬する国際陸上競技連盟ならびにラミン・ディアック会長

私たちはマラソンの女子選手のグループです。謹んでこの手紙を国際陸上競技連盟にお送りして、杭州国際マラソンの賞金設定が男女を区別して対応する差別的行為であることを貴会に正視していただき、主催者の中国陸上競技連盟と2012杭州国際マラソンの組織者に対して、適切な措置を取っていただくようお願いします。

私たちは杭州国際マラソンの主催者側の性差別的行為に対して非常に怒っています。国連の「女性差別撤廃条約」にもとづけば、性差別の定義は、性に基づく区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女性(婚姻をしているか否かを問わず)が男女の平等を基礎として人権および基本的自由を認識・享有または行使することを害し、または無効にする影響または目的を有するもののことです。杭州マラソンの組織者側が賞金を設定する際に、女子に男子よりも賞金を1万元少なくしたことは、女子選手のほうを低く、下に区別して扱うものであり、女子スポーツ選手の地位と能力を妨害し、否定するもので、赤裸々な性差別行為です。

(中略――ここで、上の杭州国際マラソン組織委員会の回答を要約して紹介)

私たちは、このような回答の内容に対して失望と不満を感じます。たしかに多くのスポーツ大会の賞金は男より女のほうが少ないという情況が依然として存在しており、それが国際的慣例でもあることは否定できません。しかし、現在の世界では、女性の地位は以前とは異なっており、ジェンダー平等が国際的に公認された価値です。私たちは、多くのスポーツ競技ですでに男女の同一労働同一報酬[同工同酬]が実現している(上海と厦門のマラソンなどの競技を含めて)ことを見ることができます。それゆえ、私たちは、国際的な慣例は平等で、公正な方向に改善されているところだと信じなければなりません。

次に、参加人数が多いから、賞金が多いということは、私たちには理解できません。賞金は参加申し込みの前に発表されるのですから、その時にはまだ申し込む人数はわかりません。もしも以前の年の申込人数を根拠にして女性の賞金を低くするのならば、まちがいなく不公正です。なぜなら、今年の男性の申込人数と女性の申込人数は不明だからです。もし本当に申込人数が原因ならば、組織委員会は、申込人数にもとづいて賞金を変動させるのが、より合理的なやり方です。根本的に言えば、ある程度は、これまでの毎回の女子に対する賞金が低すぎたから、女子の参加がじゅうぶん活発ではなかったのだと言えます。

最後に、男子種目の全体の競技レベルが女子種目より高いという点については、私たちはなおさら受け入れられません。世界のスポーツの歴史を見渡すと、女性はずっとスポーツ競技への参加を制限または排除されてきたために、男性に比べて、スポーツの主力選手が少なかったのです。その一方で、そのことを、女性の競技レベルが男性より低い証拠にするならば、これは、性差別の悪循環です! もしマラソンが国別や人種で区別して、異なった賞金を出さないのならば、なぜ性別によって賞金を区分する必要があるのでしょうか!

実際は、日の光と土壌を少し与えさえすれば、女性はすくすくと成長するのであり、女子スポーツの発展がその確かな証拠です。すなわち、女子のテニス・体操・水泳などの種目の興隆は、女子スポーツも素晴らしいものにできることを説明しています。マラソンも同じです。

それゆえ、私たちは、貴会が杭州国際マラソンの賞金の設定が男女で区別して対応する差別的行為であることを正視し、主催者の中国陸上競技連盟と2012杭州国際マラソンの組織者に対して、適切な措置を取っていただくことを希望します。それにもとづき、私たちは以下の提案をします。

・貴会の名義で声明を発表して、スポーツ競技において、あらゆる形態の女性選手を差別する行為と規程が出現することをを拒絶し、スポーツ競技の賞金の設定は、男女が同一労働同一報酬でなければならないことを承諾すること

・もしマラソンの賞金の設定と参加申込人数とを直接的に関連させるときは、申込人数にもとづいて賞金を変動させるよう組織委員会に提案すること。

(中略)

2012杭州国際マラソン女子選手
2012年11月4日(日曜日)



フェミニストグループが大きな役割――「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ」結成

新聞が初めてこの問題を取り上げた10月25日、すでに、「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(「性别平等倡导行动网络、Gender Equality Advocacy and Action Network)」(本ブログの記事「若い行動派フェミニストたちの『ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク』」参照)のフォーラムで、武嶸嶸さんは、「この杭州マラソンのアクションにおいて、私たちは一歩先を行っている。新聞記事が積極的に取り上げただけでなく、昨日[10月24日]新しく設立された『杭州フェミニズムグループ(杭州女权小组)』は非常にみごとなスタートを切った」(11)と語っています。

また、許小米さんという方のブログの10月25日付エントリにも、「ジェンダー平等アクショングループ[性别平等活动小组]はすでに始動した。その活動には、フルマラソンの賞金の男女不平等の現象に反対すること、およびそのフォローアップ活動が含まれる」と記されています(12)

つまり、この抗議活動は、当初からそうしたフェミニストグループの活動としておこなわれてきたということのようです(「杭州女权小组」と「性别平等活动小组」との関係は不明ですが、同一のグループを指している可能性も大きいと思います)。

また、国際陸上競技連盟への公開状の署名欄には、李双双さんをはじめとした14名の署名が記されていますが(13)、武嶸嶸さんや梁海媚さんなど、他の地区の「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の活動家のお名前も見えます。杭州国際マラソンには、フルマラソンやハーフマラソンのほか、13キロ、6.8キロや、カップルや家族で参加するもっと短いコースもありますし、彼女たちも実際に参加するのかもしれません。

そして、11月6日、「杭州ジェンダー平等アクショングループ(杭州性别平等行动组)」が、QQ群(中国のSNS)でその第1回大会をおこなったとのことです(この「杭州性别平等行动组」と前出の「杭州女权小组」や「性别平等活动小组」との関係もよくわかりませんが、やはり同一のグループを指している可能性もあります)。

その第1回大会では、11人のジェンダー平等に関心を持つ人々がさまざまな討論をおこなって、グループの名称を「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ(FM非密杭州性别平等工作小组)」に決めたそうです。「FM非密」という言葉に関しては、「F=Feminine、M=Masculine、FM=ジェンダー[性別]平等が電波のように早くオープンに伝わる=Female=もう秘密ではない。女性の声はもう秘密ではない!」という説明がなされています。ひょっとしたら、「非密」という言葉は、Feminismだけでなく、Fermiと掛けているのかもしれません(フェルミ粒子には電子も含まれますので……。ただし、少なくとも一般にはFermiは「費密」と訳されるようですが)

この「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ」の簡単な規約は、以下のようなものだそうです。
・組織の使命――女性の権益を擁護し、杭州およびその周辺の地区の性差別の撤廃に力を尽くす。
・長期的目標――女性および性的マイノリティに対する差別を撤廃し、女性の自己認知を高め、民間の公益人士と公益組織の間の経験交流・協力互助を促進する。
・実際の目標――社会的にホットな問題に対する迅速な反応と社会問題の調査研究を通じて、政府・メディア・NGOとの間の意思疎通を通じて、女性と性的マイノリティの権益を擁護する。

また、このグループの設立を伝えたメッセージの末尾に「報道人:李双双」とありますので、杭州国際マラソンに抗議した李さん自らが大きな役割を果たしているのでしょう(14)

なお、「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ」が設立させる以前に、許小米さんのブログの10月25日付エントリの中に、「フェミニズムアクショングループ『FM非密』が10月24日浙江大学で成立を宣言した。現在の活動は『杭州公共トイレ調査研究』である」という記述が出てきます(15)。このグループともメンバーが重なっていると、ないしは、このグループを一つの源流として「FM非密杭州ジェンダー平等活動グループ」が成立したのかもしれません。

いずれにせよ、以上から、北京や広州だけでなく、他の地方でも行動派のフェミニズムのグループが誕生しつつあること、そのグループが、ネットワークによって他の地方とも結びつきを持ちつつ、独自に積極的な活動をしている様子がうかがえます。

(1)以上は、「奖金设置男高女低是否合理? 杭州马拉松上演“秋菊打官司” 组委会回复:不排除今后实行男女同酬」『今日早報』2012年10月25日。
(2)柯倩婷「杭州马拉松奖金男人比女人多一万 凭啥」網易女人2012年10月30日。
(3)李昀「杭州马拉松奖金男人比女人多一万 凭啥(二)」網易女人2012年10月30日。
(4)奖金设置男高女低是否合理? 杭州马拉松上演“秋菊打官司” 组委会回复:不排除今后实行男女同酬」『今日早報』2012年10月25日。
(5)第1回のときは、1位が男子25000ドル、女子15000ドル、2位が男子15000ドル、女子8000ドル、3位が男子8000ドル、女子5000ドルだったとのことです(「厦门马拉松“男女平等” 2009年以前也是同工不同酬」厦门网2012年10月25日)。
(6)以上は、「杭州马拉松上演“秋菊打官司”」新華網2012年10月24日。なお、テニスの4大国際大会のうち、最後まで賞金の男女差があったウィンブルドン選手権での格差撤廃については「ウインブルドン選手権 賞金の男女差撤廃へ - 英国」(AFP2007年2月22日)参照。
(7)奖金设置男高女低是否合理? 杭州马拉松上演“秋菊打官司” 组委会回复:不排除今后实行男女同酬」『今日早報』2012年10月25日。
(8)杭州国际马拉松组委会对李双双政府信息公开的回应[word]」社会性別与発展在中国サイト。
(9)肝胆相照邮件组「女子选手就杭州国际马拉松组织方全程马拉松环节奖金设置性别歧视致信国际田径联合会」社会性別与発展在中国サイト2012年11月5日(来源:邮件组)。
(10)【致国际田径联合会的公开信】[word]」社会性別与発展在中国サイト
(11)嵘嵘「【杭马快报!】好给力呀!这么快收到正面的积极回复!」google group性别平等倡导计划2012年10月25日。
(12)Vera许小米「天下公――记方强的一次分享」纳米克星2012年10月25日。
(13)女子选手就杭州国际马拉松奖金设置性别歧视致信国际田径联合会」性別平等網2012年11月6日(内容は、(9)と同じですが、こちらの写真の方がやや見やすいようです)。
(14)以上は、吴靖怡「FM非密杭州性别平等行动组成立啦!」性别平等倡导计划2012年11月7日。
(15)Vera许小米「天下公――记方强的一次分享」纳米克星2012年10月25日。
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女性トイレの増設求める運動続く――「男子トレイ占拠」から8ヶ月

中華人民共和国建設部が2005年12月に施行した「都市公共トイレ設計基準(城市公共厕所设计标准)」では、トイレの男女の便器の比率を1:1に定めています。しかし、男と女とでは、トイレにかかる時間などが異なるのですから、これでは、女性用便器が不足してしまいます。

そうした状況に対して、今年2月19日、広州市で、李麦子さん・鄭楚然さんをはじめとした女子大学生が、同市の越秀公園近くの男性トイレを一時的に占拠し、行列を作って待っている女性に男性トイレを使用してもらうパフォーマンスアートをおこなって、女性トイレ不足の解決を訴えました。その後、全国各地の女子大学生たちが同様のアクションをおこない、人民代表大会や政治協商会議の議員に対しても働きかけました(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」参照)。

8月 広州市で若い女性たちが、進まない女性トイレ増設に対してさまざまな抗議活動

けれども、広州市では、その後半年たっても、女性トイレの増設はすすんでいません。

そこで、8月20日、広州市都市管理委員会のオフィスビルの前で、李さんや鄭さんを含めた16人の若い女性が、ふたたび、この問題の解決を訴えるパフォーマンスアートをおこないました。今回は、彼女たちは、各自が作った発泡プラスチック製の便器を広場に置いて、「[女と男の]便器の比率は2対1、そうでなければ女子学生は待ちきれない!」という横断幕を掲げました。各自の便器には、「女性が自分で身につけている便器」と書いてあり、女性用便器が少ないから、女性は自分で便器を持って歩かないといけない、というアピールになっています。

16人の女性は「便器の比率は2対1、そうでなければ女子学生は待ちきれない!」というスローガンを叫んだり、「都市管理委員会への手紙」を読み上げたり、「いつになったら女性トイレの増築は実現するのか?」という意味を込めて、便器や手紙をクエスチョンマークの形に並べたりして、道行く人やメディアにアピールしました。

下がこのアクションのビデオです。

@新浪拍客 女孩背马桶摆阵广州城管委吐槽男女厕位比(2012-08-24)
http://video.sina.com.cn/v/b/84184596-1396400570.html

その後、このアクションの発起人である区佳陽さん・李麦子さん・鄭楚然さんがみんなを代表して、広州市の都市管理委員会の建物に入って、16通の「都市管理委員会への手紙」を届けました。

その手紙の中で、彼女たちは、2011年に広州市の都市管理委員会が「法律を制定することによって、公共の場の、新築・改築・増築する公共トイレは男女の便器の比率が1:1.5以上になるよう設計・建設・検査する」と決めたことには、いちおう賛同しています。「しかし、現在、関連する法規の制定がどの段階までいっているのか全くわかりません。現実に女性トイレの増築はまだ実施されていません」(李麦子さん)。ですから、彼女たちは、広州市の都市管理委員会に対して、できるだけ早く強制的な法律を制定するように訴えています。

彼女たちの訴えに対して、都市管理委員会は、陳情に責任を持つ鄧さんという人が応対し、(「男子トイレ占拠」アクションがおこなわれたすぐ後の)2月下旬に、都市管理委員会は、男女のトイレは、1:1.5の比率で新築・改築・増築するよう各区に通知を出したと答えました。さらに、彼女たちの手紙のうち4通の、差出人の姓名が書いてある手紙については、「これは陳情行為にあたるので、陳情の手続きにしたがって、60日以内に回答する」と述べました。

ただ、鄧さんは、その一方で、「立法で男女のトイレの建設の比率を規定するのは、プロセスがとても長くかかり、手続きを踏んでやらなければならない」とも言いました。

いずれにせよ、李麦子さんによると、彼女たちは、今後は「政府情報公開」の申請をして、都市管理委員会に法規の制定の状況について回答を求めていくということです(1)

8月?~ ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク、全国の公共トイレの調査研究も開始

「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク(「性别平等倡导行动网络、Gender Equality Advocacy and Action Network)」>)」(本ブログの記事参照)は、7月におこなわれた夏合宿で、「就業の性差別唱導」計画ととともに、「男女便器比率唱導」計画について話し合っています(2)。「男女便器比率唱導」計画の一つが上記のアクションだったのですが、同ネットワークは、同時に、男女の便器の比率についての調査研究も開始したようです。

10月15日、同ネットワークのサイト「性別平等網(性别平等网)」に、「男子トイレ占拠から半年余りが経ちましたが、全国各地でトイレを待つ女性たちは、相変わらず苦痛にあえいでいます。北京・広州・深圳以外の地区は、まだトイレを改築する政策や法律を出していません。政策を変えさせ、女性のトイレ難の問題の解決を促進するために、私たちは、全国の公共トイレの比率の調査研究をおこないます。調査研究をする都市には、北京・天津・蘭州・西安・南京・杭州・武漢・済南・広州が含まれます」と述べている文が掲載されています(3)

上の文は、具体的には、杭州で調査研究をおこなうボランティアを募集している文なのですが、ボランティアたちの団結を固め、ジェンダー意識を向上させるために、読書会とサロンもおこなうとしています。

このプロジェクトの行動の期間は、第1期は、2012年10月21日~11月30日、第2期は、2012年12月1日~2013年1月1日とのことです(これは、杭州市についての話なので、他市では期間が異なるのかもしれません)。「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」の9月26日の「性差別撤廃討論群会」の記録には、「全国のその他の地方でトイレ報告をする必要があるか……武漢の夏合宿で始動、トイレ1周年のときに発表、李麦子と湯倩がアンケート調査を整理・修正」(4)(下線は遠山による)とありますので、今年いっぱいは調査をして、来年2月に調査報告を発表するのであろうと思います。

10月 北京市、男女の便器の比率の基準を、現行の1:1から1:2以上(1:1.5以上と報じているメディアもある)に変更することを表明

10月12日、北京市の市政市容管理委員会(北京市の衛生、環境インフラなどを管轄する)が『新京報』の記者に明らかにしたところによると、北京市では、来年から施行される新しい公共トイレ基準では、男女の便器の比率を、現行の1:1から1:2かそれ以上に変更することになりました(5)(ただし、1:1.5以上と報じているメディアもあります(6))。

この新しい基準が施行されると、新しく建設される公共トイレは、この基準に沿って建築されることになります。すでにある公共トイレについては、改築できる条件があるか否かによって、改築するかどうかを決めるということです。ただし、小売業やホテルなどには、この基準は強制はされません。

すでに、2010年~2011年に、福建省や広東省珠海市、広東省広州市などで、男女の便器の比率を1:1.5以上にする意見や条例が出されていますが(7)、もしも男女の便器の比率を1:2以上と規定するのだとしたら、北京市が全国で初めてになります。

いずれにせよ、この北京市の決定は反響を呼び、自分の市の女性トイレの情況、市の方針、女性の声などを報じた新聞も幾つかあります(8)

この北京市の決定に、今年の女子大学生らの運動の影響があったのかどうかははっきりしません。以前からの各地の意見や条例の延長線上のようにも見えます。しかし、以前からの変化についても、広東省珠海市の条例(2010年12月施行)の背景には多くの機構や専門家の努力があったと考えられているように(9)、単に上から降りてきたものだとは言えませんから、少なくとも幾分かは、今年メディアで大きく取り上げられた女子大学生らの運動の影響があったのではないでしょうか。

日本では、女性トイレ不足問題について、1980年代末に「女と男のトイレ研究会」が調査研究をおこなって、その女性差別性を明らかにしたり(島田裕巳「女のトイレはなぜ混むか」『私というメディア』[パーソナルメディア 1989年]に詳しい)、各地の議会で質問がおこなわれたりした結果、この問題は少しずつ改善されてきた面があります(本ブログの記事「WANに『中国の女子大学生の「男性トイレ占拠」アクションと日本のメディア』掲載、および日本における女性用トイレ不足問題について」参照)。

女性トイレ不足問題は、日本でもそうした地道な努力よって一歩一歩改善されてきたような問題ですし、中国で女子大学生らの運動が即座に大きな成果を上げなくても、不思議はありません。

また、日本でも、現在、この問題はけっして解決していません。たとえば、今年鳴り物入りで開業した東京スカイツリーでさえ、「天望回廊にはトイレが少ない。とくに女性トイレでは、おばあちゃんたちが20人以上も並んでた」(10)というような情況です。

むしろ、この問題については、日本では、個々の場での動きや個別の調査はあるけれども、中国の女性たちのような、全国的で積極的・系統的な運動は(少なくとも今までは)起こすことができなかったように思います。この点は、むしろ、日本の私たちが、中国の女性から学ぶべき点のように思います。

中国の女性たちの運動は、私などにもそうしたことを考えさせますが、インドの女性たちも(インドでは女性トイレの少なさが非常に深刻な問題だそうです)、中国の女性の「男子トイレ占拠」アクションに刺激を受けたことが報じられています(11)。そうした意味で、中国の女子大学生の運動は、国境を越えたインパクトを持っていると思います。

(1)以上は、「 16女孩背马桶摆阵广州城管委 吐槽男女厕位比例」新浪広東2012年8月21日(来源:南方網)、「 16名女大学生半年前曾发起“占领男厕”,昨日行动“升级”“坐”马桶致信城管委」『羊城晩報』2012年8月21日。
(2)嵘嵘「“女性公民社会参与暨性别平等”夏令营 在北京成功举行 (附评估表) 」性别平等倡导计划2012年7月27日。
(3)全国公共厕所厕所比例调研——杭州站志愿者招募」性別平等網2012年10月15日。
(4)郭小花「“消除性别歧视讨论”会议记录(20120926)」性别平等倡导计划2012年9月26日。
(5)北京新建公厕男女厕位1∶2 明年起实施」人民網2012年10月13日(来源:新京報)。
(6)北京男女公厕配置比例明年将调整为2:3」新浪新聞2012年10月15日(来源:中国广播网)。
(7)以下のような意見や条例が出されています。
 ・2010年11月に福建省政府事務局が出した「都市の公衆トイレ建設に関する実施意見(福建省人民政府办公厅关于福建省城市公厕建设的实施意见)」は、新しく設置する公衆トイレの男女の便器の比率を1対1.5から1対2の比率にすることを規定した(二-(二)の箇所)。
 ・2010年12月 珠海市が施行した「珠海市婦女権益保障条例(珠海市妇女权益保障条例)」が、「新しく建築または改築する公衆トイレでは、女性の便器の比率は男性の便器の比率の1.5倍以上でなければならない」と初めて明確に規定した(第22条)。
 ・2011年 広州市が制定した「公共トイレの女性便器比率の向上を実施することに関する意見」では、今後広州市の場所の新しく建築される公共トイレは、男女の便器の比率は、1:1.5より低くてはならないことを定めた。
 (以上については、本ブログの記事「公衆トイレなどの便器数の男女比を改める動き」も参照してください。)
 ・2012年6月に制定された「深圳経済特区ジェンダー平等促進条例(深圳经济特区性别平等促进条例)」も、意見募集稿では、「公共の場所での公共トイレおよび公共施設がトイレを新築・改築するときは、女性トイレの建築面積と便器の数を増やさなければならない。女性トイレの便器の数は、男性の1.5倍未満であってはならない。」(第29条)と規定していました。しかし、実際に制定された条例では、「市・区の政府及びその関係部門が公共サービスを提供する、あるいは公共の場所に母子室・公共トイレなどの公共サービス施設を建設するときは、女性の特殊なニーズにも注意を払わなければならない。/市のジェンダー平等促進機構が公共サービスあるいは公共サービス施設が女性の特殊なニーズを考慮していないと考えたときは、関係単位に改善提案をすることができる。関係単位は書面で回答しなければならない。」(第13条)という、数値を挙げない条文になりました。
(8)南京城管称今后新建公厕将考虑增加女厕位」新浪江蘇2012年10月15日(来源:南京日報)、「女性如厕难厕位何时增 市民呼声:增加女性厕位」広西新聞網2012年10月31日。
(9) 2010妇女权益年度报告」『中国婦女報』2011年1月4日。
(10)「異常人気! 東京スカイツリーに昇った人に聞いた『ここにちょっぴりがっかりした』」『週刊ポスト』2183号(2012年6月8日号)p.57。また、平林純氏は、労働省令第43号「事務所衛生基準規則」で定められている「最低レベル」に沿ってトイレを作った場合、実は「女性便所の方が男性便所より必ず混雑する」という問題が生じる、なぜなら、女性の方が男性よりもトイレで時間が掛かるにも関わらず、男女ともに「トイレの数が同じ個数」とされていることを指摘しておられる「法律が決める「トイレの数」は男女不平等だった!?」(雑学界の権威・平林純の考える科学2011年11月23日)。すなわち、中国の旧い規定と同じ問題があると言えます。
(11)Priyankka Deshpande“China's 'Occupy men's toilet' drive inspires city's women”mid-day.com2012-03-02(中国語訳[翻訳:辛婷、校対:孫葉竹]「中国“占领男厕所”运动鼓舞印度女性」社会性別与発展在中国サイト2012年3月28日)。日本のブログやメディアにも、「中国の女性たちによって始まった“男子トイレを占拠せよ”運動がインドへ飛び火へ」(サムライ英語 with 韓国・中国語のすゝめ2012年3月3日)、「【インド】 女性が “おしっこ権” を叫び立ち上がる / インド政府も承認」(ロケットニュース2012年6月20日)という記事が掲載されています。
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若い行動派フェミニストたちの「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」

今年2月以来、中国各地で若い女性たちが、以下のようなさまざまなアクションをおこなってきました。

 ・男子トイレを一時的に占拠して、公共トイレの男女の便器数の不平等、女性トイレの不足を訴えるパフォーマンスアート。全人代の代表や全国政協の委員にも訴えた(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」参照)。
 ・豚足を切ることによってセクハラ反対を訴えるパフォーマンスアート
 ・花瓶を叩き壊すことによってミスコン反対を訴えるパフォーマンスアート
 ・花木蘭のコスプレによって、女性に対する就職差別反対を訴えるパフォーマンスアート
 ・人の形にくり抜いたパネルをくぐり抜けることによって、女性の採用の際の差別的条件を批判するパフォーマンスアート
 ・女性の妊娠中の権利を侵害する企業を批判するパフォーマンスアート
 (以上は、本ブログの記事「女性差別反対を訴える女子大学生のパフォーマンスアート続く」「各地で雇用における女性差別反対を訴える女子大学生らのパフォーマンスアート」参照)。
 ・求人(募集)の女性差別に対する初の提訴とそれを支援するパフォーマンスアート(本ブログの記事「求人(募集)の女性差別に対する初の提訴をめぐって」参照)。
 ・一部の大学の一部専攻で、男性より女性の合格ラインを高くする差別に対する抗議、情報公開請求、パフォーマンスアート(本ブログの記事「大学入試の男女差別に対する抗議活動つづく――差別を正当化する教育部を批判して、坊主頭になるパフォーマンスアートも」参照)。
 ・「クレイジー・イングリッシュ」という英語学習法の創始者・李陽のDVの無反省に対する抗議、DV反対の宣伝、署名運動など(本ブログの記事「クレイジー・イングリッシュの李陽のDVと離婚裁判、フェミニズム運動」参照)。
 ・上海地下鉄の公式ブログが痴漢を女性の服装のせいにしたことに対するネット上での抗議、パフォーマンス、情報公開請求、広州地下鉄に対する署名運動(本ブログの記事「痴漢を女性の服装のせいにする上海地下鉄ブログに対する、ネット内外での女性たちの抗議のうねり」「各地の弁護士・市民が地下鉄会社に対して痴漢防止策の建議・署名運動」参照)。
 (他にもありますが、それらは後日ご紹介します)

以上のアクションのすべてにかかわっているネットワークがあります。その参加者たちは、このネットワークを、一般に「ジェンダー平等活動グループ(性别平等工作组)」と呼んでいます。ただし、このネットワークで最初におこなわれたと思われる2012年3月の各地区の委員の会議で、その正式名称を、中国語名は「性别平等倡导行动网络」、英語名は「Gender Equality Advocacy and Action Network」と決めていますので、私は、いちおう日本語では「ジェンダー平等唱導・アクションネットワーク」(Advocacyについては、もっと適切な翻訳がありそうですが、すぐには思いつきませんので、仮にこう訳しました)と呼ばさせていただきます(以下では、「このネットワーク」と略す)。

このネットワークについては私が知ったのは、最近、Google Groupの「ジェンダー平等唱導計画(性别平等倡导计划)」フォーラム(誰でもネット上で見ることができる)の中で、このネットワークのさまざまな報告がなされているのを見つけたからです。このフォーラムは、そのアドレスがgenderequalityadvocacyですから、ジェンダー平等唱導アクションネットワークのものだと見なしていいでしょう。もちろんネットワーク内部のSNSなどは別にあるようですから、このフォーラムで読めるのは、公にしても良いこと、すなわち比較的フォーマルな事項だけだと思いますが、それでも基本的なことはわかりますので、以下、簡単にご紹介します。

各地区の活動は各地区が担う、それらをつなぐネットワーク

このネットワークで最初におこなわれた各地区の委員の会議(3月)で決まった「全体的方針」の中に、「各地区の活動は、各地区が主導し、工作組が協力する」(1)とあります。私が以前、「男子トイレ占拠」アクションを報じた新聞記事を分析をした際、「それぞれのアクションは地元の女子大学生のグループによって担われつつ、各地の女子学生たちの間には、繋がりないしネットワークがあるという情況だと思います」と述べましたし(2)、雇用における女性差別反対を訴えるアクションを分析したときも、「各地のアクションの間には繋がりがあることは間違いありません。ただし、アクションをしているのは、それぞれの地区の学生たちです」と述べましたが(3)、内部の方針も、そうしたものでした。

「全体的方針」は、上の文言に続けて、「もし各地区が行動する場合は、李麦子と武嶸嶸と連絡を取ってよい」とありますので、具体的なアクションについては、この2人がネットワークをつなぐ役割をしているか、ある程度のリーダーシップを取っているのだろうと思います。各地のアクションを伝える新聞記事でも、参加者の中に、このお2人、とくに李麦子さんのお名前はよく出てきます。といっても、このお2人だけがカナメになって各地の運動をつないでいるというのでもなく、後に見るように、ほぼ毎月、短時間ながら、各地区の委員などがみんなでネット上で会議を開いているようです。

もちろん、具体的な意思決定のダイナミズムなどは、私のような外部の者には十分分かりませんが、大体こんな感じなのかな? と思います。

北京益仁平センターのプロジェクトとして、2012年2月にスタート?

このネットワークが結成された時期は明確にはわかりません。けれど、「性别平等倡导计划」フォーラムの最初の投稿は、2月18日におこなわれた広州での男子トイレ占拠アクションについて、2月20日に書かれた文章です(4)。また、8月10日の時点で、「過去半年、私たちはいっしょに中国におけるジェンダー平等唱導活動のために新しい局面を切り開いてきた」(武嶸嶸)と述べられていますので(5)、少なくとも社会に直接働きかける具体的活動を開始したのは、初めて男子トイレ占拠をおこなった2012年2月18日のようです。

また、その直前の2月16日-18日に最初の合宿である「女性の市民社会参与とジェンダー平等冬合宿」が開催されているのですが、この合宿については、2011年12月27日に北京益仁平センターが参加者を募集しています(6)。北京益仁平センター(日本語による紹介)は、陸軍さんが2006年に設立した非営利の民間団体で、B型肝炎感染者に対する差別をはじめとした各種の差別撤廃に尽力してきたことなどで有名ですが、同センターは、その直前の12月25日に、同センターの「性差別撤廃プロジェクト」の兼職の工作人員(有給)と実習生数名(手当あり)を募集しています(7)。武嶸嶸さんは、そのプロジェクトのリーダーであるとともに、このネットワークの中軸になる働きをしています。ということは、ネットワークは、少なくとも当初は(または現在も)、北京益仁平センターのプロジェクトの一環だったということだと思います。

北京益仁平センターの人々は、その後も、このネットワークの合宿の際の講師としても、しばしば来ていますし(*)、各地区の委員の会議でも、同センターの人々は重要な役割を果たしています(**)。ひょっとしたら、資金も、同センターの財政から支出されているのかもしれません(8)(フォーラムの中には、とくに資金難が問題になっているような投稿がないということも、その可能性を感じさせます)。

(*)武嶸嶸さんのほか、陸軍・北京益仁平センター常務理事、楊占青・北京益仁平センター鄭州事務局主任のお名前が見えます。
(**)会議出席者のうち、各地区の委員とは別枠で名前が書かれている人の中に、武嶸嶸さん、陸軍さんのほか、[林]小文さん(北京益仁平センター性差別撤廃プロジェクト実習生)のお名前が見えます。とくに3月の会議では、この北京益仁平センターの3人の名前だけが別枠で書かれています。

いずれにせよ、このネットワークは、さまざまなアクションのほかに、各地区の委員の会議、季節ごとの合宿、それらを通じたアクションの計画・総括、サイトや掲示板の開設・管理、さらには活動のためのハンドブックの作成など、多くのことに取り組んでいます。それぞれの具体的内容は、最後に列挙いたしますが、以下、取り組んでいる事項ごとに簡単にまとめてみました。

合宿――講義と自由な話し合い

合宿は、明確にわかるものだけで、すでに以下の3回、おこなわれています(9)。原文は「冬(春、夏)令营」という言葉ですので、「訓練キャンプ」とでも訳したほうがいいのかもしれません。実際、まとまったレクリエーションの時間はあまりなく、3~4日間の大半は、講義や話し合いの時間に当てられているようです。

・2月16日~18日 「女性の市民社会参与とジェンダー平等冬合宿(“女性公民参与暨性别平等冬令营”)」(記録にはどこでおこなわれたか書かれていないが、北京でおこなうと予告されている)
・4月2日~4日 武漢で「女性の市民社会参与とジェンダー平等春合宿(“女性公民参与暨性别平等春令营”)」
・7月17日~21日 北京で「女性の市民社会参与とジェンダー平等夏合宿(“女性公民社会参与暨性别平等”夏令营)」

2月の参加人数は不明ですが、4月は40人あまり、7月は20人あまりが参加しています。

夏合宿は、南方でもおこなわれたようで(10)、そのこともあって、北京の夏合宿は春に比べて参加者数が減っているのだと思います。

合宿では、「老師(先生)」と呼ばれている人々がいて、講義は彼女たちがすることが多いです。「老師」と呼ばれているのは、NGOの指導者や大学教員のようです。NGOの指導者としては、呂頻(女性メディアウォッチネットワーク責任者、『女声電子報』主筆)、武嶸嶸(北京益仁平・性差別撤廃プロジェクト・コーディネーター)、陸軍(北京益仁平センター常務理事)、楊占青(北京益仁平センター鄭州事務局主任)、馮媛(DV反対ネットワーク)の各氏が来ており、大学教員としては、柯倩婷、韓桂君、祝平燕、紀莉の各氏が来ています(なお、柯倩婷さんは、中山大学ジェンダー教育フォーラムなどで、社会運動的なことにも取り組んでおられますし、他の方もそうなのかもしれません)。

その意味では、いきなり完全に同じ立場の仲間が集まっているわけではなく、ある程度「教える側」「教えられる側」の区別はあるように思います。ただし、講義の場合も、一方的な講座ではなく、多くは「分享(シェアリング)」と称されており、みんなで討論をしている場合が大半です。

さらに、みんなでさまざまなテーマについて討論をして、あとで「先生」がコメントをするという方式もよく用いられています。それらの討論は、具体的・実践的であり、どの合宿でも、最後に、今後おこなうアクションのプランについて話し合われていることが特徴です(後述)。

合宿の名称は「女性の市民社会参与とジェンダー平等○合宿」で、講義のテーマも、単なる「ジェンダー平等」だけでなく、しばしば「市民社会[公民社会]とジェンダー平等」がテーマになっています。中国では近年、「市民社会」という言葉をときどき耳にしますが、市民社会の構築の課題の中にジェンダー平等の視点を入れていくことは、中国の民主化にとっても、女性解放にとっても非常に重要だと思います。

なお、冬と春の合宿では、映画《Made in Dagenham(达格南制造)》(ナイジェル・コール[Nigel Cole]監督、2010年 イギリス。日本で放映された際の題名は「ファクトリー・ウーマン」)が上映されています。この映画は、イギリスのダゲナムのフォード自動車製造工場で働いていた女性たちが、1968年、賃金の性差別に抗議しておこなったストライキについての映画だそうですが(11)(私自身は未見)、多くの参加者が落涙・感激して、映画に描かれているようなシスターフッドや女性の不利な境遇を変える方法をみんなで探究したとのことです。

なお、冬合宿は、北京益仁平センターが公にネットで参加者を募集しましたが、夏合宿の参加者募集はQQ群(内輪のSNS)でやり、公にはやらず、場所も口外しないように言われています(12)

アクションのアイデアやプランを練る――合宿でも、日常的の場でも

上で述べたように、どの合宿でも、最後に、次のアクションのプランについて話し合っています。

とくに、2月16日~18日の冬合宿は、18日に広州でおこなわれた「男子トイレ占拠」のパフォーマンスアートのためのものという性格を強く持っているように思えます。

まず、合宿2日目の17日の午前中に、「参加者は昨日のテーマ[遠山注:民間での差別反対の唱導方法]をいっそう深めた討論をした。参加者はみな『新しい世代の若者は反差別の新しい力である。中国五千年の思想は根深くて容易に揺るがないけれども、私たちは、若者たちの中で反差別の宣伝と教育をし、潜在的な力を持った若者を発掘して、上の世代の思想に影響を与え、下の世代を教育することができる。私たちは、パフォーマンスアートの方法で世論と雰囲気を作り上げ、メディアの関心を集め、立法を唱導して、根本から問題を解決することができる』と考えた」と記録されています。

さらに、その午後には、「明後日[遠山注:「明日」の誤り?]の『男子トイレ占拠』アクションをおこなうために、午後、呂頻先生と麦子は、『男子トイレ占拠』活動の前身を紹介し、それらのパフォーマンスアートをおこなった経験を話しあい、さらに、参加者に明後日の本当のアクション『男子トイレ占拠』活動の役割分担をおこなった。その場にいた大多数の参加者は、そうした経験をしたことがないので、警察に追い払われるのではないか、民衆に抗議されるのではないかと、いささか心配だった。麦子・陸軍・武嶸嶸は、彼(彼女)たちの経験によって私たちを安心させ、それに伴う心配よりも多くの興奮と感動を与え、明後日のアクションに対する期待が充満した」とのことです。

夜には、陸軍さんによるパフォーマンスアートの講座もおこなわれています。

なお、合宿の写真を見ると、この時点ですでに、花木蘭の扮装をして就職における女性差別反対をアピールしたり、妊婦に対する差別反対を訴えるアピールするパフォーマンアートが構想されていることもわかります(13)

もちろん合宿の時だけでなく、会議の時にも、それ以外の時にも、次の行動についての話し合いはおこなわれています。

たとえば、上海地下鉄の公式微博(中国版ツイッター)が、下着が透けて見える服装の女性の写真を掲載して、「地下鉄に乗るのに、こんな恰好をしたら、痴漢に遭わないほうがおかしい。娘さん、自重してください」と言ったことに対する抗議活動についても、このフォーラムで、6月23日に、梁小門さんが、1人が隙間がなくて風を通さない保守的な衣服を着て、「痴漢の目には、私たちと彼女たちの区別はない」というパネルを持ち、もう1人は涼しい服装をして、「セクシーなのに罪はない、ハラスメントに罪がある」というパネルを持つというプランを出しています(14)

その翌日の6月24日におこなわれた実際のアクションで使われたパネルに書かれた文句は、「涼しさは欲しいけれど、痴漢はいらない」「私はみだら(ふしだら)でもいいが、ハラスメントはしてはならない」でしたので、少し異なりますが、原型になるアイデアは、このフォーラムで出されていることがわかります。

会議――各地区の委員がオンラインで、それまでの活動と今後のプランについて話し合う

3月は「ジェンダー平等工作組(群)インターネット会議」、4月は「ジェンダー平等工作組委員会議」、7月は「ジェンダー平等工作組会議」と名称は少しずつ異なりますが、いずれも夕方7時ごろから1時間ないし1時間30分、ネット上の会議がおこなわれれています(15)(8月にも、広州で委員会議を開催する――地名が挙げてあるということは、ネット会議ではないのでしょう――という予定が書かれていますが(16)、具体的な報告はフォーラムで話されていません)。

会議の主催は、いずれも李麦子さんです。李麦子さんが、若い世代の実際のリーダーシップをとっているということでしょうか?

会議参加者もおおよそ同じで、だいたい以下のような構成になっています。
・各地区の委員、17~8人(3月と4月は、北9名と南8名、7月は北7名と南9名)(北の1人は李麦子)
・ウェブマスター(7月は、小鉄、肖美麗、梁海媚、呉静怡、李珊珊の名が挙げられています)
・他に別枠で、武嶸嶸、小文、陸軍(4月は、李珊珊が加わる)の名が挙げられています。7月には、「地区工作人員」として、武嶸嶸と小文のほかに、小花、湯倩、永姍、苗傑の名が挙げられています。

他の人も傍聴はできるようですが、途中で直接発言したり、採決に参加したりはできないようです。

議題は、3月は、ネットワークの名称やロゴマーク確定と上半期の計画中心ですが、4月以降は、それ以前の活動の総括についても話し合われています(なお、個別の活動の総括については、Google Groupの「ジェンダー平等計画フォーラム」に直接かかれているものもあります(17))。

このほか、9月に「性差別撤廃討論群会(消除性别歧视讨论群会)」がおこなわれています。この会議は、主宰は武嶸嶸で、参加者は、武嶸嶸のほか、黄溢智、李麦子、郭瑞花、苗傑、張永輝、牛玉亮、湯倩であり(*)、8名の幹部クラス(?)の人に絞られています。この会議でも最近の活動の報告と次のアクションの予定について話し合われています(18)

(*)黄溢智さんは北京益仁平センターのリーダー、苗傑さんは、北京益仁平センターの鄭州のスタッフ、張永輝さんは、南京天下公(南京天下公、さまざまな差別に反対している公益非営利団体)のスタッフのようです(19)

ウェブサイトとフォーラム(掲示板)――一般の人への宣伝など

すでに3月の会議からウェブサイトとフォーラム(掲示板)については議題に上がっていますが、6月に、サイト「性別平等ネット(性别平等网)」とフォーラム「女性就業フォーラム(女性就业论坛)」(掲示板)がオープンしています(20)。「女性就業フォーラム」という名称ですが、就業問題だけでなく、さまざまなジェンダー問題が話し合われています。

これらのサイトには、より一般の人々に直接伝えるべき記事が掲載されているようです。男子トイレ占拠アクションについては、社会で話題になったからでしょうか、その総括のうちの幾つかが「女性就業フォーラム」にも掲載されています(21)

さまざまな活動のためのハンドブックを作成

このネットワークでは、夏合宿のときに、『唱導ハンドブック』という、さまざまな活動のやり方の書いたハンドブックの作成の分担を決めたました。その内容は、以下のようなものになるそうで(22)、このネットワークが取り組んできた、さまざまなアクションの経験をみんなのものにするうえで意義を持ちそうです。

一、アクションの分類
 訴訟+情報公開 (責任者:苗傑・小門)
 ネット上(ニューメディア)のアクション (責任者:大兔・小時)
 連名の手紙、両会(人民代表大会と政治協商会議) (責任者:李麦子)
 ボイコットアクション・抗議 (責任者:海味・曹利良・李子舒)
 調査アンケート・研究 (責任者:海霞・小鳳・覃念)
二、方法の総括と機動的な運用
三、人々の動員
四、メディア戦術
五、危険防止
六、リソースのリスト(ミニブログのアドレス、メーリングリスト、推薦する読み物、フォーラムのアドレス、電話番号、サポートネットワーク)
七、フィードバック表




以下は、私による個々のイベントについてのメモです。メモですから、ごく簡略にしか書いていません(もともとメモ程度のことしか報告されていないケースもあります)。原文で「老師」という敬称が付いている場合は、「先生」と訳しました。

2月16日~18日 北京で「女性の市民社会参与とジェンダー平等冬合宿(“女性公民参与暨性别平等冬令营”)

2月16日

午前:講座
 ・胡小軍(中山大学公民社会センター)「参与と行動の中での成長――中国市民[公民]社会の発展の簡単な分析」
 ・柯倩婷(中山大学)「『ジェンダー』概念とわが国のジェンダー問題の現状」

午後
 ・呂頻(女性メディアウォッチネットワーク プロジェクトの選任者兼『女声電子報』主筆)と、ジェンダー平等に関する理論と実践について話し合う[シェアリング、分享]→参加者がグループ討論→武嶸嶸・呂頻先生がコメント。
 ・陸軍先生(北京益仁平センター)が民間の反差別の唱導方法について解明。
 ・映画《巴格南制造(Made in Dagenham)》

2月17日

午前
 ・「女性がジェンダー差別反対に参与するSWOT分析[=目標を達成するための強み、弱み、機会、脅威の分析]」。参加者がシェアし終わった後、呂頻先生がコメントをした。
 ・韓桂君先生(中国財経大学)「職場の性差別現象」「若い女性はどのように法律にもとづいて差別に反対するか」
 ・この合宿と「男子トイレ占拠」活動とをドッキングさせるために、李方平弁護士と呂頻先生が多くのことを話してくれた。

午後、夜
 ・明後日の「男子トイレ占拠」活動の展開のために、午後、呂頻先生と麦子は、「男子トイレ占拠」活動の前身を紹介し、それらのパフォーマンスアートの経験をシェアリングし、さらに参加者に明後日の本当のアクション「男子トイレ占拠」活動の分担をおこなった。
 ・柯倩婷先生の導きで、私たちはグループに分かれて、さまざまなテーマについて討論をし、アクションがおこなえる具体的な性差別現象について討論をした。公務員の女性に対する過分の「身体検査」、職場の性差別、女性の就職の制限、ミスキャンパスの活動が盛んになっていること、社会の「剰女」に対する偏見、無痛中絶に関する宣伝。2日間の活動によって、みんなのジェンダー平等の話題に対する理解が一層深まったと感じた。一番よかったのは、午後の討論の重点が解決の方法に置かれ、鮮やかなスローガンが出てきたことである。たとえば、「花瓶を打ち砕き、魅力を解き放て」というスローガンで、外見だけで女子学生を判定してはならないことを呼びかけるなど。
 ・夜は、陸軍先生のパフォーマンスアートの講座

2月18日

 この日は、成果を検証する1日である。みんなは自分の創意を実践に付し、教室で学んだ理論を実践した。

3月15日 ジェンダー平等工作組(群)インターネット会議

会議主催
・李麦子

会議参加者
・各地区の委員(北9名*、南8名)(*1人は李麦子、/を挟んで2人の人の名前が書いてある個所は1名に数えた。また、1人に「暫定」という注記あり)
・ウェブマスター
・武嶸嶸、小文、陸軍

→実際の参加は17人。

第一 工作組のロゴの確定

 GとEの字を組み合わせたもの。字体は行動力を表現しており、赤と青で両性を示す。重なっている部分は紫色で、多元的性別観を表現している。

 →賛成3票、反対9票。反対理由:(重なっている)後ろの文字が不鮮明で誤解されやすい、その他いろいろ。

 →未採択。みんなで他のロゴを考えるが、より良い案がなければ、このサンプルを修正して使う[遠山注→現在、「性别平等网」サイトの左上に、修正したロゴが掲げられています]

第二 工作組の名称の確定

 中国語名「性别平等倡导行动网络」、英語名「Gender Equality Advocacy and Action Network」

第三 工作組の上半期計画

[工作組上半期の計画]

 武嶸嶸
 ・私たちが提案するのは、3月15日~9月の計画である。
 ・上半期に武漢・西安・蘇州で研修をやる。私たちは、継続して男子トイレ占拠をやり、女性の就職の制限の問題とセクハラ問題にも注目する。
 ・トイレ問題に関しては、政策を推進しなければならないので、麦子・大兔子・張燦らが、政治協商会議の委員や人民代表大会の代表に遊説する。

 李麦子
 ・男子トイレ占拠に関しては、私たちは、各地区が1、2名の代表を武漢の春合宿に参加させ、行動の総括をすることを希望している。

[サイトのスレッドの設置とウェブマスターの管理]

 李珊珊が責任を持つ。
 ウェブマスターは6人必要。

第四 各地区の上半期の活動の計画

 全体的方針:
 各地区の活動は、各地区が主導し、工作組が協力する。もし各地区が行動する場合は、李麦子と武嶸嶸と連絡を取ってよい。

 大体の事項:
 武漢あるいは西安の研修は、花木蘭のタイムトラベル・パフォーマンスアートをやってもよい。
 浙江では、学校にジェンダー工作平等組を開設し、男子トイレ占拠の準備をする。

4月2日~4日 武漢で「女性の市民社会参与とジェンダー平等春合宿」

正式参加者40名、ほか5名傍聴参加者

4月2日 

午後
 祝平燕教授が市民社会や女性の市民社会参加について話す。インタラクティブな講座。
 武漢大学の紀莉先生が「ジェンダー」概念とわが国のジェンダー問題の現状について話す。インタラクティブな講座。

夕方
 アドベンチャー活動

4月3日

午前
 呂頻がジェンダー平等の国際基準と国際的なフェミニズムの実践について話す。話し合い。
 みんなで身の回りの性差別とその原因について討論。

午後
 楊占青[北京益仁平センターの鄭州事務局主任]の「民間の差別反対の方法」について話し合い。みんなで女子大学生の差別反対活動についてSWOT分析をして、活動の方法を考えた。
 韓桂君教授(中南財経政法大学)が、職場の性差別現象および女性がいかにして法律にもとづいて差別に反対するべきなのかについて講座をした。


 楊占青がパフォーマンスアートの方法と考え方の方向について話した。
 映画《Made in Dagenham》を鑑賞、多くの人が落涙・感激し、みんなで、映画に描かれていたシスターフッドと女性の不利な境遇を変える方法を探究した。

4日

 李傲先生が、ジェンダーと法について話した。
 その後、みんなは、身近な性差別とその解決方法について探究し、探究の中で、みんなはグループに分かれてすぐにできるパフォーマンスアートについて計画をし、4月5日におこなう疊羅漢(組体操)のパフォーマンスアートの創意をまとめ、それぞれ手分けをして準備活動をした。

4月23日 ジェンダー平等工作組委員会議

会議地点 ジェンダー平等唱導計画qq群

会議主催・李麦子

会議参加者
・各地区の委員(北9名*、南8名)(*1人は李麦子、/を挟んで2人の人の名前が書いてある個所は1名に数えた。また、1人に「暫定」という注記あり)
・ウェブマスター
・武嶸嶸、小文、陸軍、李珊珊

一、サイト管理者とウェブマスターの設置
二、3、4月の工作の総括
三、2回の夏合宿の予告
四、副協調人の職位の変動

6月27日 ジェンダー平等工作組会議

会議の主宰:李麦子

各地区の委員(北は、李麦子ら7人、南は、鄭楚然ら9人)
ウェブマスター(小鉄、肖美麗、梁海媚、呉静怡、李珊珊)
地区工作人員(武嶸嶸、小花、湯倩、小文、永姍、苗傑)

第一 各地の工作の総括

 武嶸嶸が月間の総括をした。
 主に以下の4つの面でジェンダー平等工作をおこなった。
 1.女性の平等な就業権・就業機会[太平洋女性網が妊婦を解雇した]
 2.上海と鄭州の花木蘭
 3.提訴の準備
 4.李陽ボイコット現場アクション

 5.フォーラムとサイト建設工作[女性就业论坛]
 6.性別平等網[性别平等网]
 7.上海二運工作[上海の地下鉄運が女性に自重を求め抗議にあった]
 8.[北京の弁護士が上海地下鉄に情報公開申請をした]
 9.西安のGADネットワーク研修「ジェンダーと発展」に参加した感想

 大兔の総括:広州の2つのメディア唱導(職場の妊婦差別を批判するパフォーマンスアート、李陽に本を送り、合唱して訴えるアクション)について

 湯倩の総括:南京で6月17日に海味と嶸嶸が挙行した李陽ボイコット活動とジェンダー平等サロンについて

 李陽のDVに反対:署名活動について

 西湖音楽祭の男子トイレ占拠:浙江杭州、あまり成功しなかった。メディアとの連携に問題。

 無痛中絶の宣伝を批判する活動:無痛中絶の無責任な宣伝に反対する趣旨だったが、私たちが無痛中絶自体に反対しているかのように受け止められた。

第二 上海地下鉄二運事件、李陽反DV、無痛中絶広告のフォローアップ行動

第三 姉妹懇親会[姐妹联谊会]、北京のこと、委員会議

 夏合宿の募集はQQ群でやり、公にはやらない。場所は秘密にするようにお願いする。

第四 工作組および各地区の活動のフォローアップ

 1.姉妹懇親会の活動の改善
 2.サイトとフォーラム
 3.職場の差別の調査研究、もっと多くのレズビアンにアクションに加わってもらう。
 4.南京にジェンダーに関心がある実習生が加入、7、8月にジェンダー活動を計画

第五 その他

7月17日~21日 北京で「女性の市民社会参与とジェンダー平等夏合宿」

・中国の北部地区から来た20名あまりのジェンダー平等のテーマに関心を持った青年の活動家が参加して、社会的唱導の経験の研修を受け、互いに本年度の今までの反性差別の活動の経験を交流し、分かち合い、未来のジェンダー平等の社会的唱導の活動方向と活動の技術などのテーマを探究した。

・馮媛先生(DV反対ネットワーク)が、「権利を基礎にした発展」の角度から、現在の国家と国際問題を分析した。参加者たちは、馮媛先生が話したジェンダー分析の道具を使って、多くの事例について討論をした。「上海地下鉄二運は『女性は自重してください』というミニブログを発表すべきか否か」「女性はミスコンを拒絶すべきか否か」などについて、2つの賛成・反対両派に分かれてディベートし、そのあとで馮媛先生と呂頻先生(女性メディアウォッチネットワーク)がコメントした。

・夏合宿では、「男子トイレ占拠[遠山注(以下同じ):便器数の男女差別反対]」「塩漬けの豚の手を食べてしまう[セクハラ反対]」「花木蘭タイムトラベル[就職差別反対]」「花瓶を叩き壊す[ミスコン反対]」「職場の障害の門[就職差別反対]」「李陽ボイコットアクション[DV反対]」「千人の女性が指差す[妊娠による解雇反対]」「上海二運アクション[痴漢の被害者非難反対]」などの唱導プロジェクトの責任者・参加者とみんなが、それらのアクションの方法の総括について話し合った。参加者たちは、ブレーンストーミング、グループ討論などの形でこれらの行動・唱道方法の長所と欠点について討論をし、修正する提案も出した。

・そのあとで、参加者たちは、「就職の性差別の唱導アクション」「職場のセクシュアルハラスメント」「DV反対の唱導」「男女の便器比率の唱導」などのテーマの唱導計画について討論をした。参加者たちは、「男女便器比率の唱導」「就業の性差別唱導」を討論する過程で、2つのアクションのプランの構想を立て、夏合宿終了後の2回の社会的唱導アクションの準備をした。

・最後に、呂頻と武嶸嶸はフェミニストの行動派が常にぶつかる活動上の困惑と危険について討論と提案をした。

・「就職の性差別の唱導」と「男女の便器比率の唱導」の2つのアクションのプランの討論の中から、「歌いながら踊って、巨人を呼び覚ます[北京巨人教育グループの求人の性差別に対するパフォーマンスアート]」「便器を背負って長城にのぼる」という2つのアクションが生まれた。

9月26日 性差別撤廃討論群会(消除性别歧视讨论群会)

主宰 武嶸嶸
参加者 武嶸嶸、黄溢智、李麦子、郭瑞花、苗傑、張永輝、牛玉亮、湯倩

活動報告

武嶸嶸
一、日常活動
 1.サイトのフォーラム 李麦子が責任を負い、鄭州がネット管理者に補助金を出す
 2.ミニブログなどの手段の宣伝のテーマ
 3.それぞれの地区のフェミニスト活動家の連絡・調整
二、夏合宿
三、パフォーマンスアート
 7月 北京-便器を背負って長城に遊ぶ。北京-歌いながら踊って、巨人を呼び覚ます。
 8月 広州-大学入試の男女の点数の区別したハードルを叩き壊す。広州-便器陣で広州の都市管理委員会を問責する。広州-坊主頭の若い女性が教育部を問責する。
 9月 武漢-花瓶を叩き壊す。
四、華東巡講

黄溢智
一、就職の性差別の最初の裁判:提訴と訴え
二、大学入試の性差別
三、地下鉄セクハラ防止
四、職場のセクハラ防止、ジェンダー暴力

李麦子
1.主にフォーラムの更新と維持
2.大学入試合格ラインの2回目の情報公開申請、まだ回答をもらっていない。
3.ヒマワリ[向陽華]活動センター(向阳花女工活动中心)との協力
4.美団性差別

郭瑞花
1.便器を背負って長城に上る活動の参与・協力
2.李陽DV 法廷外でKimに声援
3.広州地下鉄 連名の手紙、署名集め
4.夏合宿会務
5.演劇《陰道独白》の活動に参加(進行中)

張永輝
1.湖北の大学生のミスコンの訴え
2.ジェンダーサロンの準備

湯倩
1.南京のトイレの性別比率を調査
2.広州のジェンダー夏合宿に参加
3.便器を背負う活動
4.ジェンダー巡講団の南京の巡講に参加
5.雑誌WOMENの準備

苗傑
1.夏合宿の会務のこと

最近の活動のシェア

1.曾菊事件が立案されないことに、私たちはどう対応すべきか。

2.サイト・フォーラムの管理者の工作報告制度

3.どのような活動を、日常の活動として毎月おこなう必要があるか
 ジェンダーサロン、読書会

4.どのようにしてみんなのジェンダーについてのステロタイプなイメージを改善するか、討論する必要がある。

全体の計画、アクションのプラン

全体的計画

次のアクション
・10月に秋合宿など


この注記の中にある、Google Groupのフォーラム「性别平等倡导计划」の文書は、直接クリックしても、読めないと思います。まず、「性别平等倡导计划」をクリックして、その中の文書から探してください。
(1)小文「3.15性别平等委员会议记录」2012年3月15日。
(2)本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」(2012/03/20)。
(3)本ブログの記事「各地で雇用における女性差別反対を訴える女子大学生らのパフォーマンスアート」(2012/05/19)。
(4)yinna526 ma「2012.2.18广州占领男厕活动报道现场图集(一)(存档版)」性别平等倡导计划2012年2月20日。
(5)嵘嵘「关于性别平等工作组新委员提名事宜」性别平等倡导计划2012年8月10日。
(6)“女性公民社会参与暨性别平等”冬令营招生简章 」女权在线2011年12月27日、「[报名截至1.7]“女性公民社会参与暨性别平等”冬令营」NGO信息中心2012年1月6日。
(7)公益机构北京益仁平中心“消除性别歧视项目”招募兼职工作人员、实习生」NGO信息中心2011年12月25日。
(8)9月26日の「性差別撤廃討論群会」(郭小花「“消除性别歧视讨论”会议记录(20120926)」性别平等倡导计划2012年9月26日)における武嶸嶸さんの活動報告で、「鄭州がネット管理者に補助金を出す」と述べられている中の「鄭州」とは、北京益仁平センター鄭州事務局のことではないかと思われます。
(9)嵘嵘「性别平等冬令营(成长营)简报」性别平等倡导计划2012年2月24日。「武汉春令营公报」性别平等倡导计划2012年4月24日、「武汉“女性公民参与暨性别平等春令营”培训公报」性别平等倡导计2012年4月24日、嵘嵘「“女性公民社会参与暨性别平等”夏令营 在北京成功举行 (附评估表) 」性别平等倡导计划2012年7月27日。
(10)6月27日のジェンダー平等工作組会議で、「南方の合宿は女性就業フォーラムで宣伝し、フォーラムの人気を上げる」という話がなされており(海味「2012-6-27 性别平等工作组会议纪录」性别平等倡导计划2012年6月28日)、フォーラムには、女性就業フォーラムと深圳衡平機構(深圳衡平机构。社会的差別の解消に取り組んでいる民間団体)との合同の夏合宿の参加者募集がなされています(「女性就业论坛与深圳衡平招募暑期夏令营学员公告+报名表+计划书」女性就业论坛2012年7月25日)。
(11)細木信宏「『男の方が賃金が高いのはなぜ?』 女たちの闘い! ゴールデン・グローブ賞受賞女優サリー・ホーキンスが熱演!」シネマトゥディ2010年11月9日、「野口祐子 From Italy―"Made in Dagenham"」Motor Press2011年7月31日など参照。
(12)冬合宿の参加者募集については、(6)参照。夏合宿については、「募集はQQ群でやり、公にはやらない。場所は秘密にするようにお願いする」(海味「2012-6-27 性别平等工作组会议纪录」性别平等倡导计划2012年6月28日)とあります。
(13)以上は、嵘嵘「性别平等冬令营(成长营)简报」性别平等倡导计划2012年2月24日。
(14)梁小門「【上海地铁二运事件】建议上海首站行动」性别平等倡导计划2012年6月23日。
(15)李麦子「3·15工作组委员会议通知」性别平等倡导计划2012年3月15日、小文「3.15性别平等委员会议记录」2012年3月15日、李麦子「4月23日晩七点性别平等工作组委员会议」性别平等倡导计划2012年4月22日、海味「2012-6-27 性别平等工作组会议纪录」性别平等倡导计划2012年6月28日、郭小花「2012-6-27 性别平等工作组会议记录(修正版,以这个为准,上一个会议记录可以忽略不要。)」性别平等倡导计划2012年9月26日。
(16)嵘嵘「关于性别平等工作组新委员提名事宜」性别平等倡导计划2012年8月10日。
(17)大兔「2月26日 北京深圳占领行动反馈集中」性别平等倡导计划2012年2月27日、小文「南京占领活动总结」性别平等倡导计划2012年3月11日、吴靖怡「杭州520西湖音乐节占领男厕所的总结及反思-吴靖怡」性别平等倡导计2012年5月23日、大兔「总结:广州送书给李阳暨投诉合唱团」性别平等倡导计划2012年6月22日、海味「南京李阳反家暴活动全面性总结」性别平等倡导计2012年6月29日。
(18)郭小花「“消除性别歧视讨论”会议记录(20120926)」性别平等倡导计划2012年9月26日。
(19)苗傑さんについては、「反歧视热线帮助求职弱势人群」毎日新報2012年10月16日にを参照し、張永輝さんについては、「华东地区消除残疾歧视法律培训会在苏州举行」生命之歌2011年12月13日を参照した。
(20)最も古い記事が6月のものであることからこのように推定しましたが、途中でリニューアルした可能性や、その際、それまでの記事を継承していない可能性はあります。
(21)5月19日~5月20日杭州西湖音乐节占领男厕所活动总结及反思 by吴靖怡」女性就业论坛2012年6月11日、「南京“占领男厕所”活动总结 by小文 」女性就业论坛2012年6月11日、「兰州占领男厕所活动总结 by柯晓雯」女性就业论坛2012年6月11日。
(22)嵘嵘「性别平等倡导手册撰写分工」性别平等倡导计划2012年7月25日。
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 また、「中国女性・ジェンダー関係主要HPリスト」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。日本の問題の一部は、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」や「館長雇止め・バックラッシュ裁判」でまとめています。
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