2008-11

ウイグル女性に対する強制中絶

 ウイグル人の人権擁護を訴え続けておられるkokさんのブログ「真silkroad?」が、今月、ウイグル女性に対する強制堕胎の問題を、連続して取り上げられました。最近起きたアルズグリさんという人のケースと、ウイグルの人権活動家・ラビア・カーディルさんの三女、レイラさんのケースです。

妊娠6カ月のウイグル人女性が中国当局による強制堕胎に直面
妊娠6カ月、アルズグリさん解放される、強制堕胎回避
レイラ・カーディルさん[ラビアさん三女]ウイグルの計画生育を語る
レイラ・カーディルさん[ラビアさん三女]ウイグルの計画生育を語る(その2)

アルズグリ・トクソンさんの場合

 ウイグル人は、農民の場合は子ども3人、都市生活者の場合は子ども2人が許されているそうです。しかし、アルズグリさんの場合、ご自分は農民でしたが、夫が都市出身だったので、身分が不明瞭だったことがトラブルの原因になりました。中国当局は、彼女を中絶させるために、4万5千元もの罰金や土地・財産の没収で脅したり、多くの警察の車を出してアルズグリさんを病院まで連れて行ったり、その際に家族を逮捕したり……という非常に強制的な方法を使いました。

 アルズグリさんは、中絶のために病院に強制収容されたのですが、国外とのコネクションがあったのでしょうか、亡命ウイグル人の活動やアメリカの下院議員、北京のアメリカ大使から要請があったために、幸い、病院から解放されました。

レイラ・カーディルさんの場合

 レイラ・カーディルさんは、お母さんのラビアさんが末の妹を妊娠したときのことや、ご自分が出産したときのことを語っておられます。

 お母さんのラビアさんが末の妹を妊娠した当時は、ウイグル人は、中国の計画生育政策にはほとんど従っていなかったそうです。ただし、ラビアさんは、当時、新疆で成功者として影響力のある女性だったので、政府はラビアさんの影響力を恐れて強制的に中絶させようとしたのですが、ラビアさんは4万5千元もの罰金を払って、末娘を出産したそうです。

 レイラさんご自身のときは、1人目の子どもを妊娠すると、当局に「仕事を始めていて、ある年齢以下ならば、子どもはまだ産めない」と言われて中絶させられます。しかし、1年もたたずに、2人目の子どもを妊娠しました。その時は、医者に「今度も中絶したらもう子供を産めなくなるかもしれない」と言われたこともあって、レイラさんは、子どもを産みたかったのですが、やはり結局、中絶に追い込まれました。

 私は、ウイグル人の状況や中国におけるリプロダクティブ・ライツについては不勉強なので、こうした記事から読み取るべき情報が十分読み取れていないと思います。ですから、できれば原文を参照してください。しかし、私が読むのはどうしても中国国内の文献が中心になりがちですから、こうした記事は貴重なものだと感じます。中絶の問題に関してもアメリカでは亡命ウイグル人の活動があるらしきことも、はじめて知りました。

 なお、チベット女性に対する強制中絶などに関しては、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のHPに「産児制限と中絶・不妊手術の強制」というページがあります。また、英語ですが、チベット女性協会(Tibetan Women's Association)のHPに、同協会が国連の女性差別撤廃委員会に出したオルタナティブ・レポート(NGO Alternative Report on the status of Tibetan Women)が収録されており、その中に、VIOLENCE AGAINST TIBETAN WOMEN(女性に対する暴力)のB. Reproductive Rights Violations(リプロダクティブ・ライツの侵害)として、1. Forced or Coerced Sterilization(強制的な不妊手術)、2. Forced or Coerced Abortion(強制的な妊娠中絶)、3. Eugenics(優生学)、4. Monitoring of Reproductive Cycles(生殖周期の監視)について、それぞれ述べられています。
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華人レズビアン連盟設立

 10月28日、上海で「華人レズビアン連盟」の設立大会がおこなわれ、第1期組織委員会や規約も決めました。

 「華人レズビアン連盟」は、大陸・香港・台湾・アメリカなどのレズビアンの組織と個人で組織されました。その目的は、地域を越えた華人(中国人や中国系住民)のレズビアンやバイセクシュアル、トランスジェンダー女性の組織と個人を結び付け、協力のための体制をつくり、相互援助を促進することにあります。

 「華人レズビアン連盟」が設立される基礎になったのは、今回で第2回目になる、地域を越えたレズビアンの(指導能力の)育成訓練活動[培訓。英語ではleadership fornmとか、leadership trainingと書かれています]活動です(第1回目については、第1回華人多地域レズビアンオルガナイザー・トレーニングキャンプの報告参照)。今回の活動は、10月16日~27日に、「2008レズビアンキャンプ・レズビアンのつながり(2008拉拉営・拉拉串串)」という名称でおこなわれました(「レズビアン」という名称が付けられていますが、バイセクシュアルやトランスジェンダーの女性も含むと説明してあります)。150人が35の都市から集まりました。

 1回目は、広東省の珠海でおこなわれましたが、今回は、鞍山、昆明、成都、北京、上海という5つの都市でおこなわれました。より当地のニーズを知って、多元的な文化交流をするためだそうです。

 今回の組織委員会は、北京の同語、台湾ジェンダー人権協会、香港女同盟会、ニューヨークの華人ジェンダー研究センターによって構成されました。それぞれの地方で開催を引き受けたグループは、北京のles+、上海女愛、成都les愛心活動グループ[工作小組]、昆明同話社、鞍山レズビアン[拉拉]駅站ワーキンググループ[工作組]です。

 今回の内容は、LGBTの運動史や組織建設、ボランティアの募集・管理、資金の調達と財務管理、公衆教育、メディアの技法、さまざまな文化活動(映画、写真、口述史など)でした。地域の市民や女性団体とも交流し、市民も多く参加したようです。

[資料]
華人拉拉連盟「華人拉拉連盟成立」(2008年11月7日)(女権在線HP)
「2008年拉拉営─拉拉串串・活動公告」(2008年9月24日)(女権在線HP)
「第二届拉拉営─拉拉串串活動円満結束」(2008年11月5日)(女権在線HP)、 “Lala Camp 2008 • LALA CONNECTIONS” LEAPS FORWARD(華人性/別研究中心HP)(英文あり)
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桂さんに対するファイトバックの会のお詫び文に異議あり

 バックラッシュ勢力に屈した豊中市が、同市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」の非常勤館長だった三井マリ子さんを不当に雇止めした事件の裁判(館長雇止め・バックラッシュ裁判。詳しくは私のHPの中の特集ページ参照)は、9月に控訴審の第3回口頭弁論が行われました。この日の法廷には、浅倉むつ子氏の鋭い意見書が提出され、今回、その意見書が冊子にもなったので、意見書に対する私の感想も後日書きたいと思います。

 ただし、今日は、この裁判を支援する「ファイトバックの会」(私も会員です)の問題について書きます。

 「ファイトバックの会」は、2007年、この裁判に証人として出廷した桂容子さん(当時の「すてっぷ」館長)に対して、ブログの多くの記事で、不当な誹謗中傷をおこないました。そうしたブログの記事は、会のニュースレターにも転載されました。そのため、ここ数カ月間、桂さんに対する謝罪やファイトバックの会(とくに世話人会)のあり方が問題になってきました(詳しくは、「ファイトバックの会 謝罪問題まとめ@wiki」をご参照ください)。

 桂さんに対しては、すでにファイトバックの会は、ブログやホームページではお詫びをしています。そして、今回、ニュースレターにもお詫びが掲載されました。そのこと自体はもちろん良かったのですが、今回ニュースレターに掲載されたお詫びの内容には、大きな問題があると思います。

 今回のニュースレターでのお詫びは、以下のとおりです。


<お詫び文>

 すてっぷ前館長・桂容子証人の証言をめぐってのニューズレター4号(2007年[ここは、「5」の字が脱落している]月3日発行)の記事(4、5ページ目)に、桂さんの心情を傷つける不適切な表現がありました。桂さんに心からお詫びいたします。ニューズレター4号印刷版については、残部は廃棄処分といたします。ファイトバックの会のみなさまには4号を廃棄していただきますようよろしくお願いいたします。対応が大変遅くなり、桂さんには大変なご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。
 また、当会ホームページに掲載されていた4号、その該当記事が掲載されていたブログも削除いたしました。なお当時のブログ管理人の判断によりブログ全部が2008年8月から閉鎖されましたが、現在、改善版に向けて工事中となっておりますことをあわせて報告いたします。
 互いの人権を守るという基本を改めて確認するとともに、今後はこのようなことのないよう、掲載内容について充分注意いたします。

2008年11月 ファイトバックの会代表 (代表のお名前はここでは略します)


 上のお詫びは、すでにブログやHPに掲載されたお詫びと比べて、重大な点で違いがあります。ブログやHPに掲載されたお詫びでは、「桂さんに対する事実誤認にもとづいた不適切な表現(があったので、桂さんに心からお詫びします)」となっていた箇所が、「桂さんの心情を傷つける不適切な表現」というふうに、「事実誤認にもとづいた」という言葉が抜けて、「桂さんの心情を傷つける」という言葉に変わっているのです(HPでのお詫びの全文)。

 私は、ことさら、このように文の内容を変えたのは非常におかしいと思います。というのも、桂さんは、今年の5月、ファイトバックの会の会員を通じて、ブログでの誹謗中傷について、会に文章を送ってご指摘をなさったのですが、その桂さんの文章は、まさにブログの記事に事実誤認が含まれていることを非常に具体的に指摘したものだったからです。

 私はファイトバックの会のメーリングリストなどにも入っているのですが、私が見聞きするかぎり、会の中でも、桂さんの文章がウソだとか、誤りだとかいうことを主張しうる証拠や具体的な論拠は出されていません。

 ここにもう一度桂さんに対する誹謗中傷を掲載するわけにはいきませんし、桂さんの訴えの文も、ご自分の多くのプライバシーを含めて書かれていますので(そうしてまでも、桂さんはご自分のことをわかってほしい、誤解を解きたいと思っておられたのです)、ここには引用できません。しかし、私自身が、桂さんに対する誹謗中傷と桂さん自身の文章、当時のさまざまな状況、桂さんの証言内容などから判断しても、さまざまな点から見て、桂さんのご指摘の方が真実であり、桂さんを誹謗中傷した文には事実誤認が含まれていたと思います。

 しかし、ニュースレターのお詫び文は、「表現」を問題にしているだけなので、単に表現が口汚いものだっただけで、書いてあること自体は事実であるかのように思われかねない危険性が少なくないと思います。

 ですから、私は、ファイトバックの会の次号のニュースレターには、必ず「事実誤認」という言葉を含めるような訂正をしていただくように訴えています。そうすることは、会に対する信頼を高めて、運動の前進にも役に立つと思います。

 (以上のような点については、私は、もちろんファイトバックの会のメーリングリストの中でも問題にしています。しかし、メーリングリストに入っている会員は250人程度であるのに対し、ファイトバックの会のニュースレターは800部以上発行されています。会の外に対する影響も無視できないので、このブログでも不十分ながら書かせていただきました。なお、上のお詫び文は、ファイトバック会のブログの閉鎖や再開についての書き方も適切でないように思いますが、とりあえず、桂さんご自身に直接関わる箇所だけを取り上げました。)
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台湾の立法院が日本政府に「慰安婦」謝罪要求決議

 11月11日、台湾の立法院が、以下の決議をしました(議事處「立法院第7屆第2會期通過之議案(PDFファイル)」)。

 「日本政府は、はっきりとした曖昧でない態度で、戦時の日本軍の性奴隷制度の歴史的責任を公式に認めてお詫びをし、引き受けて、被害を受けたサバイバーに対して直接に謝罪と賠償をして、一日も早く慰安婦の被害者の名誉と尊厳を回復し、国連の人権委員会の勧告に従って、今の世代と次の世代に正確な史実を教育するべきである(日本政府應以清楚且不曖昧的態度,正式地承認、道歉且接受戦時日軍性奴隷制度的歴史責任,対受害倖存者進行直接謝罪和賠償,以利早日回復慰安婦受害者的名譽和尊嚴,遵守聯合国人権委員會建議,且教育這一代和下一代有關這段正確史實)。」

 黄淑英さん(民進党)、楊麗環さん(国民党)ら、28人の女性の立法委員が超党派で共同で提案し、全会一致で採択されました。

 この決議に関する内外のさまざまな報道や台湾の「慰安婦」については、碧猫さんのブログ「Gazing at the Celestial Blue」が「台湾立法院にて、『慰安婦』謝罪要求決議採択」で、ブログ「Stiffmuscleの日記」さんが「台湾国会で『慰安婦』謝罪決議案が可決」で詳細に書いていらっしゃいますので、ぜひご参照ください。
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中国婦女第10回全国代表大会(3)──女性の期待と大会

 今回の大会に先だって、人民網や中国婦女網、中華女性網などのネット媒体が、「現代の中国女性の十大期待」というネット調査をおこないました。調査は、15の選択肢の中から10項目を選択するという形式でおこなわれました(1)。調査期間は、9月25日~10月26日で、3350人が投票しました。その結果、以下の10項目が上位に入りました(選択した人が多い順)(2)

1.「女性の公民は毎年1回、無料で産科の検査が受けられる」
2.「女性の雇用環境が改善され、雇用の性差別が阻止される」
3.「男女両性の定年が平等になる」
4.「職業女性が『出産』と『昇進』(との矛盾)の苦境を脱し、出産が職業上の発展の障害にならない」
5.「住宅の価格が合理的になり、各家庭がぴったりの住宅を持てる」
6.「女性がDVの被害にあったら、『110番』ですぐに援助が得られる」
7.「流動女性がみな出産保険に入る」
8.「メディアの女性像がいっそう積極的・健康的になり、女性の進歩と発展を正確に反映する」
9.「人民代表大会・政治協商会議の女性の代表の比率がたえず上昇し、もっと多くの女性が政界の上層に入る」
10.「男女平等の基本的国策が全面的に実現し、婦連の組織がさらに社会的影響力を持つ」

 以下の項目は、11位以下でした(順不同)。
 「全国的な反セクハラ専門の立法が早く制定される」「都市と農村の女性の創業が、さらに多くの政策的扶助と融資のサポートを得られる」「中国最初の女性宇宙飛行士が宇宙に行く」「レディーファーストが公共生活の基本的礼儀になる」「国家が政策を出して、男女の両性がともに家事労働を分担するように励ます」

 ただし、1位の「女性の公民は毎年1回、無料で産科の検査が受けられる」も、63.33%の人が選択したにとどまっています(3)。10位以内に入らなかった「全国的な反セクハラ専門の立法が早く公布される」も、44.36%の支持を集めているので(4)、少なくとも上位10項目の間には、それほど大きな差はなかったものと思われます。

 また、大会の代表(代議員)たちも、全国的な反セクハラ専門の法律を制定するよう求めるなど(5)、さまざまな問題を論じました(6)

 中国婦女第10回全国代表大会の活動報告は、以上のような女性の願いに応えるものだったでしょうか?

 大会の活動報告を見ると、まず、第3章の「今後五年の女性の発展の目標」で、経済・政治・社会・家庭における女性の地位向上について、それぞれ述べています。また、第4章では、「男女平等の基本的国策を宣伝し、やりとげる力を強める」「『2つの要綱』(2001─2010年の中国女性発展要綱と中国児童発展要綱)の重点や困難点の指標を推進実現する」「不断に権利保護活動の実効性を強める」などの点が書かれています(7)

 また、第4章の「男女平等の基本的国策を宣伝し、やりとげる力を強める」ことを述べた箇所には、「ジェンダー平等意識を政策決定の主流に入れることを全力で推進する」という文言もあり、この点に注目した記事もあります(8)。たしかに、以前の大会の活動報告にはこのような文言はありませんでしたから、この点は、何らかのメルクマールではあるのでしょう。

 しかし、第3章で「目標」として書かれているのは、たとえば経済の分野で言えば、「就労における性差別を一歩一歩改善し、男女の収入の格差がいっそう縮小する」というような一般的な目標であり、「就労差別禁止法」や「セクハラ防止法」(すでに民間では提唱されている)のような具体的な法律の制定を要求するようなことは書かれていません。政治分野の目標でも、一般的に「女性の代表を増やす」とか「女性の代表の働きを発揮する」いうことが書かれているだけで、たとえば「クオータ制」を導入するというような具体的な目標は書かれていないのです。

 この活動報告では、ネット調査で多くの人が期待していた「男女両性の定年を平等にする」とか、「DV」とか、「両性がともに家事労働を分担する」というようなことには、まったく言及されていません。もっとも、上で述べたように「中国女性発展要綱」を推進することは方針として書かれていて、この要綱は「女性に対する暴力」についても触れています。実際、少しは婦連もDVや男女の定年差別の問題にも取り組んでいます。しかし、活動報告の中で、そうした問題に対する具体的な目標を掲げていないのは、運動体としては弱いのではないかと思います。

 なお、ネットでの投票や代表(9)の議論においても、農村に残された女性や女性農民労働者のような本当の底辺の人々の声は十分出ていません。そうした人々の声はいっそう婦連の活動には反映されにくいのだろうと思います。

(1)「当代中国女性十大期待網絡調査」(人民網・中国婦聯新聞網)
(2)「当代中国女性十大期待網絡調査結果掲曉 “女性公民毎年一次免費婦検”居榜首」『中国婦女報』2008年10月27日。
(3)同上。
(4)「莫譲“潜規則”泛濫 反対“性騒擾”立法亟待加強」人民網2008年10月30日
(5)「中国十大代表呼吁 懲治性騒擾手段応更具操作性」『法制日報』2008年10月31日。この記事は、刑法の強制猥褻罪をすべてのセクハラに適用するわけにはいかないし、かといって治安管理処罰法では、「5日以上10日以下の拘留」だけであり軽すぎると指摘しています。立証責任の問題等についても規定するように代表たちは要求したということです。
(6)「婦女十大代表熱議婦女維権」新華網2008年10月31日
(7)黄晴宜「高挙中国特色社会主義偉大旗幟 団結動員全国各族各界婦女為奪取全面建設小康社会新勝利而奮闘──在中国婦女第十次全国代表大会上的報告」『中国婦女報』2008年11月1日
(8)佟吉清「社会性別主流化从源頭上賦権婦女」『中国婦女報』2008年10月31日
(9)大会の代表は、94.69%が大学や専科学院卒の学歴を持ち、50.86%が労働模範や「三八紅旗手」などの省・部クラス以上の栄誉称号を持ち、39.77%が婦女工作者であるなど(「半数以上代表曾獲省部級以上栄誉称号,近80%代表是“新面孔” 婦女十大代表具先進性和広泛代表性」『中国婦女報』2008年10月28日)、偏りが大きいように思います。
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中国婦女第10回全国代表大会(2)──活動報告

 この大会では、中華全国婦女連合会の副主席で書記処第一書記の黄晴宜さんが「中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、全国各民族・各界の女性を団結させ立ち上がらせて、ある程度ゆとりのある[小康]社会を全面的に建設する新しい勝利を獲得するために奮闘しよう」(1)と題する活動報告をおこないました。

 この報告は、4つの章からなっています。

 まず、「一、過去5年間の回顧」では、中国共産党や政府の政策によって女性のための環境が整ってきたことや、女性が社会のために貢献したこと、婦連の活動が発展したことが賛美されています。

 「二、科学的発展観を深く貫き遂行しよう」では、中国共産党が昨年の17回党大会で打ち出した「科学的発展観」を女性運動や婦連の活動に生かすべきことを述べています。具体的には、女性のさまざまな問題を解決するためには、「社会経済の発展」(具体的には、党と国家が目指す「小康社会」の建設など)が必要であることや、逆に、「科学的発展」や「調和社会」実現のためには、男女平等が必要であることなどが述べられています。

 「三、今後5年の女性の発展の目標」には、政治や経済、社会、家庭における女性の地位を向上させることが書かれています。それとともに、女性自身が「科学的発展」や「調和社会」実現のために努力することを呼びかけています。

 「四、全力で婦連の活動の新しい局面を切り開こう」では、婦連の活動の目標として、以下の5点が掲げられています。
 (1)発展の機会をつかんで、女性が経済・社会の立派で急速な発展のために新しい貢献をするよう導く。
 (2)権利の保護の職能をきわだたせて、女性が最も関心があり、最も直接的で、最も現実的な利益の問題の解決を推進する。
 (3)優位性を充分に発揮し、社会の管理と公共サービスに参与する上でさらに大きな成果を勝ち取る。
 (4)持続可能な発展に立脚して、女性の事業の発展に有利な体系の建設を促進する。
 (5)勇敢に改革して新機軸を打ち出し、婦連自身の建設を全力で推進する。

 以上から見て、この報告は、題名にも現れているとおり、全体として見ると、女性を国家・社会に貢献させることを強調した報告だと言えるでしょう。

 ただし、厳密な比較はまだしていませんが、5年前の第9回大会の報告(2)に比べると、男女平等や女性の権利への言及が若干、増えているように思います。前回の第9回大会の報告も、今回の第10回大会の報告も、全体の構成は似ているのですが、今回は、「四」の(2)~(4)あたりを中心に、女性自身の権利や発展に関する方針への言及が前回より増加しているようです。

 なお、この大会では、スローガンとして、「ともに科学的発展を促進し、ともに調和社会を築き、ともにすばらしい生活を創ろう(共促科学発展 共建和諧社会 共創美好生活)」ということが打ち出されました(3)

 このスローガンは、「三」の後半に書かれており、女性に対する呼びかけです。大会閉幕時の『中国婦女報』の社説によると、以下のようなことを女性に求めたものだそうです。
 ・「ともに科学的発展を促進する(共促科学発展)」……科学的な発展に参与して新しいものを創り出す意識を強め、創造の活力を最大限に発揮し、経済社会の立派で急速な発展のために貢献し事業を成功させる。
 ・「ともに調和社会を築く(共建和諧社会)」……社会主義の核心的な価値体系に、家庭の調和、人間関係の調和、社会の調和を促進するために努力する。
 ・「ともにすばらしい生活を創る(共創美好生活)」……新しい思想・新しい理論・新しい知識によって自己を充実させ、女性特有の才気と知恵によって多彩な人生を創造し、男性と肩を並べて、いっそう幸福ですばらしい未来を共同で創り出す。

 大会のスローガンが、社会に対する要求ではなく、女性に対する要求になっているところに、婦連の限界や問題点が端的にあらわれていると思います。「科学的な発展」とか「調和社会」という言葉には、経済成長一辺倒ではなく多元的なものを認めるような側面もあるのですが、それらが、女性に対する要求として言われているがために、「科学」や「調和」のために女性が努力するよう求めるスローガンにしかなっていません。家庭や人間関係の「調和」を女性に求める根底には、女性のジェンダー役割も見えかくれしています。

 次回は、活動報告の中の男女平等に関する個所や、大会に対する女性の期待などにも触れたいと思います。

(1)黄晴宜「高挙中国特色社会主義偉大旗幟 団結動員全国各族各界婦女為奪取全面建設小康社会新勝利而奮闘──在中国婦女第十次全国代表大会上的報告」『中国婦女報』2008年11月1日
(2)顧秀蓮「以“三個代表”重要思想為指導 団結動員全国各族各界婦女為全面建設小康社会而奮闘──在中国婦女第九次全国代表大会上的報告」『中国婦女報』2003年8月27日
 構成は、以下のとおりでした。
 一、五年来の中国の女性運動の新しい発展と基本的経験
 二、「三つの代表」という重要な思想で、中国の女性運動を指導する
 三、新世紀の初めの中国の女性の事業の発展の目標
 四、新しい形勢の下での婦連の組織の主要な任務
 (1)広範な女性をある程度ゆとりのある[小康]社会を全面的に建設するために貢献するよう団結させ、動員する
 (2)婦連の組織のサービス水準を向上させるよう努力する
 (3)改革の精神で婦連の組織自身の建設を強化する
 (4)社会的で開放的な婦連の活動方式をいっそう完全にする
(3)「共促科学発展 共建和諧社会 共創美好生活 婦女十大発出新号召」『中国婦女報』2008年10月29日「(社論)共促科学発展 共建和諧社会 共創美好生活──熱烈祝賀中国婦女第十次全国代表大会閉幕」『中国婦女報』2008年10月31日

*以下に、これまでの大会の活動報告の題名やスローガンを列挙してみました(原文は「歴届婦代会文件」参照)。
第1回(1949年4月)
 活動報告:穎超「中国の女性運動の当面の方針と任務の報告」
 蔡暢、主席に
第2回(1953年4月)
 活動報告:穎超「四年来の中国の女性運動の基本的総括と今後の任務」
第3回(1957年9月)
 活動報告:章蘊「勤倹して国を建設し、勤倹して家事を切り盛りして、社会主義を建設するために奮闘しよう」
 スローガン:「勤倹建国・勤倹持家」
第4回(1978年9月)
 活動報告:康克清「新しい時期の中国の女性運動の崇高な任務」
 スローガン:「四つの近代化は女性を必要とし、女性は四つの近代化を必要とする」
 康克清、主席に
第5回(1983年9月)
 活動報告:康克清「発奮し自強し、女性運動の新しい局面を切り開こう」
 スローガン:「自尊・自愛・自重・自強」
第6回(1988年9月)
 活動報告:張幗英「自尊・自信・自立・自強し、 改革の難関にいどむ段階の勝利のために貢献しよう」
 スローガン:「自尊・自信・自立・自強」
 陳慕華、主席に
第7回(1993年9月)
 活動報告:黄啓璪「全国の女性は団結して、中国の特色を持った社会主義を建設するために努力し奮闘しよう」
第8回(1998年9月)
 活動報告:顧秀蓮「小平理論の偉大な旗印を高く掲げ、全国各民族・各界の女性を団結させ立ち上がらせて、わが国の世紀をまたぐ壮大な目標を実現するために努力し奮闘しよう」
 スローガン:「巾幗創新業(女性が新しい事業をおこす)」
 彭珮雲、主席に
第9回(2003年8月)
 活動報告:顧秀蓮「『三つの代表』という重要な思想を指導とし、全国各民族・各界の女性を団結させ立ち上がらせて、全面的に小康社会を建設するために奮闘しよう」
 スローガン:「創造新崗位・創造新業績・創造新生活」
 顧秀蓮、主席に
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中国婦女第10回全国代表大会(1)──規約改正

 10月28日から31日まで、中国婦女第10回全国代表大会が開催されました。中国婦女全国代表大会とは、中国共産党の指導の下にある女性団体である「中華全国婦女連合会」が、5年に1度開催する大会です。

 この大会では、主席が顧秀蓮さん(略歴)から陳至立さん(Wikipediaの記述)に交代するなどの変化がありました。2、3回に分けて報告しようと思います(児童労働問題の続きは、また後ほどいたします)。 

 この大会では、中華全国婦女連合会の規約[章程]が、かなり改正されました。改正されたのは、主に「総則」と第1章の「任務」の部分ですので、その2カ所がどのように改正されたかを以下で示してみます。赤字が新たに付け加わった文言です(1)


総則

 中華全国婦女連合会は、全国の各民族・各界の女性が、中国共産党の指導の下に、いっそうの解放を勝ち取るために団結した社会的大衆団体であり、党・政府と女性大衆とを結びつける橋梁・紐帯であり、国家政権の重要な社会的支柱である。

 中華全国婦女連合会は、憲法を根本的な活動規準とし、法律と「中華全国婦女連合会規約」に基づいて独立して自主的に活動する

 中国女性は、中国の特色を持った社会主義を建設する重要な力である。中華全国婦女連合会は、マルクスレーニン主義・毛沢東思想・小平理論と「三つの代表」という重要な思想を行動の指針にし、科学的発展観を深く貫き実行する。社会主義の初級段階においては、婦女連合会は、中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、党の基本理論・基本路線・基本綱領と基本的経験を堅持し、マルクス主義の女性観を堅持し発展させ、男女平等の基本国策を貫いて、広範な女性を団結させ、導いて、いくからゆとりのある[小康]社会を全面的に建設し、社会主義の物質文明・政治文明・物質文明を推進するうえで積極的な役割を発揮しなければならない社会主義の経済建設・政治建設・文化建設・社会建設・エコロジカルな[生態]文明建設において積極的な役割を発揮し、富強で民主的で文明的で調和がとれた社会主義の近代的な国家の建設のために奮闘しなければならない

 婦女連合会の基本的な職能は、女性の権益を代表・擁護し、男女平等を促進することである(この文自体は以前から存在したが、この文の前で改行することにより、新しい段落にした)

第1章 任務

 第1条 女性を団結させ、動員して、改革開放と社会主義近代化[現代化]建設に身を投じさせ、経済の発展と社会の全面的進歩を促進する科学的な発展を推進し、社会の調和を促進する

 第2条 広範な女性を教育し導いて、自尊・自信・自立・自強の精神を発揚し、総合的資質を向上させ、全面的発展を促進する。マルクス主義の女性観と男女平等の基本的国策を宣伝し、女性の全面的発展に有利な社会的環境をつくりだす

 第3条 女性を代表して、国家と社会の仕事[事務]の民主的決定[決策]・民主的管理・民主的監督に参与し、女性と子どもに関する法律・法規・規則[規章]と政策の制定に参与し、社会の管理と公共サービス[服務]に参与し、女性の人材を養成・推薦し、女性・児童の発展要綱の実施を促進し、女性と子どもの合法的権益を擁護する。

 第4条 女性の子どもの合法的権益を保護し、各レベルの国家機関に関連する意見と提案を出し、関係部門・単位に、女性と子どもの権益を侵害する行為を調査・処置することを要求し、助け、被害にあった女性と子どもを援助する。

 第4条第5条 女性の仕事と生活に関心をよせ、サービスのルートを広げ、サービスの陣地を建設し、公益事業を発展させ、ボランティアの隊伍を発展させて、女性・子どもと家庭のために服務する。社会の各界と連係して、社会の各界と協力して女性と子どものために具体的なこと[実事]を推進する。

 第5条第6条 各民族・各界の女性の大きな団結を強固にし、拡大する。香港特別行政区・マカオ特別行政区・台湾地区および華僑と海外の中国人の女性・女性組織との親睦[聯誼]を強め、祖国統一の大事業を促進する。世界各国の女性と女性組織との友好・交流を積極的に発展させて、理解・友誼・協力を促進し、世界平和を擁護する。


 以上からは、だいたい、以下のような点が言えると思います。
 1.今回の規約改正によっても、中華全国婦女連合会が、中国共産党の指導の下に、女性を国家目的のために動員する団体としての性格が強いこと自体は変わっていない。
 2.「科学的発展観」など、今日の政権のスローガンを取り入れている。
 3.以前の規約と比べれは、女性と子どもの権益や男女平等、婦女連合会の自主性が強調されている。

 3.の点に関しては、文言上はかなり大幅な改変となっており、1988年の第6回大会が、以下のような改正をおこなって以来の改正ではないかと思います。
 ・1988年の中国共産党第13回大会で提唱された「政治体制改革」の「職能をはっきり分ける」という要求により、「婦連の職能」を「女性の利益を代表・擁護し、男女平等を促進する」と明確に規定した。
 ・婦連の役割として、「総則」からは、「児童少年を養育・教育して健康に成長させる」ということを削除した。
 ・第3条として、「女性を代表して、社会の協商・対話に参加し、民主的管理・民主的監督に参与し、女性と子どもに関する法律・法規・条例の制定に参与する」という、ほぼ現行の第3条と同様の規定が設けられた。(2)

 ただし、今回の第10回大会での改正では、第2章以下(「第2章 組織制度」「第3章 全国組織」「第4章 地方組織」「第5章 基層組織」「第6章 団体会員」「第7章 婦女連合会の幹部」「第8章 経費と財産」「第9章 会のマークと会の旗」)は、ほとんど変わっていません。

 婦女連合会の経費が「主に政府の支出による」という文言(第35条)も変わっていませんので、女性の権益や男女平等を主張するための制度的・財政的な保障は明確でないように思います。けれど、婦女連合会が、規約上は、そうしたものを重視しだした背景には社会の変化があることは間違いないでしょう。

(1)これまでの規約は、「中華全国婦女聯合会章程(中国婦女第九次全国代表大会部分修改,2003年8月26日通過)」『中国婦女報』2003年8月27日、改正された規約は、「中華全国婦女聯合会章程(2008年10月31日中国婦女第十次全国代表大会通過)」『中国婦女報』2008年11月1日、改正された箇所についての説明は、「関于《中華全国婦女聯合会章程修正案》的説明」『中国婦女報』2008年11月1日参照。
(2)以上に関しては、「関于修改中華全国婦女聯合会章程的幾点説明(1988-09-01)」全国婦連HP、「中華全国婦女聯合会章程(1988年9月6日 中国婦女第六次全国代表大会通過)」(『中国婦女報』1988年9月7日)参照。第13回大会の「政治体制改革」は、翌年の天安門事件により後退しますが(その後、また部分的に進められる)、1980年代末以降、婦女連の政策決定への主体的参加が、若干ではあるが、活発化したことは、この規約と関係していると言えるように思います。
 なお、規約の歴史的変遷も、以下、ついでに大まかに見ておきます。
 1949年の第1回中国婦女全国大会で採択された規約は、以下のようなものでした。
 第1章 総綱
 第1条 本会の名称は、中華全国民主婦女連合会と定める。
 第2条 本会の主旨は、全国の各階層・各民族の女性大衆を団結させ、全国の人民とともに、帝国主義に徹底して反対し、封建主義と官僚資本主義を打ち倒し、統一した人民民主共和国のために奮闘し、また、女性に対する一切の封建的な伝統習俗を廃棄し、女性の権益と子どもの福利を保護し、積極的に女性を組織して各種の建設事業に参加させ、男女の平等、女性の解放を実現する。
 この時の規約は、「経費」についても、「本会の経費は募金、生産事業を興す、会員の会費徴収などの方法で集める(16条)」となっていました。
 1957年の第3回大会で採択された規約以降、「中国共産党の指導の下」という文言が入ります。第3回大会の規約では、会の名称は「中華人民共和国婦女連合会」と改められ、また,経費についての規定はなくなっています。
 1978年の第4回大会で採択された規約では、会の名称が「中華全国婦女連合会」と改められました。
 1988年の第6回大会で採択された規約から、経費についての規定も設けられ、現行の規約と共通する部分が大きくなります。
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京都で『女工哀歌(エレジー)』上映会

 12月7日(日)、京都で『女工哀歌(エレジー)』の上映会がおこなわれます。中国の出稼ぎ女性労働者たちを描いた作品です。多国籍企業の責任なども問う映画です。私も協力させていただきます。プレ企画として、『捨てられた人形~グローバリゼーションとアジアの女性労働者』の上映会もあります。

 以下のような形でおこなわれますので、よろしければおいでください(以下は、ブログゆるゆる☆☆☆かふぇから転載させていただきました)。

///ゆるゆるトークかふぇ☆2008師走///

※可能な限り、バリアフリーな映画会をやってみる「ゆるゆるトークシネマ」ご案内

『女工哀歌(エレジー)』(原題:「CHINA BLUE」2005/88分)上映会

配給元「新日本映画社エスパースサロウ」のサイト
http://www.espace-sarou.co.jp/jokou/
~ ~ バリアフリー環境でロードショーを観よう! ~ ~

★副音声をつけます

★日本語字幕つきです

【と き】2008年12月7日(日)18時15分~21時15分(参加受付:17時15分より三階エレベーター前。お時間の許す方は17時50分からの会場づくりにお力を貸して下さいね)

【ところ】ひと・まち交流館京都 三階第4・第5会議室
http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html, 携帯はこちら⇒http://shimin.hitomachi-kyoto.jp/i/

【参加費】1,000円  

※只今上映協力券取り扱い中です。

※郵便振替でもお申し込み頂けます。文末の要領で連絡ください。チケットの受け取り方法も明記くださいね。
例)郵送、当日受付など。

※定員にゆとりがあれば当日参加も可能ですが、準備の都合もありますので、なるべくなら事前申し込みかチケット購入をお願いできたら嬉しいです!

●TIME TABLE●

・18時15分~開場 
 配給会社メッセージ

・18時30分~20時 
 「女工哀歌」上映

・20時10分~21時 
 レクチャー&会場トーク:「中国の出稼ぎ女性労働者-その状況,政策,運動」講師・遠山日出也(現代中国女性史研究者)

・21時~21時10分 主催者挨拶(ゆるゆるトークかふぇ事務局)

総合司会:
 森理恵(服飾文化研究者)

◎上映協力券または郵便振替の控えをおもちの方で、事前に参加申し込み頂いた方(先着24名様)は、同じ日の午後に行う以下のプレ企画にご参加いただけます)

●プレ企画~中国以外のアジアの労働者のことも知ろう!●

■2008年12月7日(日)

【ところ】ひとまち交流館3階、京都市福祉ボランティアセンター内、ミーティング室1・2

・14時~15時
 『捨てられた人形~グローバリゼーションとアジアの女性労働者』ビデオ上映
 原題:「DOLLS&DUST」(VHS、カラー60分)制作:CAW&WAYANG 日本語版制作:アジア女子労働者交流センター
-----------
 経済のグローバル化がもたらす自由化、民営化、規制緩和の流れの中で、困難に立ち向かうスリランカ、タイ、韓国の女性たちの姿を伝えるドキュメンタリー。

・15時10分~16時30分 レクチャーと会場トーク:森理恵

【参加手続き・入場方法】
事前申し込み。当日は郵便振替の控えまたは「女工哀歌」企画の上映協力券を提示

プレ企画については会場キャパの関係で聴覚・視覚のバリアフリー対応は難しそうですが、可能な限り考えてみます。一度ご相談ください。
 
●ここに、ゆるゆるトークかふぇの新機軸●

 2006年以来、アジアや日本の女性労働の中にグローバリゼーション経済のもたらす影響について問題提起してきた「ゆるゆるトークかふぇ」。このほど「ゆるゆるトークシネマ」という新しいシリーズが加わることになりました!
これは、《映像という方法》をメインに使いながら、レクチャーとトークで様々な問題を考え、解決の道筋を開こうというものです。

●まずは、お隣・中国の女性労働の現場から●

 その第一回として、12月7日(日曜)に『女工哀歌(エレジー)』 の自主上映会を行います。この映画は貧しい農村から出稼ぎにきている若い女性縫製労働者たちの労働や生活の現場で撮った作品です。

 舞台は、中国の新興工業地帯にある欧米向けジーンズの縫製工場。そこでは工場経営者は欧米の多国籍企業の身勝手な要求をのんで、厳しい条件の仕事を引き受けています。が、だからといって経営者がまるまる板挟みになるわけではなく、その分、若い女性労働者たちを容赦なく搾り取るのです。

 こうして10代を中心とした彼女たちの低賃金・長時間労働に支えられたブルー・ジーンズが、先進国のスーパーマーケットでは梱包を解くとすぐさま「SALE」の値札を付けられて店頭に並べらる。そして、それを縫ったひとに思いをはせることもなく安いというだけで買っていく消費者。

 この映画には直接日本人や日本企業は出てこないけれど、中国にはたくさんの日系工場や下請があり、さらに国内でも外国人研修制度を利用した劣悪な労働現場は存在します。

 これは、たいていMADE IN CHINAの 安い服しか買えない日本のわたしたちにとっても無関係ではない世界なのです。

 この映画で、たいしてわたしたちの懐が痛まず買える服というのは、いったい誰が、どこで、どんな働き方で作っているのだろう?と考えてみたいと思います。そこから始まるなにかが、きっとある筈。

●もうひとつの柱は「バリアフリー」とはなにか?を考えること●

 さらに、今回の自主上映会は、「誰もが快適な環境で映像に親しむ」ということを、「もうひとつの重要なテーマ」にしています。それは、この映画だけではなく、車椅子者である主催者が、バリアフリーの視点で現実の映画館を考えたとき、いかに当事者の現実やニーズとかけ離れているかを感じているからです。

 そこでこの上映会のシリーズでは、車椅子者だけでなく、映画上映そのものがバリアフリーになっていない為に、たとえ映画館のスクリーンの前には行けてもアクセスすることさえ阻まれてしまうひとたちと一緒に、それぞれのさまざまなスタイルで映画を味わうことをテーマにしていきたいと思います。

 だから、ちょっとした映画上映の実験室になるかも?

主催:ゆるゆるトークかふぇ事務局
blog:http://yuru2cafe.jugem.jp
mailto:yuru2cafe@yahoo.co.jp

●郵便振替口座
上記メールでお問い合わせください。
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