2010-08

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葉海燕らによるセックスワーク合法化の街頭宣伝と葉の拘束、第2回セックスワーカーデー中止をめぐって

 葉海燕(流氓燕)さんらが2005年に武漢市に設立した「中国民間女権工作室」(以下、「民間女権工作室」と略す)は、セックスワーカーに対する電話相談やエイズ防止活動(宣伝、コンドーム配布など)をおこなってきました(1)

 昨年、「民間女権工作室」は、8月3日を「セックスワーカーデー」と定め、「第1回セックスワーカーデー」の行事をしました。8月3日をセックスワーカーデーにしたのは、国際女性デーである3月8日と対称になる日付だからです(本ブログの記事「『第1回セックスワーカーデー』、中国民間女権工作室、セックスワーカーの互助団体の萌芽」参照)。

世界基金のプロジェクト中止に対する中国民間女権工作室の対応

 「民間女権工作室」は、「世界基金(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)」(HP日本語による説明)のプロジェクトによる資金援助を受けていました。ところが、先にお伝えしたように、2009年末、突然それが中止されたたため、「民間女権工作室」は窮地に陥りました(本ブログの記事「世界基金のプロジェクト中止で、中国民間女権工作室に打撃――中国のNGOの困難」参照)。

 この事態について、今年4月26日、葉海燕さんは、「中国民間女権工作室の未来に関する思考と決定」(2)という文を発表しました。

 この文で、葉さんは、民間女権工作室は外部の経費のサポートを失ったため、昨年立てていた目標は放棄せざるをえなくなったこと、活動室をより小さな、家賃の安い部屋に移さなければならなくなること、その家賃も借りるか稼ぐかしなければならないことを述べています。葉さん自身も「すでに借金の山」であり、このままいけば、自分は、借金を返さない「恥知らずな人」になってしまうとも述べています。

 しかし、葉さんは「中国民間女権工作室は絶対に倒れない!」と宣言します。今後は、「活動の費用は、私のネットショップ(流氓燕网店)の収入と社会的寄付」によると言います。

 ただし、葉さんは「私は、あまり経費のかからない活動を選択するかもしれない」と述べて、「今後は、アウトリーチ活動(セックスワーカーのいる場所に出かけて働きかけること)は減らすかもしれない」と言い、「主な活動方向は、社会的主張(たとえば、差別反対、スティグマを取り除く、職業を認めるなど)に置くかもしれない」と述べています。

 もっとも、その後もアウトリーチ活動をやめてしまったわけではなく、コンドームを配布したり、健康のためのハンドブックを配布したり、さまざまな調査をしたりしています(3)

警察の売買春取り締まりキャンペーンに対する葉さんらの批判

 中国では、今年は上海国際博覧会(5月~10月)とアジア競技大会(広州、11月)が開催されるため、それに合わせて、警察が全国で7ヵ月間の犯罪取り締まり強化(厳打)をおこなっています(4)。その一環として売買春(とくに売春女性)に対する取り締まりも強化されているのですが、このキャンペーンに関して、葉さんや民間女権工作室は、以下のような批判をしています。

 ○5月29日、葉さんは、公安部と温家宝首相、胡錦濤総書記あてに、次のような訴えを書きました。
 ・他の経済的収入がなく、教育を受けている子どもがいる売春女性に対しては、経済的処罰を免除してください。
 ・仕事がなく、配偶者がおらず、年齢が40歳以上の売春女性に対しては、経済的処罰を免除してください(5)

 ○6月22日付の自らのブログで、葉さんは、次のように述べています。葉さんは、ある18歳未満の売春女性を釈放させるために、警察に6000元を払うように求められました。しかし、治安管理処罰法によると、売春の罰金は最高でも5000元であり、18歳未満の場合は処罰を軽くすることもできるとされています。実際、武漢に来たばかりの彼女にはそんなに多額の罰金を払うことはできません。葉さんは、このように取り締まりが法律さえ無視したものになっていることについて、「中国の法律は空論に過ぎない、中国は赤裸々な『人治社会』である」、「なぜ凶悪な握りこぶしを、弱い一般民衆にぶつけなければならないのか?」、「これ(売買春取り締まりキャンペーン)は社会の進歩を推進する政治的戦略なのか、それとも弱者に対する強権の示威なのか?」と言って強く批判しました(6)

 ○7月5日、民間女権工作室は、北京愛知行研究所と共同で、警察が、コンドームを所持していることを売買春の証拠にしているのをやめるように訴える声明を出しました(7)。そうした警察のやり方の結果、セックスワーカーがコンドームなしで売春をして、自らの身を危険にさらしているからです。

7月26日:売春女性の引き回しを禁止する公安部の通知をめぐって

 売買春取り締まりキャンペーンの中で、広東省東莞市では、売春女性が手枷をはめられ、腰繩を付けられ、裸足で連行されている姿がネットで流されました。また、湖北省武漢市では、派出所が、売買春をした者の姓名・年齢などを掲示する事件が起きました(8)。以前から、警察が売春女性を引き回して、さらし者にする事件が何度も発生していたこともあって、警察のやり方に対する世論の批判が高まりました。

 そのため、中国の公安部は、各地の警察に、売買春の取り締まりの際、引き回して見せしめにするなど、人格の尊厳を損なうやり方を断固制止するよう求める通知を出しました(7月26日~27日の広東省のメディアの報道(9))。広東省の公安庁は、全省にこの通知を転送するとともに、同様の問題が発生したら、現地の公安機関の指導責任を追及すると規定しました。

 葉さんは、7月26日、この通知について、「民間の声に対して対応した」ことについては、「感謝」の意を表明しました。ただし、公安部が売春の取り締まりの効果自体については肯定していることに対しては、「大通りでの売春を、暗い片隅での売春に変えた」だけだと批判しました。葉さんは、警察の取り締まりは、「強制的な売春、未成年者の売春など」に対してのみおこなうべきであり、「生存能力がない女性の生活の道を壊したり、容赦なく罰金を取り立てたり」してはならないと主張しています(10)

 北京愛知行研究所も、公安部の通知自体は「賞賛」しつつも、公安部の売買春取り締まりキャンペーン、とくに捕まえる目標の人数を要求するやり方がさまざまな弊害を生んでいることを批判しました(11)

 また、メディアでも、ある人が、公安部が今回出したのと似たような通知は、すでに再三出されていること(たとえば、1992年の「最高人民法院、最高人民检察院、公安部关于依法文明管理看守所在押人犯的通知」は、既決・未決を問わず、犯罪者などを引き回して見せしめにすることを禁止している)を指摘して、「遺憾なのは、数十年間、たえず繰り返し『禁止』や『断固制止』を強調してきたにもかわらず、このような現象が何度も発生することを本当には禁止できていないことである」、「当面の急務は、また繰り返して『断固制止』の通知を出すことではなく、関係する法律にもとづいて、このような行為を厳罰にし、『関係する指導者の責任を追及する』ことである。その責任は、一般的な規律、行政責任でありうるだけでなく、刑事責任でさえありうる」と指摘しています(12)

7月29日:民間女権工作室、初めて街頭でセックスワーク合法化を訴える

 7月29日、武漢市の繁華街の江漢路歩行街で、民間女権工作室の6~7人が、赤い雨傘(赤い雨傘は、セックスワーカーに対する差別や虐待に対する反対を意味する(13))を出して、セックスワークの合法化を訴えました(以下の2件の記事に、写真・動画あり→「第一天在街头倡议合法化」红尘网2010年7月29日、「中国大陆性工作者机薯G武汉街头倡议合法化(组图)」红尘网2010年8月2日)。この活動は、同工作室にとって初めての、街頭でのセックスワーク合法化の訴えでした。今回のこの訴えは、葉さんが以下の文で述べているように、上述の売買春取締りキャンペーンにおいて売春女性の人権が侵害されていることを目の当たりにしたことがきっかけでした。

 「私には、これが中国のNGO最初の街頭でのセックスワーカー合法化の呼びかけなのかどうかわからないが、私たちの工作室にとっては、非常に厳粛な決定であった。

 以前は、私はけっして合法化を要求するつもりはなく、姉妹の権益が、現在の環境の下で最大限に保護されることだけを望んでいた。

 しかし、今年の狂気じみた厳しい取り締まりは、私を絶望させた。毎日、新聞を開くと、天地を覆い尽くすような全国の売買春取り締まりの行動が目に入り、画面では、姉妹たちがうつむいて、顔を覆い、引き回され、さらしものにされ、残虐に大ぜいの前に引き出されて辱められるのが目に入った。このとき、私は決めた。私はもう躊躇できない。もう弱腰ではいられない。必ずはっきりとした声で、彼らがこのようにするのに反対しなければならないと。

 そのとおり。私が合法化を提唱したのは、売買春に対する厳しい取り締まりの時である。」(14)



 葉さんは、セックスワークの合法化自体は、すでに2006年には唱えているのですが(15)、街頭で合法化を訴えたのは、この時が初めてだったのです。

 当日出したパネルには、以下のように書かれていました(16)

セックスワークは一つの労働である。
私たちはセックスワークの合法化を要求する。売春も買春も無罪である


[訴えの背景]

 1.セックスワークは古い職業であり、数千年の歴史を有する。中国の数千年の歴史において、セックスワークはずっと合法であった。現在も、他の一部の国家では合法である。
 2.法律は性取引をなくすことはできず、セックスワーカーは世界のどの国にも存在する。これは、回避することができない現実である。

[訴えの原因]

 1.非合法な状態は、警察の腐敗を引き起こす
 2.非合法な状態は、性病・エイズの伝染を引き起こす。
 3.非合法な状態は、売春の強制、女性の人身売買、未成年の売春の強制などの重大な社会的事件を引き起こし、民間の女性の権益が法律的保障を得ることができない。

[私たちの要求]

 1.セックスワークを合法的な職業にし、労働法の保護を受けさせる。定期的に国家に納税し、財務監督に組み込んで、腐敗を避ける。
 2.セックスワーカーに良好な健康診断の制度を設け、エイズ・性病を普通の人々に伝染させる可能性を減らす。
 3.経営者は従業員の実名管理をして、未成年者の売春を根絶し、セックスワーカーの人身の自由と安全を保障する。



7月31日:警察の介入

 7月31日も、民間女権工作室のボランティアは、引き続き横断幕を広げ、街頭でセックスワーク合法化の署名を集めました。しかし、この日の活動に対しては、武漢市の公安局が介入して、署名と横断幕を没収しました(17)

 葉さんによると、署名は100人余りから集まったそうで、「男性や教師、視野が比較的広くて、いつもネットを見ている人には、支持者が多いけれども、女性は通常反対である。なぜなら、彼女たちはセックスワーカーを彼女の家庭に対する脅威と見なすからである」と述べています(18)。もっとも、葉さんは、『蘋果日報』の取材に対しては、100人余りの署名の過半数はセックスワーカーからのものだったと述べています(19)。これは、おそらく、街頭では男性の署名が多かったけれど、街頭以外でも署名を集めていて、街頭以外での署名を含めれば、セックスワーカーからのものが過半数だったということではないかと思います。

「第2回セックスワーカーデー」(8月3日)の活動計画

 「中国第2回セックスワーカーデー」の一週間ほど前の予定では、8月3日には、以下のことをおこなう予定でした。

 ・風船を浮かべて、祝日らしい雰囲気を作ったうえで、セックスワーカーに対する暴力反対やセックスワーカーの健康問題を訴えるパネルを設置する。
 ・セックスワーカーデーのポスターを展示する。
 ・署名ボードを設置する。
 ・姉妹(セックスワーカー)が合法化を訴える声を流す。
 ・姉妹を招待する(20)

 また、客には、セックスワーカーにカーネーションを送ることを呼びかけ、セックスワーカーには、8月3日は「祝日」だから仕事を休むことを呼びかけて、民間女権工作室が主催して懇親会をする計画も立てていました(21)

8月1日:警察のセックスワーカーデー中止要請。8月2~4日:葉、警察に拘束される

 葉さんは、8月1日、警察に連れて行かれて「お茶を飲み」ました。その席で、武漢市公安局洪山分局と薯z刀泉派出所は、彼女に「第2回セックスワーカーデー」を中止するように要求しました(22)

 この出来事に対して、翌8月2日、北京愛知行研究所は、警察に抗議する声明を発表し、「私たちは、中国民間女権工作室がセックスワーク合法化を要求する主張をすることを支持する。私たちは、セックスワーカーデーを挙行することは、公民とその組織の、言うまでもない正当な権利であると考える。私たちは、武漢市の警察に、セックスワーカーの健康・権益組織の活動に介入してはならず、その活動家の自由を制限してはならないと要求する」と述べました(23)

 けれど、8月2日の10時46分、葉さんは、ツイッター(liumangyan)で「私は旅行に行く」とつぶやき、4時間後に「憂鬱だ、ネットができない。ツイッターしかできない」とつぶやきました。翌3日には、ツイッターで、「鄂州の梁子島にいる」と述べ、何度も「つらい。家に帰りたい」と言いました(24)

 葉さんは、私服警官に女権工作室から連れ去られていたのでした(25)。BCC中文網の記者の取材に対して、葉さんは、「エイズ防止の研修クラスに参加する」という理由で連れて行かれたと言い、「五、六人が付き添っていた、食事と住まいは良く、周囲の観光もできた」と述べています(26)

 AP通信によると、「中国の反体制派は、しばしば『学習に行く』『休暇を取る』という説明で当局に拘留される。たいてい、彼らは、デリケートな期間に自由に動き回れなくするようにゲストハウスに閉じ込められる」ということです(27)

8月4日:葉、3点の声明を出す

 葉さんは、8月4日に解放されると、すぐに以下のような声明を出しました(28)

1.なぜセックスワーカーデーを提唱しなければならないのか

 (……)この社会でのセックスワーカーの境遇は、苦難に満ちている。法律的制裁は終わっても、道徳的制裁は、一生彼女に付いて回る。私がセックスワーカーデーを提唱する第一の目的は、社会が道徳的制裁をやめ、差別を減らし、セックスワーカーに自分を認める自信を与えることである。(太字は原文、以下同じ)
 多くの発展した国は、みなセックスワーカーに対する差別に反対することを提唱している。12月17日は、世界セックスワーカー暴力・差別反対記念日であり、多くの国(カナダ、アメリカ、イタリア、フランス)の公益組織は、みな差別反対をテーマにしたレッドアンブレラ行動をしてきた。

 第二の理由は、私はこの祝日によって、平等を示すことができるからだ。多くの集団・職業は、みな自分の記念日・祝日を持っている。たとえば、看護師・軍人・盲人・障害者の日があり、黒人や女性の日などもあるのに、なぜ中国のどこにでもある職業に自分の祝日がないのか? 人はみな平等ではないのか? (……)セックスワーカーには、自分の祝日がなければならない。(……)

 第三の理由は、三八女性デーは女性の権利の祝日だが、中国の婦連は、最大の女性の権利団体であるのに、セックスワーカーの生存と境遇に関心を寄せず、セックスワーカーの権益を保護しえていないので、三八女性デーはこれまでセックスワーカーと関係なかった。だから、私たちは別に祝日を作って、三八の別の面の八三によって、自分たちの関心を表明する。この日、より多くの人が売春婦の権利に注目するように私たちは希望する。

2.なぜ今年の八三セックスワークデーは、平常どおりおこなわれなかったのか?

 関係方面が、私を訪ねてきて話をし、私に八三セックスワーカーデーの活動をやめるように言った。私は、「工作室が計画していた活動はやめて、食事をしたり、歌を歌ったりすることに変える」と返事をしたが、のちに、食事をしたり歌を歌ったりすることも許されなくなった。

 そのほか、彼らは、私たちが公然とセックスワークの合法化を提唱する活動をすることにも反対した。

 8月2日、私は関係方面によって武漢市の付近の一都市で学習させられ、その過程では六、七人に付き添われた。関係方面は、最初だけは私に対して、少しきつい言葉を使い、少し高いところから見下ろす態度だったが、後の過程においては、教育が主で、いかなる暴力行為もなかった。

 8月4日の早朝、関係方面は私を武漢の工作室に送り返したが、セックスワーカーデーはもう終わっていた。だから、いかなる活動もできなかった。

3.今後についての私の考え

 私が学習させられた後、社会の各界の友人が私に対して関心といたわりを寄せてくれたことに非常に感謝している。それは、あなたがたが、私の身に、あなたがたが見たい内容を見たからだと私は考える。

 だから、私も、多くの人の期待にそむかないよう、頑張って歩み続けたいと思う。

 私は簡単に「一つの中心」「一つの保持」「一つの堅持」を述べることによって、私の今後についての考えを言う。

 「セックスワーカーの健康・生存の尊重を中心にし、強靭で、独立した、自己の妓女精神を保持し、『本当のことを話し、具体的なことをやる』という原則を堅持し、楽しく生き生きと、歩んでいく」



 同じ8月4日、北京愛知行研究所は、「セックスワーカーの権益に注目し、セックスワークの合法化を呼びかける公開状」を発表し、署名を呼びかけました。同研究所は、この公開状を、全国人民代表大会宛てに出すとともに、全国人民代表大会と全国政治協商会議の代表にも提案として送るそうです(29)

 国外でも、ニュージーランドのNew Zealand Prostitutes Collectiveの何人かが、ウェリントンの中国大使館の前で、葉さんを支持する立場から抗議をおこないました(写真あり→「新西兰性工作者支持中国性工作者」红尘网2010年8月8日)。

フェミニスト・知識人の反応

 今回のセックスワーク合法化の街頭宣伝と警察の介入については、フェミニズムの立場からも、さまざまな人が議論をしました。

李銀河

 8月7日、李銀河さんは、自分のブログで、売春女性の引き回しや葉海燕さんらの運動に触れたのち、「もし私たちが売春現象を徹底的に消滅させたいと思うのなら、絶対に一挙にやることはできず、決心を固めて長い時間をかけ、困難できめ細かな活動をしなければならない」として、以下のようなことを挙げました。
 1.女性の経済的地位を向上させ、貧困な女性の生計の問題を解決する。
 2.これ以上、売春女性を捕まえて労働矯正[違法行為をした者を施設に収容して、強制的労働をさせる行政処罰]にすることはやめて、女性学校を設立して、生計の道をはかるための他の技能を学ばせる。
 3.これ以上、伝統的な売春取り締まりの方法によって、セックスワーカーを地下に追いやって、非合法の暴力組織に搾取させることはやめて、警察力を、彼女たちを搾取している暴力組織の取り締まりに使うべきである。すなわち、セックスワーカーを搾取している人だけを取り締まり、セックスワーカーに対しては、取り締まりというやり方を放棄して、彼女たちが他の生活手段を獲得したり、病気の予防や治療を助けたりするようにするべきである。
 4.売春女性に対する社会の態度を改めて、彼女たちを取り締まるのはでなく、彼女たちが仕事をやめることを助け、彼女たちを辱めるのではなく、彼女たちを救い、彼女たちを敵視するのではなく、思いやるようにする。
 私の売春対策の主張は、わが国が現在売春を刑事犯罪とは扱っていないという基礎の上に、いっそう売春の非犯罪化を実現するものである。」(30)

 葉海燕さんも、李さんの上の主張について、「学者の民間に対する仁愛の心を体現しており、政府が一貫して売買春の現象に対して厳しい取り締まりをし、メディアの報道は、売春現象に対して、ひどく憎み、激しい口調でセックスワーカーを地獄に投げ込む態度であるのとまったく異なっている」と述べています。ただし、葉さんは、売買春そのものをなくすことについては、否定的なようですが……(31)

[フェミニズム研究者らのメーリングリストにおける討論]

 一方、「中国におけるジェンダーと発展ネットワーク(“社会性别与发展在中国”网络)」の女行(Feminism-in-Action)メーリングリストでは、8月1日、王金玲さん(浙江省社会科学院)が、「セックスワーク合法化、売春も買春も無罪」という葉さんのスローガンは、セックスサービスに従事しているのは貧困な女性である現状から見て、階級的盲点やジェンダー的盲点があるのではないか、という趣旨のことを述べたことがきっかけになって、フェミニストの研究者の間で議論がおこなわれました。その一部が掲示板に紹介されているので、以下に大体の内容を示します(32)

李青

 私は、人権を尊重・保護する角度から言えば、セックスワークは合法化すべきだと思う。

王金玲(浙江省社会科学院、教授)

 セックスサービスをする者について言えば、私たちは、「セックスサービスをする者としての人権」だけでなく、「人として有するべき人権」にもっと関心を持つべきである。また、セックスサービスをする者の多くが女性であることを考えれば、「女性の人権」も持つべきである。さもなければ、私たちは、この集団がセックスサービスに入る前に既に失ったか、侵害された権利を無視することになるだろう。なぜなら、大多数のセックスサービスをする者について言えば、セックスサービスに入る前に、資源の配置の不平等、合法的権益の侵害の中で、選択の空間と選択の情報が欠けているがために、彼女あるいは彼は、セックスサービスの領域に入るからである。

 私個人の観点は、弱者グループ(とくに貧困な女性)の生存と発展の環境を改善し、弱者グループ(とくに貧困な女性)の発展の自由や行為の選択肢や情報の認識度を拡大すること、そのようにして弱者(とくに貧困な女性)がセックスサービスの領域に、自由がないまま、情報を知らないままに入ることを減らすことである。それと同時に、セックスサービスの領域に入った者に対しては、できるだけセックスサービスの彼/彼女に対する傷害を減らし、彼/彼女の合法的権利を保護し、彼/彼女が生活を再建するための条件を創造することである。

艾曉明(中山大学中文系教授)

 私は王金玲先生の理論上の意見は正しいと思うし、理論的には私も賛成である。しかし、呂頻と栄維毅先生の意見は、実際的レベルでの対応についてのものである。すなわち、セックスワーカーがこのように声を上げている時に、主流のフェミニズムの学者・作家・専門家が具体的にどのようなことができるのか、ということである。

 私の一つの提案は、葉海燕を招いて、インタビューをできないかということである。もし主流(相対的に言えば、「中国におけるジェンダーと発展ネットワーク」)と周縁の中国女権工作室がもっと具体的に交流をしたら、みんなにより多くの情報を与えることができるし、そのことによって、セックスワーク合法化を支持するか否かについてより多くの基礎を提供できる。

 私個人の態度はと言えば、私はセックスワーク合法化を支持する。合法化によって引き起こされる問題については、さらに対策を探る。ものごとは結局のところ、一歩一歩やらなければならない。ただし、現在の私の観察では、合法化によって、非合法である状況よりは少し良くなるだろう。

 セックスワークの合法化については、理論的な面では、国際的なセックスワーク運動に多くの研究と議論がある。台湾の何春傷o教授らが編纂した叢書の中にも、この問題を専門的に議論したものがある。しかし、当面の急務は、主流のフェミニズム界と周縁の女性組織との間にもっと繋がりを作り、理解と対話を強めることだと私は思う。

栄維毅(中国人民公安大学教授)

 最近読んだ、何春傷o教授が編集した『セックスワーク:セックスワーカーの権利の観点(性工作:妓權觀點)』(巨流図書公司、2001年)によって、世界のセックスワーカー運動について初歩的な理解を得た。艾曉明教授の「当面の急務は、主流のフェミニストと草の根の女性組織との交流と対話だ」という観点に同意する。それは、フェミニストにとって、さらに大きなチャレンジになるかもしれない。うれしいのは、近年、中国に自分で権利を保護することに尽力するセックスワーカーの組織が出現したことであり、主流のフェミニストは、これらの組織を理解・支持できなければならない。

 セックスワーク合法化の問題について言えば、簡単に同意と不同意とを対立させてはならない。なぜなら、同意の理由も不同意の理由も、千差万別であり、たとえ同意しても、ジェンダー的立場は対立しているかもしれないからである。艾曉明教授が言うように、重要なのは、最も直接に利益と関係している集団であり、彼女たちが何を欲しているかということである。女性の人権について言えば、女性が置かれている具体的状況と切り離すことはできない。「女性の声を聴き、女性の主体性と能力を信じる」というフェミニズムの基本的立場は、セックスワーク問題の上でも体現されなければならない。女性の戦略的ジェンダー利益を実現するには、しばしば女性の実用的ジェンダー利益から出発して、実践可能な具体的なことから始めることが必要であり、香港の紫藤のやり方は学ぶに値する。

王金玲

 栄先生の観点に基本的には同意するけれども、「セックスワーク(性工作)」という名称は、「セックスサービス(性服務)」と改称することを希望する。

 私は1996年からセックスサービス女性に関する行動プロジェクトを開始し、10年あまりの間に、600人あまりの女性を調査し、さまざまなケースのざまざまな階層の女性約100人にインタビューした。

 私もかつては性取引の合法化はセックスサービス女性の悩みや困難を解消する良い方法だと思っていたが、このプロジェクトをおこなって、この集団に対する理解を深め、彼女たちの声を聞くにつれて、性取引の合法化はけっして解決の道ではないと思うようになった。実際、私が提出し実行したのは――
 ・実験的社会-心理-医学の新しいモデルのセックスサービス女性に対するエンパワメントであり、基礎的知識・教養の学習、技能訓練、自己保護、心理カウンセリング、家庭環境の再建、婚姻関係の再建、医学治療の新しい方法などの面で、セックスサービス女性の生活の改善・再建のために条件を作る努力をした。
 ・今日の中国の性取引の蔓延の主な責任は、セックスサービスをする女性ではなく、セックスを消費する男子にあるので、「売買春取り締まり」の重点は、セックスサービスをする女性ではなく、セックスを消費する男子に置くべきだという司法的提案をおこなった。
 ・貧困な山地に居住していて、他の土地での就労を希望している女性(とくに若い女性)と、労働者を雇うニーズが比較的多い発達した地区との橋渡しをして、彼女たちが誘拐されてセックスサービスに従事させられることを減らした。

 私がおこなったセックスサービス女性のエンパワメントプロジェクト、反誘拐プロジェクトの資料などから見ると、広西・雲南・四川・貴州の少なくない若い女性が、「仕事がある」という名目で誘拐されてセックスサービスの領域に入っている。もし私たちがもっと橋渡しの活動ができていて、情報伝達の活動ができていたら、これらの若い女性をセックスサービスの仕事に入らないようにできていた。このほか、私たちが、女児の入学率を向上させ、中途退学率を減少させたり(楊国才が国外の資金を募って雲南でやっているように)、女性に適した各種の技術訓練をしたり(高小賢が陝西でやっているように)、貧困救済プロジェクトをより女性向けのものにしたり(赤峰の女性が小額融資を組織しているように)、農村で女性の家庭的地位を改善する新しい風俗習慣を広める活動をしたり(丁冬紅・李慧英・梁軍などが河南などの地の農村でやっているように)、DVに反対したり(DV反対ネットワークがやっているように)、トータルな健康観の視点から女性の健康を促進する(雲南生育健康協会がやっているように)など、さまざまな面から、もっと多く、もっと有効に、もっと実際の活動をすることによっても、女性にもっと大きな、もっと良い生存と発展の空間を切り開くことができる。

 すでにセックスサービスの領域に入った女性に対しては、私の自分のプロジェクトの経験から言えば――
 ・関連する研修によって彼女/彼らの自己保護能力を向上させることに注意しなければならない(法律の武器を運用することによって自己を保護することを含めて)。
 ・合法的な権利が侵害されていないか否かに注意しなければならない(セックスサービスの期間も、セックスサービスをしていない期間も)。強制される、強姦される、さらしものにされる、ハラスメントされる、傷害を受けるなど。
 ・生活を改善・再建する能力を向上させることに注意しなければならない。
 ・醜く描いたり汚名化してはならないだけでなく、美化やロマン化もしてはならない。

 私は去年、「商業的性取引:両岸三地[大陸・台湾・香港]法律と公共政策専門家円卓会議」を開催した。この会議の紀要は、いま整理しているところである。この会議の前に開催した国内の「商業的性取引:法律と公共政策専門家円卓会議」の紀要はすでにネットに掲載している(关于商业性性交易的讨论)。

譚宏鋼(シドニー大学博士課程在学生)

 ポイントは、女権工作室と葉海燕が攻撃・抑圧され、黙らされていたとき、他の女性組織が態度を表明して(私は「彼女たちの主張を支持しろ」とは言っていないことに注意してほしい)、彼女たちの合法的な訴えに対する妨害に反対したか否かである。全体として、女性NGOはどれも穏健で、専門家はみな理論化に傾きがちである。愛知行は境遇が困難であり、発言しても政府は聞き入れないけれど、立場を明確にして声を上げた。女性NGOはみな穏健であり、だから境遇は比較的良い。しかし、声を上げないので、政府は何も聞かない。最終的な結果は同じであり、効果がない。女性運動を深化させるには、おそらく、中国の女性NGOと専門家が行動力を増すことが必要であろう。

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 以上、今回の問題をきっかけに、研究者の間から、セックスワーカー自身の声を聞くべきだとか、セックスワーカー組織との交流を強めるべきだとか、葉海燕に対する弾圧に反対の声を上げるべきだとかいう意見が幾人もの人から出ています。陳亜亜さんは、2008年、「国内の主流フェミニストの視野の中では、周縁の女性集団は一貫して軽視されてきた。ここで言う周縁女性とは、主にセックスワーカーと女性同性愛者、トランスジェンダーである」(33)と言いましたが、今回の事件は、そうした状況に少し変化をもたらしたようです。

 王金玲さんと他の人々の間で意見の違いがあるようですが、王さんらによる実践と研究は、浙江省社会科学院「社会─心理─医学新モデル売春女性援助プロジェクトグループ」(1997年~2000年)によるもので、王金玲・高雪玉「女性商業性サービス者のエンパワメント:工作と経験(赋权于女商业性性服务者:工作与经验)」(34)としてまとめられています。王さんらの実践と研究は、浙江省女子労働矯正学校という、労働と教育による更生施設を舞台にしておこなわれたものですが、伝統的なやり方からは脱却することを目指したもののようです。王さんらの研究・実践と他の人々の主張との接点や対立点など(とくに矛盾しない点も多いと思うのですが)も、今後見ていきたいと思います。ただ、王さんの論文をざっと読んだ限りでは、王さんの議論は、直接にはセックスワーク合法化に反対する理由にはならないように見えるのですが……(もちろん、処罰の対象が、業者なのか、売春側か、買春側かという点によっても違うと思いますが)。

(1)2005~6年の葉さんの活動については、本ブログの記事「本年[2006年]の動向10―売買春に関する議論と行動」を見てください。また、中国民間女権工作室は、2009年9月、北京愛知行研究所と共同して「中国セックスワーク・セックスワーカー健康・法律人権報告(2008-2009)」を発表しましたが、この報告については、本ブログの記事「民間3団体がセックスワーカーの人権問題に関する報告を発表」に述べてあります。
(2)叶海燕「关于中国民间女权工作室未来的思考与决定」荼蘼花尽2010年4月26日。
(3)2010年6月10日外展调查小结」红尘网2010年6月10日、「2010年6月11日外展记录―暑]里去找生存的尊严?(1)」荼蘼花尽2010年6月12日、「2010年6月18日外展记录」荼蘼花尽2010年6月19日、「2010年6月24日外展记录」荼蘼花尽2010年6月25日、「2010年07月09日外展记录」红尘网2010年7月14日。
(4)公安部召开会议部署严打 全国将开展为期7个月严打行动」人民网2010年6月13日。
(5)给公安部,温总,胡总」荼蘼花尽2010年5月29日。
(6)"严打”的七月,是不是中国警察疯狂书写耻辱的七月??? 」荼傷イ花尽2010年6月22日。葉さんによると、拘留期間も15日までと決められているのに、「半年」の判決が下されたこともあったそうです(「公安警告『中國妓女節』發起人:別署ヒ事」NOWnews2010年8月2日)。
(7)北京爱知行研究所 武汉民间女权工作室「就扫黄、严打中禁止以安全套为证据的联合声明 」荼蘼花尽2010年7月7日。北京爱知行研究所は、「就严打、扫黄打非行动中保护性工作者人权问题致公安部的建议信(2010年7月2日)」(北京爱知行研究所サイト2010年7月5日)も出しています。
(8)「东莞武汉曝光“卖淫女”」『女声』44期(word)。
(9)公安部:游街示処ル反应基层公安轻视人权」人民網2010年7月26日[来源は大河網]、「公安部:坚决制止将卖淫嫖娼者游街示処ル」『南方日報』2010年7月27日、「売春女性の『市中引き回し』、今後はNG=公安部が禁止令―中国」レコードチャイナ2010年7月26日。
(10)叶海燕「公安部下发通知制止将违法人员游街示処ル」荼蘼花尽2010年7月26日。
(11)爱知行赞赏公安部关于尊重卖淫嫖娼者人格尊严的意见」2010年7月29日。北京愛知行研究所は、この意見の中で、「運動というやり方で売買春を取り締まり、末端の公安機関に任務の目標を与えることは、いきおい、公安機関の法執行において一連の違法な行動を引き起こす」として、以下のような例を挙げています。
 1.警察が街頭で意のままに女の子を売春婦と見なして捕まえ、のちに収容所での身体検査のときに女の子がまだ処女であることを発見する。
 2.警察が買春客を装っておとり捜査をする、あるいは売春者を利用しておとり捜査に協力させて、売買春という違法な活動を参与または誘導する。
 3.警察が意のままに各種の娯楽施設に突撃して、勝手に人々に売買春という罪名をかぶせて、人々のレジャー生活を損なう。
 4.現場での証拠収集が困難であるために、警察はしばしばコンドームを売買春の証拠にし、メディアがさらにそれを助長することが、娯楽施設でコンドームの使用を普及させる公衆衛生活動を妨げ、エイズ予防活動を妨害する。このことは、わが国の政府のエイズ防止教育に関する基本原則にも違反している。
 5.証拠収集が困難であるため、警察は、売・買春者を拷問して自白を強要して、任務を完成させるのに必要な証拠を不法に得る。
 6.警察が売買春を取り締まる機会を利用して、人々の金を強奪して、私腹を肥やす。
 7.売買春者の姓名を公開する。
 8.売買春者の肖像を公開する。
 9.売買春した者を引き回しにする。
 10.警察が売春した者に対してセクハラ・性的侵害をする。
 また、「運動というやり方で売買春を取り締まることは、多くの良くない社会的悪影響がある」として、以下の点を挙げています。
 1.コンドームを売買春の証拠にすることは、エイズウイルス感染防止のためにコンドームを普及する公衆衛生活動を侵害する。
 2.売買春する者が隠蔽された(あるいは「地下」の)状態に置かれるために、政府と民間の衛生活動をする者が、彼ら/彼女らを見つけて公衆衛生サービスを提供することが難しくなる。
 3.売春する者が大量に都市を離れて、小さな町に行ったり故郷に帰ったりするので、性病がいっそう撒き散らされる危険が存在する。
 4.運動として売買春する者を取り締まる行動は、公衆に、性病の予防は「悪人」を取り締まればよく、各人の自己防衛は必要ないかのような錯覚を与える。
 5.取り締まりの行動によって、売春する者は、犯罪者集団のグループの保護にさらに頼るようになる。
 6.取り締まりの行動によって、犯罪者集団は機を見て警察と結託して、警察の保護を求めるようになる。
 7.取り締まりの行動によって、売買春をする者はさらに隠れて、慎重になり、治安を脅かす隠れた要因が増大する。
(12)张贵峰「公安部"查处卖淫嫖娼禁游街示処ル"如何落实」新華網2010年7月27日[来源は、広州日報]。
(13)赤い雨傘は、2001年にベニスでセックスワーカーがデモをした際に使われたことから、セックスワーカーに対する差別や虐待に対する反対を意味する象徴になったそうです(「红雨伞:性工作者权利的象征」荼蘼花尽2009年5月20日、Red Umbrella Campaigns)。
(14)第一天在街头倡议合法化」红尘网2010年7月29日。
(15)流氓燕「我再一次旗幟鮮明地支持性産業合法化」(2006年6月4日)。
(16)性工作也是一种工作,我们要求性工作合法化!」红尘网2010年7月24日。
(17)武漢性維權人士被強制旅遊」中央社NEWS2010年8月4日。
(18)性工作者維權人士葉海燕談娼嫖無罪」BBC中文网2010年8月4日。
(19)公安警告『中國妓女節』發起人:別署ヒ事」NOWnews2010年8月2日。
(20)8月3日的活动布置」荼蘼花尽2010年7月24日。
(21)好消息,第二届性工作者日联欢活动开始报名了!!!! 」荼蘼花尽2010年7月16日。
(22)武漢性維權人士被強制旅遊」中央社NEWS2010年8月4日。
(23)北京爱知行研究所谴责武汉警方骚扰性工作者健康维权组」爱知行动BLOB2010年8月2日。
(24)性工作者叶海燕或因倡议性工作合法化被捕」国之声中文网2010年8月3日。
(25)《时事报道》:湖北为性工作者维权人士叶海燕被警方带走(2010年8月3号)」澳洲广播电台2010年8月3日。
(26)性工作者維權人士葉海燕談娼嫖無罪」BBC中文网2010年8月4日。
(27)Police detain China activist for sex worker rights”AP News2010年8月2日。葉さんの拘束については、英語圏では、他にイギリスの『ガーディアン』が報道しました(Tania Branigan“Chinese sex workers protest against crackdown”THe Guardian2010年8月6日)。日本では、共同通信が配信しました(「売春婦の権利擁護訴え、中国女性活動家拘束」MSN産経ニュース2010年8月2日)。
(28)叶海燕的三点声明――关于性工作者节」红尘网2010年8月4日。
(29)关注性工作者权益、呼吁性工作合法化的公开信(联名签署)(2010年8月4日)」北京爱知行研究所サイト。
(30)怎样解决卖淫问题」李銀河的BLOG2010年8月7日。
(31)期待一个从良的中国」红尘网2010年8月9日。
(32)「性工作合法化之讨论」『女声』45期(word)、「从性工作“合法化”之争看民间行动」『女声』46期(word)、「叶海燕,今天失去自由却是为了明天更多的自由(不斷補充精彩論述ing)」NGOCN社区(公益圈-社會性別)2010-08-04。
(33)陈亚亚「網絡的力量:女性主義者跨界合作的新途径」麓山楓HP2008年9月8日。
(34)高小賢・江波・王国紅主編『社会性別与発展在中国』(陝西人民出版社 2002年)378-395頁にも掲載されています。王さんらの研究・実践は、「新视角新对策防止性交易蔓延」として『中国婦女報』2000年4月1日付けにも掲載されています。
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野村鮎子・成田靜香編『台湾女性研究の挑戦』の書評を書きました

今年4月、以下の本が出版されました。このブログでもたびたびお知らせしてきた、関西中国女性史研究会の「台湾女性研究論壇」を基盤にして作成された本です。

野村鮎子・成田靜香編『台湾女性研究の挑戦』(人文書院 2010年)(3780円 amazonのページ

Ⅰ 変革の道程
陳 昭如(林香奈訳)「『不孝』の権利――台湾女性の相続をめぐるジレンマ」
〈解題〉林香奈「脱性別化した法は性差別に対抗しうるか――娘の相続にひそむジェンダー不平等への問いかけ」
張 晋芬(大平幸代訳)「台湾の女性労働力および職場におけるジェンダー不平等」
〈解題〉大平幸代「働きやすい社会へ――張晋芬氏に聞く、働く台湾女性の現状と課題」
顧燕翎(羽田朝子訳)「フェミニズムの体制内改革――台北市女性権益保障弁法制定の過程と検討」
〈解題〉洪郁如「台湾のフェモクラットとジェンダー主流化」
范 情(竹内理樺訳)「台湾女性運動の歴史をふりかえって」
〈解題〉竹内理樺「政治の民主化とともに――台湾女性運動の歩み」

Ⅱ 社会進出の道程
游鑑明(坪田=中西美貴訳)「日本植民体制と台湾女性医療従事者」
〈解題〉坪田=中西美貴「台湾女性の近代経験とライフ・コースの変容」
李玉珍(成田靜香訳)「出家による社会進出――戦後台湾における女性僧侶の生き方」
〈解題〉成田靜香「戦後の台湾仏教における先駆的女性」
頼 淑娟(野村鮎子訳)「部落と都会の間――台湾原住民女性の世代間における経済活動の変転」
〈解題〉野村鮎子「可視と不可視の間――原住民族女性の今日的課題」

Ⅲ 女たちの声を聴く
呉燕秋(中山文訳)「戦後台湾女性の堕胎心性史」
〈解題〉中山文「台湾・中国・日本における堕胎の心性比較」
邱貴芬(田村容子訳)「女性史研究の方法――ある台湾ドキュメンタリー・フィルムを例として」
〈解題〉田村容子「『サバルタン』が語る/騙るとき――台湾女性史研究における台湾女性ドキュメンタリー・フィルムの可能性」

上記の本について、私は、『週刊読書人』8月6日号(2850号)に、「水準の高い研究書 日台の女性の研究交流の大きな成果」として書評を書きました。

ごく短い書評ですが、「さまざまな人に関心を持っていただきたい、読んでいただきたい」という気持ちで書きました。「解題」については個別の内容に触れることができなかったのが残念ですが、よろしければお読みください。
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