2008-02

香港でセックスワーカー自身の組織「姐姐仔会」設立

 2月24日、香港でセックスワーカー自身の組織「姐姐仔会」の設立祝賀会がおこなわれました。

 これまで存在していた「紫藤」「青鳥」は、どちらかと言えば、セックスワーカー自身の組織というよりも、セックスワーカーを支援する組織という色彩が強いものでした。

 ただし、「紫藤」の一つの目標は、セックスワーカーを組織して、自分たちの権利を守るために自らの組織を設立させることでした。2006年11月、紫藤は、数名のセックスワーカーと協力し、援助して「姐姐仔会」を設立しました。「姐姐仔」というのは、セックスワーカーのフレンドリーな呼称です。セックスワーカーに覚えてもらいやすいように、この名称にしたそうです。その後も、彼女たちに対してさまざまな訓練の機会を与えたり、援助をおこなったりしました(1)

 「姐姐仔会」の会員は、現在58名で、「一楼一鳳」(2)やサウナ、マッサージパーラーで仕事をしている人たちが主です。すでに社会団体としての登録も済ませ、今回、正式に設立した祝賀会をおこないました。設立祝賀会には、立法会(香港の立法機関)議員の劉慧卿梁国雄両氏を含めて、ゲストも100人あまり出席しました。

 「姐姐仔会」会長のLilyさんは、「姐姐仔会」は労働組合ではないが、セックスワーカーに法律的な権利を教える活動はおこなうと言います。一番重要なのは、同業の者どうしが、心の中に鬱積しているものを出しあえることだとのことです。対外的には、公衆への教育活動に力を入れて、エイズの予防の宣伝をしたり、大学でも講座をおこなって、多くの公衆に理解を深めてもらい、職業に対する偏見をなくしたいと語りました(3)

(1)「不同地区的性工作者項目‐香港」(中国語)|「New sex workers programs in different areas‐homgkong」(英語)(『紫藤会訊』第20期より)
(2)ビルなどの一つの部屋に一人の女性がいる形式のもので、「一楼一」、「161」、「141」とも言う。8割前後は、大陸からの移民。詳しくは、Wikipedia「一楼一鳳」参照。
(3)「港首個性工作者組織成立 圖洗行業恥辱争取公衆認同」『蘋果日報』2008年2月25日(紫藤BLOGより)、「“姐姐仔會”成立慶祝會」(中国語)|「JJJ Association celebration party」(英語)(紫藤HPより)。
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ドーンセンター売却反対のマーチと署名

 大阪府の橋下府政は、財政改革の名の下、ドーンセンター(大阪府立女性センター)の売却を検討しています。それに反対して「好きやねんドーンセンターの会」が結成されました。
 「好きやねんド-ンセンターの会」では、次のようなアクションをやります。

「売らないで下さいドーンセンター」マーチ
 2月29日(金)11:50~12:20


●コース
 ドーンセンター⇒OMM⇒谷町筋南⇒谷町2東⇒府庁南

●参加者目標は、100名をめざします。
 ・ドーンセンター1F・11:20AMパフォーマンススペースへ集合
 ・お時間がゆるす方は、11時に集合してください。風船を膨らまします。
 ・11時50分、きっちり出発します。
 ・男性、子供さんの参加、大歓迎です。ただし、バギー参加は危険なので不可。

●マーチのコンセプト
 ・雨天決行
 ・トランペット、トロンボーン5名の演奏を先頭に、1.1Kmを約20分~30分で歩きます。
 ・元アナウンサーによる、府民へのアピール(シュプレヒコールはナシ)

●ドーンセンター前にてチラシ・PR活動にご参加ください。
26日(火)11:30-13:00
27日(水)11:30-13:00
28日(木)11:30-13:00

署名活動

 「ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)の存続並びに男女共同参画政策の推進を求める要望書」に添付する書名です。
 下の「好きやねんド-ンセンターの会」のサイトにて、署名用紙がダウンロードできます。第一次締め切りは3月20日です。ご協力をお願い申し上げます。

http://www.sukiyanen-dc.com

「大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)の存続を求める要望書」(提出済)

 すでに、橋本知事の発言の直後の2月15日、緊急に「大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)の存続を求める要望書」も提出しています。
 2月11日から13日の4日間で、ご意見は計1065件(府内668、府外330、国外3、ドーンセンター前64)にもなったとのことです。

 私も以下のような意見を添付して署名しました。
 「ドーンセンターは、関西で女性やジェンダーの問題に関する催しが最も多くおこなわれる場所だと思います。滋賀県に住んでいる私のような者も、1年に何回も行きます。私もここで性差別のない社会を作るための展望や困難についていろいろ学んできました。ですから、けっして大阪だけの問題ではないことをご理解ください。だいたい、職場での差別にしろ、女性に対する暴力にしろ、性差別は全然なくなってません。むしろドーンセンターの機能をもっと強化しなければならないと思います。(滋賀県草津市)」
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世界華人性学家協会設立

 1月20日-22日、世界華人性学家協会(World Association of Chinese Sexologists[WACS])の設立大会が深圳で開催されました。サイトも出来ました(世界華人性学家協会。ただし、まだ完成していない箇所が多い)。

 この協会は、世界の中国人のセクソロジストや中国人のセクソロジーを研究している中国研究者を結集するために、昨年から設立が準備されていたもので(昨年9月にすでに香港で登記済)、このたび設立大会をおこないました。300人あまりが参加したようです。

 協会の役員は、名誉会長が阮芳賦(The Institute for Advanced Study of Human Sexuality教授)、会長が呉敏倫(香港大学医学院教授)、副会長が、馬曉年(清華大学玉泉医院性医科学科主任)、明(アメリカ)、何春蕤([台湾]国立中央大学教授)、林燕卿([台湾]樹徳科技大学人類性学研究中心所長、台湾性学会理事長)、李銀河(中国社会科学院社会学研究所)、胡佩誠(北京大学医学部教授、中国性学会常務副理事長)、陶林(大陸)、潘綏銘(中国人民大学教授、同大学社会学研究所所長)の各氏です。

 女性は、何春蕤、林燕卿、李銀河の各氏です(たぶん)。大会の参加者は女性が半数程度いるのですが、役員は男性のほうが多いようです。

 明さんのブログには、設立大会の様子が写真入りで掲載されています(世界華人性学家薈集中国深圳)。方剛さんのブログでも報告されています(性学家有幾個性夥伴?(世界華人性学家協会成立大会手記))。

 協会の会誌は『華人性研究(Chinese Sexuality Research)』です。創刊号は23本の論文などを掲載しており、全文ダウンロードが可能のようです(《華人性研究》創刊号)。

 今後は、2年に一回、学術会議を開催する予定です。第1回目は、来年8月に台湾の高雄で開催し、第2回は、2011年8月にアメリカのニューヨークで開催するそうです。

[追記(2010.01.21)]
 世界華人性学家協会のHPは、http://www.wacshome.net/に変更されています。
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『中国婦女報』になぜ「軍旗飄飄」面?

 今年から『中国婦女報』の毎週木曜の第7面が「軍旗飄飄」面になりました(今年だけの可能性もありますが)。

 『中国婦女報』は、官製的色彩が強い女性団体である「中華全国婦女連合会」の機関紙であることもあり、従来から、人民解放軍の建軍記念日である8月1日前後は、毎年、軍隊関係の記事が多かったです。
 しかし、毎週、特定のページを軍隊関係の特集にしたのは、『中国婦女報』が1984年に創刊されて以来、初めてです。

 記事の内容も、なにも軍隊における女性差別や女性兵士の人権について論ずるようなものではまったくなく、軍隊での女性の活躍、軍事に対する女性の貢献について報じるものです。
 この「軍旗飄飄」面の各コーナーの内容は、以下のようなものです(当初の計画。実際にはこのとおりにコーナーが設けられているわけではないが)。
 ・「深度報道」「軍界女星」「美麗女兵」……これらは、みな軍隊での先進的な事績・英雄的な人物を報じるコーナーです。
 「深度報道」は、全軍の重要な模範を報道する。
 「軍界女星」は、軍事科学領域で成果を収めた女性の軍事理論家や科学者を報道する。
 「美麗女兵」は女性兵士の先進的事績を報道する。
 ・「我是軍嫂」……軍人の妻の生活などを報じるコーナー。
 ・「両地書」……軍人や軍人の妻などのためのコーナー。
 ・「巾幗史鑑」……古今・国内国外の女性軍人の感動的な事跡をつづる。
 ・「軍地在線」……軍人の就職や転業、軍人の妻の就業、子どもの入学など、注目されている話題について、党や政府の探索や実践を報じる。
 (以上は、「新年致読者」[1月3日]より)

 毎回のトップ記事の内容は、以下のとおりです。見出しを見てもわかるように、みな軍隊や軍隊での女性の活躍をたたえるものです。
 1月3日「“我們是中国最好的女飛行員”──空軍第八批女飛行員成長剪影」
 1月10日「西部百姓的生命保護神──第四軍医大学医療扶貧恵及西部群衆紀実」
 1月17日「博士曲磊:演繹現代版軍嫂」
 1月24日「音楽響起,我們就忘了年齢──軍隊文工団一批退休舞踏演員自組舞踏団為観衆免費演出」
 1月31日「千里辺関軍中歌声正酣」
 2月14日「救災 大写火熱情懐」

 『中国婦女報』に「軍旗飄飄」面が設けられたということは、軍隊への女性の進出の反映なのでしょうか? それとも、北京オリンピックに向けた国内の思想的引き締めの一環なのでしょうか?
 べつに深い意味はないのかもしれません。また、『中国婦女報』は8ページ建てであり、週6日発行されており、そのうちの1ページが「軍旗飄飄」面になったただけですから、紙面全体から見れば、1/48、すなわち2%ほどにすぎませんので、そのこと自体の影響はわずかでしょう。
 しかし、木曜日の第6面は、それまでは「文化・読書」という、女性の著作などを紹介するページだったこともあり、少し気になります。
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北京LGBT文化活動センターがオープン

 2月14日、北京LGBT文化活動センター(北京同志文化活動中心)がオープンしました。このセンターは、北京「同語」レズビアングループ愛白文化教育センター北京愛知行健康教育研究所Les+誌などの同性愛やセクシュアルマイノリティの(ための)グループが、共同で作りました。

 このセンターは、LGBTの諸組織に活動の場所を提供するとともに、彼(彼女)らのために文化活動を催すセンターです。まだ建設中ですが(2月14日に初めて使用されて、「開幕(開業、オープン)」はしたのですが、組織として正式に設立されるはまだ先のようです)、活動室・会議室・相談室・事務室を設ける計画です。センターは、いま、センターの建設と日常の事務のために専従の活動家(有給)を1人募集しています。

 オープン当日は、センターの設立に参加した同性愛者やバイセクシュアルの人々が、道行く人々に、チラシで包んだカーネーションを贈って、同性愛者たちへの理解と支持を求めました。今月は、同性婚姻をはじめとしたLGBTの権利について訴える月にするそうです。2月14日のバレンタインデーに活動したのは、「あらゆる愛し合っている人々を支持してほしい」とか、「異性愛者と同じように、同性愛者も恋人と最後には家族になりたいと思っている」とかいう訴えをするためのようです。この活動は『新京報』やロイターでも報道されました。

[追記]
 『Les+』は、2007年4月から新しいブログを作っておられます(コメント欄で白咏冰さんに教えていただきました)。アドレスは、新ブログはhttp://blog.sina.com.cn/lesplus、旧ブログはhttp://lesplus.yculblog.com/です。

[追記2(2010.1.21)]
 「同志」の語は、「同性愛者」よりも、「LGBT」のほうが適切な訳であり、また、このセンターの英文名が「Beijing LGBT Culture and Activity Center」になっていますので、この記事のタイトルなどを「北京LGBT文化活動センター」に改めました。

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レインボー社、北京LGBT文化活動センターその後

[資料]
 ・「情人節北京同志街頭送玫瑰 開啓同性婚姻倡導月活動」2008年2月14日(→センターの写真やカーネーションを贈る活動の写真、カーネーションと一緒に渡すチラシの写真が掲載されています)(愛白網より)
 ・「北京同志文化活動中心招聘工作人員」2008年2月15日(愛白網より)
 ・「同性恋者街頭派発玫瑰」『新京報』2008年2月15日(→チラシに包んだカーネーションの写真が掲載されています)→リンク切れのときは、白咏冰さんのブログでの同紙の記事の紹介参照。
 ・「Love in the air from Bondi to Bangkok to Beijing」Reuters2008年2月14日→リンク切れのときは、白咏冰さんのブログでの記事の紹介参照。
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信陽市の「女性は試験で2点プラス」という決定についての議論

 2007年10月1日に河南省信陽市で、中国共産党市委員会と市政府は「信陽市女性思いやり実施意見(信陽市関愛女性実施意見)」(1)を公布しました。

 この意見(「意見」という名称ですが、地方的法規です)は40条からなっていますが、数値を明確に規定している条項がある点が注目されています。たとえば――
 第1条 計画出産政策に合致して女児を産んだ農民の家庭は、分娩費用を20%減免する。その費用は計画出産事業費から支出し、市と県から50%ずつ出す。
 第4条 女の子ども2人の夫婦の養老保険の費用は、市・県・郷が2:4:4の比率で計画出産事業費から支出する。
 第33条 農村の満60歳になった、女の子ども1人だけの家庭と女の子ども2人だけの家庭の父母は、毎月1人50元の奨励扶助費を出す。
 という条項があります。これらは、中国の農村では女児よりも男児が生まれることを望む状況(女児が生まれても、男児が生まれるまで出産を続ける状況)があることを是正するための方策でしょう。

 ただ、今回とくに議論になっているのは、次の2つの条項です。
 第12条 本市の各種類の高級中学(=日本の高校にあたる)、市が管轄する各種類の中等専門学校と職業技術学校の入試では、女子にはみな2点を加える。
 第20条 指導的幹部を公募する時は、女性幹部は、筆記試験の成績に満点の2%を加える。
 実際、信陽市の副局長クラスの幹部の公開選抜のとき、筆記試験の際に2%加点されたことによって面接試験にすすむことができた女性もいたようです(2)

 以上のような規定に対して、現在、中国ではさまざまな意見が出されています。 

 ・数量化したことは、具体的で実効性のあるやり方である(佟吉清)(3)

 ・いささかコストはかかるけれども、何年かあとには、社会の進歩と調和といういっそうの収穫が得られるだろう(張伝発。この意見は、主に第1条や33条について言っているのでしょう)(4)

 ・女子生徒の入試の点数にプラスするのは、男性に対する逆差別である(馬碧)(5)
 ・入試や指導的幹部の公募の点数で女性を優遇するのは、社会の公平原則に違反しているのはもちろん、女性に対する「施し」か差別である疑いもある(賈如軍)(6)

 ・中学の時の学校の成績は、全体的に女子生徒の方が良いのだから、女子生徒に加点することは教育の公平を破壊する。行政権力は、「点数の前には人はみな平等である」という教育の自律的機能を尊重せずに、点数を、自分の手中にある、分配したり褒美を与えるための資源と見なしている(曹林)(4)

 ・女性が弱者であるのは、生理的な特徴によるものではなく、社会の体制や習俗によるものである。だから、社会の体制や習俗こそを変えるべきであって、「点数を加算する」というのは怠惰で、後遺症を生じるやり方である(馬碧)(5)
 ・女性はさまざまな社会的差別に直面しているので、女性への思いやりを数量化して政府の責任にするやり方には、敬服するし、感激する。しかし、真に男女不平等を引き起こしている根源は、女性に対する採用や評価・審査の偏りや誤りである。だから、入試や幹部登用の際の加点は、実質的な問題を解決しない(十年一刀)(4)

 ・男女でスタートラインが違うのだから、現在の不平等な状況を補うためには、女性に偏った配慮をすることは必要である(趙艶紅)(3)
 ・形式的平等ではなく、実質的平等を実現するためには必要である(佟吉清)(3)
 ・女性差別撤廃条約は「暫定的特別措置」を規定している。「点数の前に人はみな平等である」は神話にすぎない。手続き上の平等ではなく、実質的平等が必要である(呂頻)(7)

 ・報道によると、試験の際の点数の加点について、男子学生や男性幹部は「気にしない」と言っているし、女子学生は「興味がない」と言っている。2点くらいでは恩恵を受ける女性は少ないのだろうし、また、大学入試や就職の方が大きな問題なのだろう。宣伝効果の方が、実際の効果よりもはるかに大きい。実質的な平等のための措置としては、最も初歩的で、ごく知れたものである(呂頻)(7)

 ・具体的に執行するに当たっては、「2点をプラスする」という規定について、科学的評価をすることを提案する。たとえば、「高級中学への女性の進学率を一定の比率にするためには、何点プラスする必要がある」などとというふうに。また、一部の地方では男尊女卑が女性の進学を妨げてる現状があるのだから、女子学生への奨学金を男子学生よりも高くするなどの措置も必要ではないか(趙艶紅)(3)

 ・「思いやり(関愛)」という名称は誠意を疑わせる(呂頻。コメント欄で)(8)
 ・「思いやり」では、真の差別の解消はできない(呂頻ブログのコメント欄)(8)
 
 私は、一般論として言えば、どの意見についても「そうした面もあるだろう」と思います。けれど、私には現地の具体的状況がわかりませんので、軽率にあれこれ言うことはできません。ただ、一つ一つの条項を区別して考えなければならないことは確かだと思います。入試の点数の加点と指導的幹部への女性の優先的登用についても、その二つを区別して考えることが必要でしょう。
 そのうえで、たとえば入試の点数の加点の問題について言えば、具体的に信用市の高級中学進学率の男女差やその原因について具体的に調査した上で、その是非を検討する必要があると思います。

 また、私は、どのような経過でこうした規定が出されたのかについても興味を引かれます(入試の点数の加点を女性団体が要求したという話は聞きません)。上記のように、「思いやり」という名称の問題点を指摘している人がいますが、果たして信陽市が「暫定的特別措置」という位置づけでそうした規定を設けたのでしょうか? 大きな流れのなかに位置づければそう言えるのかもしれませんが。
 『中国婦女報』の蘇建軍記者は、中共信陽市委員会の王鉄書記の個人的な役割を重視した記事を書いていますが(9)、王鉄書記の講話を読むかぎりでは、確かに王鉄書記は女性の役割を重視しているのですが、語っている内容はわりあい一般論であるのように思います(10)

(1)「信陽市関愛女性実施意見」『中国婦女報』2008年1月12日。
(2)「12条規定把関愛女性量化為政府責任」『中国婦女報』2007年10月17日。
(3)「給女性加分,是在製造不平等嗎 河南省信陽市関愛女性実施意見的探討」『中国婦女報』2008年2月5日。
(4)「関愛女性能否不以傷害公平為代価」『西安晩報』2008年1月29日。
(5)「女性考試加分:矯枉過正的歧視」紅網2008年1月29日。
(6)「関愛女性不是対女性“施捨”」人民網河南視窓2008年1月31日。
(7)「从実質平等看給女性加分」BLOG「朝陽路上」(呂頻さんのブログ)2008年2月1日。『中国婦女報』2008年2月2日にも掲載
(8)同上コメント欄
(9)「関愛女性──譲女性常沐明媚春光」『中国婦女報』2008年1月12日。
(10)「信陽市委書記王鉄在女幹部座談会上的講話摘要」『中国婦女報』2008年1月12日。
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スポーツ用品産業労働者の搾取・虐待の解消めざす「プレイフェア2008」キャンペーン

 いま、北京オリンピックに向けて、「プレイフェア2008」キャンペーンがおこなわています。このキャンペーンは、オリンピックの「フェアプレイ」原則が働く現場にまで及ぶよう、オリンピックを陰で支えている世界のスポーツ用品産業で働く労働者の権利尊重を求めるものです(「プレイフェア2008」のサイト[日本語、英語、中国語])。このキャンペーは、クリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)国際労働組合総連合(ITUC)国際繊維被服皮革労組同盟(ITGLWF)がコーディネイターになっておこなわれています。他にも、多くの労働団体やNGOがサポーターになっています(日本の「連合」もサポーターです)。

 私は、このキャンペーンのことを、先日送られてきた『CAWネットニュース』(CAWネットジャパン発行。CAW=アジア女性労働者委員会)23号の記事で知りました。その記事は、「スポーツウェア産業を実際に支えているのは、開発途上国の衣料労働者であり、その多くは女性であることを忘れるわけにはいけません。衣料労働者は、多国籍スポーツウェア会社を頂点として、途上国の製造業者、下請工場、孫受け工場、家内労働者に至るまで、数多くのサプライ・チェーンに組み込まれ、過酷な労働条件で働いています」と述べたうえで、クリーン・クローズ・キャンペーンの機関紙に掲載されていた“Beijing Olympics Here we come”CCCnewsletter 24,Oct 2007)という文章の翻訳を掲載したものでした(中村洋子訳)。

 その記事にも書かれていたことですが、この「プレイフェア2008」キャンペーンは、以下の組織が、労働者の権利を保障するためにそれぞれの役割を果たすよう求めています。
 1.国際オリンピック委員会(IOC)
 2.国内オリンピック委員会とオリンピック組織委員会
 3.スポーツウェアブランド
 4.スポーツウェア、スポーツシューズ、五輪ロゴ商品を供給する企業(サプライヤー)
 5.政府
 6.とくに中国政府
 7.投資家
(詳しくは、それぞれをクリックしてみてください)

 昨年6月には、この「プレイフェア2008」は、北京オリンピックのライセンス商品を供給している中国の工場で、労働者の権利が非常に侵害されていることを指摘した調査報告書(No medal for the Olympics on Labour Rights(英語版)|奥運労権零奨牌:奥林匹克標志生産工作環境調査報告(中国語版)[ともにPDFファイル])を発表しました。
 この調査報告書は、中国の4つの工場で、次のような実態があることを明らかにしています。
 ・最低賃金を下回る給与
 ・長時間労働、強制的残業
 ・不合理な罰金や賃金カット
 ・安全衛生上の問題
 ・労働契約がないこと
 ・法律で認められた産休の欠如
 ・社会保障がない
 ・労働組合がない
 ・児童労働
 ・査察のための検査官を欺くための偽の給与明細の作成
(4つの工場とは、いずれも広東省にある、東莞市の利奇文教用品有限公司、深圳市の裕栄昌軽工製品有限公司、東莞市の意高皮革製品有限公司、深圳市の飛達帽業控股有限公司です)

 この調査報告書に対して、北京オリンピック組織委員会と中国政府は、指摘された4つの工場のうち、3つの工場では時間外労働が横行していること、残りの1つの工場では児童労働の事実があったことを認める声明を出し、これらの企業との契約を停止ないし破棄すると述べました。

 「プレイフェア2008」は、北京オリンピック組織委員会と中国政府が調査報告書にもとづく対応をとったことは評価しました。しかし、「プレイフェア2008」は、企業との契約を破棄することは労働者をさらに窮地に追い込むだけであり、労働団体とも協力して労働条件を改善することこそが求められていると指摘しました。
 また、北京オリンピック組織委員会の声明は、しかるべき賃金が支払われていなかった労働者に対する保障や救済について触れておらず、この点に関しても「プレイフェア2008」は失望を表明しました。
 また、北京オリンピック組織委員会の声明は、企業の社会的責任(CSR)の問題に重点が置かれていて、労働者自身を中心にすえる視点がありませんでした。「プレイフェア2008」は「全世界のサプライチェーンにおける持続可能な改善は、労働者が自分たちの意思で選択した団体、すなわち自主的な労働組合を通じ、自由に自分たちの利益を代表することができるようになってはじめて達成できる」と指摘して、中国政府に結社の自由と団体交渉権を認めるよう求めました(以上は、「北京オリンピック組織委員会の声明に対する返答」より)。

 こうした問題に関しては、国際オリンピック委員会(IOC)のイニシアチブも必要なのですが、IOCもきちんとした対応をしませんでした。「プレイフェア2008」は、この点についても批判をしています(「『IOCはプレイの質を上げるべき』、Playfair2008」)。
 「プレイフェア2008」のサイトでは、IOCのロゲ会長に、オリンピック関連商品の生産をしている労働者の権利侵害に対して、IOCとしても責任を持って対処するように要望するメッセージを送ることができるようになっています(「フェアプレイをするようIOCに伝えよう!」)。私も送りました。

 なお、今号の『CAWネットニュース』には、「プレイフェア2008」についての記事だけでなく、CAWネットジャパンとワーキング・ウィメンズ・タマリバの女性たちが香港の家事労働者組合を訪問した記事や、「衣服をつくる女性たち ジェンダー・世界の衣料産業・女性たちの運動」という連載の[3]「女性たちの疲労と病気1 衣料労働者の健康に及ぼす性別役割の影響」という記事も掲載されていて、興味深いです。
 私は、多くの方にCAWネットジャパンにもご加入いただいて、こうした問題を知っていただいたり、解決する行動をしていただきたいと思います(CAWネットジャパンの紹介)。
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香港のセックスワーカーのための組織「青鳥」と「午夜藍」がサイト設立

 香港にあるセックスワーカーのための組織は、「紫藤」(1996年設立。ブログ)が有名ですが、昨年「青鳥」もサイトを設立しました(「青鳥」のサイト)。

 「青鳥(Action for REACH OUT)」は1993年に設立され、香港だけでなく、中国大陸やタイ、フィリピンなど外国から来たセックスワーカーのサポートにも力を入れています(「関於青鳥」)。
 「青鳥」については、すでに岡崎千佳さんが「セックスワーカーをサポート 『青鳥』」として『女たちの21世紀』41号(2005年冬号)で簡単にレポートしておられます。岡崎さんによると、「青鳥」は、もともとはヨーロッパから来た3人の女性によって設立された団体だとのことです。

 「青鳥」はサービスセンターも持っていて、そこでさまざまな活動をしています。たとえば──
 ・電話相談
 ・転介服務(referral service)‥‥セックスワーカーに法律相談、健康診断、臨時シェルターなどの紹介。
 ・朋輩教育(peer education)……訓練を通じて、セックスワーカーの自己主張、組織化、エンパワメントを助ける。
 もちろん、センターの外でも活動をおこなっています。
 ・外展服務(outreach service)……セックスワーカーの仕事の場に出向いて、健康のための教育や権益擁護のための活動をする。
 ・公衆教育……セックスワーカーに対する市民の理解を深めもらって、誤解や偏見をなくし、セックスワーカーに対する関心や支持を獲得する。
 ・提案‥‥政府の政策や法律について研究や弾劾、提案をする。長期的にはセックスワークの非犯罪化を目標にしている。
 ・研究‥‥セックスワーカーのニーズや状況を研究する。職業上の安全・健康、法律上の権益、差別、スティグマについてなど。

 このサイトでは、ニュースレター『Reaching Out 展翅』を読むこともできます(「青鳥通訊―《展翅》」)。

 また、「研究」のページでは、次の2つの研究報告を全文、読むことができます。

1.香港の女性セックスワーカーの職業上の安全についてのアンケート調査報告『香港女性性工作者職業安全問巻調査(報告)』[PDFファイル。中国語]2007年6月)
 この調査で取り上げられているのは、客がコンドームを使用しない、客が事後に代金の支払いを拒絶する、客の暴力(同意していない性行為の強要など)、仕事場で強盗にあう、警官や警官だと自称する者に恐喝や強要にあう、といった問題です。
 こうした問題の多くについては、客などに責任があるのはもちろんです。しかし、それだけでなく、この調査報告は、たとえば、セックスワーカーがコンドームを持っていると、警察にセックスワーカーだと思われて逮捕されるというような状況があって、そのことが、ますますセックスワーカーを危険にさらしているということも指摘しています。
 香港では、セックスワークをすること自体は一応合法なのです。けれども、たとえば街頭に立つセックスワーカーに対して、警察は「不道徳な目的で他人をそそのかした」という名目で逮捕したりします。また、警官は、おとり捜査をする時に無料でセックスサービスを受けたり、セックスワーカーのプライバシーを侵害したりすることもあります。
 セックスワーカーが客や警官から上で述べたようなさまざまな被害にあっても、セックスワーカーはこうした警察には行きにくいし、社会的にも孤立しているために声を上げることは難しいのです。
 とくに大陸から越境してきた女性の場合は、仕事をすること自体が「逗留条件」に違反していて違法であるために、被害にあってもとりわけ警察に行きにくかったり、警官の恐喝にも抵抗しにくいなど、とくに危険にさらされやすいです。フィリピンから来た女性の場合は、ダンサーとして入国するのですが、英語力が劣っている人がいたり、酒場でずっと長時間働いていて、労働時間以外は代理人が手配した住居に集まって住んでいるために、社会的に孤立しやすいということも書かれています。

2.香港警察のセックスワーカーに対する態度についての調査(『青鳥就香港警員對待性工作者態度之調査』中国語版英語版[いずれもPDFファイル]2005年7月)
 こちらの報告書は、とくに警官の問題に絞って、その無礼さや不合理な応対、不合理な逮捕、逮捕・拘留期間における権利の剥奪について詳しく報告しています。
 もちろん、報告書の1、2ともに、セックスワーカーの状態を改善するためのさまざまな提言もなされています。

 そのほか、「青鳥」のサイトには、「青鳥」のざまざまな対外的な声明や文書・文章も収録されています(「対外声明」「文件及文章」)。

 「午夜藍(Midnight Blue)」というのは、男性セックスワーカーのための組織です(「午夜藍」のサイト)。労働運動家やジェンダー研究者、医者などによって設立されました。
 「午夜藍」は、「紫藤」の一つのワーキンググループが発展して、独立した組織です。2003年以降、香港では男性のセックスワーカーが増え、エイズの感染率も高くなったので、2005年初めに「紫藤」が男性セックスワーカーのためのグループを設立したということです。

 活動としては、以下のようなことをやっています。
 ・外展工作(outreach work)……主体的にセックスワーカーに接触して、健康や法律の相談を受ける。
 ・組織工作(organization work)……組織化にむけた訓練、ニュースレターの作成。
 ・側試服務(HIV testing)……無料でHIV検査。
(以上は、[中国語英語])

 このサイトは、まだ工事中のところが多いですが、セックスワーカーにとって必要な健康や法律の知識が得られるようになっているようです(健康資訊法律資訊)。

 追記:先日このプログでもお願いしたつくばみらい市のDV防止講演中止事件に関する署名、2600名の方が署名なさって、本日、上野千鶴子さんが同市に提出なさったようです(ブログ「みどりの一期一会」の記事)。ご協力ありがとうございました。
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Author:遠山日出也
 検索から来られた方へ:このブログの記事を分類した一覧である「『中国女性・ジェンダーニュース+』記事総覧」を見ていただくか、下の「カテゴリー」欄を使われると、関連情報がご覧いただきやすいと思います。最近の行動派フェミニストについては、「中国の行動派フェミニスト年表、リンク集」をご覧ください。
 また、「中国女性・ジェンダー関係主要HPリスト」(リンク集)も併せてご覧いただければ幸いです。日本の問題の一部は、「ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ」や「館長雇止め・バックラッシュ裁判」でまとめています。
 恐れ入りますが、スパム対策などのため、コメントは私が拝見した後で表示させていただきます。
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