2012-10

各地の弁護士・市民が地下鉄会社に対して痴漢防止策の建議・署名運動

6月20日、上海地下鉄第二運営有限公司の公式微博(中国版ツイッター)が、服の下の下着やストッキングが透けて見えている女性の乗客の背中を写した写真を掲載して、「地下鉄に乗るのに、こんな恰好をしたら、痴漢に遭わないほうがおかしい。娘さん、自重してください」と言ったことに対して、女性たちからインターネット上で抗議の声が高まりました。6月24日には、地下鉄の車両の中で、2人の若い女性が、そのうち1人は、全身を黒いベールで覆って、「涼しさは欲しいけれど、痴漢はいらない」と書いたパネルを持ち、もう1人は、乳房の形をした器を胸に付けて、「私はみだら(ふしだら)でもいいが、ハラスメントはしてはならない」と書いたパネルを持つパフォーマンスがおこなわれたりもしました(本ブログの記事「痴漢を女性の服装のせいにする上海地下鉄ブログに対する、ネット内外での女性たちの抗議のうねり」参照)(1)

この動きは、その後、地下鉄運営会社に対して痴漢対策を求める運動となって続いています。

6月 黄溢智弁護士が上海地下鉄に対して痴漢対策について情報公開申請

まず、6月26日、差別反対の活動をしている益仁平センター(北京)の黄溢智弁護士が、上海地下鉄を管理している上海市運輸・港湾管理局と上海申通地下鉄集団有限公司と上海地下鉄二運有限公司の3つの機関に対して、以下の点について情報公開するように申請しました(2)
 ・上海の軌道交通運営には、乗客がセクハラに遭うことを防止する規定や措置はあるか? もしあるならば、それらはどのようなものか?
 ・セクハラの被害に遭った乗客に対して、上海の軌道交通を運営する側とそれを管理する側はどのような救済措置を取るのか?

それに対して、地下鉄側は、以下のような回答をしました(3)
 ・セクハラ防止の面では、マナーを守った乗車を宣伝しており、乗客の自己保護と安全防備意識を喚起している。
 ・セクハラの被害に遭った乗客に対して上海地下鉄が取っている救済措置はある。それは、「首問責任制(最初に対応した職員が最後まで責任を持って対応する)」原則にもとづいて、職員が乗客を連れて警察に通報し、警察に映像資料の証拠を提供すること、また、警察の処理の結果にもとづいて、あとでフォローアップの報道をして、広範な乗客にマナーを守った乗車をいっそう宣伝することである。

8月 10人の男性弁護士が上海地下鉄に痴漢防止策を建議

8月22日には、上のような回答を踏まえて、全国各地の10人の男性弁護士(*)が、上海申通地下鉄集団有限公司に対して、「上海の軌道交通の運営においてセクハラ防止メカニズムを打ち立てることに関する建議」を提出しました(4)

(*)蒋振偉(上海新華弁護事務所)、朱学毅(上海盛聯弁護事務所)、呂孝権(北京衆沢女性法律相談サービスセンター)、李方平(北京瑞風弁護事務所)、劉徳起(天津安尊弁護事務所)、龐琨(広東徳納弁護事務所)、呉良濤(北京盈科[武漢]弁護事務所)、封頂(江蘇志仁弁護事務所)、蒋韜(北京市君沢君[成都]弁護事務所)、劉書慶(山東東城弁護事務所)

この建議は、まず、「セクハラを防止することは、軌道交通を運営する側の法定の責任である」として、「上海市軌道交通管理条例」第21条が「軌道交通の路線運営機関は、乗客のために、安全で、速い旅客運送業務を提供し、乗客の合法的権利を保障しなければならない」と規定していることや婦女権益保障法がセクハラを禁止しおり、「関係部門は女性に対するセクハラを予防・制止する措置を取らなければならない」と規定していることを紹介しています。

次に、「セクハラと女性の服装との間には必然的な関係はなく、被害者を責めるべきではない」こと、「地下鉄の公式微博は、来歴不明でプライバシーと名誉を侵犯している疑いがある乗客の写真を引用するべきではないし、女性の自重を求めるのは性差別の疑いがある」ことを押さえた後で、以下のような具体的提案をします。

1.セクハラ防止業務制度を制定する。その制度は少なくとも、セクハラ防止の原則、訴えへの対応、職責の分担、処置のプロセス、監督・審査などの内容を含むこと。また、その制度を、下級の会社の従業員の研修と審査に組み込むこと。

2.従業員のセクハラ防止研修をおこなう。研修の中では、次のことをおこなう。・会社にはセクハラを防止する法定の義務があり、従業員は会社を代表してこの義務を履行することが自分の仕事の責任であることを知らせる。・セクハラに関する認識の誤りを正す(「露出が多いとセクハラが増える」など、研究や証拠によって誤りが証明させているいわゆる「常識」を正すことを含む)。・従業員のセクハラ防止業務の分担とプロセスを明確にする。・セクハラ事件に応対する具体的なやり方を訓練する。

3.セクハラの訴えの窓口を設置し、それを公表する。たとえば、ホットラインを設置する、処理の責任者を公表する、地下鉄の目立つ場所に貼る。

4.セクハラ防止の宣伝を強める。地下鉄の中に不法分子を震え上がらせるスローガンを貼る。それと同時に市民に主体的に制止あるいは通報を呼びかける、たとえば、「セクハラは違法行為です、制止と通報にご協力ください」などと。

5.セクハラの「首問責任制(最初に対応した職員が最後まで責任を持って対応する)」を実行する。職員はセクハラの訴えを受けたら、直ちに制止して、加害者を取り押さえ、証拠を固め、すぐに警察に通報して、被害者にその他の必要な援助を提供しなければならない。

6.微博のセクハラ防止の窓口としての機能を強化する。微博でセクハラ防止の訴えの方法を公表し、積極的に返答をし、微博上でのセクハラの訴えを処理する。被害者を責めたり、乗客の私的言論を暴露したりすることを杜絶し、公衆の監督を誠実に受け入れる。


8~9月 他市の地下鉄運営会社にもセクハラ防止策を問い合わせ、痴漢防止策を建議

10人の弁護士のうち、5人は、北京・天津・深圳・成都・南京の地下鉄運営会社に、それぞれの都市の会社にセクハラ防止策についての情報公開を求めました。

たとえば、北京衆沢女性法律相談サービスセンターの呂孝権弁護士は、北京地下鉄公司に情報公開を求めました。しかし、北京地下鉄公司からは、以下のような回答しか返ってきませんでした(5)

北京軌道交通における、セクハラを防止する措置についての返答

呂孝権先生

(中略)

北京地下鉄公司は、地下鉄運営業者として、われわれは一貫して乗客に安全・迅速・快適な乗車環境を提供するよう努力してきた。

あなたが手紙で提出された、軌道交通の運営において乗客が受けるセクハラを予防することに関しては、わが社が問い合わせたところ、わが国のセクハラについて適用される法規は付属文書[遠山注:婦女権益保障法などの規定が書かれている]のとおりであるが、北京の軌道交通の運営の中のセクハラ防止に関する規定はない。

北京市地下鉄運営有限公司企業発展部
2012年9月7日


そこで、呂弁護士は、北京の地下鉄会社に対しても、上海地下鉄に対してと同様に、「北京の軌道交通の運営においてセクハラ防止メカニズムを打ち立てることに関する建議」を送りました(6)

9~10月 広州での運動――学者による情報公開請求とともに、若い女性が先頭に立って署名を集める運動

広州市では、9月、地下鉄で女性のスカートに精液のようなものをかける「射狼」と呼ばれる痴漢が話題になりました(7)。ある被害者はここ3ヶ月の間に4回痴漢に遭ったと話していました(8)

9月21日、梁海媚さんが、genderequalityadvocacyメーリングリストで、広州の地下鉄に公開状を送って、セクハラ防止措置を制定させること、そのために今日中に広州の地下鉄利用者100人の署名を集めることを呼びかけました(9)

9月27日には署名のホームページもできました。その際には、目標は、広州の地下鉄の利用者1000人から署名集めることにされ、署名が1000人集まり次第、地下鉄会社に送信することになりました(10)。9月27日には、『羊城晩報』(「羊城」は広州の別称)でも、この署名運動は報道されました。その記事では、「男子トイレ占拠」や女性の雇用差別反対などパフォーマンスアートをしてきた鄭楚然さんも、自らが痴漢に遭った経験を語っています(11)

その署名の文面は以下のとおりです(12)

広州地下鉄総公司へのセクハラ防止問題についての公開状

広州地下鉄総公司:

私たちは地下鉄に乗る際の安全の問題に関心を持っている広州の地下鉄の乗客である。9月初め、多くの主流メディアが、ある女性が退勤する途中の五羊邨の地下鉄でセクハラに遭ったこと、今回のセクハラは、彼女が最近3ヶ月のうちに遭遇した4回目のセクハラだったことを伝えた。私たちは、地下鉄に乗ったときに不愉快なセクハラにあったことがあるか、または親類や友人がその種の不愉快な経験を話すのを聞いたことがある。これらの事実は、軌道交通の運営に比較的重大なセクハラの現象が存在しており、乗客に安全上の隠れた危険をもたらしていることを示している。私たちは、貴社が軌道交通の運営側として、セクハラを防止する法的責任を負っていると考える。私たちは特にここに連名で、貴社が当地の軌道交通の運営におけるセクハラの予防と救済の関連措置を公開し、同時に、私たちが貴社に提出する建議を採用することを望む。

まず、乗客がセクハラにあうことは、乗車の安全問題の中の、軽視すべきでない一部である。「広州市都市軌道交通管理条例」第21条第2款は、「都市の軌道交通の経営単位は、公共の安全を脅かしたり、軌道交通の治安秩序を乱したりする行為を予防する。都市の軌道交通の中の治安違法犯罪に対して制止し、すぐに公安部門に報告する」と規定している。その本質において、セクハラは他の不慮の事故と同じく、地下鉄運営における重大な安全上の隠れた危険である。さらに、「婦女権益保障法」は、言語・文字・映像・電子情報・肢体の行為などの形態の女性に対するセクハラを禁止しており、関係部門は必要な措置を取って女性に対するセクハラを防止しなければならないとしている。それゆえ、貴公司には乗客の乗車の安全を保障する義務があり、その中にはセクハラを予防・制止する義務が含まれなければならない。

次に、世界各地のセクハラ防止の実践を見渡すと、地下鉄の運営側が必ずかなり重要な役割を果たしている。台湾の捷運(遠山注:台湾主要都市部とその周辺都市を走る地下鉄を主とした高速鉄道網、wikipediaの説明)では、いたるところで「もしあなたがセクハラにあったら、地下鉄のホットラインに電話してください」というセクハラ防止広告を見ることができる。カナダのヨーク地区では、当地の公共交通運営業者や警察と共同で広告を出して「公共交通上で、いかなる言葉でのハラスメント、粗暴な行為、セクハラにあった場合でも、直ちに運転手に助けを求めるか、911に電話してください」と言っている。

各地の地下鉄のセクハラ防止メカニズムが絶えず整備されている今日、私たちは知りたい:当地の軌道交通の運営では、乗客がセクハラに遭うことを予防することに関する規定や措置があるのかどうか? もしあるならば、それらはどのようなものか? セクハラに遭った乗客に対して、軌道交通の運営側はどのような救済措置をとるのか?

私たちは地下鉄の乗客であるだけでなく、公民でもあるので、貴社といっしょに努力して、フレンドリーな乗車環境を作り上げ、十全なセクハラ防止メカニズムを構築できることを望んでいる。それゆえ、私たちは貴社がセクハラ防止の大衆的宣伝を強化し、地下鉄の中に不法分子を震え上がらせるスローガンを貼り、地下鉄テレビ放映を利用してセクハラ防止の公益広告を放送することを希望する。同時に、市民に対して、主体的に制止あるいは通報するよう呼びかける――たとえば「セクハラは違法行為です。制止と通報にご協力ください」というふうに呼びかけることを希望する。乗客がセクハラに遭ったときには、ただちに乗客がハラスメント環境を離脱し、加害者を処罰することを助ける措置(たとえば、通報ボタン、通報ホットライン、警備員の協力など)を取ることができるようにする。公民としては、私たちは、よろこんで地下鉄のセクハラ防止メカニズムのプロセスに参与し、私たちも創意工夫して、良好な乗車環境を作って、私たちの合法的権益をまもる。

以上のとおり申し上げる。

乗車の安全に関心を持つ広州地下鉄の乗客一同


10月10日までに集まった署名は300筆だそうです(13)。署名する人は、広州の地下鉄を利用したことがある人でなければならないので(実際、署名サイトにも、利用している路線を記入する欄があります)、必ずしも簡単には署名が集まらないのだと思いますが、梁海媚さんたちは頑張って集めておられるようです。

なお、9月26日には、中山大学中文系副教授で、中山大学ジェンダー教育フォーラムの柯倩婷さんが、広州市交通委員会、広州地下鉄総公司に対して、以下の2点の情報公開を申請しています(14)
1.広州の地下鉄運営の中で、乗客がセクハラに遭うことを予防することに関する規定や措置はあるか?
2.セクハラにあった乗客に対して、広州地下鉄の主管サイドとして、広州市交通委員会は、どのような救済あるいは協力の措置を取るのか?

各地で地下鉄での痴漢を社会問題に――弁護士や学者だけでなく、一般市民も運動

今から30年近く以前のことになりますが、私も、たまたま全日本学生自治会総連合『未来みつめるヒロインたち――女子大生白書』(汐文社 1983年)に掲載されていた、痴漢の被害を訴える女子大学生の文を読んで、なぜこういう深刻な問題が大きな社会問題として扱われないのだろうかと思って、当時の国鉄に対して、痴漢に警告し、被害者が声を上げやすいような雰囲気を作るように思ったスローガン(「痴漢やめろ」とか「性は人権です」とかいったものを提案したと思う)を書いたポスターなどを作成してほしいと投書したことがあります。もちろんその種のことを考えたのは私1人ではなかったようで、同様の要望はあったようですが、国鉄側は「お客を痴漢扱いするのはどうも」というようなコメントをしていた新聞記事を読んだ記憶があります。

しかし、その後、私のような一時の憤りでない、女性の方々の地道な運動――大阪で言えば、地下鉄御堂筋事件(市営地下鉄車内での痴漢行為を注意した女性が、犯人の2人組に脅されて連れ回された末、強姦された事件)をきっかけにして結成された「性暴力を許さない女の会」(同会による「コラム 地下鉄御堂筋事件[PDF]」(15)がネットで読めます)の運動などが実って、今回中国で提案されているような措置のうちの幾分かは、日本ではすでに実施されていると言えると思います。けれど、いまの日本でも、今回中国で提起されたさまざまな原則がきちんと実現しているとは、とても言えません。

今回、中国で、これまで同国では社会問題として扱われなかった公共交通の中のセクハラ問題について、社会的に対処すべき問題だという認識を広げたことには大きな意義があると思います。

しかも、上海だけにとどまらず、北京・広州などの各地で問題を提起したこと、弁護士や学者の提案だけではなく、一般市民による署名集めとしても運動がおこなれていることも重要だと思います。また、鄭楚然さんが登場しているところからもわかるように、この運動も、今年になってからの女子大学生らの直接行動の流れを汲んでいる部分もあります。

「私はみだらでもいいが、ハラスメントはしてはならない」から、地下鉄会社の対策要求への変化について

ただし、少しだけ気になる点もあります。

6月25日、武嵘嵘さんは、「私はみだら(ふしだら)でいいが、ハラスメントはしてはならない(我可以骚你不能扰)」というスローガンについて、「このスローガンは、女性の服装の自主権を唱えており、セクハラの中に男性の責任がないのかどうかを言っている点が良い」、けれど「大衆のセクハラについての定義はあいまいで、非常に多くの争いがあって、それらの争いによって男性はたやすく私たちの対立者になってしまう」と言い、自分の夫も、「このスローガンは、すべての男性の私たちを支持する声を弱めるかもしれない」と言ったと述べています(16)

男性弁護士10人による上海地下鉄への建議も、上海地下鉄の公式微博を批判する際に、「私たちは、その微博(女性の服装を責めるブログ)は地下鉄会社のセクハラ問題の本質・危険性・地下鉄会社の法定責任についての認識の曖昧さを暴露し、間接的にセクハラ問題における男性と女性との対立を引き起こした。」「男性も女性も同様に、被害者になりうる」などと述べています。述べていること自体は誤りではないものの、男性の出している建議でありながら、男性の加害者的側面についての言及がとくにないということも事実です。

つまり、上のような点から見ると、「男と女の対立」を嫌う立場から、「私はみだら(ふしだら)でいいが、ハラスメントはしてはならない(我可以骚你不能扰)」というスローガンが後景に退いたかのようにも思われるのです。

もちろん地下鉄会社に対する痴漢対策要求運動の中では、そうしたスローガン自体は後景に退いてもいいと思いますし、なにより私には運動の詳しい状況はよくわかりません。ですから、冷静な判断の上での変化なのかもしれませんが、私は、「私はみだら(ふしだら)でいいが~」というスラットウォーク的発想の今後の行方にも注目したいと思います。

(1)この件については、その後、『毎日新聞』2012年7月2日付東京夕刊に隅俊之「上海交差点:薄着をめぐる熱い論戦」という記事が出ました。それほど長い記事ではありませんが、隅記者は、女子大学生の男子トイレ占拠の際も、隅俊之「上海交差点:広州トイレ占拠事件」(2012年3月5日東京夕刊)という、かなりきちんとした記事を書いておられ、見識のある記者のように思います。
(2)北京律师申请公开上海地铁防治性骚扰措施」新網新聞2012年6月26日(来源:法制日報)。
(3)男人也要防性骚扰? 十位男律师联名致信上海地铁」法制網2012年8月23日(来源:羊城晩報)。
(4)10名律师建议地铁出招防性骚扰」北京众泽妇女法律咨询服务中心サイト2012年8月23日、「ミニブログで地下鉄での痴漢防止強化 中国」新華網2012年8月24日(来源:人民網日本語版)。
(5)北京市地铁公司关于北京轨道交通性骚扰防治信息公开申请的答复」北京众泽妇女法律咨询服务中心ブログ2012年9月13日。
(6)吕孝权「关于在北京轨道交通运营中建立性骚扰防治机制的建议」北京众泽妇女法律咨询服务中心サイト2012年9月11日。
(7)广州地铁“射狼”被拘留10日 作案过程曝光」新華網2012年09月17日(来源:広州日報)など。
(8)广州地铁被骚扰女子称3个月遇到4个“色狼”」新華網2012年9月5日(来源:広州日報)。
(9)miriam「【地铁防性骚扰 征集100人签名】」google groups性别平等倡导计划2012年9月21日。
(10)“征集千人签名,建议广州地铁防治性骚扰 ”签名网页和《致广州地铁总公司关于防治性骚扰问题的公开信》现正式公开发布!!!!」google groups性别平等倡导计划2012年9月27日、「征集千人签名,建议广州地铁防治性骚扰」社会性別与発展在中国サイト2012年9月28日(来源:郵件組)。
(11)广州网友征集签名防地铁“射狼” 发起人:收集1000人签名后梳理有效建议送交地铁公司」『羊城晩報』2012年9月27日。
(12)征集千人签名,建议广州地铁防治性骚扰」社会性別与発展在中国サイト2012年9月28日(来源:郵件組)。
(13)嵘嵘「回复: 【性别平等倡导计划】 一个人力量太渺小,全部人力量很巨大(海味求救!) 」google groups性别平等倡导计划2012年10月10日。
(14)近期频见地铁上性骚扰,相关运营方和管理方有无作为? 地铁有没有防“狼”措施 副教授提信息公开申请」『羊城晩報』2012年9月27日。
(15)大阪府の「人権学習シリーズ」vol.6『同じをこえて 差別と平等』 ■その「ちがい」は何のため? 女性専用車両で考える特別な措置‐3.その「ちがい」は何のため? 女性専用車両で考える特別な措置 より。
(16)嵘嵘「【上海地铁二运事件】上海首站行动讨论和下一步计划注意」性别平等倡导计划2012年6月25日。
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教育部、大学入試の男女差別について、外国語専攻などの専攻名を挙げつつ正当化――女性団体はすぐ反論

中国では、一部の大学の一部の専攻、とくに外国語専攻などで、「多すぎる」女子学生の人数を抑制しようとして、男女別に合格者数を決めているために、そうした専攻では、女性の入試合格ラインが男性より高くなっています。今年7月以降、このような男女差別に対して批判が高まり、女子大学生らによる街頭での抗議活動もおこなわれてきました(本ブログの記事「一部大学・専攻の入試合格ラインの男女差別に対する批判高まる」「大学入試の男女差別に対する抗議活動つづく――差別を正当化する教育部を批判して、坊主頭になるパフォーマンスアートも」参照)。

その中で、8月9日、女性活動家の呂頻さんと黄溢智弁護士が、「政府情報公開条例」(2007年4月公布、2008年5月施行)にもとづいて、教育部(日本で言う文科省)に対して、「2012年の大学入試において、教育部は、どの大学のどの専攻の男女の採用比率の制限を批准(承認)したのか? その根拠は何か?」(原文の文字に色がついているわけではなく、文字に色を付けたのは、私[遠山]です。以下も同じです)という点の情報を公開するよう申請しました。

それに対して、教育部から、8月23日付けで、「国家の利益を考慮して、一部の特殊な職業あるいはポストの特殊な専門的人材を養成するために、特定の手続きを経て、少数の学校は一部の専攻で男女の学生募集の比率を適当に調整することができる」という回答が返ってきました。

この回答は、まったくと言っていいほど、呂さんや黄弁護士の質問に答えていません。8月30日、広州で4人の若い女性が坊主頭になって、教育部の回答に抗議しましたが、彼女たちが坊主頭になったのは、「教育部の回答はゼロに等しい」ということを訴えるためでもありました。

北京衆沢女性法律相談サービスセンターの情報公開申請

教育部の回答が無内容だったので、8月28日、北京衆沢女性法律相談サービスセンター(もと北京大学法学院女性法律研究・サービスセンター(1))は、教育部に対して、以下のような情報公開申請をしました(2)

1.一部の大学の一部の専攻が2012年の大学入試で男女を区別して合格させ、かつ合格ラインが明らかに女が高く男が低い現象に対して、貴部は2012年8月23日に北京の黄溢智弁護士への回答で、「国家の利益の考慮にもとづいて、一部の特殊な職種あるいはポストに対する特殊な専門の人材の養成は、少数の学校の一部の専攻は適当に男女の学生募集の比率を調整することができる。……」と述べているが、「何が国家の利益の考慮なのか」? 「一部の特殊な職種あるいはポスト」とは、どのような職種あるいはポストなのか? 「少数の学校の一部の専攻」とは、どのような学校のどのような専攻なのか? ということを貴部はもっと対外的に公開して明確にしていただきたい。

2.貴部は2012年の大学入試の学生募集で、あるいくつかの大学のあるいくつかの専攻で男女の学生の採用比率を制限できることを批准したのか否か? その根拠は何か? を法律にもとづいてすぐに公開していただきたい。


9月18日、教育部から、10月15日まで回答を待ってほしいという返事が来ました(3)(「中華人民共和国政府情報公開条例」の第24条には、「行政機関は(……)申請を受理した日から15業務日以内に回答しなければならない。回答期限を延長する必要があるときは(……)、これを申請者に告知しなければならない。回答を延長する期間は、最長で15業務日をこえてはならない」とあります(4))。

教育部の回答――3つの類型の専攻を挙げて、それぞれ男女差別を正当化

10月15日、教育部は、北京衆沢女性法律相談サービスセンターに対して、以下の回答を送ってきました(5)

北京衆沢女性法律相談サービスセンター:

本機関はあなたが郵便という方法で提出した情報公開申請を受け取った。ここに以下のようにお答えする。

いささかの特殊な職種・職業の特徴と教育のリソースの配置の現実の情況にもとづき、「高等教育法」「婦女権益保障法」に違反しないという条件の下で、現在、大学が男女の学生募集の比率をはっきり決めることが許される特殊な専攻には、以下の3つの類型がある。

1.特定の職業上の必要と密接に関連しており、かつ職業に男女の比率に対して要求がある専攻、たとえば軍事、国防、公共の安全などの専攻

2.女性を保護する視点から、適当に女性の出願を制限する、たとえば航海・採鉱などの専攻

3.一部の専門の教育のリソースに限りがあって、学生募集の数に限りがあり、かつ社会的ニーズに一定の性別のバランスがある専攻、もし男女の比率を制限しなければ、重大な男女の比率のアンバランスが生じる可能性があって、実質的に教育の効果と社会の利益に影響して、国家の関係部門のニーズにも影響がある専攻、たとえば、一部のあまねく通用しない言語の種類
[=「小語種(英語以外の外国語)」]、播音主持[キャスター、アナウンサーといった仕事のようです]の専攻など。

教育部は、上述の専攻を開設している大学が男女の募集の比率を決めることを許可しており、その比率は一般に1対1に規制している。大学は法にもとづいて学生募集の自主権を有している。大学はこのような特殊な専攻では養成のニーズにもとづいて男女の学生募集の比率を設定することができ(その他の専攻は設定してはならない)、教育行政部門あるいは上級の主管部門に報告し、それが受理されれば公表することができる。男女の学生募集の比率を設定している大学の学生募集要項と学生募集規則は、教育部の「陽光高考(http://gaokao.chsi.com.cn)」プラットフォームでみな事前に公表している。

以上、ご通知まで。

教育部政務公開事務局
2012年10月15日


この回答は、北京衆沢女性法律相談サービスセンターの質問に対して、「一部の特殊な職種あるいはポスト」とはどのような職種あるいはポストなのか? という点には答えていますが、「国家の利益」とどういう関係があるのか? というような点には答えていません。

李麦子さんが情報公開申請

上の教育部の回答を読んで、誰もが疑問に思うのは、「男女の比率のバランスを言うなら、男性が多い理工系などはどうなのか?」という点です。

実際、8月に教育部に抗議して坊主頭になった女性の1人である李麦子さんは、教育部の回答を読んで、翌々日の10月17日には、教育部に対して、次のような情報公開申請をしました(6)

2012年の大学の学生募集において、貴部は、どの大学のどの専攻で、ジェンダー平等のニーズにもとづいて、男子学生の合格ラインを上げることによって、女子学生の採用比率を増やして、男子学生が多い専攻での女性の教育の機会を保障したのか?


北京衆沢女性法律相談サービスセンターの建議書(反論)

10月19日、北京衆沢女性法律相談サービスセンターは、教育部の回答に対して、以下の建議書を出しました(7)

教育部の公開申請の返答の意見に関する建議書

教育部政務公開事務局:

まず、貴機関が法定の手続きと時限どおりに、私たちが貴機関に申請した2012年大学入試の学生募集の性差別現象の公開について回答をしたことを非常に賞賛する。私たちはそれと同時に、2012年8月23日に貴機関がこの問題についておこなった回答と比べて、今回の回答は、いくらか実質的な内容があることにも注目している。私たちは、貴機関にとって、そのこと自身が、広く建言の道を開き、多くの人々の考えを取り入れることによって、業務を真理を求め実際を重んじるようにする有利な機会になるとも考える。

私たちの2012年8月27日の情報公開申請の手紙の原文と照らし合わせると、貴機関の回答について、私たちには、まだ以下のように幾つかわからないところがあり、貴機関にもっと明確にしていただきたく思う。それと同時に、私たちは、私たちの意見と建議が、貴機関がこの問題を処理する助けになることを願っている。

一、貴機関の返答の意見の第一条について

貴機関は、返答の意見の中で、「特定の職業上の必要と密接に関連しており、かつ職業に男女の比率について要求がある専攻、たとえば軍事、国防、公共の安全などの専攻」と述べている。貴機関は、国防・公共安全などの職業の類が、どのように女性に適していないから、女性の採用を制限するのかを、もっと明確にしていただきたい。

私たちの考えでは、私たちは、女性が必ずあるいくからの職業には当然適さないとは考えてはならない。私たちが検討しなければならないのは、このような専攻の女性に対する排除である。例を挙げると、現在国防・安全の中では(たとえば情報戦)、技術と知力に対する要求が日増しに高まり、体力に対する要求は日に日に減っている。この領域に存在する問題の一つは、若干の女性の士官は、大学院受験や博士課程受験という方法によって軍隊における自分の地位を向上させ、揺るぎないものにしたいと望んでおり、高学歴であることは軍備縮小と退役の確率を減らすことができるにもかかわらず、募集の際には各単位が女の兵卒が出願することを制限しているという制約を受けるかもしれないことである。同時に、現実にますます多くの非常に優秀な女性特殊警察部隊と女性宇宙飛行士が出現しているのであって、このことは、特定の職業の男女の比率を制限する要求は、実質的には女性に対する排除であることを十分に説明している。私たちはもうすでに性別が原因で、人為的に多くの潜在的に優秀な女性兵士、女性警官、女性宇宙飛行士の出現を制限・剥奪しているのではないだろうか?

ここにおいて、私たちが真に必要なことは、女性を排除している制度自体を真剣に検討することであって、「存在することは合理的である」ということを当然の正当な理由として、女性の教育と就業についての憲法上の権利を制限し剥奪することであっては絶対にならない。これは最大の不公正であり、特定の職種と職業の損失でもある。

二、貴機関の返答意見の第二条について

貴機関の返答の意見は、「女性を保護する視点から、適当に女性の出願を制限する、たとえば航海・採鉱などの専攻」と述べている。航海・採鉱などの専攻で女子学生を制限することが、どのように女性を保護するという目的を実現することになるのか? 男性が航海・採鉱の職業につけば、保護は不要なのか? ということを貴機関にはもっと明確にしていただきたい。

現在の国際社会が平等の問題においてすでに基本的に到達している共通認識で、私たちが提唱・追求しているのは、結果の平等(実質的平等とも言う)であって、けっして形式的平等と保護的な平等だけではない。遺憾なことに、国家の最高教育主管機関である貴部がやっているのは、依然としていわゆる「女性を保護する」保護的な平等の観念と教育関係政策であり、その実質は、保護の名の下に差別をしているのである。

私たちが検討しなければならないのは、なぜこれらの専門の労働の環境が女性に適合しないのかということである。私たちは、これらの単位が積極的に従業員の労働条件を改善して、男性にも女性にも適合した労働環境を提供することを奨励・強制するべきであって、現状を前提として、女性が教育を受ける権利、就業する権利を排除するべきではない。

三、貴機関の返答意見の第三条について

貴機関の返答の意見は、「一部の専門の教育のリソースに限りがあって、学生募集の数に限りがあり、かつ社会的ニーズに一定の性別のバランスがある専攻、もし男女の比率を制限しなければ、重大な男女の比率のアンバランスが生じる可能性があって、実質的に教育の効果と社会の利益に影響して、国家の関係部門のニーズにも影響がある専攻、たとえば、一部のあまねく通用しない言語の種類、アナウンス専攻など」と述べている。貴機関は、次の点をもっと明確にしていただきたい。
(1)土木・電子・航空など男子学生が絶対的な主導的地位を占めている理工科の専攻において、各大学が女子学生のために入試の合格ラインを下げることは、なぜ、ほとんどおこなわれてこなかったのか?
(2)小語種
[英語以外の外国語]・播音主持[キャスター、アナウンサーといった仕事のようです]の専攻で女子学生の採用を制限することは、具体的にどのような社会的ニーズ、教育的効果、社会的利益、国家の関係部門のニーズと、どのような関係があるのか?

これらの専攻が実際に口にしているのは、男性を入れるという問題である。私たちは、国家は社会的多様性(性別の多様性を含む)を確保する視点から、男性を優遇する政策の正当性を論証することはできると考える。けれども、そのような多様性の実施した結果は、女性に対しても有益なものでなければならず、排除、ましてや傷害であってはならない。そうでなければ、それは不当なものである。上述の専攻が女子学生の採用を制限することは、この原則に反しているのだから、どうして合理的で正当だと言うことができようか?

「国家の関係部門のニーズに影響する」という理由は、なおさら成り立たない。私たちは、教育はまず個人のニーズと追求を満たさせなければならないと考える。遺憾なことに、この回答は、個人が教育を受けるニーズにはまったく触れておらず、「社会のニーズ」だけを強調しており、公民の権利に対して冷淡である。私たちには、職業市場のニーズによって差別的な教育の正当性を論証することは許されない。この回答は、完全に市場のロジックが浸透している典型的な例である。就業市場の性差別を矯正しようとすれば、教育で差別をしないことこそが最も重要である。国家は正義の最も重要な実施者・擁護者として、まず国家機構の採用における公平(性別の公平を含めて)、とくに社会的マイノリティの包容を保証しなければならない。多元的社会において、偏向した政策を用いることは、「排除」するためではなく、「包容」するためにのみ許されるのであり、「排除」する結果をもたらすことは、不正義である。

私たちはまた、社会公衆が返答意見について、みんながそろって述べているキーポイントになる問題に注目している。それはすなわち、なぜ教育のリソースが不足していたら、女性の利益を犠牲にしなければならないのか? 女性の利益を犠牲にすることと、国家の利益にもとづく考慮とはどんな関係があるのか? いつ大学入試の時に男性が絶対的に主導的地位を占めている理工系の専攻の学生募集で各大学が女子学生に合格ラインを下げた例があったのか? ということである。もし本当にいわゆる男女の比率のバランスをとろうとすれば、すべての専攻の男女両性の比率のアンバランスの現象に対して、対等で合理的な規制の措置を同時におこなわなければならず、男性が絶対的多数を占める理工科の専攻の女性のために、合格ラインを下げなければならない。しかし現在おこなわれているのは、各大学が一方的に女性に対して大学入試の採用の敷居を高くしていることだけである。このように一方的・選択的に男性の合格ラインを下げる行為は、明らかに女性の教育についての性差別になる。(以下略)

四、貴機関の返答意見の第四条について

私たちは貴部の「陽光平台」から各大学の学生募集要項と学生募集規則を見つけることはできるけれども、貴部が2012年に、どの大学のどの専攻が男女別に分けて合格ラインを決めることを批准したのかという情報を見つけることはできない。一歩譲って、「陽光平台」プラットフォームで公表されているすべての大学の性別を制限した学生募集要項自身は、みな教育部が批准したものだと理解していいのだろうか? もしその答えが、肯定であるならば、私たちはこう尋ねなければならない。教育部の批准の根拠は何であるのか?

もし貴部自身の批准の根拠が成り立たないのならば、その批准という行為自身が法律・法規の規定に違反している疑いがある。明らかに、貴部はまだ本当にこの問題に普遍性・重大性・女性に対する一方的差別という本質があるところに気づいていない。

(中略)このように長期的な利益を犠牲にして、短期的な利益を得る差別的なやり方は、ジェンダー意識が欠けているあらわれであるだけでなく、国家の法律に対する侮蔑であり、わが国が署名した国際条約上の義務に反している。

(以下略)

北京衆沢女性法律相談サービスセンター
2012年10月19日


この回答は、同センターの呂孝権弁護士が女行郵件組(メーリングリスト)で他の人々からも意見を出してもらうなどしてまとめたもののようです(8)

市場のニーズが国家の政策にも完全に浸透

以前もこのブログで述べたように、2005年に北京大学の小語種選考で男性より女性の合格ラインを高くしていたことが問題になって、その翌年、教育部は「教育部の批准なしに、大学が勝手に男女の合格比率を規定してはならない」と定めました。北京大学では、その後はそうした男女差別をやめたこともあって、それで問題は解決したとみられていました。

しかし、今回明らかになったのは、さまざまな大学の男女差別に教育部がお墨付きを与えているという深刻な事態でした。

北京衆沢女性法律相談サービスセンターは、教育部の回答について、「職業市場のニーズによって差別的な教育の正当性を論証」しており「完全に市場のロジックが浸透している」と指摘しています。日本も市場の論理(資本の論理と言った方がいいかもしれません)に対する国家の規制が非常に弱く、大学もその聖域ではけっしてないと思いますが、中国は、現在、大学入試において、点数による形式的平等さえもが侵犯されていると言えます(日本でも都立高校などの問題はあった)。

女性に対する保護という点については、日本の戦後の公務員採用においても、以前、いくつかの職種での女性の排除があったと記憶しています。

大学入試の男女差別を社会問題化させた点は成果

男女差別の実態は深刻ですが、今回、それを支える教育部の政策を明るみに出したことや、大学入試の合格ラインの男女差別問題を大きな社会問題として注目させたことは女性の運動の成果だと思います。

その一つの力になったのは、今年、さまざまな他の問題で行われている女子大学生らのパフォーマンスアートでしょう。パフォーマンスアートは、8月19日の男女で異なるハードルを書いたパネルを使ったものと、8月30日に坊主頭になったものの2回おこなわれていますが、8月30日に広州で4人の若い女性が坊主頭になってによって「教育部の回答はゼロに等しい!」と回答の無内容さを強烈に訴えた(翌日に北京でもおこなわれた)ことが、今回の教育部の若干具体的な回答につながったのかもしれません。

大学入試の合格ラインの男女差別問題を社会問題にしたもう一つの要因は、2008年に施行された政府情報公開条例をうまく使ったことだと思います。「意見書」や「建議」だけですと、政府も法律的には回答する義務はないように思いまですが、情報公開条例の場合はそうはいきません。

しかも、単に1つの団体(または1個人)が情報公開申請をしたのではなく、呂頻さんや黄溢智弁護士に対する回答を受けて、北京衆沢女性法律相談サービスセンターがより具体的な情報公開を求めたことが、より突っ込んだ回答につながった面もあると思います。

第三に、新聞報道などにはあまり出てきませんが、微博、ツイッター、フォーラム、メーリングリストといったネット上の個人の発言がこれまで以上に活発におこなわれたようで、それらの間でも連係プレーがなされたという点もあるかもしれません。

(1)名称を変更した経緯については、本ブログの記事「北京大学、女性法律研究・サービスセンターを切り捨て──人権NGOに対する政府の締めつけの一環か?」参照。
(2)北京众泽妇女法律咨询服务中心申请教育部公开有关男女分性别招生的信息」北京众泽妇女法律咨询服务中心サイト2012年8月27日。
(3)2012年9月24日,中心收到教育部政务公开办公室书面信函答复」北京众泽妇女法律咨询服务中心サイト2012年9月24日。
(4)中华人民共和国政府信息公开条例」中国政府网。同条例については、岡村志嘉子、刈田朋子「中国の政府情報公開条例[pdf]」『外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説』235号(2008年3月)が翻訳と解説をしています。本稿の翻訳は、岡田・苅田両氏の翻訳を使わせていただきました。
(5)教育部10月15日高考招生性别歧视政府信息公开申请延期答复意见(全文)」北京众泽妇女法律咨询服务中心サイト2012年10月16日。この教育部の回答と、それに対する女性たちの反応を伝えた記事としては、「教育部回应高考招生性别“歧视”:不限制男女比例会影响教育效果」财经网2012年10月17日、「公益人士呼吁教育不应顺应就业性别歧视潮流」中国新聞網2012年10月19日(来源:工人日報)、「教育部回应高招性别歧视 三类专业可限招女生」騰訊網2012年10月19日(来源:京華時報)。そのうち、「教育部回应高考招生性别“歧视”:不限制男女比例会影响教育效果」(财经网2012年10月17日)が最も詳しく報じており、教育部は1:1と言っているのに、国際関係学院は合格者の男女比を7:3にしていることも指摘しています。
(6)“光头姐”再问:哪些专业可限招男生?」『羊城晩報』2012年10月19日。
(7)关于教育部公开申请答复意见的建议书」北京众泽妇女法律咨询服务中心ブログ2012年10月19日。
(8)女行郵件組は未公開ですし、私も加入していませんが、google groupのフォーラムに転載されたものから、その一部を読むことができます(「 Fwd: [女行邮件组] 从社会正义的角度来评估教育部的回复——我的个人看法」性别平等倡导计划2012年10月17日)。また、その中で出されて、北京衆沢女性法律相談サービスセンターの建議書の重要な構成部分になった意見については、性別平等網でも公開されています(「从社会正义的角度来评估教育部的回复」性別平等網2012年10月18日)。
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クレイジー・イングリッシュの李陽のDVと離婚裁判、フェミニズム運動

李陽さんは、「クレイジー・イングリッシュ(疯狂英语)」という、恥かしさを捨てさせ、大声を張り上げて体を動かして英語を叫ばせる英語学習法の創始者です。これまでに彼の講座を何千万もの人々が受講し、彼の英語学習に関する著書は百冊以上あるといいます。彼が各地で講演するありさまは、「クレイジー・イングリッシュ」という映画にもなりました(アマゾンのページ)。

ところが、彼が妻のキム・リー(Kim Lee)さんに対して暴力をふるっていたことが昨年明らかになり、大きな騒ぎになりました。キムさんは李陽さんに離婚裁判を起こしました。また、DVに対して反省のない李陽さんに対して、若いフェミニストたちが何度も抗議活動をおこなっています。裁判の判決ももうすぐ出ると思いますが、今回はこれまでの動きをまとめてみました。李陽さんのDVに関する新聞・雑誌記事は膨大にありますので、私も到底すべてを丁寧に読むことはできませんでしたが、以下でだいたいの流れはおわかりいただけると思います。とくにフェミニズム運動の側の動きに注目してまとめました(以下、李陽さん、キム・リーさんについては、敬称を略させていただきます)。

[目次]
(2011年)
9月 李陽のDVの発覚と一時的な謝罪
10月 マスコミ報道の問題点について民間女性10団体が声明
9月末~ キムの反撃
12月 離婚裁判・第1回法廷――DVの認定、財産分割、子どもの養育権などが争点に
(2012年)
3月 第2回法廷――李陽はDVを否認、李陽の財産が明らかに
4~5月 李陽の脅迫とキムの帰国
6月 李陽の南京での講演会場内外で若い女性たちが抗議活動
6月 広州のクレイジー・イングリッシュの総本部に女子大学生らが抗議活動
7月 李陽が山東省棗荘市の観光英語顧問になることに反対する申し入れ
8月 第3回法廷の裁判所前でも若い女性たちが抗議・宣伝活動
8月 第3回法廷――財産分割・養育権についての議論が具体化、李陽はまだDVを否認
おわりに

2011年

9月 李陽のDVの発覚と一時的な謝罪

2011年9月2日、「@丽娜华的Mom」(=李陽の妻のキムとのちに判明)の微博(中国版ツイッター)に、「李陽、あなたには助けが必要だ。子どもが見ている前で私を殴らないで」というメッセージと頭に大きなこぶができた写真、「あなたが[暴力をふるった日に]きちんとした服装でテレビに出ている姿を病院で見たのは、あなたが私の頭を床板にぶつけたことより、もっと苦痛だった」という英文が掲載されていることをある人が見つけ(キムの発信したのは8月31日)、李陽がDVをしているのではないかとネットで話題になりました(1)

キムは、同月5日、DVの情況についてより詳しく、「あなた[李陽]は私を殴り倒し、私の背中の上に座って、両手を使って私の首を押さえつけ、そのあと私の頭を床にぶつけた。私があなたの手を引きはがそうとすると、あなたは私の髪の毛をつかんで、私の頭を続けて10回あまりも床板にぶつけた!」「女児のリディアは驚いて声を張り上げて叫び、あなたの腕をつかんであなたを阻止しようとした」と書きました。これが李陽のキムに対する初めての暴力だったのではけっしてなく、キムはこれまでも何度も李陽に[DVをなくすための]補導を受けるように求めてきたそうです。

ネット上では、李陽に対する非難が強まっていきました。

10日、李陽は、微博に、「私はキムに正式にお詫びをする。私は彼女にDV[家庭暴力]をして、身体と精神に重大な傷を負わせ、子どもに対しても良くない影響を与えた。私はすべての人にお詫びをする。私は自分の行為を深く反省する」と書きました。キムが李陽のDVを派出所に届けていたこともあって、前日の9日に、派出所で、李陽はキムに次のような取り決めをしたということです。1.二度と暴力を振るわないと約束する。2.微博で公に謝罪する。3.心理カウンセラーの所に行く。4.紅楓女性心理相談センターに1000元を寄付して、より多くの人の相談に役立ててもらう。

その後、李陽はメディアの取材を受け始めました。それはいいのですが、その中で李陽は自画自賛をし、自分は「反暴力の指導者にならなければならぬ」とまで言うようになりました。

こうした彼の態度に不信感を抱く人もいました。また、李陽が「私たちは心理カウンセラーの専門的援助を受けている」と言ったことに関しては、「北京DV被害女性サポートグループ(北京受暴妇女支持小组)」のボランティアから、「李陽のような加害者は心理的障害の患者ではない。李が妻を殴るのは妻を支配しようとしているからであり、夫婦が共同で受ける心理的カウンセリングは、夫婦双方に責任を求める理論に基づいており、DVに対しては有害無益である」と指摘しました(2)。もっとも、後に明らかになったところでは、李陽は、2時間カウンセリングを受けただけで、それ以上治療を続けることを拒否したそうです。そうしたカウンセリングさえ李陽は嫌がったからもしれませんし、紅楓女性心理相談センターのカウンセリングは、北京DV被害女性サポートグループのボランティアが批判しているような質のものではなかったからかもしれません。

以上の事態については、その表面的な経過はさまざまなメディアが報道していますが(3)、李陽のDVの発覚以来、最も丁寧に事態を分析してきたのは、私が見るかぎり、NGOの「女性メディアウォッチネットワーク(妇女传媒监测网络)」の『女声』誌でした。その意味で、この時点から民間女性運動の役割は明らかだったように思います(4)

10月 マスコミ報道の問題点について民間女性10団体が声明

さて、危惧されたとおり、李陽の反省は口先だけのものであることが明らかになっていきます。李陽は、メディアで、自分の誤りを認めつつも、自分の行為を弁解し、暗に妻を責める発言をしました(5)。たとえば、『新京報』に掲載された李陽のインタビューでは、自分のDVの原因として、「アメリカ人は怒りっぽくて、暴力的な傾向がある」と言ったりしており(6)、同紙にも、李陽のそうした発言を批判する評論が掲載されたほどです(7)。また、李陽のクレイジー・イングリッシュは近年落ち目になっているから、李陽がメディアに出ることは、自分の汚名をそそぐだけでなく、客観的にはクレイジー・イングリッシュの広告になっていると指摘する人も多くいました(8)

しかし、マスコミは、全体として見ると、李陽の言い分を垂れ流す傾向が非常に強かったようです。『女声』誌は、こうした傾向について、李陽のような比較的権力を持った人に対して、十分な専門的能力や明確な立場を持っていない人が取材したから、インタビューが取材される側の独擅場になったのだと指摘しました。

また、『女声』誌は、メディアでは何度も「女性はどのようにDVから自分を保護するか?」といったテーマで討論がおこなわれているが、こうした討論は、被害者を責めることになる場合があることや「男性がどうすべきか」「男の子の教育をどうすべきか」という問題が忘れられていることも指摘しました(9)

李陽は、さらに、その後、自分の誤りは彼女が激怒したことを「無限に容認」しなかったことだけであり、双方の誤りは「半々」であるとまで発言するようになりました(10)。10月8日には、李陽は、自分が暴力をふるったのは妻の「精神的暴力」に「がまん」できなかったからだと発言し、テレビで彼を批判した女性に対しては、「殴るぞ」と言って脅かしました(11)

また、李陽は、「自分が妻と結婚したのは、中国とアメリカの家庭教育を研究するための実験だった」「3人の女児は実験品にすぎない」とも言いました(12)

こうした李陽の発言に対しては、さすがに世論やメディアでの批判も高まってきましたが(13)、李陽がさまざまな記事や番組に出て、言いたい放題だったのは事実のようです。

こうした状況に対して、10月中旬、10の民間女性団体(DV反対ネットワーク/北京帆葆、女性メディアウォッチネットワーク、北京天津ジェンダーと発展協作者グループ、中国におけるジェンダーと発展ネットワーク、北京紅楓女性心理相談サービスセンター、北京衆沢女性法律相談サービスセンター、広州ニューメディア女性ネットワーク、中華女子学院ジェンダー研究情報センター、北京農家女文化発展センター)が、李陽のDVの報道のあり方に注文を付けるアピールを出しました。

「誰のために問い、どのように責任を負うのか――民間の女性たちが李陽のDV事件についてメディアに送る」と題するそのアピール(14)は、メディアが李陽のDVを迅速に報道し、DVを批判していることは評価しつつも、報道の中に、以下のような情況が存在していることを批判しています(原文を箇条書きに改めています)。

・被害者や暴力を目の当たりにした子どもの体験・利益を軽視している。
・意識的・無意識的に、女性、とくに被害者の女性に対する先入観と偏見を再生産・強化しており、自覚的・無自覚的に被害者の女性に二次被害を与えている。
・ジェンダー暴力という現象および暴力の文化的根源、とくに構造的根源に対して考察や整理をしておらず、現象自体についてしか論じていない。
・政府・関連機構・社会のDV防止における職責と役割についての検討が欠けており、当事者個人がどう対応するかというレベルにとどまっていることが多い。
・一部の報道は、加害者が道理に合わないことを強弁したり、弁解したり、世論を誤って導く言論の空間になっており、暴力行為と暴力文化のためにお先棒を担ぐ傾向さえある。


9月末~ キムの反撃

キムのほうは、メディアの取材に対しては、初めのころは、子どものことを考えてその多くを断っていました(15)

ただし、中国中央テレビの柴静さんが主宰していた番組には、柴静さん(の秘書)に、河北の監獄にはDV被害を受けたために夫を殺した受刑者が多くいることを書いた資料を見せられて、取材を受けました(16)。9月25日に放映されたその番組の最後は、次のようなキムのショートメールで締めくくられました(17)

李陽はずっとDV[家庭暴力]は文化だと言ってきた。そうした態度のために、多くの女は沈黙を選択し、自分の身を危険にさらしてきた。私もかつてはそうだった。けれど、今回、私は、はっきりと「暴力を我慢しない」と言うことを選択した。このことを言うことは、沈黙の中で傷ついているすべての女のためであり、私の女児の未来のためである。


また、キムは、主に英語で書いている微博では、李陽にずばり反論しました。その微博には、さまざまな立場の人が意見を寄せましたが、キムは、消耗することを避けるために、個々の意見に直接応答することは避けました。しかし、自分を支持する人々に対しては、ときどき感謝の念を伝え、反対する人々には、証拠を提出することによって事実を示すという方法で応対しました(18)

さらに、10月中旬ごろから、DV反対ネットワーク/北京帆葆が、キムから来たメールを、本人の了解を得た上で公表しはじめます。その中で、キムは、DVとDV文化を譴責し、中国の被害者の女性を援助することを自分の仕事にすると表明しています。キムはまた、警察などで二次被害を受けたと感じたことや離婚訴訟を起こす決意についても語りました(19)

10月18日には、キムは『中国婦女報』でも文を発表します。その内容は、キムの上記のDV反対ネットワーク/北京帆葆宛てのメールですでに書かれていることですが、以下は、その文(「沈黙は、私の家庭を守ることはできない」)(20)からの抜粋です。

「家庭の調和[和諧]」の名の下にDVを無視することは、次の世代の家庭生活に同じ苦痛を与えることにしかならない。私の頭が3歳の女児の前で床板にひどくぶつけられたとき、私にはそのことがわかった。

自分が沈黙していては、家庭を傷害から守ることはできず、女児が成長した後に幸福な家庭を持つ可能性を壊すことにしかならないと私はわかった。

私は公衆に対して真相を話した。けれど、私の夫は、2時間補導を受けただけで治療を続けることを拒否し、言論とテレビ出演によって私の家庭を傷つけ続けている。彼は、家族を傷つけることを自分の宣伝の手段にしている。これは、なんと悲惨なことだろうか。

(中略)もし私が公衆の観念上の誤りを正すことを助けることができるとしたら、それは、光栄なことであり、私はやらなければならない。

DV立法が適切で有効な手段であることは疑いない。しかし、法律がないとき、最も有力な反撃は、公衆がDVを容認することを拒絶し、下の共通認識を達成することである。

DVは文化ではない。DVは違法な犯罪である。


11月7日には、キムは、自分がDVで負わされた傷跡の写真をふたたび公開しました。その理由について、キムは、もう李陽が自分の責任と向き合うことは期待できないこと、李陽があたかも自分のしたことを忘れているかのようであることを挙げています。キムは、「私は善良な性格だが、意気地なしではない!」と言いました(21)

12月 離婚裁判・第1回法廷――DVの認定、財産分割、子どもの養育権などが争点に

10月24日、キムは離婚訴訟を起こしました。キムは、訴えの中で、DVなどを理由とする李陽との離婚、共有財産の分割、3人の子どもの養育権などを求めました(22)

12月15日、北京市朝陽区法院オリンピック村法廷で、離婚裁判の第1回目の審理がおこなわれました。李陽の側が「プライバシーの問題に関わるから」という理由で、非公開での審理を求めたため、非公開になりました(第2回以降も同じ)。ですから、以下で紹介することは、双方の当事者や弁護士が、法廷の外で、新聞などの取材に対して述べたことです。

両者は全面的に対決

キム側は、裁判所に以下の5項目を求めました。
1)婚姻関係を解消する。
2)3人の女児の養育権を要求する。
3)法律にもとづいて夫婦の共有財産を分割する。
4)被告の李陽が訴訟費と調査費を負担する。
5)李陽が子どもの養育費を支払う。

それに対して、李陽の側は、以下の6項目の請求と声明を出しました。
1)3人の女児の養育権を要求する。
2)キムが子どもの養育費を支払う。
3)キムとの間の婚姻の合法性を否認する。
4)李陽には、何らの財産あるいは金銭はない。
5)李陽はDVをしていない。
6)キムとの間の3人の子どもは中国の公民で、アメリカの公民ではない。

要するに、両者の側は全面的に対決したわけですが、キムから見ると、李陽側の6項目は彼女を「地獄に突き落とす」ものに見えました(23)

上の事項のうち、当日、当事者や弁護士が中心的に語ったのは、李陽の行為がDVであるか否かという点や財産分割についてです。

DVの認定について

李陽は、DVとは、家族の一員が他の家族の一員に「持続的」に暴力を振るうことであって、キムとの間には2回大きな「衝突」があったが、「私はそれをDVだとは思っていない」と述べました(24)

財産分割について

キムは、アメリカで英語の先生をしていたのですが、1999年に中国に来て、李陽と恋愛をし、2000年末から李陽と生活を共にし始めたのですが、それと同時に、李陽が創設・経営していたクレイジー・イングリッシュの事業で編集責任者の仕事をするようになりました。キムは、1999年から2011年までの11年間に、クレイジー・イングリッシュの事業のために、多くの書籍を執筆し、音響教材も作成し、学生の訓練にも参与しました。また、李陽は1月に1、2回しか家に帰ってこなかったので、3人の子どもの世話はすべてキムがしていました(25)。つまり、キムは、結婚生活において、公私にわたって夫婦の財産形成に大きく寄与していたと言えると思います。実際、キムは、「もし私がいなければ、李陽には売る本はなく、英語を教えることしかできなかった」と語っています(26)

しかし、キムは李陽と結婚してから12年にもなるのに、ずっと李陽から「経済封鎖」をされてきたと語っています。キムによると、李陽はキムに毎月、日常生活に必要な費用を与えるだけで、女児の学費などの大きな支出については、キムが李陽の助手か李陽の妹に申請して出してもらわなければならなかったとのことです。キムが言うには、李陽はクレイジー・イングリッシュのすべての収入を管理していて、妻にも明らかにしておらず、結婚している期間の収入によって他人名義で大量の不動産を購入したりもしているとのことです。李陽は多くの建物を持っているけれども、その名義は李陽か李陽の妹になっているそうです(27)。キムは、「私は、クレイジー・イングリッシュのために12年仕事をしてきたのに、10年間は自分の銀行口座さえなかった」と話しています(28)

上のような状況は、それ自体が「経済的支配」というDVの一つの形態ではないかと思いますが、財産分割の際にも、妻のキムにとって非常に不利な状況を引き起こしています。李陽は、自分には「家はなく、車もなく、金もない」と言ったようですが、上のような状況では、本当の財産はどれほどあるのかがわかりません。とくに弁護士が心配したのは、離婚問題が起きてから、李陽が、自分の財産を他の人に転売・譲渡していることです(29)

ですから、キム側は、李陽の財産の状況を明らかにするために、裁判所に李陽の財産を調査するように申請しました。

その他

李陽側が言っている「キムとの間の婚姻の合法性を否認する」というのは、アメリカでの結婚手続きは簡単すぎるという理由によるもののようですが、キム側は、実際は複雑だと反論しています(30)。また、李陽側の「キムとの間の3人の子どもは中国の公民で、アメリカの公民ではない」という主張に対しては、「中国は計画出産だから、子どもを3人も産めない。また、この3人の子どもはみなアメリカの出生証明を持っている」と反論しています(31)

2012年

3月 第2回法廷――李陽はDVを否認、李陽の財産が明らかに

2012年3月22日、第2回の審理がおこなわれました。

キムの弁護士によると、すでに李陽も、離婚をすること自体については、基本的に同意したそうで(32)、この日も、李陽の行為がDVであったか否かや財産分割の問題が議論になりました。

DVの認定について

李陽の弁護士は、第1回目の法廷の際と同様に、「私たちは一貫してこれがDVであるとは認めていない。家庭内部の衝突である」と述べました。李陽の弁護士は「DVとは、重大な結果を引き起こしたもの、経常的なものでなければならない」と述べ、「裁判の実践から見て、李陽の行為はDVには当たらない」と言いました。

それに対して、キムは、その件については「もうこれ以上論ずる必要はない。李陽は派出所でも、取材の際にも、DVをしたと認めている。病院に行かなければならなかったことが2回あった。そのほかに何度も小さな暴力があった」と言いました。

キムの弁護士も、「わが国の婚姻法の司法解釈(一)の第1条の規定によれば、被告の行為は明確にDVである。殴る、縄で縛るなどの方法で他の人の身体を傷つけることはDVになるのであり、関係する法律は『持続的な行為でなければDVにはならない』とは言っていない」と述べました(33)。「経常的で持続的な」DVは、「虐待」(罪)になるのであり、これは、別の民法上のカテゴリーだということです(34)

夫婦の共有財産の分割について

キムの弁護士によると、「DV行為は誤った行為であり、『離婚の夫婦の共有財産の分割は、過ちのなかった方に配慮する』という原則にもとづき、過ちのあった方には夫婦の共有財産を少ししか分割しないことができる」という理由から、キムは夫婦の共有財産の50%以上を分割することを申請する、とのことです(35)

キムの弁護士によると、すでに裁判所の調査によって李陽が21軒の不動産を持っていることが明らかになったそうです。李陽が自ら申請した2軒と合わせると、李は、合計23の不動産を持っていることが明らかになりました(36)。裁判所の調査では、さらに李陽が新しい不動産を持っている手がかりも見つけたのですが、キムは、長々と裁判をしたくなかったので、いつまでも調べ続けることは望んでおらず、その23の不動産の分割を要求していくかもしれないと述べました(37)

4~6月 李陽の脅迫とキムの帰国

4月12日、李陽は、キムに対して、「もしおまえがアメリカにいるのなら、おまえは夫に銃殺されるだろう」(「Kill You」と報じている記事も幾つもある)というショートメールを出して、脅迫をしました(38)

6月、キムは、「私が繰り返し派出所に行っている(李陽の脅迫のショートメールを通報しに)という情況の下でも、李陽は相変わらず自由に学校や子どもたちのために講演をしている。こうした事態は、いかなる理知的な人の想像も超えるものだ。裁判所や警察、法律がDVに対してかくも無力であることは、中国社会における女性の地位がまだ高くないことを確かに反映している(……)だから私は自分の祖国に帰る準備をしているが、中国の女性にはこのような機会はない」というメールをDV反対ネットワークに送って、アメリカに帰りました(39)

6月 李陽の南京での講演会場内外で若い女性たちが抗議活動

6月17日、李陽は、南京大行宮会堂で講演をおこないました。それに対して、3人のDV反対のボランティア(「志愿者」と記されているので、一応こう訳しましたが、「(自発的な)活動家」というくらいの意味でしょうか)が、会場の入口で李陽に「本当に悔い改めるまでは、口を噤め」と呼びかけるビラを撒くとともに、プラカードを掲げました。プラカードには「李陽、英語之技は学びやすいが、DVの痛みは消えにくい!」「李陽、DVをやめて、心から謝ってほしい」といった抗議の言葉が書かれていました。

それに対して、クレイジー・イングリッシュのスタッフの5、6人の男が、DVに反対する人々を小突き、追い出し、ビラを破り、プラカードを壊しました。

DV反対の活動家や野次馬はその様子を携帯電話で撮影しましたが、李陽はスタッフの男たちに「携帯を奪ってきて、壊せ!」と大声で言いました。活動家たちが逃げると、李陽は「彼らのプラカードはみんな壊してしまえ!」と叫びました。活動家らが配布したビラも、会場の入り口で回収されました。

しかし、李陽の講演が始まって約30分後、会場内でも2人(数人と報じているメディアもある)の女性が立って、「李陽、英語の技は学びやすいが、DVの痛みは消えにくい!」と書いてあるプラカードを掲げて抗議しました。しかし、李陽のスタッフに追い出され、プラカードは壊されました(40)


下が、当日の模様を報道したニュースのビデオです。
视频:李阳南京演讲遭抗议 与反家暴志愿者发生冲突

活動家らが配布したビラには、「李陽ボイコット宣言(41)が印刷されていました。以下がその内容です。

李陽よ 本当に悔い改めるまでは、口をつぐめ!

2011年9月、クレイジー・イングリッシュの創始者・李陽がキムを殴っていた事実が明るみに出て、李陽も暴力をふるった事実をすでに認めた。しかし、各メディアの取材を受けて李陽がしゃべったことは、弁解と逆襲に満ちていて、「反暴力の指導者になる」とまで言っており、謝罪はウソで、本当は繰り返し宣伝をしたのだ。その後、キムは離婚訴訟を起こした。しかし、李陽は、自分には「家がなく、車はなく、金はない」と言い張っている。さらに、直接脅迫をして、キムの人身の安全を脅かした。キムは北京の家を離れざるをえなかった。李陽は暴力をふるったのに何の処罰も受けずに、まだ全国各地で授業を続け、大いに「思いやり」「楽しみ」「恩に感謝すること」を語っている(42)[訳注]。李陽のDVは、身体的暴力だけでなく、精神的暴力、経済的暴力(経済的搾取と支配)などの暴力の形態も含んでいる。「人を殴るのは道理があり、DVに罪はなく」・「加害者は増長し、被害者は災いを被る」のか? 私たちには受け入れられない。李陽の誤った言行をただし、反暴力の正義を広めるために、私たちはこのたび李陽をボイコットする行動を起こす。訴えは3つある。

1.李陽が自分の行為を心からお詫びをするまで、李陽とそのカリキュラムを集団でボイコットしよう。

李陽はなお、さまざまなやり方でキムを傷つけ続け、暴力を漂白するさまざまな言論を拡散させている。誤った言行に対する深い反省と誠実な謝罪をしていないのに、彼にまた人の手本になる何らかの資格があるのか? 私たち若者は、未来の社会の中堅として、李陽の主な顧客として、最初に行動を起こす責任も能力もある。クレージー李陽にいっしょに抵抗しよう!

2.被害者に対する中傷を集団で制止し、DVに反対するコンセンサスを作りあげよう。

李陽は何度も「キムに問題がある」と強調し、一部の評論も「片手だけでは拍手することはできない」などと言っているが、このような言い方は、DVが権利侵害であり違法であるという本質を無視している。私たちはキムに対する李陽の中傷に反対し、社会の各界に対して、暴力の口実を探し求めることを共に拒絶し、DVに断固として反対するコンセンサスを作り上げるよう呼びかける。

3.できるだけ早く専門の反DV法を制定して、加害者に法律的制裁を受けさせよう。

李陽が暴力をふるった後もこのように増長している原因の一つは、法律の厳しい制裁を受けていないことにある。法律は「DVを禁止する」と言うだけでは不十分であり、法律を執行する行為を規範化して、被害者のニーズから出発して作成した、もっと的確な規定を作らなけばならない。私たちは、DVに反対する法律をできるだけ早く制定して、被害者の権利の保障が実現することを待ち望んでいる。

暴力のない家庭のために、いっさいの暴力を容認しない社会のために、私たちには、あなたが一緒に行動することが必要だ。私たちと一緒に叫ぼう: 李陽よ! 本当に悔い改めるまでは、口をつぐめ!


また、6月17日には、李陽の講演がおこなわれたすぐ近くで、抗議活動をおこなった人も加わって、夕方の7時から、次のような会合がもたれています(43)

南京ジェンダー平等サロン:李陽はなぜ謝罪しないのか

場所:南京Yoann珈琲館

スピーカー
・海味:大学生 、「李陽ボイコット」活動発起人
・石燕: 社会学博士、曉荘師範学院講師
・武嶸嶸: NGO活動家、ジェンダー平等訓練師


南京での抗議行動の準備について

新聞報道では、「李陽ボイコット活動の発起人の梁さん[さん=小姐。梁小門さん?]によると、このたびのDVボイコット活動は五月末に着手しはじめ、最初はある女性就業フォーラムで呼びかけた」(44)とのことです。また、反DVのボランティアで26歳の武さん[小姐。武嶸嶸さん?]は、「このたびの反DV抗議活動は、数名のネットユーザーが自発的に組織したものだ。その目的は、第一に李陽が公然と誤りを認めてアメリカ籍のキムに謝罪すること、第二に、もうキムにハラスメントをしないことだ」と語っています(45)

実際、5月24日、Google Groupの「ジェンダー平等唱導計画」フォーラムで、「反李陽DVアクション」が「大兔」さん[=鄭楚然さんと思われる(46)]によって提起されており、そこでは、以下のような役割分担が提案されています(47)(下のカッコ内に書いてあることは、ごく簡単な摘要です)。

●総協調(コーディネーター)――海味
 (各プロジェクトの進度の調整、時間や人員の割り振りなど。)

1 微博アクション――麦子
 (DV問題や現場のアクションの宣伝など)

2 現場でのボイコットアクション――大兔
 (3回以上やる、といったことも書かれています)

3 ボイコット文書&署名――小鉄
 (「李陽ボイコット宣言」を、女性メディアウォッチネットワークか、ジェンダーと発展ネットワークの人に書いてもらい、署名を集める)

4 オフラインアクション――鳥
 (通行人にDV反対を宣伝、パフォーマンスアートなど)

4(5の誤記?)提案の手紙、政策への関与――小門
 (DV防止法の提案。署名を婦女連合会などの政府の部門に送る。国外のDV法を収集するなど)

*法律の専門家に相談――小門
 (李陽に対する批判[攻撃]の方法や現場でのアクションが法律に引っかからないようにするなど)


6月8日には、「海味」さんからも投稿があり、「反DVグループ」という名前でおこなうことや、「6月17日」という日程、アクションの具体的な内容についても提案されています(48)

そのほか、親指を立てるポーズが提案されていたのに対しては、「下品だ」(呂頻さん)、「平和で非暴力的な方法」で理念を広めなければならない(武嶸嶸さん)という忠告があったり、「ボイコット」という言葉について、わかりにくいという意見が出るなど、いろいろ議論をして提案を修正し、練り上げていったようです(49)

以上は、ネット上で公開されている情報=オープンに話し合われたことでしかありません。もちろん内部では、より綿密な話し合いが重ねられたことでしょう。

6月 広州のクレイジー・イングリッシュの総本部に女子大学生らが抗議

6月20日には、広州市にある李陽のクレイジー・イングリッシュの総本部に、10名近い女子大学生たちがやって来て、马歇尔•卢森堡(阮胤華訳)『非暴力沟通』(華夏出版社 2009年)[マーシャル・ローゼンバーグ(Marshall B. Rosenberg)『非暴力的コミュニケーション(Nonviolent Communication: A Language of Life)』の訳。日本語訳は、小川敏子訳『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』日本経済新聞出版社 2012年]と「家暴零容忍[DVゼロトラレンス]」と書かれたTシャツと李陽への手紙を大きな封筒に入れて、クレイジー・イングリッシュの事務員に渡して、李陽本人に手渡すように頼もうとしました。

今回の活動に参加した陽さん[小陽]によると、このアクションは、主に6月17日に南京でおこなわれた抗議活動に声援を送るためのものだということです。

ところが、クレイジー・イングリッシュのスタッフは、彼女たちをたらい回しにしたあげく、「李陽先生は、毎日24時間中国の教育のために奔走している。あなたがたは何をしているのか? こんなことで社会が進歩するのか? 国家が成り立つのか?」と怒鳴るありさまでした。

彼女たちは、総本部の正門前に集まって、自分たちで編曲した「早爱老婆(好心分手の替え歌)[歌詞はここを参照]」「伤不起[歌詞はこの『女声』121期のp.14を参照]」などの歌を歌って、李陽らに抗議をしました。

下が、以上で述べた状況を映したビデオです(制作:大兎紙)。
视频:投诉合唱团-李阳请非暴力沟通-工作人员爆笑回应

彼女たちは、回りで見ていた観衆にも、宣伝ビラをまいて、李陽のDVや南京で抗議した人々に暴力をふるった事件について訴えました。

20歳の女子大学生の門さん[小門]は、広州の大学の2年生だそうですが、取材に対して、「街頭で人を殴れば、警察を呼ばれるのに、家庭の中ではそうではない。多くの人が『DVは他の人の家庭の問題だ』と考えているけれども、人権の問題である」(大意)といったことを話しました(50)

7月 李陽が山東省棗荘市の観光英語顧問になることに反対する署名・手紙

7月初め、李陽が山東省棗荘市の観光英語顧問として招聘されたこと、棗荘市のその件の責任者は「有名人にも過ちはあるのだから、一撃でやつけてしまうべきではない」などと言っていることが報道されました(51)

それに対して、Google Groupの「ジェンダー平等唱導計画」フォーラム(だけではないと思いますが)は、棗荘市政府と観光局に対して、1)李陽はDV事件で全国を騒がせており、自分の過ちを深く反省していないだけでなく、妻を脅迫するなど、社会的イメージが非常に悪く、そうした者を招聘することは都市のイメージにとってマイナスになる、2)教師は知らず知らずのうちにその思想を学生に伝えるので、サービスの態度に影響する、3)他の暴力的傾向がある夫に良くない手本を示すことになる、だから、李陽は解雇して、彼がDVについて深く反省して、誠実なお詫びをするまでは再び招聘しないように訴える署名を集めました(52)

また、6月17日に李陽に暴力を振るわれた人々も、李陽の招聘に反対する手紙を出しました(53)

8月 第3回法廷・裁判所前でも若い女性たちが抗議・宣伝活動

8月10日、離婚裁判の第3回の審理がありました。

メディアの報道によると、この日は、まずキムが法廷にやってきましたが、彼女は10人ほどの若い女性に取り囲まれていました。キムは、「彼女たちは、反DVのボランティアです。声援を送りに来てくれました」と言いました。彼女たちは、あたかもDVに遭って顔を赤く腫らしたかのような化粧をしており、7人は、背中に、それぞれ、「家」「庭」「暴」「力」「零」「容」「忍」(DVゼロトラレンス)という1文字ずつを貼りつけた黒いTシャツを着ていました。彼女たちは、さらに、「DV[家暴]はいっさい許してはならない――誰でも次のDVの被害者になりうる」と書かれた横断幕を広げました。また、4メートル余りの長さの「反対DV 支持Kim 推進法治」というスローガンが書いてある巻物には、1200人あまりの署名が書かれており、彼女たちはそれを広げてみんなに見せました。彼女たちは、キムには、その1200人あまりの署名が付いた裁判官宛ての手紙を手渡し、裁判官に渡すように頼みました(54)

そこに、李陽がやって来て、「こんな画策をするな。裁判は裁判だ、意味はない」と言いました。さらに、またもや「私はDVはやっていない。この言葉は私には当てはまらない」と言い、キムとの間にたしかに「衝突」はあったが、「DV(家暴)にはあたらない」と述べました。そして、「私は自分のイメージを犠牲にしても、勇敢に反面教師になって、DV反対を宣伝している。けれども、私は自分にDVの行為があったとは考えない」と言いました(55)

ボランティアたちが、李陽に対して、「なぜ、あなたはキムを殴ったのに、それをDVだとは認めないのか?」と質問すると、李陽は、キムとの間に「肢体の衝突」はあったことを認めつつも、「あなたは幼稚すぎる。あなたの父母は言い争いをしなかったのか?」、「あなたは中国人か? 子どもの時から両親はあなたを一度も殴らなかったのか?」と述べました(56)

キムと李陽が法廷に入ると、ボランティアたちは裁判所の門の前で、踊りを踊りながら「傷不起(Violence is unbearable)」などの歌を歌いました。当日の報道によると、この活動の参加者は、ネット上で自発的に組織したボランティアで、キムの知り合いではなく、DV加害者を告発し、被害者に声援を送り、関係機関にDVの立法と法律執行を推進するために来たと語っています(57)。梁小門さんは、「このアクションは、彼女のためであり、すべてのその他のDV被害者のためでもある」と語りました(58)

以上の状況についての運動の側(ボランティア)自身が記録した動画は、下です(女声 womenvoice)。
视频:李阳案开庭 志愿者高唱伤不起」(中国語字幕[一部のみ])
视频:李阳案开庭 志愿者高唱伤不起」(英語字幕[全編])。

署名の文面は、以下のとおりです(署名の呼びかけのページより)(59)

尊敬する裁判官:

こんにちは!(以下、「2011年9月、クレイジー・イングリッシュの創始者・李陽が」~「李陽のDVは、身体的暴力だけでなく、経済的暴力(経済的搾取と支配)などの暴力の形態も含んでいる」までは、「李陽ボイコット宣言」とほぼ同文です。ただし、下の2点が新たに指摘されています。
・李陽が、「財産を譲渡している[隠蔽している]」こと
・李陽が「山東省棗荘市の観光英語顧問として招聘されてさえいる」こと)

現在すでに847名(署名は不断に更新中)[注:提出時には1200名あまりになっていたことは上述のとおりです]のボランティアが、李陽に自分のDV行為の責任を取らせることを支持する署名をしている。裁判官がこの事件を裁決するとき、李陽のDVという犯罪の事実、および民衆のDV反対についての関心を考慮してくださるようお願いする。

私たちは法律が正義を広め、暴力をふるう者にしかるべき懲罰を受けさせることができると信じている。私たちは裁判官に共同で署名した手紙をお渡しするので、次の点を考慮していだたきたい。
1.裁判所の判決では、李陽のDVという情状を認定すること。
2.李陽は有責者の側として、財産の分割と子どもの養育の問題において、相応の責任を取ること。

一群の反DVボランティア
2012年8月10日


当日は、DV反対ネットワークの馮媛さんもやって来て、「なぜ多くのDV被害者の女性は立ち上がれないのか? それは、彼女たちが家庭内のいざこざを外に出したくないからではなく、関係機関・女性団体が追いついていなくて、彼女たちを援助できないからだ。私たちはこの面の立法と執法をできるだけ早く整備しなければならない」と述べました(60)

8月 第3回法廷――財産分割・養育権についての議論が具体化、李陽はまだDVを否認

財産分割について

李陽側の弁護士は、李陽とキムの婚姻は2010年7月に中国で婚姻登記をしたときに始まったけれども、李陽の大部分の財産は2000年と2003年に取得したものなので、大半の財産は、結婚前から持っていた財産(婚前財産)だと主張しました。

それに対して、キム側の弁護士は、両者の婚姻の起算点は、2010年7月に中国で婚姻登記をしたときでも、2005年4月にアメリカでアメリカの結婚証を受け取った時でもなく、2000年に同居を開始したときであると主張しました。その理由は、婚姻法の関連の規定によると、婚姻関係の効力は、双方が婚姻法に規定された婚姻の実質的要件を満たした時から始まるとされているからだと言います(61)

第2回法廷で明らかになったように、李陽は合計23の不動産を持っていましたが、その多くを売り払って、現在彼の名義になっているのは8か所だけでした。

そのほか株の問題もあったようですが、李陽の会社の株主の権利の収益を調べるのは非常に大変で、時間がかかりすぎるし、キムは、これ以上裁判を長引かせたくないので、そちらの面の権利については、とりあえず放棄しました。また、不動産についても、8か所についてだけを要求することにしました。ただし、北京の家は2007年に李陽が他の人に転売したので、その賠償金180万元あまりも要求しました。また、個人の貯金については、400万元余り、さらに、精神的損害賠償5万元を追加しました(62)

養育権・養育費について

子どもの養育権に関しては、李陽は、「子どもは3人とも中国が好きで、北京で生活することを望んでいる」と述べました。けれど、キムは、3人の子どもは「父親が家に帰ってくるのを怖がっている」と言いました(63)。もっとも、李陽のほうは、「私も女児たちと電話したばかりだが、彼女たちは『愛している。会いたい。いつ会えるのか』と言っていた」と話しています(64)

ただし、李陽も、「離婚後、かたき同士のようにならずに、双方が子どもの教育と成長について一緒に相談したい」と述べており(65)、キムも「子どもには父母の愛が必要だから、父親と子どものコミュニケーションは保持できるよう望んでいる」と語っています(66)

養育費の面では進展がありました。李陽は当初は養育費の支払いを拒否していたので、3月の法廷後に、キムが、李陽に子どもの学費の30万元を支払わせるように裁判所に申請したところ、7月に裁判所がそれを認めたため、李陽はすでに30万元を裁判所に収めたとのことです(67)

李陽のDVに関する認識

李陽は、今回の事件について、「実際はこれは家庭の小事なのに、私の身に起きために、比較的大きなことになった」と述べました。また、「過去に発生したことをずっと追及するのは正しいのか? 愚昧ではないのか?」と言い、記者がこのことを繰り返しぐだぐだ言っていると述べて、「中国の智慧がない」と批判したりしました(68)。この点の認識は本当に相変わらずです。

●おわりに

裁判支援にも、若い一般の女性のアクション

今回の李陽のDV問題に対しても、最初に見たように、NGO諸団体はマスコミに対するアピールを出したり、シンポジウムを開いたりしています。

しかし、それだけでなく、今年になってからは、他の問題についても行われてきたように、女子大学生をはじめとした若い女性たちが現場でパフォーマンスをすることを通じて主張を訴えるアクションが、さまざまな場面でおこなわれました。『女声』誌は、この点について、「中国のDV反対の民間行動は、すでにこれらの若者の直接行動によって、新たなページを開いた」と述べています(69)

また、中国では、従来、少なくとも女性問題に関しては、日本でおこわれてきたような、一般の人々が参加する裁判支援運動というのはなかったように思います。

といっても、もちろんDVやセクハラなどの被害者の裁判に対する支援そのものがおこなわれてこなかったわけではありません。たとえば、NGOの北京大学女性法律研究・サービスセンターは、従来から、被害者が裁判を起こす際に、センターのメンバーである弁護士が代理人になったり、事件をテーマにしたシンポジウムを開催したり、政策的な提言をしたりする活動をしてきました。ただ、こうした支援活動は、主に弁護士や学者、ジャーナリストといった専門家によって担われてきたように思います。

一般の人々が裁判について署名を集め、チラシをまき、横断幕やプラカードを掲げ、歌や踊りで訴えをするということは、中国における裁判支援のあり方としても新しいと言えるのではないでしょうか?

もちろん今回の事件の場合、李陽が有名人であり、マスコミが事件をそれなりに大きく取り上げているという特殊性は指摘できるかもしれません。また、現場でアクションをおこなう若い女性の人数はだいたい10人程度で、多くの場合、李麦子さん、梁小門さん、鄭楚然さんといった比較的常連の人が重要な役割を果たしているという点も、ある意味では限界であろうと思います。また、ペンネームを使っている方が多いという点は、中国における運動の困難さと関係があるのかもしれません。

といっても、発起人は必ずしも常連の方々ではないように思いますし(ペンネームが多いのでこの点は十分確認できないのですが)、また、多くの方々がカメラの前に顔をさらしておられます。若い女性がイニシアを取っているという点も、日本の運動から見れば新鮮に見えます。

キム自身が果たした役割

キムは、裁判に至るまでも、裁判においても、果敢に闘いました。しかも、キムは「私の生活とクレイジー・イングリッシュは同じところにありました。私の友人の多くは私の同僚でもありました。彼らは私を助けてはくれませんでした」(70)とあるように、必ずも条件には恵まれていなかったと思います。

この事件は、本ブログでも紹介した「『第4回(2011年)セックス/ジェンダー事件批評』」で「10大事件」の一つに選ばれていますが、そのタイトルが「李陽の妻が反家庭内暴力のために立ち上がった」であることを見てもわかるように、キム本人の意思と力というものが果たした役割も大きかったと言えます。

「クレイジー・イングリッシュ」と李陽のDV

「クレイジー・イングリッシュ」の特徴としてよく挙げられるのは、英語を「金もうけの手段」として捉えていること、「愛国」的なことです。たとえば日本の新聞記事も、李陽が「英語を学ぶ目的はただ一つ、金もうけだ」と叫ぶと、聴衆が「メイク・マネー」と叫ぶなど、英語をテコにして豊かさを追求している状況に注目していますし(71)、李陽が「英語は金もうけの道具だ。たった26文字の劣った言語だ。漢字のある中国語にかなうわけないだろ」とか、「英語を学んで国を豊かにすることは愛国的行為」と言って「愛国心」を鼓舞していることにも注目しています(72)

李陽のDVに抗議する人々の中には、こうした「クレイジー・イングリッシュ」のあり方に批判の目を向けている人もいます。6月20日の広州での抗議行動に参加した「STEPHENIE」さんは、「英語の勉強は金もうけのため」というのは、「些か人間性を喪失した、あるいは人間性の弱点を大きく利用した精神的方法」であり、「私たちが今日のアクションで反対しなければならなかった根本的な思惟である」と述べています(73)。キム自身も、「私は彼が英語を教える時に、『英語を身につければ、私たちは日本人・アメリカ人を打ち負かせる』と言うことには絶対に反対です。これは、自卑的な人の心理です。」(74)と言っています。また、「中国」を強調することによって、DVを正当化しようとする発言も目につきます(日本にも、バンクーバーでDVで逮捕されて、「女房を家で殴るのは日本の文化だ」と言ったと報道された総領事がいましたが(75))。

もちろん李陽の英語学習法やその思想と彼のDVとを短絡的に結びつけることは危険です。しかし、その一方で、対等なコミュニケーションよりも、競争や勝利に価値を置く「男性」的な思考法という点において、何らかのつながりを見出すことも可能ではないか、という気もいたします。

(1)「“疯狂英语”李阳被指家暴」『女声』第94期(2011.8.29-9.4)[word]。
(2)以上は、「家暴终道歉 李阳能否自救」『女声』第95期(2011.9.5-9.12)[word]。
(3)李阳外籍妻曝家暴细节:抓我头猛击地板超10次!」新華網2011年9月7日(来源:広州日報)、「发微博向公众道歉,正在接受心理咨询 李阳:通过我的事,让更多人为家暴反省」(『中国婦女報』2011年9月13日)など。
(4)この事件に関する初期の民間女性団体の対応をまとめた文として、「民间妇女组织回应李阳家暴事件」『女声』第100期(2011.10.17-.11.6)
(5)「“洗白式访谈”当止――郭美美与李阳之例」『女声』第96期(2011.9.13-9.18)[word]。
(6)疯狂英语创始人李阳自称系家庭暴力反面教材」新浪網2011年9月12日(来源:新京報)。
(7)劉昌海「李阳的道歉就四个字:家暴有理」『新京報』2011年9月13日。
(8)「“洗白式访谈”当止――郭美美与李阳之例」『女声』第96期(2011.9.13-9.18)[word]。
(9)同上。
(10)「李阳继续危机公关露出真面目」『女声』第97期(2011.9.19-9.25)[word]。
(11)「李阳,闭嘴!――抗议媒体的太少了」『女声』第98期(2011.9.26—10.9)[word]。
(12)李阳拿家庭和女儿做实验品 疯狂还是悲哀」新浪女性2011年9月26日(来源:荊楚網)。
(13)『クレイジー英語』のカリスマ教師李陽 DV事件の釈明で四面楚歌?」Insight China2011年11月30日。
(14)为谁追问如何担当――民间妇女群体就李阳家暴事件致媒体」社会性別与発展在中国サイト2011年10月19日。
(15)「Kim为何疏远大众媒体」『女声』第101期[word]。
(16)李阳妻子:中国法律没能保护我」網易新聞2012年5月10日。
(17)「李阳继续危机公关露出真面目」『女声』第97期(2011.9.19-9.25)[word]。
(18)「Kim为何疏远大众媒体」『女声』第101期[word]。
(19)「多视角看“李阳家暴案”」『妇女观察电子月报』第77期
(20)丽娜华「李阳:请闭嘴!」『中国婦女報』2011年10月18日。
(21)李阳妻子再发家暴照片  称绝不懦弱将抗争到底」人民網2011年11月8日。
(22)李阳离婚案本周四开庭」『新京報』2011年12月12日。
(23)以上は、「李阳妻子看到的婚姻 经历家暴,冷酷的离婚诉讼,媒体的追逐」『時代周報』161期(2011年12月29日)。
(24)李阳离婚案开庭 夫妻庭外争执遭媒体围观」中国新聞網2011年12月15日(来源:人民網)。
(25)李阳妻子起诉离婚案开庭 财产问题成焦点 」『中国婦女報』2011年12月16日。
(26)李阳被曝有23套房数百万存款 与妻离婚称无财产」騰訊網2012年3月23日(来源:北京晨報)。
(27)(25)および「李阳妻子谈反家暴遭经济封锁用女儿学费请律师」新華網2011年11月25日(来源:北京晨報)。
(28)Kim与家政工谈儿童教育和家庭暴力」女声網2012年10月8日。
(29)李阳妻子看到的婚姻 经历家暴,冷酷的离婚诉讼,媒体的追逐」『時代周報』161期(2011年12月29日)、「李阳妻子谈反家暴遭经济封锁用女儿学费请律师」新華網2011年11月25日(来源:北京晨報)。
(30)李阳妻子:中国法律没能保护我」網易新聞2012年5月10日。
(31)李阳妻子看到的婚姻 经历家暴,冷酷的离婚诉讼,媒体的追逐」『時代周報』161期(2011年12月29日)。
(32)李阳离婚案再次开庭 律师始终否认李阳进行家暴」中国広播網2012年3月22日。
(33)以上は、「二次开庭审理 离婚无争议  李阳离婚案家庭暴力认定存分歧 」『中国婦女報』2012年3月23日。
(34)李阳妻子:中国法律没能保护我」網易新聞2012年5月10日。
(35)二次开庭审理 离婚无争议  李阳离婚案家庭暴力认定存分歧 」『中国婦女報』2012年3月23日。
(36)李阳离婚案再次开庭 律师始终否认李阳进行家暴」中国広播網2012年3月22日。
(37)李阳被曝有23套房数百万存款 与妻离婚称无财产」騰訊網2012年3月23日(来源:北京晨報)。第2回目の法廷については、他にも、「李阳离婚案明日重审 家暴、财产将再成焦点」騰訊網2012年3月21日、「李阳家暴致离婚案再开庭 主要审理孩子抚养权问题」中国広播網2012年3月22日などの記事が出ています。
(38)李阳拿"枪杀"恐吓妻子 Kim坚强称不会做牺牲品 」中国新聞網2012年4月13日(来源:海峡導報)。
(39)「李阳案开庭志愿者“快闪”《伤不起》」『女声』第121期(2012.8.6-8.12) [word]。
(40)以上は、「李阳南京演讲遭抗议 发飙:把他们牌子砸了」人民網江蘇視窗2012年6月17日、「李阳南京演讲遭反家暴者抗议险挨打」新浪網2012年6月18日(来源:現代快報)、「李阳南京演讲 反家暴志愿者举牌子要求其道歉」中国新聞網2012年6月18日(来源:法制晩報)、「“疯狂英语”李阳演讲遇尴尬 反家暴团体举牌踢馆」中国新聞網2012年6月18日(来源:中国江蘇網)、「李阳南京演讲遭遇反家暴抗议 双方起冲突险动手」華訊財経2012年6月18日(来源:東方衛報)、「讲演遭杯葛,李阳更疯狂」『女声』第115期(2012.6.11-.6.17)
(41)杯葛李阳宣言」社会性別与発展在中国サイト2012年6月19日(来源:邮件组)。ただし、「集体抵制李阳宣言 征集签名」(Google Groupe“青年女权主义行动派”2012年6月17日→女権在線サイトにも転載:「李阳:在你真正悔改之前,闭嘴! 」では、「ボイコット(集団抵抗)宣言[杯葛(集体抵制)宣言]」というタイトルになっています。
(42)『読売新聞』によると、李陽の講演では、終盤になると、李陽が「君たちが毎日成長するにつれ、両親は老いていく」、「英語がどんなに難しくても、両親が君たちを育てることより困難ではない」という話をして、生徒たちにも両親・教師への感謝の言葉を述べさせて、生徒が次々に号泣する――という光景が繰り広げられるそうです。こうしたことは、教職員・保護者の評判も良く、共産主義理論の権威・北京大・鄧小平理論研究センターの趙存生主任も「李氏が説く親に仕える道は、中国の伝統的な道徳教育の中で非常に重要な部分だ。親孝行がないと愛国も難しい」と評価している、とのことです(「[中国疾走]五輪の陰で(1) 不安の時代、神々復活」『読売新聞』2008年1月29日東京朝刊)。
(43)南京性别平等沙龙:李阳为什么要道歉」社会性別与発展在中国サイト2012年6月14日(来源:邮件组)。
(44)李阳南京演讲遭抗议 发飙:把他们牌子砸了」人民網江蘇視窗2012年6月17日。
(45)李阳南京演讲遭遇反家暴抗议 双方起冲突险动手」華訊財経2012年6月18日(来源:東方衛報)。
(46)6月20日に広州のクレイジー・イングリッシュ総本部でのアクションに参加した人の一文に「大兔鄭楚然」という署名があります(「【志愿者大兔】为什么我们要给李阳送本书」反家暴在行动ブログ2012年6月21日)。
(47)大兔「反李阳家暴行动」Google Groups性别平等倡导计划2012年5月24日。
(48)海味「欢迎大家加入反李阳家暴行动」Google Groups性别平等倡导计划2012年6月8日。
(49)上記の2件の提案に対するレスポンス参照。そのほか、6月8日の海味さんの投稿では、「李陽のクレイジーDV訓練キャンプにようこそ」というスローガンがあったのですが、私が見たかぎりでは、当日は用いられていないようです。このスローガンは、李陽の英語合宿を皮肉ったものだと思いますが、参加者の気持ちに配慮して用いないようにしたのであろうと思います。
(50)以上は、「志愿者在李阳疯狂英语总部,高唱自编歌曲」網易女人2012年6月20日、「广州反家暴学生送书 李阳为其唱爱老婆歌」網易女人2012年6月20日、「"拇指妹"向李阳"送大礼" 呼吁反对家庭暴力」大洋網2012年6月20日、「广州拇指妹“送礼”李阳 劝其不要再施家暴」南方網2012年6月21日(来源: 羊城晚报网络版)。なお、このアクションに参加した女性たちは、広州の「反家暴在行動」ブログなどに、いくつか文章を書いています。以下で、おおよそ、どんなような内容が書かれているかをメモしておきました。
 ・「【来自亲历行动的志愿者刘亭亭】给学英语的孩子们(写得自己泪流了...)」反家暴在行动ブログ2012年6月20日――休憩時間に出てきた英語を習っている子どもたちが、李陽のDVについて「知っているけど、私と何の関係があるの?」「ずっと以前のことなのに、まだ問題にして、何をするの?」と言っていたので、その子どもたちに語りかけるようにして書いた文章。
 ・「【志愿者大兔】为什么我们要给李阳送本书」反家暴在行动ブログ2012年6月21日――李陽は教師であるのに、DVをやり、李陽に抗議する人々に暴力的対応をしているから、李陽に『非暴力的コミュニケーション』という本を送ったと述べる。また、クレイジー・イングリッシュのスタッフの発言に対しては、「社会の進歩は経済・教育の発展だけを指すのではない」と指摘。
 ・「【亲历志愿者】来自STEPHENIE的感想:李阳家暴」反家暴在行动ブログ2012年6月21日――「英語を学ぶのは金のため」という李陽の教育方法に遡って批判する。クレイジー・イングリッシュのスタッフの発言を批判。
 ・「我为何参加针对李阳的反家暴投诉合唱团活动」乌字加一点的博客2012年6月21日――李陽のDV問題は、世論の圧力によってきちんと解決されると思っていたけれども、その後李陽はキムを脅したり、DV反対活動家に暴力的振る舞いをしているのに、李陽を支持する人の目には、DVは取るに足りない問題だと思われている。ここには民衆のDVに対する認識不足がある。だから、私は声を上げた。
(51)“疯狂英语”李阳受聘旅游顾问引争议」新華網2012年7月3日(来源:人民日报海外版)、「李阳受聘枣庄旅游顾问 官员称有错不能一棍打死 」中国新聞網2012年7月3日(来源:人民日报海外版)。
(52)致山东省枣庄市旅游发展委员会的建议信」Google Groups性别平等倡导计划2012年7月4日。
(53)大家行动起来! 致信枣庄市政府、旅发委,反对其聘用李阳做旅游顾问」反対家庭暴力網2012年7月5日。
(54)李阳离婚案"三审" 反家暴志愿者高唱"伤不起" 」人民網2012年8月10日(来源:北京晩報)、「李阳离婚案再开庭 志愿者现场打标语反家暴」騰訊娯楽2012年8月10日、「李阳离婚案三审 志愿者庭外打条幅声援李阳妻子」人民網2012年8月11日(来源:新京報)。
(55)李阳否认家暴 妻子要分割8套房加5万赔偿」秀美網2012年8月12日。
(56)同上および「李阳离婚案第三次开庭,否认自己是施暴者,反家暴专家指出――李阳家暴事件是一个很好的教材 」『中国婦女報』2012年8月13日。
(57)李阳否认家暴 妻子要分割8套房加5万赔偿」秀美網2012年8月12日。
(58)「李阳案开庭志愿者“快闪”《伤不起》」『女声』第121期(2012.8.6-8.12) [word]。
(59)KIm诉李阳家暴离婚案开庭倒计时!」反対家庭暴力網2012年8月9日、「【志愿者致信李阳离婚案法官 反家暴签名收集最后一天】(付签名地址)目前已有847人签名!」反対家庭暴力網2012年8月9日。
(60)李阳离婚案"三审" 反家暴志愿者高唱"伤不起" 」人民網2012年8月10日(来源:北京晩報)。
(61)李阳离婚案三审 志愿者庭外打条幅声援李阳妻子」人民網2012年8月11日(来源:新京報)、「李阳离婚案第三次开庭,否认自己是施暴者,反家暴专家指出――李阳家暴事件是一个很好的教材 」『中国婦女報』2012年8月13日。
(62)李阳否认家暴 妻子要分割8套房加5万赔偿」秀美網2012年8月12日。
(63)李阳离婚案第三次开庭,否认自己是施暴者,反家暴专家指出――李阳家暴事件是一个很好的教材 」『中国婦女報』2012年8月13日。
(64)李阳离婚案第三次开庭 KIM追偿492万存款」人民網2012年8月12日(来源:北京晨報)。
(65)同上。
(66)李阳离婚案第三次开庭,否认自己是施暴者,反家暴专家指出――李阳家暴事件是一个很好的教材 」『中国婦女報』2012年8月13日。
(67)李阳离婚案"三审" 反家暴志愿者高唱"伤不起" 」人民網2012年8月10日(来源:北京晩報)。
(68)李阳离婚案第三次开庭,否认自己是施暴者,反家暴专家指出――李阳家暴事件是一个很好的教材 」『中国婦女報』2012年8月13日。
(69)「李阳案开庭志愿者“快闪”《伤不起》」『女声』第121期(2012.8.6-8.12) [word]。
(70)李阳妻子:中国法律没能保护我」網易新聞2012年5月10日。
(71)「豊かさと英語力と」『朝日新聞』2000年4月15日朝刊。
(72)「(英語:1)中国、国を挙げて教育 話せばカネになる」『朝日新聞』2005年6月7日朝刊。
(73)我为何参加针对李阳的反家暴投诉合唱团活动」乌字加一点的博客2012年6月21日。
(74)李阳妻子:中国法律没能保护我」網易新聞2012年5月10日。
(75)下荒地 修二 カナダ『DVは日本の文化』発言???」なんだかなぁ2011年12月18日。
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