2011-08

第3回香港プライドパレードが11月12日開催、台湾は差別との闘いを正面に掲げて10月29日開催

 本日(8月24日)、香港プライドパレード準備委員会は、「香港プライドパレード2011(香港同志遊行、Hong Kong Pride Parade)」を11月12日(土)におこなうと発表しました。

 香港プライドパレードは、2008年から始まり、これまで2回おこなわれました。
 ・第1回 2008年12月13日(本ブログの記事「香港初のプライドパレードに1000人あまり」参照)
 ・第2回 2009年11月1日(本ブログの記事「香港プライドパレード2009に1800人あまり」参照)

 しかし、2010年は資金不足のため中止になりました(本ブログの記事「香港プライドパレード2010が資金難で中止」参照)。そのため、ひょとしたら、そのまま無くなるのではないかと心配した人もいたようですが、無事、復活したというわけです。

 今年のテーマは「好愛同志 好愛平等(For Queer・For Love・For Equality)」です。

 午後3時に香港銅鑼灣東角道に集合して、東角道→軒尼詩道→修頓球場というルートでパレードするそうです。

 詳しいことは、今後、香港プライドパレードのホームページ(中国語英語)やフェイスブック(香港同志遊行2011)で発表されると思います。

第9回台湾プライドパレードは、差別との闘いを正面に掲げて10月29日開催

 第9回台湾LGBTプライドパレードのほうは、10月29日(土)開催です(同パレードのサイト。ただし、日本語のページは、8月24日時点では、まだ昨年のままのようです)。

 今年のスローガンは、「彩虹征戰,歧視滾蛋(LGBT Fight Back! Discrimination Get Out!)」で、差別との闘いを前面に出したものになっています。こうしたスローガンにしたのは、プライドパレードの規模は年々拡大しているにもかかわらず、LGBTが受ける差別は依然として深刻であること、以前の差別は赤裸々なものだったのが、現在は巧妙なものになっていることなどのためだそうです。

 また、今年のシンボルマークとして「レインボーライオン(彩虹獅子)」も発表されています(パレードのサイト参照)。「ライオンの姿は、LGBTが差別に対して尻込みをせずに、必要なときには身を挺して闘いに赴くことを象徴しており、六色のライオンのたてがみは、LGBTの運動のレインボーフラッグの基本精神に呼応している」ということです。
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中国の女性副省長――「中国女性発展要綱(2011-2020年)」をめぐって(その2)

 前回の記事「『中国女性発展要綱(2011-2020年)』をめぐって(その1) 」の続きです。

 「中国女性発展要綱(2011-2020年)」の記者会見における質疑応答(1)で、AP通信の記者は、「中国では、みんなが『中国の女性は天の半分を支えている』と言っているけれど、政治への参与の領域を見ると、劉延東国務委員一人だけが天の半分を支えている。どのような要因が現在の状況をもたらしたと考えているのか?」と尋ねました。

 それに対して、宋秀岩さん(国務院女性児童工作委員会副主任、中華全国婦女連合会副主席・書記処第一書記)は、「あなたは今、劉延東政治局委員・国務委員(*)の名前を挙げたが、全国人民代表大会副委員長に3人の女性がおり、全国政治協商会議副主席にも4人の女性がいる」、「省、地区、県政府指導部の女性配属率は、2000年がそれぞれ64.5%、65.1%、59.8%だったが、昨年は87.1%、89.4%、86.2%に上昇した」「省の政府に女性の副省長がいる省が87.1%である」といったこと述べました。
 (*)「政治局」とは、中国共産党中央政治局のこと(Wikipediaによる説明)。国務委員については、中華人民共和国国務院についてのWikipediaによる説明参照。

 しかし、まず、現在、政治局委員は25人もいますし、国務委員も10人います。それなのに、そのどちらにも女性は1人(劉延東)しかいないという事実がある以上、宋さんの説明は説得力に欠けます。全国人民代表大会や全国政治協商会議の副委員長は、あまり実権がないと思いますし。

 地方の政府指導部の中に女性が増えていることは確かです。女性副省長に関しては、宋さんの発言を受けてでしょうか、会見の翌日、人民網が「中国には26の省に28名の女性副省長がおり、最も若い副省長は43歳である」という見出しで、28人の副省長(直轄市の女性副市長と自治区の女性副主席を含む)の写真と経歴を詳しく紹介した記事を掲載しました。中国の31の省のうち女性の副省長がいないのは、遼寧・吉林・湖南・貴州・青海だけで、甘粛と広東には2人の女性副省長がいるそうです(2)

 しかし、現在、中国には、女性の省長は1人もいません(2010年1月に、宋秀岩さんが青海省長から、全国婦連の党グループ書記・副主席・書記処第一書記に転任して以降:本ブログの記事「ただ一人の女性省長・宋秀岩さんが辞職──歴史的にも女性の省のトップはごく僅か」参照)。副省長というのは、各省に7、8人いるのですから、女性が各省に1人程度いても、それほど女性の地位が高いとは言えません。

 人民網の記事からは、28人の女性の副省長のうち、6人は少数民族で、6人は共産党でない人(民主同盟、民主進歩党、九三学社、農工民主党、無党派)であることもわかります。これは、「指導部に女性も1人は入れなければならない」「少数民族も1人は入れなければならない」「党外の人も1人は入れなければならない」という中央の要求がそれぞれあるために、「女性であり、かつ少数民族である人(または党外の人)」を1人だけ指導部に入れておく(→そうすれば、マジョリティである漢民族の男性がより多くのポストを占めることができる)という状況が若干あることを示しているのではないかと思います。こうした現象は、中国でも、「無知少女」=「無党派(または民主党派)であり、かつ知識人であり、かつ少数民族である女性」を指導部に選出するやり方だとして、批判の声が上がっています(3)

 また、女性副省長の件に関しては、『南方日報』の記事(4)は、人民網が述べていない以下の1)~4)の点も指摘しています。

 1)女性副省長がいない省のうち、2008年の改選以来ずっと女性副省長がいなかったのは貴州だけで、他の省は、任期中に職務の調整で他の部署に転出したため、欠員になった。その際、女性の副省長を補充する措置は取られていない。
 →この点は、「女性の副省長を置く」という方針も、けっして確固としたものではないことを示していると考えられます。

 2)女性の副省長の大多数は、教育・科学技術・文化・衛生・スポーツなどの仕事を担当している。
 →この点は、ある種の性別役割分業であり、女性の副省長は、より重要であると考えられている財政、経済、工業・農業、建設などの仕事は担当していないことを示しています。唯一の国務委員である劉延東さんの職務も、「教育、科学技術、文化・メディア、スポーツ、香港・マカオ」担当です(5)

 3)中国の女性の政治参加構造には、「三多三少」(副職が多く、正職が少ない、虚職[実権のない職]が多く、実職[実権のある職]が少ない、周縁の部門が多く、主力のラインが少ない)という問題がある。
 →この点は、これまでご紹介してきたことで理解していただけると思います。

 4)一部の地方は、中央の「各レベルの指導部には少なくとも1名の女性幹部がいなければならない」という目標を、「指導部には女性幹部が1名いればいい」と理解する。だから、女性の「比率」を規定しなければならないと提案する学者もいる。
 →この観点から、「中国女性発展要綱(2011-2020年)」を見ると、「県レベル以上の地方政府の指導部の中には1名以上の女性幹部がいなければならず、かつ一歩一歩増やさなければならない」となっており、不十分であることがわかります。

(1)2011-2020年中国妇女儿童发展纲要新闻发布会举行」国務院婦女児童工作委員会サイト2011年8月10日。
(2)中国26省份共有28名女副省长 最年轻女副省长43岁」人民網2011年8月10日。新華網日本語版も、「87.1%の1級行政区政府指導部に女性進出」(2011年8月10日)と報じています。
(3)最近も、「制度框架下的“无知少女”现象研究——基于湖北省女性领导干部的访谈」(『婦女研究論叢』2011年2期)という論文が出ています。
(4)26省有28名女副省长 男女干部同龄退休呼声高」『南方日報』2011年8月10日。
(5)梁旭光主編『民主政治進程与婦女参政』(済南出版社 2003年)にも、「指導部の中の女性幹部は正職が少なく、重要な仕事を担当している者は少ない。」「私たちのアンケート調査[山東省での調査]では、[女性の]処クラスの幹部20人のうち、全面的に責任を負っているのは1人(5%)であり、経済・司法の仕事を分担しているのは1人(5%)、文教・衛生・計画生育の仕事を分担してるのが13人(65%)であり、大衆団体[婦女連合会、青年団など]を分担しているのが5人(25%)であり(……)女性の指導幹部が主に分担しているのは文教・衛生・計画生育・大衆団体の仕事であり、全面的に責任を負っていたり、経済・司法など経済建設の中で非常に重要な仕事を分担している者は少ないことがわかる」(184-185頁)とあります。
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「中国女性発展要綱(2011-2020年)」をめぐって(その1)

 8月8日、国務院は「中国女性発展要綱(2011-2020年)」を発表しました(国务院关于印发中国妇女发展纲要和中国儿童发展纲要的通知)。「中国女性発展要綱」とは、中国政府が、中国の女性の発展や男女平等の目標とそのための措置を書いた文書です。

 構成は以下のとおりです。
一 指導思想と基本原則
二 総目標
三 発展の領域、主要目標、戦略措置
 (一) 女性と健康
 (二) 女性と教育
 (三) 女性と経済
 (四) 女性の政策決定と管理への参与
 (五) 女性と社会保障
 (六) 女性と環境
 (七) 女性と法律
四 実施の手はず
五 監視・評価

3回目の「中国女性発展要綱」

 1995年に北京で世界女性会議が開催されて以来、中国政府はすでに「中国女性発展要綱(1995-2000年)[中国妇女发展纲要(1995-2000年)]」と「中国女性発展要綱(2001-2010年) [中国妇女发展纲要(2001-2010年)]」を作成してきました。すなわち、今回は3回目の「要綱」になります。

 3回の「中国女性発展要綱」を比較すると、全体として、新しい「要綱」ほど具体的で、詳細なものになっています。字数を数えてみると、1995-2000年の要綱では7000字足らずでしたが、2001-2010年の要綱は約10000字、今回の2011-2020年の要綱は、約14000字に増えています。

今回の「要綱」に新しく盛り込まれた事項

 今回の「要綱」の三「発展の領域、主要目標、戦略措置」の個所の中の(一)~(七)の領域は、前回の「要綱」とだいたい同じなのですが、前回なかった「女性の社会保障」という新しい領域が設置されています。

 また、各項目について、「主要目標」とそれを実現するための「戦略措置」が書かれている点は前回と同じなのですが、今回は、新しい事項が書かれていたり、目標が数値化されていたりする事項が多くあります。たとえば、以下のような点です。

 ・「女性と教育」領域では、「主要目標」の一つとして、「就学前3年の毛入学率[=進学率に近い意味]を70%に到達させる」という点が入り、初めて就学前教育について目標が立てられました。また、「主要目標」の中に、「ジェンダー平等の原則と理念を各レベル・各種類の学校教育課程の基準および教学の過程において十分に体現する」という点が初めて入りました。前回も、「戦略措置」では、「課程・教育内容と教学方法の改革において、ジェンダー意識を教師の研修課程に組み込み、高等教育の関連する専攻において、女性学・マルクス主義女性観・ジェンダーと発展などの課程を開設し、教育者と被教育者のジェンダー意識を増強する」ということが書かれていたのですが、今回は、「各種類・各レベルの学校教育課程」にかかわる事項であることを明確にした上で、「主要目標」の一つにもなったというわけです(今回は、「戦略措置」の方では、「科学研究基金の中のジェンダーや女性に関するプロジェクトや課題を増やす」といったことも述べられています)。

 ・「女性と経済」領域では、「主要目標」の一つとして、「高級専門技術者の中の女性の比率を35%に到達させる」という数値目標が入りました。

 ・「女性の政策決定と管理への参与」領域では、「主要目標」の一つとして、前回、「村民委員会・居民委員会のメンバーの中で女性が一定の比率を占める」というのがあったのですが、今回は、「村民委員会のメンバーの女性比率が30%以上に達する」「村民委員会の主任の女性比率が10%以上に達する」「居民委員会のメンバーの女性比率が50%前後を保持する」というふうに数値を明確にしました(というか、前回の「一定の比率」というのは、目標として無意味すぎたと思うのですが……)。
 
 ・「女性と環境」領域では、「主要目標」の一つに、「都市の公衆トイレの男女の便器の比率と実際のニーズとを適応させる」が入り、そのための「戦略措置」として、「スポーツ施設・商業施設などの公共の場所の建設計画においては、ジェンダーの視点から、公衆トイレの男女の使用のニーズと効率の分析研究をおこない、十分に女性の生理的特徴を考慮し、合理的な男女の便器の比率を確定する」ことが説かれています。

 ・「女性と法律」では、今回、「主要な目標」の一つとして、「法規・政策に対するジェンダー平等の審査を強化する」という点が新たに入りました。また、「戦略措置」の一つとして、「女性に対するセクシュアルハラスメントを有効に予防・制止する。セクシュアルハラスメントを予防・制止する法規と工作メカニズムを作り、整備して、セクシュアルハラスメント行為に対する取り締まりの力を強める。人を雇う単位は、仕事の場所でのセクシュアルハラスメントを防止するために有効な措置を取る」ということが盛り込まれました。また、「戦略措置」の一つとして、「ジェンダー理論の研修を強化する。ジェンダー理論を立法・司法・法律執行部門の通常の研修課程に組み込み、立法・司法・法律執行業務従事者のジェンダー意識を高める」ことが盛り込まれました。

 立法・司法・法律執行業務従事者に対するジェンダー研修が「要綱」に盛り込まれたことなどは、2006年8月の国連女性差別撤廃委員会の最終コメント(本ブログの記事「国連の女性差別撤廃委員会、中国政府に最終コメント」)が影響しているのだろうと思います。

「北京行動綱領」との相違

 今回の「要綱」の三「発展の領域、主要目標、戦略措置」の各領域は、(七)を除く6領域は、1995年の世界女性会議で採択された「北京行動綱領」(日本語訳)で挙げられた「重大問題領域」と重なっています。けれど、北京行動綱領の重大問題領域のうち、「女性と貧困」「女性に対する暴力」「女性と武力紛争」「女性の地位向上のための制度的仕組み」「女性の人権」「女性とメディア」「女児」の7領域は、「中国女性発展要綱」では独立した領域ではなく、他の領域の一部として扱われています。こうした領域に関しては、まだ充分重視されていないということでしょうか?(1)

記者会見での質問から

 たしかに今回の「要綱」は、さまざまな新しい事項が盛り込まれているのですが、中国におけるジェンダー関係の変革にきちんと結びつくかどうか、心もとない面もあります。8月9日、「中国女性発展要綱(2011-2020年)」についてのニュース発表会がおこなわれたのですが(2)、その際の記者の質問やそれに対する宋秀岩さん(国務院女性児童工作委員会副主任、中華全国婦女連合会副主席・書記処第一書記)の回答を聞くと、そのことを強く感じます。

司法では解決できず、上訪[直訴]せざるをえない女性が多い現状をどう考える?

 記者会見では、Voice of America(アメリカの国営放送)の記者が、「『要綱』には、『女性が法によって自分の権利を守る意識と能力が不断に強まり、女性は法律という武器によって自分の権益を守らなければならないと意識するようになった』とある。けれども、彼女たちは司法という手段では自分の問題を解決することができずに、上訪[上級機関への直訴]という道を歩まざるをえない。上訪する人々の中には女性も多くいるが、彼女たちの上訪の道は非常につらく、ある人は上訪を阻止され、ある人は拘禁され、ある人は軟禁され、ある人は殴られ、ある人は闇監獄[上訪者を閉じ込めておくための違法な監獄。地方政府が関与しているという(3)]に入れられる。関係部門はこの問題の重大性を認識しているのか? このような問題はどのようにして解決すべきなのか?」と質問しました。

 この質問に対して宋秀岩さんは、「もちろん私たちも女性の権利保護の過程には、まださまざまな問題と困難があることはわかっている」と言いつつも、では、具体的にどうするのかというと、「立法のプロセスをいっそう速める」、「法律の執行の検査の力をいっそう強める」、「各部門が緊密に協力して(……)女性の利益を訴えるルートをいっそう開く」(婦連が電話相談をするなど)という、これまでもやってきたような一般的な取り組みを「いっそう」おこなうと答えただけでした。Voice of Americaの記者が指摘したような、権利を侵害された女性の行動を支えるための、より具体的な措置が必要なのではないでしょうか?

 「要綱」にセクハラ防止が盛り込まれた点についても、広東省婦女連合会の法律サービスセンターの弁護士の王飆さんは、「この要求の実効性は決して強くない。わが国には現在まだセクシュアルハラスメントについての明確な定義はなく、メンツや仕事のために、大多数の被害者は沈黙を守る。省の婦連も、ここ数年、助けを求められたことはゼロである。わが国の法律は、個人の受け止めではなく、事実の証拠に基づいて処罰するが、セクハラの証拠を得るのはかなり困難であるため、この方面での訴訟は数えるほどしかなく、まして、勝訴できるのはきわめて僅かである」と、「要綱」の効果に懐疑的です(4)

男女の定年差別問題が書き込まれていないのは、今後10年では解決できそうもないということか?

 また、記者会見では、『新京報』の記者が、「『要綱』には、女性の定年の問題[=男性との差別]が書かれていない。(……)要綱に書かれていないということは、これから10年間には、この問題が解決する可能性はけっして大きくないことを示しているのか?」と追及しました。

 それに対して、宋氏は、「定年の問題は各方面に関係があり、多くの部門に関わるので、現在、関係部門が養老保険制度[年金制度]の整備や再就職の情勢の発展と結びつけて、男女の定年の問題についていっそう調査研究し、科学的に論証し、慎重に方策を決めているところである」と答えただけでした。

 事情を知っている人が『南方日報』の記者に漏らしたところでは、「実は『中国女性発展要綱(2011-2020年)』の最初の草稿には女性の定年を調整する問題も書き込まれていたけれども、修正稿では、まだ異論が多すぎるため、『取り下げられた』」ということです(5)。今回の「要綱」を高く評価している中国人民大学社会と人口学医院院長の翟振武さんも、「要綱では(……)男女の同年齢の退職については言及されていない。要綱について専門家に意見を聴取した時にも、この点は繰り返し言われており、女性の定年の調整の問題は今後も注目されるであろう」と述べています(6)

 その他にも、不十分な点が目立ちます。たとえば、「要綱」は、「男女同一労働同一賃金」どまりで、「男女同一価値労働同一賃金」は書き込まれていません。

 根本的に気になるのが、あくまで「女性発展要綱」であって、男性にとってのジェンダー平等の課題が欠けていることです。また、少数民族女性・女性障碍者・外国人女性といったマイノリティ女性の視点も欠けているように思われます。

 昨年12月に閣議決定された、日本の第3次男女共同参画計画は、「中国女性発展要綱」に比べれば詳細であり、遅ればせながら初めて「男性、子どもにとっての男女共同参画」という分野を設ける(きわめて不十分なものですが)などのこともしています。しかし、この第3次男女共同参画計画も、はるか以前からの懸案である選択的夫婦別姓について「ひきつづき検討を進める」にとどまっていますし、被害者が亡くなりつつある「待ったなし」の課題である日本軍「慰安婦」問題についても触れていないことなどを考えると、いま現在の争点について行政側の文書が踏み込んだことを書くことは難しい面があるのだろうと思いますが……(ただし、日本の場合、民主党が政権につく以前の主張を後退させたという問題もある)。

(「女性副省長に関して――『中国女性発展要綱(2011-2020年)』をめぐって(その2)」に続く)

(1)「中国女性発展要綱(1995-2000年)」と「北京行動綱領」との比較については、中国語ですが、『婦女研究論叢』の1997年の増刊号が特集していますので、関心のある方はご覧ください。
(2)2011-2020年中国妇女儿童发展纲要新闻发布会举行」国務院婦女児童工作委員会サイト2011年8月10日。
(3)最近も、「北京で『闇監獄』を摘発 陳情者を違法拘禁」(MSN産経ニュース2011年8月3日)として、問題になりました。
(4)新出炉的《中国妇女发展纲要》首提防止“性骚扰”,业内人士指出:取证困难,性骚扰不好防」『羊城晩報』2011年8月10日。
(5)26省有28名女副省长 男女干部同龄退休呼声高」『南方日報』2011年8月10日。
(6)专家建言落实妇女儿童发展纲要 关注群体差异 共享发展成果」『人民日報』2011年8月15日。
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Author:遠山日出也
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 また、「中国女性・ジェンダー関係主要HPリスト」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。日本の問題の一部は、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」や「館長雇止め・バックラッシュ裁判」でまとめています。
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