2010-05

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各地のセクシュアル・マイノリティのサイト(1)──初期の同性愛者の運動、ゲイ・MSM

 中国のセクシュアル・マイノリティのサイトの代表的なものは、「愛白網」や「北京LGBTセンター」のサイト、ゲイサイトでは「淡藍網」、レズビアンサイトでは「北京拉拉サロン」「同語」だと思います。その他、文化芸術団体や雑誌(『Les+』、『』)のサイト、「同性恋親友会(「親友」とは、親類・友人の意)」のサイトもあります。エイズを出発点にしつつ、セクマイの権利の問題にも積極的に取り組んでいる「北京愛知行研究所」のサイトもあります。いずれのサイトも、多かれ少なかれ運動体としての性格も持っており、これまでにも折に触れてご紹介してきました。

 今回、そうした代表的なサイト以外の、地方の主なサイトの一覧表を作成しましたので(「地方のゲイ・レズビアンサイトなど」)、何回かに分けて、それらのサイトおよび関係する運動について述べます。

 まず、今回は、ゲイ(男性同性愛者)・MSM(Men Who Have Sex With Men)関係のサイトを見てみます。

同性愛サイト出現までの初期の運動

 といっても、ウェブサイトは、組織や運動ともかかわりが深いので、最初に、少し話が長くなりますが、サイトが出現する以前の、同性愛者(特にこの頃はゲイ中心です)の組織が形成されるまでの初期の話を述べます。

エイズ援助ホットラインと「男人的世界」サロン

 1992年4月27日、中国最初のエイズ援助ホットライン「北京──4266958」が開通しました。衛生部の中国健康教育研究所(所長は衛生部の元副局長の陳秉中さん)が創設したもので、ホットラインの主宰者は万延海さんでした。相談員の多くはボランティアでした。

 ホットラインに電話をかけてくる人のうち、同性愛者とバイセクシュアルが50%以上を占めており、エイズ相談だけでなく、同性愛に関わるさまざまな問題(同性愛の原因、同性愛とエイズとは必然的な関係があるか、同性愛者の法律的地位、婚姻・家族など)が話題になりました。外部の人は、このホットラインを「同性愛電話」と呼ぶまでになりました(ただし、エイズのための電話だったせいか、電話をかけてきた人の中には、女性の同性愛者は一人もいませんでしたが)。

 こうした中で、万延海さんらは、エイズ防止活動をするためにも、同性愛者に対する活動を重視する必要を感じて、北京の同性愛者との間にさまざまな形でつながりを作っていきました。そのうち、ホットラインの相談員にも、同性愛者たちがボランティアとして参加するようになりました。

 こうした基礎の上に、1992年11月22日から、中国健康教育研究所は、「男の世界[男人的世界]」サロン活動を開始しました。このサロンの目的は、同性愛の男性の文化交流やエイズ予防のために固定した場所を提供することでした。当日は、50人余りが参加し、そのうち35人が同性愛者で、残りは、専門家やホットラインのボランティアでした。

 サロンでは、まず、邱仁宗さん(中国社会科学院教授)が、「人類の歴史においては、社会の中の多数者・権力者が、少数者・弱者に対して圧制的な態度を取ることによって、多くの問題を引き起こしてきた。女性問題、黒人問題がそうであり、同性愛問題もそうである。現在、同性愛者の自我意識が強まり、関係する社会・公共衛生の問題(エイズなど)も出現したことに伴って、中国の同性愛問題は解決せずには済ますことができない段階に到達した!」「私たちには、同性愛を区別して、不道徳または無法と見なす理由はまったくない」「同性愛行為自身は、個人の私事に属することであり、公民の私人に干渉しすぎると(……)公民の活動が地下にもぐり、公共の機構とのつながりを失い、多くの公共の問題が解決できなくなる」と話しました。

 集会では、中国社会科学院の李銀河さんと彼女の夫の王小波さんも、お2人が出版したばかりの著作『他們的世界──中国男同性恋群落透視』を紹介しました。

 その後、いくつかのテーブルに分かれて閑談しました。同性愛者の人々は、初めはあまり話したがらず、専門家の話を聞くだけでしたが、後には、なごやかな雰囲気の中、自分の見方や心中の悩みを話しました。当日の活動は、予定した時間を大幅に超過し、3時間余り続きました。会の最後には、主催者も参加者も、今後は定期的にこのような集会をしたいと言いました。

 5回目のサロンが開催された1993年の2月14日(バレンタインデー)には、ミュージックホールで歌やダンスをする活動をおこないました。この日の活動は北京の同性愛者の間に広く伝わり、同性愛者が集まる公園では、「同性愛無罪!」というスローガンを叫ぶ人も現れました。欧米のメディアも、中国政府が同性愛に対して寛容になる兆候だと考えて注目しました。このサロンの他にも、北京に「中国男児[男孩子]文化センター」という同性愛者の団体もできました。

 1993年3月、北京でおこなわれた「性感染症の蔓延とその対策:社会・倫理・法律問題専門家シンポジウム」では、陳秉中・万延海・鄭伯承・徐小光各氏による「種子を肥沃な土壌にまく──同性愛文化とエイズ教育」という論文が読み上げられました。その論文は、「同性愛者の人としての権利と尊厳を尊重してこそ、エイズ教育は同性愛者たちに受け入れられる」として、同性愛と同性愛者への差別をなくすことを訴えたものでした(1)

 陳秉中さんは『中国健康教育』誌(第8期)に、同様の趣旨の「同性愛・エイズ・健康教育」という論文(2)を書きました。これは、中国で最初に同性愛者の人権保障の問題を提起した論文でした。

 しかし、1993年5月10日、衛生部の党グループ(政府機関や大衆団体の中に設けられた党組織)は、「男の世界」文化サロンを取り締まる命令を出しました(3)。8月20日には、陳秉中さんは、衛生部から、研究所の所長を辞めるように決定した文書を受け取りました。陳さんの論文を掲載した『中国健康教育』も、回収を命じられました。万延海さんも、衛生部の命令により、仕事を続けることができなくなりました(4)

1990年代半ばの静かな動き

 1994年に中華精神学会が決定した「中国精神疾病分類・診断方案」は、依然として、同性愛を「性変態」として治療の対象にするものでした(これが不十分ながら改正されたのは、2001年)。また、1996年には、中国の党と政府は、同性愛をテーマにした書籍や通俗的文章の出版を制限する命令を出しています(5)

 1990年代中頃、同性愛の活動家が組織的活動を始めましたが、公然と「同性愛」という名前の組織で活動することは、警察の干渉を受けました。同性愛の活動家はしょっちゅう警察の訪問を受け、準備した活動をしばしば中止せざるをえませんでした。1995年、公園でエイズ問題を討論する計画があり、10人あまりに通知が行きましたが、計画した人は、その前日に警察から通知を受け取って、中止を強制されました。呉春生さん(男)という活動家は、ストーンウォールの反乱を記念する活動を何度も計画しましたが、警察の取り調べを受けて、中止させられました。

 そこで、1996年、呉さんは、反乱の記念日に、ある横町の静かなバーに、「誕生日パーティー」をすると言って60人余り(うち8人は女性)を集めました。バーには私服警官がいたので、「ハッピーバースデートゥーユー」を歌ってケーキを切ったのち、「誰の誕生日なのか?」と尋ねた人に対しては、知っている人が小声で「今日はアメリカの同性愛運動の誕生日だ」「私たちみんなの誕生日だ」と教えて、ストーンウォールの反乱を祝いました(6)

 また、万延海さんは1994年に民間で「愛知行動プロジェクト」を開始して、『愛知簡報』を創刊したり、公園などで同性愛者のサロンを開催したりしました(7)

 また、1990年頃からエイズ防止活動をするMSMのグループも出現しており、行政からの援助がまったくない中で活動し、「愛知行動プロジェクト」とも協力していました(8)

 これらは、ひっそりとした静かな動きだったようです。

1997年頃からの前進と同性愛サイトの出現

 1997年頃から活動が前進し、状況も変化し始めたように思います。以下のような変化が起きました。

○1997年

 ・3月29日 中国と外国の男女の同性愛者が、「北京同性愛諮詢ホットライン」という、ポケットベルによる、初の「同性愛」の名を冠した電話相談を開始しました(のち、2002年に、北京紀安徳[ジェンダー]相談センターになる)。当時も、公然と組織的な活動をしたり、書籍を出版したりすることは困難でしたが、「ポケットベルは比較的秘密にでき、容易にはストップされない。宣伝と組織をする働きがある」という理由から、ポケットベルによるホットラインを開始したということです(9)。(現在では、さまざまな団体が、中国各地で、あわせて20本程度の「同志(セクマイ)」向けの電話相談をしています[全国各地同志热线]。ただ、セクマイのうち、どの範囲の人々の相談に対応できるかはわかりませんが)

 ・8月~翌年2月 『精神衛生通訊』誌で、同性愛は治療の対象か否かについて議論がなされました。

 ・10月 新刑法が施行され、同性愛を取り締まる根拠とされてきた「流氓罪」が廃止されました。

○1998年

 ・北京の「檸檬樹珈琲屋」で、男女の同性愛者が、毎週土曜日、同性愛文化の討論をしました(10)

 ・8月 北京の香山大覚寺に、全国から40人ほどの男女の同性愛者が集まり、秘密裏に2日間の交流活動をおこなって、同性愛者のセルフ・アイデンティティ、同性愛文化と生活様式、エイズ防止などについて討論をしました(11)

 ・青島大学医学院の張北川教授が、エイズ防止のために同性愛者をターゲットにした『朋友』プロジェクトを開始し、『朋友通信』を創刊しました(12)

 そして、1997~1998年頃から、インターネットの普及に伴い、同性愛サイトが大量に設立され始めました(13)。1998年8月には、中国大陸の同性愛サイトの主宰者交流会も北京でおこなわれています(14)

現在のゲイ・MSM関係のサイトの種類

 さて、現在のゲイやMSM関係のサイトは、大きく分けると、次の3種類になるように思います(「地方のゲイ・レズビアンサイトなど」)。

 第一に、総合サイトないしポータルサイトであり、「(〇〇[地名])同志(網)」という名称のものが多いです。「同志」という言葉は、現在では、広くセクシュアル・マイノリティを指す場合が多いのですが、サイト自体の内容はゲイ中心であり、「ゲイ(サイト)」と訳した方が適切かもしれません(「ゲイ」という言葉も、とくに以前はレズビアンを含めて指すものでしたし)。ゲイの場合、こうしたサイトが各省にあります。

 第二に、「工作組」という名称が付いたサイトで、それらの多くは、MSMに対してエイズ防止活動をする団体のサイトです(活動センターがある団体は、「中心」という名称を付けている場合もあります)。こうしたサイトも、大半の省にあります。

 第三に、「談心小組」(「腹を割って語り合うグループ」といった意味)のサイトです。アメリカの「中国エイズ基金会」と「ロサンゼルスエイズプロジェクト」が援助しています。これらも、「談心小組」という名称のサイトや私がそのように注記しているサイトは、少なくとも現在のところ、ゲイのグループです。

レズビアンサイトよりはるかに多いゲイサイト

 ゲイサイトと違って、レズビアンサイトは、少数の地区(北京、天津、上海、広州、広西、成都、西安)にしかありません(ごく小さなサイトまで含めれば別かもしれませんが)。

 ゲイサイトの方が多い理由は、第一に、経済力や時間的余裕、性的規範の男女差といったことでしょう。ゲイサイト(とくに総合サイト)には、レズビアンサイトに比べて広告がはるかに多く、会所、マッサージ、保健・入浴施設などの派手な広告によって覆いつくされているサイトも少なくありません。このことは、男女の同性愛者の置かれた状況の差を示していると考えられます。

 第二に、中国では市民の政治的社会的活動が制約されているわけですが、その中でおこなわれている政府の同性愛者政策がエイズ対策中心であるという要因もあると思います。もちろん特にMSMの人々がエイズの脅威にさらされている以上、彼らに対してより手厚い政策がおこなわれることは当然です。しかし、彼らにとっても、エイズ対策の文脈でしか政策が遂行されないということは大きな問題ですし、ゲイ=エイズという偏見を強化している面もあります。ただ、エイズ対策を推進するためには、同性愛者差別をも問題せざるをえない面もあるので、その面では、ゲイの方が恩恵を受けている面もないではないと思いますが。

 なお、ゲイやMSMの団体も農村部での活動はきわめて少ないです。

 以下、「総合サイト」「エイズ防止のための工作組」「談心小組」に分けて見てみます。

1.総合サイト

 設立年が表示されているサイトを見てみると、広州同志網が早くも1998年8月に設立されており(このサイトの「資訊」欄には、古いニュースも収録されています)、他のサイトも、2000年~2002年に設立されています。

 だいたい、以下のようなコーナーがあるサイトが多いです。
 ・ニュース(事件、同性愛者の境遇・権利など)
 ・文芸
 ・生活・娯楽
 ・健康
 ・エイズ・性病防止
 ・掲示板
 ・チャットルーム(聊天室)
 ・交友(相手を探す)
 (チャットルームや交友のページに入るには、たいていの場合、登録が必要です。)
 ・大きなサイトの中には、レズビアンのコーナーがあるサイトもあります。

 総合サイトの中には、電話相談やエイズ防止のためのアウトリーチの活動をしているもの(またはそうした活動をしていたグループが、総合サイトを設置したもの)もあります(15)。エイズ・性病防止に関しては、当地の疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention[CDC])と提携しているサイトもあります。そうしたサイトは、次で紹介する「工作組」と完全には区別できません。

2 エイズ防止のための工作組

 設立時期は、1997年に青島陽光同志工作組の人々が活動を始めるなど(彼らは『朋友』プロジェクトの設置にも大きな役割を果たしました)、比較的早いものもありますが、目立つのは[20]00年代半ば以降に設立されたものです(16)

 近年、こうした工作組が急増したの背景の一つには、2003年頃から、中国疾病予防対策センター(CDC)が、MSMに対するエイズ防止宣伝・教育のために、そうした活動をするMSMのボランティアたちの活動にも一定の支持を与えるようになったこと、さまざまな国際基金が資金援助をするようになったことがあります。CDCが現地のMSMのボランティア組織と協力する場合もありますし、CDC自身がボランティアグループを設立する場合もあります。また、智行基金会(香港の慈善組織)のものもあります。

 MSMに向けたエイズ防止活動が中心

 サイトの内容は、以下のようなエイズ・性病防止活動の報告が軸になっています。
 ・無料相談・検査
 ・エイズ防止宣伝、アウトリーチ[外展]
 ・コンドームなど配布
 ・ピア・エデュケーション

 私は、ブログを頻繁に更新している「湖南長沙中大陽光工作組」のブログを見てみました。

 「湖南長沙中大陽光工作組」は、2004年4月、MSM集団に対する関与のために設立されました。2006年7月には、同工作組は、湖南省や長沙市の疾病対策予防センター(CDC)のMSM関与プロジェクトと協力するようになりました。説明によると、同工作組は「長沙市と湖南省各地のMSMなど弱者層を服務の対象にし」、「ピア・エデュケーション、コンドーム配布、心理相談、病気の相談など多様な形式の教育・宣伝活動をおこなっている。目的は、MSM集団の安全意識を高めて、性病・エイズの感染率を低めること」だそうです(17)

 ただし、少なくとも工作組の年度ごとの活動計画や総括の中には、同性愛者に対する差別をなくすような活動はほとんど見当たりません(18)

 さまざまなパーティーも開催していますが、それらの場では、強制ではありませんがエイズ防止相談や検査もおこなわれています(19)

 同工作組は、今年4月、第10回「湖南多元性別文化祭[湖南多元性別文化節]」(第9回までは、「湖南同志文化祭」)を開催しました。「多元性別文化祭」という名前だけ聞くと、多様な性別の人々による創造的なイベントのようですけれども、おこなわれたのは、以下のような内容でした(20)

4月10日(土)
 14:00 湖南多元性別コミュニティ大学エイズ防止連盟交流会
4月17日(土)
 13:00 大型KTV交友活動
 14:00 無料性病・エイズ検査・相談活動
 18:00 湖南多元性別文化祭晩餐会

 上のプログラムを見るかぎり、パーティーに、性病・エイズ防止活動を加えたイベントのようで、開催場所も、KTVのボックス席です。主催単位も、「長沙中大陽光工作組」に加えて、「湖南農大赤十字会」「湖南建築高級技術学校レッドリボン協会」も入っています。「多元性別」という名前は付いているのですが、参加者は、当日の写真を見ると、男性(ゲイ?)中心のようです(21)。前回(第9回)の文化祭の総括も、「コンドームを3800個、潤滑剤を1900包、宣伝資料500あまりを配布した」(22)といったもので、ゲイやMSMの性病・エイズ防止以外への活動の広がりは乏しいと言えます。もっとも、今回、イベントの名称を「同志」から「多元性別」に変えたことには、何らかの意味はあると考えられますが、ブログには、名称を変えた理由は書かれていません。

 エイズ防止にとどまらない意味も

 以上で述べたように、長沙中大陽光工作組の活動は性病・エイズ防止中心ですが、それ以外への広がりがまったくないわけではありません。

 ・さまざまな集まりで交流すること自体が、ゲイの人々にとって生きやすさにつながっている面はあると思います。

 ・工作組のブログは、エイズ・性病の問題にとどまらない、国内外の同性愛情報(同性愛者の権利の問題を含む)も多数掲載しています。

 ・レズビアン関係の活動が皆無というわけではなく、2008年12月には、レズビアンの人々の懇親会もおこなっています(23)。他の工作組には、河北虹心工作組のように「拉拉[レズビアン]部会」があるものもあります。

 ・長沙中大陽光工作組は、先日このブログで紹介した、中国政府に性的指向と性自認に関する共同声明に署名するよう訴えるアピールや映画・テレビでの同性愛描写禁止規定の削除を訴えるアピールにも賛同しています(「性的指向・性自認に基づく人権侵害を非難する国連総会での共同声明をめぐる中国国内の動き」「民間諸団体、映画やテレビでの同性愛描写禁止規定の削除を訴え」)。この2つのアピールについては、他にも、少なくない工作組が賛同しています。ただし、自らのブログにアピールを掲載している工作組はほとんどないので、その点は腰が引けているのかもしれません。

 ・工作組そのもの活動ではないのですが、長沙中大陽光工作組のブログからリンクされている工作組のボランティアの趙明輝さんのブログでは、災害時の寄付の使途透明化、グーグルと中国の衝突、陳情者に対する処罰、玉嬌事件などの社会問題が、現状に批判的な見地から取り上げられており(24)、ボランティアを担っている人々の意識にも興味をひかれます。

3.「談心小組」

 また、2007年から、アメリカの「中国エイズ基金会」と「ロサンゼルスエイズプロジェクト」が共同で、中国のMSMの人々の間に「談心小組」(「腹を割って語り合うグループ」といった意味)を作るプロジェクトを開始しました。2009年までに、22のMSMの「工作組」が開設するために研修を受けたとのことで、各地で「談心小組」が設立されています(25)

 上の「湖南長沙中大陽光工作組」のブログでも、「長沙陽光談心小組」への加入が呼びかけられています。

 長沙中大陽光談心小組は、週一回、毎回120分、8-12人のメンバーでおこなっています。語り合うテーマは、同性愛の認知、性と愛、結婚、社会的圧力についてなどで、その目標は、「参加者の自信を強め、健康的な心理状態を築くこと」と「参加者が社会的セーフティネットを築く助けになる」ことです。

 語り合うテーマは、どこの工作組も以下のような内容に決まっているようです。6回を1サイクルにして、メンバーが交替する場合が多いようです(26)
 1.同性愛/身分のアイデンティティ
 2.性と愛
 3.カミングアウト/社会的圧力
 4.同志の婚姻
 5.自由テーマ
 6.自由テーマ

 他の「談心小組」も、6─12人のメンバーで、毎回90-120分おこなっています(27)

疾病対策予防センター(CDC)と各地の工作組のボランティア、ゲイコミュニティとの矛盾

 以上のようにさまざまな活動をしているとはいえ、全体として、中国各地の工作組――ゲイの組織の中でかなりの比率を占めると思います――は、CDCの下でエイズ防止に偏った活動をしている傾向があることは否定できません。

 やはりその原因は、中国では、市民的自由が抑圧された中で、「エイズ防止」という国家の政策的枠組みの下での活動を強いられているということでしょう。歴史的にも、中国では「エイズが流行して以後、はじめて規模のあるMSMのNGOが出現したのであり、これは欧米社会では、以前からすでにMSM組織が存在していて、エイズがやってきた後、これらの組織がエイズ防止に立ち上がったという状況とは、大いに異なっている」と指摘されています(28)

 また、そのエイズ防止活動においても、行政とMSMの人々との間には矛盾があります。

 たとえば、あるCDCでの研究討論会で、賈平さんという人が、CDCとMSMコミュニティ組織とには矛盾があり、その矛盾は、以下の4点に現れていると指摘しています。
 1 CDCの勤務人員の、コミュニティとの協力における態度の問題
 2 自発的相談・検査(VTC)の質の問題──心理的サポートとプライバシー保護を軽視し、一面的にデータと採血を追求する工作方法が、どこでもコミュニティの反感を引き起こしている。
 3 検査後の薬物と治療の保障の問題
 4 双方の協力時の地位の問題、とくに財務関係の問題

 賈平さんは、「以上の4つの点の問題は、実際上は、資源を握っている側とコミュニティ(……)が平等に協力するのか、それとも操る側と操られる側の関係なのか、という問題である」と述べています(29)。以下、この賈平さんのまとめに沿って、他の事例も挙げつつ、それぞれの問題を見ていきます。

1 CDCの工作人員の、コミュニティとの協力における態度の問題

 衛生部門はボランティアに対して「高いところから見下ろす態度」を取っており、「上級機関に成績を報告したり、プロジェクトの支出を申請する時には、同性愛のボランティアのことを考えるが、ふだんの思いやりは非常に乏しい」という指摘があります(30)

2 自発的相談・検査(Voluntary Testing & Counseling[VTC])の質の問題──心理的サポートとプライバシー保護を軽視し、一面的にデータと採血を追求する工作方法が、どこでもコミュニティの反感を引き起こしている。

 2009年2月、湖南長沙中大陽光工作組は、以下の3つの理由から、長沙疾病対策予防センター(CDC)の業務活動への協力を一切、中止しました。
 1.大流行調査活動の中で、CDCがMSMコミュニティに提供した潤滑剤が「三無製品(生産許可証と製品検査合格証がなく、生産工場名および所在地が明記されていない製品)」である疑いがある。
 2.CDCがVTC活動の最中に撮影したものが外部に流出したことによって、ボランティアの心身の健康に大きな傷を負わせた。
 3.職能部門の官吏は、MSMコミュニティの朋友のプライバシーをきわめて粗末にしており、検査によって陽性が判明した朋友が明るみに出され、コミュニティの朋友を傷つけかねない(31)

 この2と3の点は、プライバシーに関わる問題です。こうした抗議・ボイコットをおこなうということは、工作組は必ずしもCDCの言いなりではないことを示しています。

 しかしその一方で、ある新聞記事は、以下のように、工作組のボランティアの問題点を含めた問題を指摘しています(32)

 世界基金などの国際基金が入ってきたことにより、工作組が雨後の筍のように設立されたが、「基金の下に誕生した小組は、目標は明確である──各地のCDCが必要とするデータを採取することだ。そのうち最も重要な任務は、コンドームを配布することとMSMの人々を連れてきて採血することである。検査の結果によって、エイズのその区域のだいたいの状況が示されるのである。」

 「やり方は簡単である。一人を連れてきて採血して検査したら、検査された人は相応の収入を得ることができ、ボランティアグループもその中から歩合を得ることができる」。愛白成都青年活動センターの責任者の江華医師は、「こうしたやり方の悪い結果は、同一の人が重複して、または異なった採血スポットに採血に来るので、データが真実でなく、捏造に等しくなることだ」と言う。

 「大多数のボランティアグループは、一つのことをやっている──人を連れてきて採血することである。CDCは、同性愛組織のようにコミュニティのために心を尽くして行動することはできない。彼らが欲しいのは検査データだけである。ボランティア組織も、互いに牙をむきあって、資源を争奪するために、排斥しあっている。」

 北京紀安徳[ジェンダー]相談センターの郭雅さんは、同性愛のボランティア小組はすでに同性愛者たちの上に別の一つのグループを形成しており、「彼らは、けっして同性愛者たち自身を代表しえない」と言う。

 以上の新聞記事とは別に、張北川さんも、「わが国の民間組織の発展はまだ初歩的段階にあるため、民間組織には、当然いくらか明確な問題がある。たとえば、ある人々は個人の経済的な私利のためだけに活動に参加しており、彼らは心の中ではMSM集団の利益を軽視している。実際、それらの人は衛生部門の少数の人と現在結び付いて、インチキをして人をだましており、わが国の納税者や国際社会から得たエイズ防止活動資金を着服して個人の懐に入れている。」「少数の地方の専門部門の腐敗の風潮がすでに民間部門にも蔓延して」おり、「これは、私たちはみな強く警戒しなければならないことである」と述べています。もちろん「これらの民間組織はけっして民間組織の主流ではない」ということですが(33)

 上のような問題は、ボランティアに対する教育という角度から言えば、「中国のエイズ予防活動は基本的に衛生行政系統と医者の主導で、人文・社会科学の指導が欠けており、ボランティアに対しても性病・エイズの医学的知識を注入するだけになっている」(34)という点とも関連があると指摘されています。

3 検査後の薬物と治療の保障の問題

 青島のあるエイズウイルス感染者組織は、「青島市のCDCは、HIVの感染を発見したのち、感染者に対して告知と感染経路の調査をするだけで、科学的に有効なカウンセリングをせず、国家の規定で定められた訪問指導をせず、治療のための知識の提供や健康相談をせず、感染者のために交流や治療の経験を分かち合う場の提供もしない」と批判しています(35)

 しかし、「薬物と治療の保障なき検査は、コミュニティの人々に対する吸引力がない」(36)のですが。

4 双方の協力時の地位の問題、とくに財務関係の問題

 張北川さんは、以下の事例を挙げています。「1つにとどまらないコミュニティ工作組が、大流行調査を請け負って以後、自らの権益がひどく傷つけられたと感じている。大流行調査では、若干の都市では、CDCが完成したサンプルは少しだけで、大多数のサンプルは民間組織だけで完成させた。ある民間組織のメンバーはみな晩の時間に仕事をして、社会的動員・具体的連絡・アンケート調査・採血・CDCへの送血という手続きを引き受けて、夜半に仕事を完成させたら、公共交通機関は運転がストップしており、自分で金を出してタクシーで家に帰るしかなかった。CDCは一文も出さず、流行調査の後でみんなに飯を食わせただけで、ことをすませた。(……)1つにとどまらない都市のCDCが、民間組織をこのように無償の労働力と見なして使い、自分のために大量の経費を『節約』できた。」(37)

 二言さんも、次のように言います。「多くの地方のプロジェクトの経費は、各部門によって幾重にもカットされて、具体的にボランティアが仕事をする時にはあまり残っていない。(……)いかなるプロジェクトの管理と実行にも一定のコストが必要だが、必ず、支出の使用の規則を作り、透明化して、ボランティアたちが金の使用を監督する権限を持たなければならない。」(38)

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 まとまりなく長々と書いてきましたが、だいたい以下のような状況であると言えると思います。
 ・中国の同性愛者組織は、行政主導で、エイズ防止の文脈で形成されてきた傾向がある。近年は、国際基金の力もあって、エイズ防止のための工作組が急速に増加した。
 ・エイズ防止のための組織も、同性愛者どうしの交流などはおこなっている。しかし、行政主導であることは、エイズ防止の問題においてさえ、ゲイコミュニティとの間にさまざまな矛盾を引き起こしている。
 ・ただし、当初から、ゲイの人々の主体的な動き、民間の動きも存在し続けている。

(1)以上は、主に方剛『同性恋在中国』(吉林人民出版社 1995年)の第三章「4266958:不僅僅為了艾滋病」と第四章「1993年,同性恋活動在北京」によっています。ただし、邱仁宗さんの発言のうち、「人類の歴史では、社会の中の多数者・権力者が、少数者・弱者に対して圧制的な態度を取ることによって、多くの問題が起きてきた。」という箇所は、「“男人的世界”文化沙龍五周年」『桃紅満天下』7期(1997.11.24)によっています。
(2)陳秉中「艾滋病・同性恋・健康教育」。『朋友通信』9期に再掲されています。
(3)“男人的世界”文化沙龍五周年」『桃紅満天下』7期(1997.11.24)。
(4)方剛『同性恋在中国』(吉林人民出版社 1995年)54頁。
(5)万延海「九十年代中国同性恋者人権状況」『桃紅満天下』7期(1997.11.24)。
(6)何小培「1990年代的中国女同性恋组织」『朋友通信』64期
(7)北京爱知行动项目同性恋者健康和权益工作报告(1994-2002年)」(愛知行動blog2010-04-11)
(8)童戈・羅玫・郭雅・趙鳳飛「中国MSM社群艾滋病预防工作回顾(第二章:MSM社群艾滋病预防志愿者工作的发展)」(2005年10月15日)童戈的个人博客2010-03-26
(9)当時も「同性愛の名で組織的活動をすることは、組織者にだけでなく、参加者にも危険があり」、「娯楽活動を組織することさえ、しょっちゅう警察の干渉を受けていた。たとえば、北京では、東単公園(ゲイの出会いの場)とバーは、いつも警察が来て、検査していた。1990年代中~末期でさえ、同性愛を研究するごく限られた書籍しか、公には出版できなかった。1998年にホットラインが公開の出版物である広州の『希望』誌に広告を出したら、『希望』は関係する上級機関から譴責を受けた」という状況でした(何小培「1990年代的中国女同性恋组织」『朋友通信』64期)。北京99575同性愛諮詢熱線「同性愛諮詢熱線対同性愛人群的艾滋病防控的重要作用」『朋友通信』19期、張北川「中国男同性愛社区発展与健康干預」高燕寧主編『同性恋健康干預』(復旦大学出版社 2006年)428-429頁も参照してください。
(10)東方虹「相聚檸檬樹──記一次同志聚会」『桃紅満天下』25期(1998.8.3)。
(11)中国男女同志深入探討同志議題」『桃紅満天下』29期、童戈「我国同性愛志願者体艾滋病干預活動的参与」『朋友通信』26期
(12)『朋友』については、曹晋『媒介与社会性別研究:理論与実例』(上海三聯書店 2008年)に分析があります。
(13)同志网站:羞答答的玫瑰静悄悄地开」『桃紅満天下』95期[2001.4.12]は、同性愛サイトの初期の状況を紹介しています。。
(14)サイト制作の体得、体験、材料選び、レイアウト・飾り付けなどについて交流し、同志の現状、感情処理、婚姻の難題など、みんなが関心をもっている問題についても討論したそうです。出席したのは「愛情四季」「個性生活写真」「北京憂郁男孩」、元「北京男孩」「東方虹」の主宰者です(「中国大陸同志網頁主持人交流会在北京挙行」『桃紅満天下』26期)。
 その後も、以下のような動きがありました。
○2001年11月、「中国同志サイトとエイズ教育研究討論会」が開催され、30サイトのサイト長が参加し、次のようなテーマで話し合った。
 ・どのようにして、もっと同志サイトが同性愛者たちの中でのエイズ教育の役割を発揮するか。
 ・中国の同志サイトが発展する中でぶつかった問題。
 ・中国の同志サイトをいかにして、より良くより積極的に健康に発展させるか。
 参加したのは、北京愛知行動プロジェクト、桃紅満天下、愛情白皮書、中華同志網、我們啊我們、広州同志、朋友別哭、重慶同志/花様年華、E行為、男孩之間、北京同志会、同心在線、紫色水晶、大連同志、博亜同志網、彩虹之源(レズビアンサイト)であった。他に、『朋友通信』、北京同志熱線などが集まった(「中国首届同志网站健康教育研讨会特辑」『桃紅満天下』増刊46期[2001.11.30])。
○2005年6月 「愛白網」が組織して、「2005中国語同志サイト発展研究討論会」をおこない、20人あまりが参加した(「2005中文同志网站发展研讨会在北京举行」『桃紅満天下』204期[2005.7.8])。 
○2008年10月 中国エイズ民間組織全国連席会議が呼びかけ、北京愛知行研究所と黒龍江愛心天空同志サイトが協力して、国内の15の同志サイトおよび関連する同志健康工作組が、北京で「男女同志サイト安全・法律・健康工作研究討論会」を開催し、「健康同志サイト協力機構」を設立した(「15家网站发起倡议成立“健康同志网站协作机制”」淡藍網2008-11-20)。ただし、その後の活動は不明。
(15)総合サイトと電話相談などをしているグループとが、ここで述べたような形でつながっている例としては、以下のようなものがあります(「各地同志热线小组概览」などを参照しました)。
・天津同志網(2000年4月開設)-天津酷曁天津同志熱線(2003年11月開通)
・大連同志網-大連同志健康志願者工作小組(2002年3月設立)
・江蘇同志網(2002年3月開設)-蘇州同志健康関愛小組
・雲南同志網-雲南同志健康熱線(2002年8月開通)
(16)もちろん、サイトやブログを持たないグループも多くあります。「中国红丝带网─全国艾滋病信息资源网络页» 资源中心» 黄页» 机构名录」のページには、それらのグループも含めて収録されています。なお、同じエイズ・性病防止のための工作組であっても、MSMをターゲットにする工作組は、セックスワーカーをターゲットにする工作組よりは、サイトを持っている比率が高いようです。
(17)湖南长沙中大阳光工作组简介」(2008-12-23)
(18)长沙中大阳光工作组2009年度工作总结」(2010-03-09)、「长沙中大阳光工作组2010年工作计划」(2010-03-09)
(19)たとえば、「2.14情人节主题活动:同性相爱,同样精彩」(2009-02-14)
(20)第十届湖南同志文化艺术节暨阳光六周年庆典」(2010-04-14)
(21)湖南多元化性别文化节10周年盛典活动回放」(2010-04-27)、「湖南多元化性别文化节10周年盛典活动现场回放」(2010-04-27)
(22)09.4.18阳光五周年—第九届湖南同志文化节活动小结」(2009-04-23)
(23)长沙中大阳光工作组走进拉拉社区活动」(2008-12-18)
(24)每个人都可能成为邓玉娇」(2009-05-27)、「上访者被判刑是社会的悲剧」(2010-02-25)、「生在中国」(2010-04-02)、「捐款应该透明化」(2010-04-22)
(25)中大阳光代表参与第三轮“谈心小组”广州启动会议」(2010-01-24)。なお、長沙中大陽光談心小組の場合は、「私の初めての恋愛」、「私が初めて同性愛グループに入ったとき」、「私の初めての結婚」、「私の初めての家族に対するカミングアウト」というテーマでした。
(26)中大阳光代表参与第三轮“谈心小组”广州启动会议」(2010-01-24)
(27)人数や時間が明記されていた談心小組について、それらを書き出すと以下のようでした。
・同康談心小組
 6─10人
 90分前後
・江蘇同天談心小組
 8─12人
 週1回、90-120分
 6─8回で1期。
・緑城彩虹扯咧吧
 90-120分
 8─12人
 6回で1期。
・瀋陽愛之援助健康諮詢服務中心“唠嗑小組”
 6─12人
 90-120分
(28)賈平「在中国CDC性艾中心一次MSM防艾研討会上的発言」『朋友通信』66期
(29)同上。
(30)二言「就志願者与衛生部門人員溝通的幾点看法和建議」『朋友通信』68期
(31)征求来自社区的声音,草根与政府机构的对抗!!!!」湖南長沙中大陽光工作組的博客(2009-02-04)。この記事のひとつ前の記事には、プライバシーを暴かれたと思わる人の苦悩の声が掲載されています(「心中的懊恼,我该怎么做。。。。」[2009-02-03])。
(32)中国同性恋:春光乍泄20年 国内同性恋社群浮出水面并走向组织化的艰难进程与现实乱象」『南方都市報』2008年9月19日。
(33)張北川「一次MSM防艾研討会上的発言」『朋友通信』66期
(34)童戈・羅玫・郭雅・趙鳳飛「中国MSM社群艾滋病预防工作回顾(第四章:MSM社群艾滋病预防工作的主要矛盾和问题2)」(2005年10月15日)童戈的个人博客2010-03-26
(35)(32)に同じ。
(36)(28)に同じ。
(37)(33)に同じ。
(38)(30)に同じ。
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道理がないWAN理事会の主張、理事会は今回の謝罪を生かした行動を

 WANの理事会とユニオンWANとの争議に関して、5月12日、ユニオンWANは以下のような発表をしました。

 昨日5月11日付けで、理事会からの以下の3点についての謝罪および、ごく少額の[*この金額を、多額の、と取る人はいるかもしれませんが、ユニオンWANのふたりにとっては取れる/取るべきであると思っていた額よりも、少額であったという意味です]解決金の支払いをもって、ユニオンWAN組合員2名が「円満退職」することで合意しました。

 ①平成21年12月に組合員遠藤礼子の仕事を外したこと、その後、事務所の閉鎖及び突然の2人の退職勧奨に至ったこと
 ②それらのことについて組合及び組合員と事前に相談、協議がなく実施したこと
 ③これまでの労使のやり取りの中で組合に対して不適切な言動があったこと

 (「【速報】WAN争議解決【勝利和解】」より。*は5/15に追加された箇所)


あっせんで合意した事項も、公開してはならない?

 ところが、上のユニオンWANの発表に対して、WAN理事会は、WAN-NEWS 16号において、「労働委員会から、労使双方に対し、あっせんの合意内容や経緯について、第三者に情報を漏洩しないよう、厳に求められてい」るにもかかわらず、ユニオンWANが情報を公開したと言って、ユニオンWANを非難しています。

 私は、上のWAN理事会の主張は、以下の4つの理由から、まるで説得力がないと思います。

 第一に、ユニオンWANの側は、「結果的にあっせんで合意したことについては、公開は禁止されていない」ということを、あっせん委員に再三確認しているからです。

 すなわち、WAN理事会の側は、抽象的に「第三者に情報を漏洩しないよう、厳に求められている」と述べているだけなのに対して、ユニオンWANの側は、労働委員会から、「あっせんの経過」に関しては、「非公開だという安心感からすすむ話もある」からあっせん継続中は、中身についてサイトに書くことは遠慮してほしいし、「あっせん制度の趣旨からして、合意後もサイトに詳細に書くことは遠慮してほしい」と言われたけれども、「結果的に合意したことに関しては、公開は禁止されていない」ということを「あっせんの席で委員に再三確認しています」と述べています(「あっせんの結果の説明について」)。

 私は、「あっせん制度は、非公開が原則だ」と言う場合の「非公開」の意味は、「裁判所の和解協議は、非公開だ」とか言う場合と同じ意味にすぎないと思います。裁判所の和解協議も、協議の経過については、終了後も含めておおむね非公開だと思うのですが、ご存じのとおり、和解して合意した結果はたいてい公開されています。

 もっとも、あっせんでは、労使が同室となることはないそうなので、WAN理事会が労働委員会からどのような説明を受けたかはユニオンWANにはわからないそうなのですが、これまでに双方が公表した文書から見るかぎり、私は以上のように思います。

 第二に、WAN理事会の側は、あっせんで合意した事項も公開してはいけない理由をまったく説明できていないことです。

 WAN理事会は、「労使協議においては、労使双方が公開を合意したこと以外は、公表しないのが原則です。(……)この見地から、とくに労働委員会あっせんでは、事案の内容について第三者には情報を流さないことが双方に厳格に求められています」と言っており、その理由として、労使協議においては、「公開で、自分たちの立場から相手方を一方的に批判非難したりすれば、なおさらに事態は紛糾し、歩み寄りが困難になる恐れが大いにある」という点と「そのような批判非難の応酬は、双方が属する組織の信頼信用をいたずらに傷つけることにもなりかねない」という点を挙げているのですが(→この2点が理由だとしたら、百歩譲って理事会の言い分に従うとしても、合意した事項については、べつだん「双方が公開を合意」までしなくても、公開してもいいことになる)、労働委員会のあっせんについては、合意した結果すら公開してはいけない理由を示せていません。

 もちろん、労働委員会のあっせんの場合でも、使用者側が、自分たちの都合から、合意した事項も「非公開」にしてほしい場合はあるでしょう。その場合、労働者側も、もし使用者側の「非公開にしてくれ」という条件を飲んだら、自分たちの要求が実現するなら、合意事項を「非公開」にすることに同意する場合もあるでしょう。しかし、それはあくまで労使の合意によるものです。もしWAN理事会が合意内容も非公開にしてほしかったのなら、和解条項の中に「非公開にする」という文言を入れるように提案すればよかったのです。ただし、遠藤さんにうかがったところ、もし「非公開」という条件が付いていたら、絶対に今回の和解は飲まなかったということですが……。

 第三に、理事会がおかしいのは、理事会側も、自分たちに有利な点についてだけは、事実上、あっせんでの合意内容を公表しているということです。

 理事会は「今般、あっせんが成立し、5月11日付で両氏に円満退職いただきました」と発表しています。この文を読んで、「あっせんの合意内容」と「両氏の円満退職」とが無関係だと考える人は誰もいないでしょう。ですから、この発表は、事実上、あっせんの合意内容を伝えており、しかも、理事会が求めていた点(理事会に有利な点)だけを伝えたものだと言えます。

 もし理事会が言うように、本当に「本メールでは、和解に至った点のみをお知らせする」つもりならば、理事会は、文字通り「今般、あっせんが成立し、解決いたしました」とだけ書くべきでしょう。

 私は、ユニオンの発表のほうが、今回の合意内容の理事会に有利な点(=遠藤さんもカサイさんも雇用の継続はできなかったこと)にも触れているぶん、公正だと思います。

 第四に、理事会が謝罪内容を公表することは、WANにとってもプラスになると思います。だから、私は、理事会は、むしろ自らすすんで合意内容を発表してほしいと思います。

 なぜかといえば、今回の謝罪を今後生かしていくためには、謝罪内容を公表することが基礎になるからです。後でも述べるように、WANをより良い団体にするため(ひいては、他の団体を含めた非営利団体における雇用や労働のあり方をより良いものにするため)に、今回の謝罪内容は生かせると思います。きちんと謝罪内容を公表することは、理事会に対する評価も高めるでしょう。

今回理事会が謝罪した①や②は、今迄にすでに文書で謝罪していた問題か?

 ところが、WAN理事会(の代理人の弁護士)は、私が冒頭で引用したユニオンWANの記事「【速報】WAN争議解決【勝利和解】」について、「名誉毀損」だと主張して、同記事の削除や謝罪文の掲載を求めており、もし誠意ある対応がなければ、「断固たる法的手段を執る」と述べた通告を送ってきたそうです(「5/17 内容証明郵便物」)。

 この件については、私は、遠藤さんのそれに対する回答(「5/22 5/17内容証明郵便物への回答」)やユニオンWAN(遠藤さんとカサイさん)の訴え(「迷走!WAN理事会、恫喝訴訟*を予告!?」)に述べておられることに賛成なのですが、私も、以下、若干意見を述べてみます。

 理事会(の代理人の弁護士)は、今回理事会が謝罪した「①平成21年12月に組合員遠藤礼子の仕事を外したこと、その後、事務所の閉鎖及び突然の2人の退職勧奨に至ったこと」や「②それらのことについて組合及び組合員と事前に相談、協議がなく実施したこと」は、すでにこれまでの「文書中に謝罪してきている」と述べています。

 私は、驚きました。理事会が述べていることは、事実とまるで異なるからです。

 たとえば、この2月に理事会が出した「この間の事情の説明」という文書では、「A[=遠藤礼子]さんは、業者によるリニューアル[によって仕事の多くの部分を取り上げられたこと]について事前に相談がなかったことが問題であると主張して」いることや「事務所の閉鎖についても、そういう考えが浮上した時点で相談すべきであると組合は主張して」いることに対して、理事会は、「謝罪」するどころか、むしろ「Aさん」や「組合」を非難しつつ、自らの態度を正当化しています(同文書の「3)サイトリニューアルとAさんの労働条件変更」の4~5段落目参照)。

 理事会の態度がこのようだったからこそ、私は、2回にわたって、このブログで、業者によるリニューアルや事務所の閉鎖について、理事会が事前に相談や協議をしなかったことを正当している点を批判したのです(「WAN理事会の文書は、サイトリニューアルについて事前に遠藤さんと相談しなかったことを正当化しうるか?」[2010-04-28]、「WAN理事会の行為は、労働者との『信頼関係の消失』を理由にすれば、正当化されるのか?」[2010-05-08])。

理事会が「不当労働行為を行いそれを謝罪したかのような誤った印象」?

 また、理事会(の代理人の弁護士)は、③の点について、「あたかも通告人[理事会]が不当労働行為を行いそれを謝罪したかの誤った印象を与える名誉棄損表現もされました」と言っていますが、遠藤さんと同じく、私も、全然そうは思いませんでした。

 第一に、該当エントリーにはそんなことは全く書いてありません。むしろ、ブログを全体として読むと、「ユニオンの側は、理事会の行為の一部について『不当労働行為』だと主張してきたけれども、あっせんでは、そこまでは踏み込まず『不適切な言動』という表現になった」ということが伝わると思います。

 第二に、理事会が「組合に対して不適切な言動があったこと」を謝罪したのは(「組合に対して」という文言になっていることに注意)、それらの言動には、不当労働行為に近い言動か、そうと疑われかねない不適切な言動も含まれていたのだろうという印象を、読む人が持つことは、ある意味、当然であろうと思います。

理事会は、今回のせっかくの謝罪を生かす行動を

 WAN理事会が、代理人の弁護士を通じて上記のようなことを言ってきたことについて、ユニオンWANは「WAN理事会が、今回の謝罪をなかったものにしているかのように見える」と指摘しておられます。私もそう感じました。

 私は、理事会には、そうではなく、今回のせっかくの謝罪を生かす行動をしていただきたいと思います。具体的には、以下の点を要望いたします。

 第一に、上で述べたように、今回の和解で合意した内容について、理事会からも発表すること。

 第二に、これまで理事会が発表した文書のうち、今回の謝罪の内容と相反するものを訂正・撤回すること。

 たとえば、この2月に理事会が出した「この間の事情の説明」という文書は、上で述べたように、今回の謝罪と相反する個所が含まれていますので、少なくともその個所については撤回ないし訂正することが必要だと思います。この点は、たとえ理事会が今回の謝罪を公表しない場合でも、謝罪内容と上記の文書が現実に矛盾している以上、おこなってほしいと思います。

 第三に、今回理事会が謝罪した問題について、それが生じた原因を解明したり、今後の活動に生かしたりなさることです。

 理事会が今回謝罪した行為について、その原因を掘り下げることは、WANや他団体で今後は同様なことが起きないようにするために重要だと思います。使用者側がそうした掘り下げをすることには困難もあるかもしれませんが、もし掘り下げられれば、それは非常に貴重なものになると思います。

 WANは当面は賃労働者を雇用しない方針だとうかがっていますので、ひょっとしたら、理事会は、今回の謝罪は、今後はもう関係のない問題だと考えておられるのかもしれません。たしかに、もし今回の紛争が賃金水準などをめぐって起きたものならば、ある程度はそうかもしれません。

 しかし、今回理事会が謝罪なさった行為の内容は、組織における民主主義や人権と関わる内容であり、たとえ賃労働者に対してでなく、ボランティアや一般会員に対してであっても、おこなってはならないことであると思います。そう考えると、今回の謝罪の内容は、たとえば、以下のような教訓にも読み替えることができるのではないでしょうか?
 ・WANのあり方ついての民主的な「相談・協議」なしに、ボランティアの仕事を奪ったり、押しつけたり、働く条件を変えたりしてはいけない。
 ・理事会に対する批判をするボランティアや会員に対しても、「不適切な言動」はしてはならない。

 私は、べつに今の理事会が、いま上のような行為をおこなっていると言うつもりはありません。しかし、将来こうしたことが起きない保証はありませんから、上のような点は今後の教訓にすることができると思います。

 また、私は、今回のサイトリニューアルなどが、どこまで幅広く会員やユーザーの意見を聞いてすすめられたことなのか疑問に思います。もちろん今度の総会ではそうした点について報告がおこなわれると思いますし、私が入会したのは昨年度末ですから、それ以前の会の中の事情はわかりません。しかし、私としては、理事会が今回の教訓を生かして、こうしたことについても、もっと会員とも相談してものごとをすすめていただきたいと思います。もちろん理事の方々はご多忙だと思いますので、できる範囲で結構なのですが、そうしてこそ、サイトも繁栄すると思いますので。

 なお、私は、理事会の文書で述べられている「WANのウェブ上のポリシー」にも疑問があるのですが、その点については、またの機会に述べたいと思います。

 ※6月6日(日)、東京で「非営利団体や市民運動における雇用や無償・ボランティア労働を考える~ユニオンWANの事例から」という集会が、遠藤さん、カサイさんをお招きして開かれるそうです。

 ※6月20日(日)、大阪で、日本女性学会のワークショップ「フェミニズム運動や研究組織における非正規・無償労働問題を問い直す」があるそうです。上の集会とは性格は異なる集いですが、おそらく、こちらのワークショップも、今回の問題を深めるうえで役に立つものだと思います。
関連記事

性的指向・性自認に基づく人権侵害を非難する国連総会での共同声明をめぐる中国国内の動き(2008年12月)

 先日の本ブログで、2008年12月、同性愛者の人権に関心を持つ中国のさまざまな組織や個人が共同で、中国の映画やテレビで同性愛描写が禁止されていることを改めるよう訴えた意見を「国家ラジオ映画テレビ総局」に提出したことを紹介しました(「民間諸団体、映画やテレビでの同性愛描写禁止規定の削除を訴え(2008年12月)」)。

 同じ月に中国の内外で以下の動きもありましたので、ついでにご紹介しておきます。

国連総会で性的指向・性自認に基づく人権侵害を非難する声明(2008年12月18日)

 2008年12月18日、国連総会に、性的指向・性自認に基づく人権侵害を非難する声明が提出され、日本を含む世界5大陸の66カ国が賛同しました。LGBTに対する人権侵害を非難する声明が国連総会に提出されたのは、このときが初めてだそうです(「国連総会に人権と性的指向・性自認に関する声明提出=日本含む66カ国が賛同」Gay Japan News2008/12/19)(1)

 この声明は、性的指向・性自認に基づく処刑・処罰、経済的・社会的・文化的権利の剥奪のような人権侵害を非難したものです(上のGay Japan Newsの記事の中に全訳があります)。

 中国は上の声明に賛同しませんでしたが、その直前に民間で以下のような動きがありました。 

北京愛知行研究所の万延海さんらの外交部への申し入れ(同年12月1日)

 2008年12月1日、北京愛知行研究所(2)の所長の万延海さんと北京の同性愛者(レズビアン)の人権活動家の白咏冰さんが、外交部(日本で言う外務省)の事務局に行き、以下の3点の文書を手渡しました(3)

1.「外交部政府情報公開申請表」(万延海さん個人の名義による申請)
 万延海さんが公開を申請した情報は、「国連の各活動(国連総会・世界女性会議などの会議を含む)において、わが国の外交部がわが国の政府を代表して同性愛の人権問題について表明した立場、発言の原稿、採決の投票の状況」です。

2.「同性愛の人権に関して:国家人権行動計画への建議」(北京愛知行研究所)
 この原文は入手できませんでしたが、当時作成中だった中国の「国家人権行動計画」に、男女の同性愛者の権利の保護を盛り込むように提案したものだそうです。

3.「わが国政府が性的指向と性自認に関する共同声明に署名するよう訴えるアピール」(北京愛知行研究所による)
 このアピールは、上で述べた国連での共同声明に中国政府が署名するよう訴えたものです。万延海さんは、メーリングリストなどを通じて、各地の組織や個人にも、このアピールに賛同するように求めました(12月4日締切り)。

中国政府に性的指向と性自認に関する共同声明に署名するよう訴える民間諸団体によるアピール

 上のアピールは、「尊敬する外交部の指導者同志へ:私たちは、男女の同性愛者、さまざまな性的指向とさまざまな性自認の人々の基本的人権を支持する中国の組織と公民です」という言葉で始まり、国連総会での声明案の趣旨に沿って、「世界の各地で、人々の性的指向と性自認による暴力・ハラスメント・差別・排斥・汚名・偏見、性別・人種・年齢・宗教・障害・健康・経済的地位に基づく差別が、虐待を受ける者の不可侵性と尊厳を破壊し、彼らの自尊とコミュニティに対する帰属感を弱めており、そのために、多くの人が自分のアイデンティティを隠し、抑圧して、恐怖のうちに隠れて生活を送っています。私たちの国家でも、歴史的・社会的原因により、同性愛者たちとさまざまな性的指向と性自認の人々が、同様に種々さまざまな差別と汚名を被っています」といったことを述べて、国連総会での声明に中国政府も署名するように訴えています。

 12月3日までに、以下の59組織と29人から署名が集まり(4)(「・」を付けている組織や個人は、最初に述べた、同性愛描写禁止規定の改正を求める意見にも賛同した組織・個人です)、最終的には67組織と31人から署名が集まりました(5)

中国の組織
北京愛知行研究所
中国律師観察網
浙江愛心工作組・
広同(若哲)
岭南夥伴健康支持中心(劉奇)
山東彩虹工作組(眩眩)
北京益仁平中心
貴州凱城工作組
貴州涼都工作組
遼寧鞍山好兄弟工作組
江西知己関愛工作組(陳興国)・
哈尓濱心相印(王明月)・
丹東藍天工作組(陽光)
大連緑色康乃馨工作組
貴州畢節関愛工作組
重慶藍天同志関愛工作組
撫順愛心工作組・
貴州黔縁工作組
貴州遵義紫菫工作組
広州一路同伴工作組
河北廊坊兄弟真情工作組
内蒙古草原虹工作組
重慶藍天工作組・
貴陽南明藍天工作組
貴州晨曦関愛工作組
重慶藍宇工作組
貴州安順夜郎工作組
河北永清感染者互助組
虹光同盟(軒轅龍曦、済南)
貴州黔縁LES+工作組
山東彩虹(李剣坤)
天津酷
福建福桐工作組・
遼寧同志網站
昆明春雨同心工作組
深圳深愛工作組
邢台青鳥工作組
北京金色陽光関愛健康工作組・
淡藍網(耿楽)
河北邯鄲龍虎工作組
中国社区(新新)
同志亦凡人(小剛)
杭州湘湖工作組
“女権在線”網站
跨越中国(趙剛)・
彩縁新疆同志工作組
鞍山彩虹工作組
遼寧鞍山拉拉駅站
雲南平行
広西柳州同心縁健康関愛工作組
安徽“江淮同心”志願者工作組
守望家園
温州陽光家園同
無国界愛心(北京)創意彩虹工作組
美麗人生PLWHA(上海)互助会
北京同志文化活動中心
長沙中大陽光工作組

中国の公民[青字は、現在も生きているリンクです]
阿強(広州、自由業)http://blog.sina.com.cn/aqiang
白咏冰(北京、民間ボランティア)http://blog.sina.com.cn/u/1099508322
伊力哈木(北京、大学教師)http://blog.ifeng.com/1304486.html
劉勇(北京)
水藍光(北京)
鐘国(北京)http://blog.sina.com.cn/gswin513beijing
Frepe(北京)frepe.blog.tianya.cn
楊光(北京、北京同志文化活動中心在職)
司徒嘉亮(北京)
姚柏舟(杭州)http://xiaonei.com/profile.do?id=246192716・
何明(浙江愛心)
DENNY CHENhttp://blog.sina.com.cn/tianyabuliaoqing
頼膪(成都)
鄭波(北京/北米、芸術家)
Taumini(上海)
楊建(福建)http//myspace.cn/baobo69
高建民
斉峰(雲南、草の根活動家)
劉禎偉(北京)
許亦秋(北京)
寒江(西安)http://blog.sina.com.cn/snowave
孫東益(山東臨沂)
Sean Jin(北京)http://blog.sina.com.cn/jinsy9
于輝(昆明)
張傑(成都)
Cecilia(カナダ)
Linophone(厦門)http://blog.sina.com.cn/linophone
孔春霞
姜珊(上海)http://ixtab.blog.163.com/
寧少庭(北京)

 67組織から署名が集まったというのは、国家ラジオ映画テレビ総局に同性愛描写禁止規定の改正を求める意見に署名したのが44組織であったのと比べても多い数です。ひょっとしたら、まだ政府としての決定がおこなわれていない事項に対する意見だったから、意見を出しやすかったのかもしれません。ただし、国家ラジオ映画テレビ総局に対する意見には名を連ねていながら、今回紹介したアピールには名を連ねていない組織も多いので(6)、組織どうしのつながりが異なるだけかもしれません。

 署名したのは、全体として見ると、ゲイの組織――というよりMSMのエイズ防止活動を軸に活動している組織が多いようです。レズビアン関係は、貴州黔縁LES+工作組と遼寧鞍山拉拉駅站くらいでしょうか。

外交部から万延海さんへの回答(同年12月10日)

 万延海さんには、12月10日付けで、外交部信訪弁(提案・意見・苦情の申し立てを受け付けるところ)から以下の返信が返ってきました。

 一、あなたが公開を申請した情報について。国連はまだ性的指向と同性愛の人権について決議あるいは決定をしていないので、わが国の政府はまだこの問題について正式の発言あるいは立場表明をおこなっていない。

 二、フランスなどが国連総会に提出した人権と性的指向に関する声明について。イスラム諸国が強烈にこの声明に反対し、立場が相反する文書をすでに提出している。わが国は、それぞれが互いに理解・尊重する基礎の上に、対話と提案の方式で不一致を処理して、この問題に対するコンセンサスを達成することを希望する。わが国政府は、それによって、声明と文書に関する立場を決定する。

 三、「国家人権行動計画」は、国務院事務局が先頭に立って書いている。私たちは、あなたの要求と資料を国務院事務局の関係部門にすでに届けた。(7)

 全体として、肩すかしの回答だと言えると思います。

 もちろん万海延さんも上の回答には満足せず、「私たちは近いうちに外交部に一歩進めた要求を提出して、わが国政府が国連レベルで同性愛の人権を支持すべきこと、わが国の同性愛の人民の権利を第一に考慮すべきであり、国際外交の一つの手段にすべきではないと要求するつもりである」と述べました(8)

 最初に述べたように、中国は結局、共同声明には署名しませんでした。

 翌2009年4月には、国務院が「国家人権行動計画」を発表しますが(《国家人权行动计划(2009——2010)年》)、こちらにも同性愛者の人権保護は盛り込まれませんでした。

(1)この声明には、日本政府も賛同しただけでなく、作成にも関わりました(その背景には、同年5月、国連人権理事会から「性的指向と性自認にもとづく差別撤廃についての措置を講ずるよう」勧告を受けたことがあるそうです)。しかし、日本政府はそのことを広く知らせたわけではなく、マスメディアも取り上げませんでした(中井伸二「国連総会が『性的指向と性自認に基づく人権侵害の終焉呼び掛ける』初の声明発表」JanJan2008/12/18)。
(2)「北京愛知行動プロジェクト」は、1994年3月、設立され、エイズ防止やエイズ感染者・セクシュアルマイノリティの人権擁護のために活動してきました。中国で最も初期からそうした問題に取り組んできた団体です。「愛知」の語は、音が「艾滋(エイズ)」に近いと同時に、「愛」の気持ちや「知」(性の教育)を示しています。
 2002年、「北京愛知行動プロジェクト」は再編して、同年9月、北京工商部門に「北京愛知行健康教育研究所」として登録をおこないました。
 詳しくは、「北京爱知行动项目同性恋者健康和权益工作报告(1994-2002年)」「爱知行同性恋者健康和权益工作报告(2002-2010年)」(愛知行動blog2010-04-11)を参照してください。
(3)要求公开我政府就同性恋人权问题发言情况」“朋友公益”同城社区2008年12月1日。
(4)【China AIDS:3392】 60个公民组织签名呼吁我国政府签署关于性倾向和性别认同联合声明,现进一步征集签名,截至12月4日」China AIDS Group 中国艾滋病网络2008年12月3日、「60个公民组织签名呼吁我国政府签署关于性倾向和性别认同联合声明」『桃紅満天下』第237期
(5)关于同性爱人权问题的回复」“公益朋友”同城社区2008年12月17日。
(6)国家ラジオ映画テレビ総局に対する意見には名を連ねていながら、今回紹介したアピールには12月3日の時点では名を連ねていない組織と個人は、以下のとおりです。
 [組織]広州“同城社区”、杭州西湖工作組、天津海河之星工作組、広西蕾絲聯合社、広州同心工作小組、武漢馨縁工作組、天津浩天志願者工作組、瀋陽陽光工作組、洛陽理工学院同志学生群、青島陽光工作組、復旦大学知和社、南京彩虹関愛小組、美国維思大学中国学生会、河南公益先鋒、全国輸血感染者委員会、牡丹江摯愛、蕪湖同舟、湖北青鳥、広州牽牛花互助工作組、貴州関愛苑、河北固年愛知関愛互助小組、河北永清、撫順愛心工作組、TheBoy文化機構、河北紅燭協会、紅樹林聯誼会、河北志願者協会、山東渮澤血友協会、河南商水県関愛協会
 [個人]哈啦苦少(広州)、葉風(広州民間メディア活動家)、Paloma Robles(北京)、蘭江(昆明)、金鑫(河南)、豆豆(昆虫)、朱龍(西安在住)、毛雷(北京、自由業)、西門湯(上海)、楊紫光(北京)、Leslie(厦門)、高文広(カルガリー、カナダ)、史蒂分口匹克(カルガリー、カナダ)、Rainover、幸福之后(北京)
(7)关于同性恋人权:外交部给万延海的回复」北京愛知行研究所HP2008年12月18日。
(8)关于同性爱人权问题的回复」“公益朋友”同城社区2008年12月17日。
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WAN理事会の行為は、労働者との「信頼関係の消失」を理由にすれば、正当化されるのか?

 前回の記事に引き続き、WAN理事会の事情説明文書に対する疑問を述べます。

 ユニオンWANが、事務所の閉鎖について、「そういう考えが浮上した時点で協議や相談を重ねてほしかった」と主張したのに対して、WAN理事会は、3つの理由を挙げて、ユニオンWANとは「信頼関係を維持することができず、[事務所閉鎖のような]重要な事項について相談する機会を持つことができませんでした」と述べて、自己の対応を正当化しています。

 WAN理事会が挙げているのは、以下の(1)~(3)の理由です。それぞれについて、私の考えを述べます(原文では、遠藤さんとカサイさんのお名前は匿名ですが、このブログでは実名にしているので、お名前を出しました)。

(1)「12月末に遠藤さんにかかわる争議が始まって以来、遠藤さんとカサイさんで作られている組合は、協議の最中であるにもかかわらず、協議内容にかかわる情報を一方的にウェブで公開した(通常は、円滑な協議の進行のために、双方が合意した事項以外は、途中で公開するのは避けるのが原則です)」

 ここで注意すべきは、理事会の立場は、「[新しい業者による]サイトリニューアルは理事会で決定した」けれども、「遠藤さんの業務・労働条件については協議を続けている」(1月5日付の理事長のメールより)というものにすぎないことです。しかも、その協議で理事会が出した提案は、遠藤さんの労働時間を半分にしたうえで、時間当たり賃金を下げるというものでした。

 これは、たとえばの話、Aさんという大学教員(専任)が大学の〇〇研究所に勤務していたら、ある日突然、大学の理事会が「〇〇研究所は廃止(再編)することに決定しました。ついては、A先生には、今後は非常勤になっていただき、何コマかご担当をお願いできないでしょうか?」と言って、協議を求めているようなものです。

 こうした場合、Aさんは、上のような事態について大いに学内や世間に訴えるのではないでしょうか? それに対して、もし大学の理事会が「業務・労働条件については協議の最中であるにもかかわず、Aさんたちは情報を一方的にウェブで公開したので、信頼関係を維持できなくなった」と言っても、全然通用しないでしょう。

 もし労働条件の協議についても「双方が合意しなければ、公開しない」のなら、すべてが終わってから(または、裁判にでも突入してから)でなければ、世間に訴えられないことになりますから、組合は完全に孤立した状態で闘わなければなりません。WANには賃労働者は2人しかいないのに、理事は9人もいらっしゃいますし、その意味でも、たたかいは困難です。

 しかも、遠藤さんは、理事会に「新しい業者にサイトリニューアルをしてもらうことに決定した」と言われて、すぐにそれをウェブで公開したのではありません。昨年12月、遠藤さんは理事会と2回協議をおこないましたが、その間は、遠藤さんは協議の内容を公開なさいませんでした。

 ところが、その間、「円滑に協議が進行」するどころか、理事会は、サイトリニューアルを「決定済みの事項」として一方的に説明するだけだったそうです。だからこそ、今年1月4日、遠藤さんは世間に向けて訴えられたのだと思います。

 理事会は、遠藤さんの仕事を取り上げたままの状態で、賃金だけをいつまでも支払い続けるとは考えられませんから、早目に事態を世間に公表して支援を求めなければ、手遅れになってしまうでしょう。組合の行動は当然です。

 なのに、そうした組合の行動を理由にして、理事会が「信頼関係を維持できなくなった」と言って、重要な事項についての相談もしないのは、理不尽だと思います。

(2)「その中でWANの信用を失墜させるような発言を繰り返しておられた」

 まず、ユニオンWANが批判しているのは、「WAN」総体ではなく、「WAN理事会」です。また、理事会がやってきたことすべてを否定しているのでは全くなく、基本的には「今回の行動、雇用に対する姿勢」を批判しているのだと思います。

 理事会側が、労働組合のこうした活動に対して、抽象的に「WANの信用を失墜させた」と言って、労働者に対してやるべきことをしない理由にするのは極めて危険だと私は思います。

 たとえば、ご存じのとおり、男女差別裁判でも、自らの会社を裁判で訴えながら、その会社で働き続けた原告の方々は多数いますが、もしも会社側が、原告に対して「会社の信用を失墜させた」とか言って、何らかの不利益な取り扱いをしたら、大変な問題になるでしょう。

 もちろん、もしもユニオンWANの発言が虚偽であれば、問題です。しかし、逆に、事実と論理に基づくものであれば、むしろWANをより良くして、WANの信用を高めるのに役立ちますから、結局、ユニオンWANの発言が虚偽か否かが問題なわけです。

 しかるに、理事会の事情説明文書は、「WANの信用を失墜させた」と言うだけで、ユニオンWANの発言のどこが事実と異なるのかを指摘しておられません。こうした労働紛争の際に、抽象的に「信用を失墜させた」という言い方をすることは、内部の労働問題を明るみに出すこと自体を否定する不当なものだと見られかねないと思います。

 さすがに1月20日と2月2日の団交では、ユニオンWANが尋ねた結果、理事会も、どの発言が具体的に問題なのかを述べられました。しかし、理事会が指摘した発言は、ユニオンWANが既に自主的に削除していた発言を除けば、事実についての細かな捉え方の違いやフェミニズムのあり方に対する意見の違いといったものにすぎず(*)、かなり細かな箇所であり、それらを理由にして、理事会がするべきことをしないのは、おかしいとしか思えません。

(3)「サイト作業に関して理事会の要請を無視するような行動を取られた」

 この件は、以下の事件を指していると思われます。
 ・1月4日、遠藤さんが、WANの登録団体である「ユニオンWAN」の活動レポートとして、WANサイトに「WANはウェブマスター業務の外注化を撤回せよ!」を投稿・掲載した。しかし、理事会は、同記事を削除し、その理由として、「協議中に一方的な内容を発言している」「当事者が承認するのは問題がある」の2点を挙げた。
 ・1月8日、ユニオンWANが、再度、上の記事を投稿したが、理事会はそれを削除したうえで、「あきらかに業務命令違反」と述べた。

 上の点に対して、遠藤さんは次のように反論しておられます。
 (a)外注を強行しておいて、「協議中」と強弁するのはおかしい。
 (b)ユニオンぼちぼちのレポート「団交申し入れ★トランスジェンダーが安心して働ける職場を」も、会社から見れば「協議中かつ内容が一方的」だろうが、WANサイトは掲載した。また、均等待遇アクション21京都の集会案内は、「当事者が承認」したが、何の問題も指摘されなかった。
 (c)今までのルール(「事務所スタッフが判断する。承認に迷う場合は理事に相談する」)を明快な理由もなく一方的に変更して、新しい「俺様ルール」に違反したからという理由で「あきらかに業務命令違反」などと脅すのはおかしい。
 (d)ユニオンWANの記事を一方的に削除することは、不当労働行為であり、表現の自由をも侵害しかねない。

 それに対して、理事会は、「サイトの管理権は理事会にあるから、削除する権利がある」と述べたということです。

 私は、次の理由で、ユニオンWANの人々が活動レポートを投稿・掲載したのは正当だと思います。
 ・「協議中」という理事会の言い分は、(1)で述べたように成り立たない。
 ・WANが登録団体に活動レポートを投稿することを奨励している以上、登録団体であるユニオンWANも、活動レポートをサイトに投稿することは当然である。その意味で、掲載について「承認に迷う」必要もなかった。

 私は、理事会には、「他の登録団体が自らの主張をWANで訴えるのは良いけれども、WAN内部の登録団体は、自らの主張をWANで訴えるのはダメ」というダブルスタンダードがあるように思います。

 たしかに、世間の一般のメディアにも、ダブルスタンダードはよくあります。たとえば、企業の労働問題を追及している新聞でも、その新聞の記者が自社の労働問題を取材した記事は、まず掲載されないでしょう。

 しかし、運動団体のメディアの場合は、執行部に対する批判を掲載しているものもあります。また、上で挙げた新聞社のダブルスタンダードも、べつに正しいわけではなく、むしろ反動側の週刊誌などに「〇〇新聞が書かない××問題」などと騒がれて、攻撃のネタを提供しているだけではないでしょうか?

 ひびのまことさんは、1月4日の件について、「運動内部にも利害の不一致があること。運動内部の問題を公的な論理の中で解決することが必要があるということ。……運動内部の問題を表に出しても構わないということ。こうしたことに気付き……社会運動を『公的な運動』に作り改めていく機会になることを願って、遠藤さんを断固支持! 遠藤さん、えらい!」(「WAN争議」)と述べておられますが、私もほぼ同感です。

 付け加えると、私は、1月4日、遠藤さんのレポートが掲載されているのを見て、「こういうレポートも掲載するとは、WANはえらい!」と思ったのです。

 たしかに理事会には、その時々に、掲載の可否を判断する最終的権限はあると思います(だからこそ、実際、理事会は記事を削除できています)。ただ、こういう運動内部の不一致の問題について、ルールの修正・発展について合意も議論もしていない段階で、「業務命令違反」と言うだけでは、納得がいきません。

 まして、そのことを理由にして、「信頼関係がなくなった」と言って、事務所移転問題という別の問題に関して、労働者に対してやるべきことをしないのは、不当だと思います。

事務職閉鎖は「重要な事項」と認めているのに……

 理事会が、事務所閉鎖についてユニオンWANと相談しなかった理由を、今回わざわざ述べておられるということは、事務所閉鎖というのは、本来ならば相談(協議)すべき事項であったことを示しています。実際、文中でも、事務職閉鎖の相談は、「重要な事項についての相談」として記述されています。

 しかし、実際の事務所閉鎖は、閉鎖の1つの根拠とされるカサイさんの仕事の状態についても本人と話し合われないままに決定されたために、カサイさんが、理事会発表文書のご自分の仕事に対する記述をお読みになって、「大変な衝撃」を受けるという事態も起きています(「カサイの気持ち」)。

 そうした乱暴なやり方をする根拠として、上の(1)~(3)は十分なものだったでしょうか? そうではありませんね。(1)(2)に関しても、むしろ組合活動に対する報復=不当労働行為である疑念を抱かせかねない部分が大きいと思います。

 理事会には、「信頼関係がなくなった」というような理由で、筋の通らない対応をなさらないようにお願いいたします。

理事会は、ユニオンWANへの対応に関しても、反省やお2人へのおわびを

 WAN理事会は、発表された文書を読むかぎり、労働者の賃金水準などについては、配慮しておられたようです。また、今回の問題に関しても、「雇用や経営に対する予測・見通しが甘かった」点に関しては反省されています。

 しかし、私は、それだけでなく、理事会は、遠藤さんやカサイさんへの対応の問題点についても、具体的に反省とおわびを表明すること必要だと思います。それは、今回の争議を解決する非常に大きな一歩になると思います。

(*)まず、1月20日の団交では、ユニオンWANが「WANはウェブマスター業務の外注化を撤回せよ」と主張したことについて、理事会は「ウェブマスター業務外注化というのは、事実と異なる」と主張したとのことです。
 しかし、遠藤さんによると、かりに理事会の主張に合わせても、ユニオンWANの主張は、「WANにウェブマスターとして雇われていた遠藤礼子が今まで担当していた業務全てを、業者および理事に担当させることに決め、実行したことをWANは撤回せよ」と変わるだけだいうことです(「1・20団交の報告」より)。
 また、2月2日の団交では、理事会は、「理事会を誹謗中傷している」事項として3点を指摘したそうです(「今日の団交」より)。
 1点目については、理事会から言われる前に遠藤さんは自主的に削除していますから、それほど問題にするべきではないでしょう。
 2点目は、tummygirlさんが、ブログ「FemTumYum」でWANの「新春爆笑トーク」を批判なさったのを受けて、遠藤さんが、「主流フェミニズム界」の実態を嘆いて、「私ってこんなノリの業界のNPOに雇われているだなあ」と書いたことについて、理事会が、「フェミニズムの思想や運動を誹謗中傷するものだ」と批判したということです。
 しかし、遠藤さんは、「主流フェミニズム界」を批判しているのですから、いわば「反主流」だというだけの話です。また、「業界」というのは、「同じ産業にたずさわる人々の社会」(広辞苑)という意味であり、たとえば「音楽業界」に対して否定的評価をしてる人が、「音楽」そのものが嫌いかといえば、別にそうではありません。要するに、これも、せいぜい現在のフェミニズムの状況に対する批判的見地の表明以上のものではなく、「フェミニズムの思想や運動を誹謗中傷するもの」とは言えません。
 tummygirlさんも、遠藤さんが共感を示されたエントリについて、「きちんと読んでいただければ、少なくともあのエントリが『フェミニストとしての批判』だったという事はわかっていただけるのではないか、と思う」と述べておられます(「WAN争議アップデート、あるいは、わたくしフェミニスト(自称主流)ですけれども?」)。
 tummygirlさんは、遠藤さんの発言に対する理事会の批判について、「揚げ足とりか、ためにする批判か、それこそ『中傷』のように思われる」(同上エントリ)と述べていますが、私もそう感じました。
 3点目は、ミヤマアキラさんがブログ「デルタG」で「そもそもなぜWANの理事たちは遠藤さんをウェブマスターとして採用したのかいささか謎である」と述べたのに対し、遠藤さんが「そうですよね! というか、いささか、というより、むっちゃ謎!」と述べた(「そんならわたしは『平成オマンコ塾』で」)という点だそうです。
 私は、この箇所については、遠藤さんもおっしゃっているとおり、「今回の労働争議を引き起こしているようなWANの状況から見て、なぜWANが労組の活動家である遠藤さんを雇ったのか謎である」という意味にしか読めません。
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 検索から来られた方へ:このブログの記事を分類した一覧である「『中国女性・ジェンダーニュース+』記事総覧」を見ていただくか、下の「カテゴリー」欄を使われると、関連情報がご覧いただきやすいと思います。最近の行動派フェミニストについては、「中国の行動派フェミニスト年表、リンク集」をご覧ください。
 また、「中国女性・ジェンダー関係主要HPリスト」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。日本の問題の一部は、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」や「館長雇止め・バックラッシュ裁判」でまとめています。
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