2009-01

農村女性についてのルポが評判に

 呉治平さんの『中国郷村婦女生活調査』(長江文芸出版社 2008年)というルポルタージュが評判になっています。

 呉治平さんは、以前は中国共産党の湖北省随州市委員会の宣伝部副部長でしたが、2005年に退職した後、農村女性問題の研究を始めました。4年あまりにわたる農村での調査や取材をつうじて、呉治平さんは農村女性の苦難を痛感し、多くの女性の相談も受けてきました。

 昨年の11月から、呉さんは「首個郷村婦女生活調査」というブログで、農村女性調査の報告を始めたところ、わずか3日間で150万あまりの訪問数を記録しました(現在では、訪問数は400万近くにまでなっています)。とくに「打工潮下的“臨時夫妻”(出稼ぎの波の下の「臨時の夫婦」)」という記事は100万以上の人が読みました。この記事は、多くの夫が出稼ぎに行って夫婦が別居するために、夫(または妻)が別の異性と「臨時の夫婦」になってしまう現象を取り上げて、夫婦が同居できる方策を考えたものです。

 他にも、たとえば以下のような文章があります(タイトルは、のちに単行本化したときの題名です)。

 ・「紅櫻桃与女性禁忌(赤いさくらんぼと女性のタブー)」……女性を差別するさまざまな風習について。月経中の女性は不浄だから、新婚夫婦の前に立ったり、子どもを産んだばかりの女性の家に入ったりしてはならないとか、亡くなった人の位牌を持てるのは息子や男の子孫だけで、娘は持てないなど。

 ・「生兒子光栄(男の子を産むのは光栄である)」……「養児防老(子どもを育てて老後に備える)」「伝宗接代(代々血統を継ぐ)」という思想によって、男の子を生むことが絶対視されているため、男の子を生めない女性が差別され、離婚さえされていることなど。

 ・「媽媽,你在哪里?(お母さん、どこにいるの?)」……父や母が出稼ぎに行ったために農村に残された女児の性被害について。家に一人でいるときに誘い出されたり、辺鄙な村では、野外に仕事に出かけたときに被害にあったり。継父からの被害や他の土地に仕事に行った時の被害などさまざまだが、告訴が難しいので、被害が表に出るのはごく一部である。

 ・「私房話(ひそひそ話)」……農村女性と結婚や性について対話した記録。彼女たちは「婚姻内強姦」の語がわからないし、夫に対して自分からは性の要求をほとんど出せない。しかし、たくさんの人が集まっている場所で愛や性について語るなど、彼女たちの性についての観念も変わりつつあることなど。

 ・「血殤(血による若死)()」……貧困による売血からエイズに感染した農婦たちが自らの受けた差別について語ったり、売血によって夫が感染して死亡し、自らも感染しつつも、一家を支えて頑張っている女性が自らの状況を語ったり。また、疾病予防センターの医者は、貧困で教育もないために都市で売春をする農村出身のセックスワーカーの感染を防ぐことは難しいと話す。

 ・「婦聯主任怒斥情人論(婦連の主任が「愛人論」を叱責する)」……「婦連の主任はみんな党の書記の愛人だ」というデマが流布されている問題から、女性の政治参加の困難さが浮き彫りになる。

 ・「男婦聯主任的尶尬事(男の婦連の主任のばつの悪さ)」……政治は男の領分だとされているために、計画出産の工作をする婦連の主任まで男性がつとめている村が少なくない情況について。

 こんなふうに簡単に紹介してただけではあまり伝わりませんが、すべて、生々しい実態が語られています。全体として、農村女性の困難な状況を述べたものが多いですが、一つ一つの話に読みごたえがあります。

 呉さんは、昨年12月には、最初に述べたように、調査結果を『中国郷村婦女生活調査』という1冊の本にまとめて出版しました(ネット書店「書虫」データベースのこの本のデータ)。以下のような構成のもと、計48編の報告が収められています(そのうちブログに出ているのは1/3ほどです)。

 第1章 市場は涙を信じない(市場経済下の女性労働について書かれた章です)
 第2章 田舎の習俗
 第3章 「準ホワイトカラー」の気分(都市文明の流入が農村女性に与えた影響についての章です)
 第4章 結婚と恋愛の倫理
 第5章 母の愛はかぎりがない(母と子の関係についての章です)
 第6章 ゆるゆるとした参政の道
 終章にあらず すべては変わりつつある
 付録1 農村女性問題アンケート
 付録2 国連「ジェンダー意識を村の政治の主流に入れる」基本調査アンケート

 「終章にあらず」では、ある村でのUNIFEM(United Nations Development Fund for Women) の「ジェンダー意識を村の政治の主流に入れる」プロジェクトの試みが報告されています。

 この本の裏表紙には、全国婦連女性研究所の劉伯紅さんの以下のような推薦の言葉も掲載されています。
 「ある意味で、中国の農村がわからなければ、中国はわからない。本書は、湖北の随州の農村女性の生活のパノラマ的な真実の記録を通して、中国社会の急激な転換の中における農村女性の困惑と奮闘を明らかにし、農村女性の発展と農村改革の深化に対して建設的意見を提出した、率直で誠意のある、深く問題を探究した、非常に見識のある作品である」

[参考]
只要有人的地方,我就要為女性説話──訪《中国郷村婦女生活調査》作者呉治平」『中国婦女報』2008年12月13日。
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女性の同性愛者・バイセクシュアルの状況調査

 女性の性の権利のための組織である「ピンクスペース文化発展センター(粉色空間文化発展中心)」が、このたび「2008女性同性愛者・バイセクシュアル生存状況調査報告(《2008女同性恋・双性恋生存状況調査報告》(徴求意見稿)」をまとめました(調査用紙は、「女同状況問巻調査2008(ワードファイル)」です)。

 この調査は、2008年の2月から10月までに、20歳─50歳の80人余りの女性の同性愛者やバイセクシュアルの人々を対象におこなわれました。調査対象者は、北京・天津・秦皇島・北戴河・邯鄲・長春・鞍山・威海など9つの都市に住んでいる女性で、バーやレズビアンサロンに出入りしていて、自分がレズビアンだという自覚を持っている人が大多数だということです。

 以下、その結果を簡単に紹介します。

1.カミングアウト
 自分の性的指向をカミングアウトした──友達や同級生に:24人、父母に:13人、兄弟姉妹に:4人、親戚に:1人、同僚に:1人。誰にもしていない──33人。

 カミングアウトの原因……多くの人が「本当の自分になりたくて」カミングアウトするが、家族から結婚を迫られるなどして、しかたなくカミングアウトする人もいる。
 カミングアウトの言葉……大多数の人は「私は女が好きです」「私は男は好きではありません」である。「同性愛(同性恋)」という言葉を使う人は少ない。「同性愛」という言葉は、周囲の抵抗が大きい。「レズビアン(女同、拉拉)」は、同性愛コミュニティ内部の言葉で、外部の人は、そうした身分的な認知がない。
 カミングアウトに対する反応……反対、驚き、不信、好奇、無理解。黙認・受け入れる人もいる。少数の人は理解・支持する。殴られた人もいれば、曲折を経て受け入れられた人もいる。
 カミングアウトしない……カミングアウトしない人の理由は、「性的指向を他人に言う必要はない」、「度胸や機会がない」、「国情が許さない」などである。

2.婚姻と子ども

 異性婚姻……18人は結婚しているか、かつて結婚しており、28人は未婚(その他の人は未回答)。未婚のうち、12人は結婚の圧力を受けている。
 形式的婚姻(結婚の圧力から逃れるために、ゲイとレズビアンが形式的に結婚すること)……43人が支持し、21人が反対。反対の人は、財産や子どもの紛争を恐れていたり、父母を騙すことが嫌だったり、同性愛者であることを隠すことが嫌である。また、一部の男性同性愛者はバイセクシュアルであり、結婚後に女性にセックスを強要する。
 同性婚……64人が支持。3人は、「愛情があれば婚姻は不要であり、婚姻は愛情を踏みにじる」と思いつつ、異性愛者との平等という意味では支持。同性婚を支持する人も、約半数は同性のパートナーとの結婚を望んでいない。このことは、同性婚に対する支持は、個人の願望というより、異性愛者との平等を求めるからであることを説明している。
 子どもの養育……無回答が多いが、15人は、子どもは要らないとし、15人は、子どもがほしいと思っている。
 子どもに対するカミングアウト……子どもに言うべきだとする人が5人、言うべきでないとする人が6人。

3.性と健康

 性のパートナー……(これまでに)0─1人:6人、2-3人:22人、4-6人:12人、9人─:12人。
 一夜の恋……反対:45人、支持:14人、反対も支持もしない:7人。
 愛と性……性には愛が必要:45人、愛がなくとも、性はありうる:21人。
 気を誘う言葉……言語が好き:52人(要你、fuck、親愛的、小祖宗、など)。
 性のテクニック……性のテクニックを学ぶ必要があると思う:52人、その必要はない:19人。
 マゾヒズム……嫌い:52人、好き:6人、反感はないが、やったことはない:16人。
 (女性どうしの)ポルノグラフィー……見るのが好き:37人、どちらでもない:18人、見たことがない:12人。
 レズビアンとエイズ……レズビアンはエイズにならない:32人、なるかもしれない:29人。

4.社会的な差別と組織の設立

 社会的差別……「差別されたことがない」:56人(80%)、「ある」:8人(11%)。「社会を改善する必要があるか」という問いに対しては、「ない」:24人、「ある」:12人、未回答:22人。
 コミュニティ組織……多くの人が、レズビアンのコミュニティ組織を設立して、権益を守ったり交友の機会を作るべきだと回答した。

《状況分析》

1.レズビアン文化を創造し、社会的認知を高めよう

 一部のレズビアンは、カミングアウトして、家族や社会の理解と支持を得ている。けれども、レズビアンに対する無理解、差別、殴打、迫害などの状況があるので、多くのレズビアンは本当の自分になることができない。

 同性愛運動や同性愛映画(同志運動、同志電影)は、同性愛者という身分に積極的な意味を持たせた。映画「断臂山」(ブロークバック・マウンテン、李安監督)によって、「断臂」という言葉が流行した。しかし、「同志」や「断臂」という言葉は、男性の同性愛者の表象である。レズビアンが、カミングアウトのときに、「私は女が好きです」「私は男は好きではありません」と言うのは、レズビアンがまだ正式の身分の言葉になっていないあらわれである。多くのレズビアンは、一方では異性愛の覇権の圧迫を受け、もう一方では女性として男性の覇権の抑圧を受けて、自らの性の欲望や権利を実現することができないでいる。

 このような状況は、レズビアンの組織の出現により変わりつつある。2006年にはレズビアン雑誌『LES+』の刊行が始まり、2008年には上海女愛小組がレズビアンの口述史である『她們的愛在説──愛上女人的女人』という書籍を出版した。いくつものレズビアンサイトや十数本のレズビアンホットラインもできた。しかし、さらにレズビアン自身の文化と歴史を推進・宣伝し、公衆に影響を与え、社会を変える必要がある。

2.伝統的性観念を打ち破り、女性の性の健康を提唱しよう

 みんなが性の知識や性のテクニックを学びたいと思っているのに、それらを提供するところはほとんどない。このような状況は、レズビアンが性の快楽を享受するのを妨げているだけでなく、自らの性の健康を保護するうえでも不利である。

 伝統的な性観念は、性は男が享受するもので、女は男にサービスするものだと考えている。女性が性を論じ、享受し、しかも男なしで性を享受することは、伝統的な性観念に挑戦することである。

 エイズについて語られるときも、レズビアンは無視されている。しかし、レズビアンも実際には結婚している場合もある。また、レズビアンどうしの性行為でエイズが感染することもある。こうした知識を、衛生の専門家やレズビアンのコミュニティに普及させ、自分たちを守る必要がある。

3.コミュニティの動員を強め、社会的差別に反対しよう

 レズビアンはさまざまな差別(カミングアウトをめぐる圧力、結婚の圧力、子供の養育などの面で)をされているにもかかわらず、11%の人しか「差別されたことがある」と答えていない。これは、差別があるために、レズビアンが自分の性的指向を隠さざるをえないので、レズビアンの存在や社会的差別が目に見えなくされているからである。レズビアンコミュニティの内外で議論を起こして、レズビアンに対する社会的差別を目に見えるものにしよう。
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上海市婦連が父親の育児休暇を提案

 先日、上海市婦連が、母親の出産時に少なくとも10日間の「父親が世話をする休暇(父親照顧假)」を設ける提案を上海市の人民代表大会と政治協商会議に提出しました。上海市婦連は、3月に開催される全国レベルの人民代表大会と政治協商会議には、関係する法律の条項を改正する提案をするそうです(1)

 昨年の全国人民代表大会では、浙江工業大学財貿管理学院院長の程恵芳さんが「夫の有給の産休制度を設立する建議」を提出しました。「女が産褥についている期間に、男が産休を取る」という発想のもので、夫が産休期間は、7日~15日にする提案です(2)。今回の上海市婦連の提案も、内容的には程恵芳さんのものと似ていますが、今回は婦連としての提案です。

 この上海市婦連の提案は、上海社会科学院家庭研究センター(上海社会科学院家庭研究中心)の徐安さんらの研究成果にもとづいています(3)

 その研究成果は、昨年8月に、張亮・徐安『父親の参与研究:態度と貢献、効用』(4)として出版されています。この研究によると、妻の出産の時に付き添った夫は、上海の市区で19%、郊外区で6%だけだったそうです。子どもの誕生から満1カ月までの間に1日も休暇を取らなかった夫が、市区で32%、郊外区で24%もいました。3日以上休みを取った夫は、47%だけでした。

 こうしたことの一因は、夫の仕事の多忙さのようです。64%の市区の夫と54%の郊外区の夫が「もっと子どもの相手をしたいけれども、仕事が忙しすぎて時間がない」と答えています(5)。近年、社会の競争が激しくなって、仕事のプレッシャーが増すにしたがって、子どもの出産時に夫が取る休みの日数は減ってきており、1990年代には父親の平均休暇取得日数は8.3日だったのが、2000年以降は7.6日に減ったそうです(6)

 中国では、各地方の法規で、子どもが1人だけで、晩婚晩育(遅く結婚し、遅く出産する)の夫婦に対しては、結婚休暇や産休の日数を増やすとともに、夫にも、子どもの世話をするための休暇を与えています。

 しかし、徐安さんと張亮さんは、そうした休暇は、あくまでも出産を抑制するための褒賞・優待であって、ジェンダー平等の視点や子ども本位の原則によるものではないことを指摘しています。また、地方によって、夫に与えられる休暇の日数の差も大きく、大多数は10─15日ですが、河南省は1カ月ある一方、上海では3日(7)しかありません。

 女性の産休自体は90日で、晩婚晩育の人は120日と、十分な期間があり、むしろ少し長すぎるのではないかと、徐さんらは言います。産休が長すぎると、その間に時代の変化についていけなくなったり、女性を雇うコストが高くなって、女性が職場から排斥される結果を招くかもしれないと言うのです。だから、徐さんらは、今後は父親の育児休暇を増やすべきだと主張しています。

 また、徐さんらは、父親の育児休暇は、スウェーデンやノルウェーのように、父親しか使えないものでなければならないことも指摘しています。北京の場合、遅く出産した女性労働者にプラスされる30日の休暇が「夫も享受できる」という規定になっており、そうした面で不十分さがあります(8)

(1)上海市婦聯将向“両会”建議増設帯薪“父親照顧假”」『中国婦女報』2009年1月9日。
(2)男人休産假,共同分担人類再生産責任」『中国婦女報』2008年3月14日。「程恵芳代表、男性職員にも『産休』を」中国網日文版2008-03-10
(3)家庭研究中心成果為市婦聯関于増設“父親假”的提案提供依据」(中国家庭研究網09/01/03)
(4)張亮・徐安『父親参与研究:態度、貢献与効用』(上海社会科学院 2008年)──上海社会科学院の「新書介紹」ページのこの本のデータ、ネット書店「書虫」の書虫データベースのこの本のデータ
(5)以上、(3)に同じ。
(6)“育児假”鼓励男性進入家庭角色」『中国婦女報』2009年1月15日。
(7)上海市人口と計画生育条例(上海市人口与計劃生育条例)の33条で、「本条例の規定に符合する出産が遅い(晩育の)女性は、国家が規定する産休のほかに、晩育休暇を30日増やし、その配偶者は晩育世話休暇を3日享受する」と規定されています。
 なお、同条例の24条によると、晩婚とは、初婚の時に男の場合は満25歳、女の場合は満23歳になっていることで、晩育とは、第一子を出産するときに満24歳になっていることです。
(8)以上、(3)に同じ。
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『中国婦女報』による「2008年10大女性ニュース」

 今年の元旦の『中国婦女報』に、編集部が選んだ2008年の10大女性ニュースが掲載されていました(「本報編輯部評出十大女性新聞」『中国婦女報』2009年1月1日)。

 私は、この10大ニュースの選び方やコメント(以下に、その概略を書きました)を読んで、『中国婦女報』は、やはり根本的には体制派の新聞だとあらためて感じました。

1 2人の女性農民労働者が初めて全人代の代表に当選

 2008年3月に招集された全国人民代表大会において、上海から来た朱雪芹と広東仏山から来た胡小燕の2人の打工妹(出稼ぎの若い女性)が、初めて全人代の代表という身分で最高国家権力機関に入った。このことは「国家権力機構の変化を体現しているだけでなく、農民労働者の政治的地位の実質的向上を示している」。

2 障害者の女の子の金晶が、体で聖火を守る

 4月7日、パリで、北京オリンピックの聖火リレーがチベット独立分子の妨害にあった。車椅子に乗った金晶は突然の襲撃に対して「両手でしっかりをトーチを抱き、障害を持った弱い体でオリンピック精神を守り、その場にいたあらゆる人の心の琴線に触れた。金晶は、その行動によって祖国のために栄誉を勝ち取った。」

[資料]
・「聖火リレー“妨害”にも負けず…『車椅子の天使』が人気沸騰」(スポーツCHINA~体育中国 2008年4月10日)
・「聖火リレーでトーチを守り中国国内で絶賛され、バッシングも受ける金晶さん」(話題の人登場[深川耕治]2008年4月22日)。

3 汶川地震で、中国の女性の勇敢さと優しさが世界を感動させる

 5月12日、四川の汶川で起きた地震のとき、「中国の女性は勇敢に、かつ力強く『天の半分』の責任を担い、女性特有の優しさによって、情け容赦ない天災に抵抗・反撃した」。46名の生徒を救出した女教師、婦連や広範な女性の救援活動、婦連が組織したボランティア、各地の「代理母親」などなど。

4 北京オリンピック・パラリンピックが成功し、中国の女性選手がすばらしい成績を収める

 北京オリンピックで、わが国は100個のメダルを獲得したが、そのうち女性選手が58個を取り、「中国選手団が初めてメダル数でトップの座を取ったことに不朽の功勲を立てた」。北京パラリンピックでは、中国選手団は金メダル数でもメダル数でもトップだったが、女性選手がすばらしい成績だった。

5 中央宣伝部・公安部・全国婦連など7つの部門がDVの予防と制止に関する意見を出す

 →本ブログの記事「『DV防止のための意見』を公布」参照。

6 三鹿の粉ミルク事件が、母乳育児の難題を浮かび上がらせる

 9月初め、甘粛などの地で、多くの赤ちゃんに腎臓結石が多発した。そうした赤ちゃんは、三鹿集団のメラミンに汚染された粉ミルクを飲んでいたことがわかった。三鹿の粉ミルク事件は、食品の安全の問題に警鐘を鳴らすとともに、「もう一つの社会問題を明るみに出した。なぜ母乳育児はだんだん少なくなっているのだろうか? この事件が起きた後、ますます多くの保護者が赤ちゃんのために伝統的な母乳育児を開始した」。

7 各地の村民委員会の選挙において、女性委員の専職専選モデルが推進される

 →本ブログの記事「村民委員会における女性」参照。

8 中国婦女第10回代表大会が北京で開催され、陳至立が全国婦連主席に当選

 →本ブログの記事「中国婦女第10回全国代表大会(1)──規約改正」、「中国婦女第10回全国代表大会(2)──活動報告」、「中国婦女第10回全国代表大会(3)──女性の期待と大会」参照。

9 世界的な金融危機の下で、帰郷した女性の就労や創業の問題が大きな関心を呼び起こす

 世界的な金融危機の下で、多くの出稼ぎの女性が帰郷し、創業の難度が増加した。12月29日に北京で開催された「2009年就労サービス系列行動」の始動式の席上、全国婦連は「各クラスの婦連は、帰郷した女性の創業や就業の推進を一つの重要な任務にしなければならない」と表明した。

[資料]
 「関于開展2009年就業服務系列活動的通知(人社部発[2008]116号)(2008年12月19日)」(中国網2009-01-05)、「六部門啓動2009年就業服務系列活動 全国婦聯将重点指示務工婦女返郷創業及女大学生・失業失地婦女就業」『中国婦女報』2008年12月30日。

10 妊婦の李麗雲の死亡事件は論争を巻き起こしたが、問題を解決する立法が有望である

 12月23日に全国人民代表大会の常務委員会で2回目の審議をした権利侵害責任法(侵権責任法)の草案の中で、「危険な状況の患者を応急措置をするなど緊急の状況において、患者あるいはその近親者の同意を得るのが難しいときは、医療機構の責任者の承認を経て、ただちに適切な医療措置をとることができる」と規定した。

 2007年11月21日、北京で、家族が署名を拒絶したために、妊婦の李麗雲と腹中の胎児が2人とも死亡した事件は全社会的な論争を巻き起こした。権利侵害責任法は、患者と医療関係者の権益を守るものである。


 *私は、の「国家権力機構の変化を体現しているだけでなく、農民労働者の政治的地位の実質的向上を示している」というのは、あまりにも過大な評価だと思いますし、は、「障害者の女性」ということを悪用しているとしか思えません。は、災害におけるジェンダーという視点や女性NGOの活動に触れていないのは一面的で、むしろ既成の女性役割を肯定しています。は、明らかにナショナリズムでしょう。について言えば、母乳育児に関してもう少し多面的に考えなければ、母親の私的な努力に問題を委ねることになると思います。については、金融危機の影響で女性労働者が失業に追いやられていること自体は問題にせずに、後追い的、尻拭い的な対策をしている感が免れません。
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「同性愛者の家族と友人の会」がサイト開設

 この1月1日、「同性愛者の家族と友人の会」がサイトを開設しました(「同性恋親友会」)。

 「同性愛者の家族と友人の会」とは、昨年6月28日、広州で呉幼堅さんたちが設立した会です(「内地首個同性恋親友会在広州成立」)。呉さんは雑誌の編集者ですが(現在は退職)、中国で初めて、同性愛者である息子を支持することを公に表明した人です。2005年11月、南方テレビ局の番組に息子と2人で出演して、そのことを表明しました。彼女は、その後、多くの同性愛者の家族から、さまざまな悩みの相談を受けてきました。彼女は、「三色菫呉幼堅」というブログもやっており、ブログを通じての相談も多かったようです。そうしたことが、彼女がこの会を設立することにつながりました。

 アメリカにはPFLAG(Parents, Families and Friends of Lesbians and Gays)という団体がありますし(会の英語名はこの団体とまったく同じなので、倣ったのかもしれません)、日本にも「LGBTの家族と友人をつなぐ会(HPブログ)」があります。中国の会も、その目的は、こういった団体とそれほど大きな違いはないと思いますが、一応、下のような趣旨を掲げています。
 1)客観的・科学的・全面的に、社会に向けて同性愛の知識を宣伝する。
 2)健康的な生活理念を主張し、同性愛者のアイデンティティの実現を助ける。
 3)同性愛者およびその親や友だちの間の理解や意思疎通を促進し、同性愛者がすごしやすい生活環境を創り出す。

 中国の代表的な性社会学者・李銀河さんも、昨年、この会が設立されると、すぐに自分のブログで支持を表明しました(「支持同性恋家長呉幼堅」2008-07-03)。

 現在、会の正式メンバー(同性愛者の父母・直系親族)は20名あまり、ボランティアが90名だということです。

 昨年は、以下のような活動をしました。
 ・8月29日~ 電話相談(月・水・金の夜10時~深夜1時)(「同性恋親友会熱線日前在広州開通」)。全国各地のゲイ・レスビアンやその母親・妻から、計243本の電話(昨年12月26日時点)があったということです。
 ・中秋と国慶節に、レクリエーションを兼ねた、同性愛者やその親どうしの交流、語り合い(「“中秋同賞月,心月両団円”活動邀請函」、「親友会再掀楽第二波:国慶同游」)
 ・ゲイの人々に向けて、4回にわたって、HIV無料検診を兼ねた交流会(たとえば、「相互関愛,健康生活――呉幼堅見面曁HIV」)
 ・12月13日 レズビアンどうしのレクリエーションと交流(「同性恋親友会組織“拉拉放松一日游”」)。

 それぞれの活動については、上記のブログ「三色菫呉幼堅」にも詳しく書かれていますし(たとえば、「親友会義工聯慶元旦」という記事には、昨年の活動についての最もまとまった記述があります)、会のメンバーである阿山阿強といった方のブログにも書かれています。

 この1月の4日と5日には、初の同性愛者の父母の懇談会を開催するとのことで、10名あまりの父母の参加が予定されています(「首届同志父母懇談会将下月在広州召開」)。

 どこの国でも同じで、中国でも、ある母親は、息子が同性愛者であることをカミングアウトしたとき、非常に苦しみ、なんとかして息子を異性愛者に変えられないかと思ったりもしました。けれど、その母親は、インターネットにアクセスしたり、同性愛者の活動に参加したりして、息子を理解するようになっていきます。とくにある会で、50人ほどの同性愛者が集まって討論をしているのを見て、「これらの子どもはみんなまったく正常ではないか? 教育程度も、個人の能力も高い人たちだ。同性愛は、けっして人々が言っているような『変態』などではない」と悟ったことが大きかったそうです。

 会のサイトには、子どもから「私は同性愛者だ」と言われたときのQ&Aも収録されています(「当孩子告訴父母是同性恋時,写給中国父母的問答01」、「同02」)。これは、アメリカのPFLAGのサイトに掲載されているものの中国語訳ですが、貴重な情報だと思います(なお、日本の「LGBTの家族と友人をつなぐ会」のHPには、同様の内容の日本語訳があります)。

 なお、会のサイトには、「中国同性愛年鑑」と名付けられた、近年の中国の同性愛者に関する年表も収録されており(「中国同性恋年鑒」、こちらは「南方人物週刊」からの転載)、よく整理されていると思います。
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 また、「中国女性・ジェンダー関係リンク集」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。
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