2017-08

台湾でも韓国の水曜デモ1000回目と連帯するアクション

 1992年1月から韓国の元日本軍「慰安婦」と市民たちは、毎週水曜日にソウルの日本大使館前で、謝罪と賠償を求めて抗議集会を開いてきました。その1000回目である12月14日には、「平和の碑」(少女像)が設置されるとともに(1)、世界の8ヵ国・44都市で、彼女たちと連帯する行動が展開されました。日本でも同様に、「韓国水曜デモ1000回アクション」がおこなわれ、東京では1300人が「人間の鎖」を作って外務省を包囲しました(2)

 台湾でも、同じ14日、元「慰安婦」を支援してきた婦女救援基金会(台北市婦女救援社會福利事業基金會)、アムネスティ(國際特赦組織)などが、台湾での日本の窓口機関である「交流協会」(台北市)の前で、ロウソクに火を灯し、それを「1000」の字の形に並べて、韓国の元「慰安婦」に連帯を示しつつ、亡くなった元「慰安婦」を追悼し、日本政府に元「慰安婦」たちに正式に謝罪と補償をするよう要求しました(3)

 当日は、夕方から激しい雨に見舞われましたが、100名余りの人が集まりました。民進党の立法委員の黄淑英さんと国民党の元立法委員の雷倩さんも駆けつけて、挨拶をしました。婦女救援基金会のfacebookに多数の写真が掲載されていますが、若い女性の方が多く集まられたようです。

 台湾の元「慰安婦」の方々は、昨年5人が亡くなり、今年もすでに3人の方が世を去りました。9月1日には、1992年に台湾で初めて顔や名前を出してこの問題を告発した劉黄阿桃さんも90歳で亡くなりました。台湾のマスコミは、「謝罪を待たずに亡くなった」「恨みをのんで亡くなった」と報じました(4)。その際のテレビ報道もネットに上げられています。

 「等不到一句抱歉 90歲慰安婦含恨而終」(中時電子報 影音頻道2011/09/03)


 下が、劉黄阿桃さんの生前の証言の一部です(「台湾のアマ――劉黄阿桃」より。他の方の証言は「阿媽の証言」参照)。

ある日、南洋で看護婦の仕事があるという貼り紙を見た友人が一緒に応募しないかと誘ってきました。戦争中だったので、田舎では仕事もなく、男も女もいつ海外に送られるかわからなかったので、どんな仕事でもしたいと思っていました。日本人の一組の男女が私たちを高雄から船でインドネシアへ連れていきました。現地に着いて初めて慰安婦になるのだと知り、怒りがこみ上げて私たちを連れてきた日本人に不満を言いましたが、帰ることもできず、日本人は「国のために軍を労う」という大義名分で私たちに軍人の相手をさせました。

初めての時は血が出て、悲しくて布で包み、家に持ち帰って両親に見せようと思いました。毎日20人以上の相手をさせられました。昼は兵士、夜は将校で、休むことはできません。酒に酔った日本兵から殴られることもありました。日本人の捌け口となるのは辛いことで、いつも目を閉じ、歯を食いしばって耐えました。一度逃げようとしたことがありますが、憲兵に連れ戻され、怨んでもどうすることもできず、毎晩泣いていました。インドネシアではマラリアにかかり、盲腸の手術を受け、右目は爆弾の破片に当って失明し、腹部も負傷して子宮を切除し、本当にひどい日々でした。その後、戦争が拡大し、3年後にようやく台湾に戻りました。


 台湾籍で確認された元「慰安婦」は、58人いるのですが(もちろん実際にはそれよりはるかに多くの方がおられるのでしょう)、婦女救援基金会の執行長の康淑華さんによると、現在生存している方は10人だけになり、その平均年齢も、もう87歳だということです。

 台湾の元「慰安婦」の人々は、1999年7月、日本で謝罪・損害賠償請求訴訟を起こし、2005年5月に最高裁で却下されるまで6年にわたって闘い続けました(詳しくは、「台湾の元『慰安婦』裁判を支援する会」のサイト参照)。

 その後も、元「慰安婦」の方々は、婦女救援基金会とともに、交流協会の前で抗議行動をおこなってきました(その様子の一端は、藤永壯「台北の『600回水曜デモ』」『女性史学』第14号参照)。14日の集会はテレビでは放送されたかどうかわかりませんが、今年8月におこなわれた世界同時水曜抗議行動の際の集会(5)は、テレビ放送がネットにも上がっています。ただし、このときは、元「慰安婦」の方々は高齢のため、炎天下での抗議行動には参加できなかったとのことです(12月14日も、元「慰安婦」の方の姿は見えません)。

 「替慰安婦要道歉 婦團日協會抗議-民視新聞」


 台湾では、すでに2008年11月、立法院(国会)が、「日本政府は、はっきりとした、曖昧でない態度で、戦時中の日本軍の性奴隷制度の歴史的責任を正式に認めて謝罪し、生存している被害者に対して直接に謝罪と賠償をして、一日も早く慰安婦の被害者の名誉と尊厳を回復し、国連人権委員会の勧告に従い、かつ今の世代と次の世代に正確な史実を教育するべきである(日本政府應以清楚且不曖昧的態度,正式地承認、道歉且接受戰時日軍性奴隸制度的歷史責任,對受害倖存者進行直接謝罪和賠償,以利早日回復慰安婦受害者的名譽和尊嚴,遵守聯合國人權委員會建議,且教育這一代和下一代有關這段正確史實)」という決議を全会一致で採択しています(ここをクリックすると、提案された際の説明も日本語で読めます)(6)

 なお、婦女救援基金会は、「慰安婦と女性の人権バーチャル博物館」のサイト(阿嬤的網站――慰安婦與女性人権虚擬博物館)を作っていますが、このサイトには「日本語版」もあり、台湾の「慰安婦」や「慰安所」についての簡単な説明や元「慰安婦」の口述史が掲載されています。元「慰安婦」の心理的治療のワークショップの記録もあります(7)

 元日本軍「慰安婦」の告発については、韓国などが「反日」だからやっているように言う人もいますが、以上から見ると、「親日」とされる台湾でも、多くの点で情況に大差ないことがわかります。

 韓国の元「慰安婦」の運動の結果、今回、韓国政府がようやく日本政府に慰安婦問題について協議を申し入れていることについては、台湾の婦女救援基金会も声援を送っています(8)

(1)ソウルでの1000回目の水曜デモについては、参加された岡野八代さんが、よいレポートをしてくださっています(「水曜日デモ--ソウルでの1,000回」Women's Action Network2011年12月17日)。なお、この平和の碑(少女像)に対して、日本政府が撤去を申し入れていますが、その点については、日本の「韓国水曜デモ1000回アクション」の「声明」をご覧ください。(12月22日追記)「水曜集会は2011年12月21日で1001回目の開催に」(Gazing at the Celestial Blue2011/12/22)もぜひお読みください。
(2)写真入りのレポートとしては、「外務省を1300人で包囲しました。」ブーゲンビリアのきちきち日記2011年12月14日、「死んでも死にきれない!謝罪を!~『慰安婦』解決もとめ1300人が外務省包囲」レイバーネット2011年12月14日など。
(3)日交流協會前 點蠟燭悼慰安婦」自由時報電子版2011年12月14日、「婦援會燭光響應全球串聯 籲日本道歉」【写真あり】自由時報電子版2011年12月14日、「幫慰安婦點蠟燭」聯合晩報2011年12月14日、「全球慰安婦串聯 婦援會赴日交流協會抗議」【写真あり】中央廣播電臺2011年12月14日、「全球44城燭光悼慰安婦 籲日本道歉」『蘋果日報』2011年12月14日、「藍委齊聚日駐台機構 籲向慰安婦道歉」【写真あり】中央日報電子版2011年12月14日、「慰安婦『水曜デモ』は千回目、台湾でも」【写真あり】中央社日文新聞2011年12月15日。
(4)等不到道歉 首位露面慰安婦逝世」『立報』2011年9月4日、「台首位控日慰安婦 阿桃嬤逝世」『蘋果日報』2011年9月4日。
(5)慰安婦怒吼 只要公道不要錢」『立報』2011年8月10日。
(6)この決議に関する内外のさまざまな報道や台湾の「慰安婦」問題については、碧猫さんのブログ「Gazing at the Celestial Blue」の「台湾立法院にて、『慰安婦』謝罪要求決議採択」エントリーやブログ「Stiffmuscleの日記」の「台湾国会で『慰安婦』謝罪決議案が可決」エントリーに詳しく書かれています。
(7)もちろん、他にも資料として、金富子・宋連玉責任編集、VAWWーNET Japan編『「慰安婦」・戦時性暴力の実態〈1〉日本・台湾・朝鮮編』(緑風出版 2000年)もありますし、婦女救援基金会主編『台湾慰安婦報告』(台湾商務印書館 1999年)、同『沉默的傷痕:日軍慰安婦歷史影像書』(商周 2005年)のような書籍もあるようです。
(8)南韓重啟慰安婦協商 婦援會聲援」『立報』2011年9月18日。

海南島「慰安婦」訴訟高裁判決、台湾と中国の「慰安婦」サイト

 3月26日、海南島「慰安婦」裁判の高裁判決が出ました。残念ながら、またも原告敗訴でした。

 今回の判決については、「中国人戦争被害者の要求を支える会」のHPに弁護団の声明が出ています(判決全文[PDFファイル])。

 詳しくはその声明をご覧下さればいいのですが、今回の判決は、「本件被害女性らは、本件加害行為を受けた当時、14歳から19歳までの女性であったのであり、このような本件被害女性らに対し軍の力により威圧しあるいは脅迫して自己の性欲を満足させるために陵辱の限りを尽くした軍人らの本件加害行為は、極めて卑劣な行為であって、厳しい非難を受けるべきである。このような本件加害行為により本件被害女性らが受けた被害は誠に深刻であって、これが既に癒されたとか、償われたとかいうことができないことは本件の経緯から明らかである」と認定し、被害の質的側面ににおいてもPTSDはもとより「破局的体験後の持続的人格変化」も認定している――ということです。

 ただし、2007年4月の最高裁判決が「個人の賠償請求権は、日中共同声明により『裁判上訴求する権能』が放棄された」と判断したことを踏襲し、控訴を棄却したということのようです。

 この裁判を支援してこられたのはハイナンNETです。この裁判で原告(控訴人)側は、上記の最高裁判決にも負けずに頑張ってこられました。たとえば、控訴審で出された「準備書面」(3)(2007年9月21日、ワードファイル)は、最高裁判決に反論するとともに、「たとえ最高裁判決を前提としても、この事件はその解釈適用の範囲外にある」と主張しています。高裁判決が上のような事実を認定しているのも、原告(控訴人)側が、証人を立てて争ったからです(本ブログの記事「海南島裁判の原告の証言その他」など参照)。

 また、ハイナンNETのメンバー20代の女性5人は判決を前に、海南島の原告らを訪ねる活動もなさったそうです(「中国海南島 原告のアポ(おばあちゃん)訪ねて」『しんぶん赤旗』2009年3月23日)。

 弁護団の声明は、以下の点も指摘しています。

 「本判決は、最高裁判決と同様、個人の賠償請求権につき、その権利は実体的には消滅しないと判示した。これは個人の賠償請求権につき、裁判上訴求する機能のみが失われたとするものであり、個別具体的な請求権について、債務者側において任意の自発的な対応をすることは何ら妨げられないとを認めたものである。 」

 「この点、日本政府も、二国間条約で損害賠償問題は解決済みであるとの主張しながらも、『慰安婦』の問題について解決されていない問題があると認め、1993年、河野洋平官房長官の談話(以下「河野談話」という)において、被害者に対して事実を認め謝罪をし、適切な措置をとることを表明した。」

 「したがって、本判決で損害賠償請求権が裁判上訴求できないからといって問題が解決されたわけではなく、未だ河野談話の見地にたって解決されなければならないことにかわりはない」

 弁護団の声明は、内外の世論についても触れています(最近の日本国内の動きについては、プログ「Gazing at the Celestial Blue」さんの「福岡市議会が『慰安婦』問題に政府が誠実に対応するよう求める意見書を採択」という記事に詳しく書かれています)。

 それと関連して、昨年末から今年初めにかけて、台湾と中国で相次いで日本軍「慰安婦」のためのサイトが出来ていることをご紹介します。

台湾のサイト

 台湾では、今年初め、婦女救援基金会が、「阿嬤のサイト──慰安婦と女性の人権バーチャル博物館サイト(阿嬤的網站──慰安婦與女性人権虚擬博物館網站)」(阿嬤とは老婦人の敬称)を開設しました。

 このサイトには、慰安所の写真・規則、慰安婦の証言、オーラルヒストリー、慰安婦についての調査、報道などが収録されています(婦女救援基金会のサイトの中の「慰安婦」コーナーにも、ある程度のものは掲載されていますし、すでに英語版もあるという点では、そのコーナーの方が便利ではありますが)

 婦女救援基金会は、心身に傷を負った元「慰安婦」のケアための様々なワークショップをしており、カウンセリングのほか、元「慰安婦」の方にさまざまな芸術的な創作をしてもらったりしています。そうして制作された作品なども、このサイトに収録されています。私はそうした試みについては詳しくはわからないのですが、婦女救援基金会が元「慰安婦」一人一人を主体として尊重なさっている様子が伝わってきます。

 1月13日に上のサイトのオープンの式と記者会見がおこなわれたのですが、その場に来ていた台北市の文化局長の李永萍氏は、早ければ民国101年(2012年)にも、「慰安婦」のために、バーチャルでない「女性人権館」を設立することを表明しました(「『阿嬤的網站──慰安婦與女性人権虚擬博物館』網站開幕記者会」)。

 ただ、上のサイトの慰安婦問題の年表「慰安婦議題大事記(1972~2008)」を見ても、生存している元「慰安婦」の方(もちろん確認できている方々だけです)が、2005年には、30人いらっしゃったのが、2006年には、27人、2007年には、23人、2008年には、20人となっており、慰安婦問題の解決は「まったなし」だと感じます。

中国のサイト

 中国では、上海師範大学の中国「慰安婦」問題研究センターの蘇智良教授らが「中国『慰安婦』資料館(中国“慰安婦”資料館)」というサイトを昨年末に開設しました。こちらはまだあまり内容がありませんが、今後、さまざまなページを作成する予定のようです。

 中国の「慰安婦」資料館はすでに実物もあり、上海師範大学の一角に2007年7月に開館しました。私はまだ行ったことはありませんが、200平方メートルのスペースの中に280件の現物や写真が展示してあり、ソウルや東京のものと比べると規模は大きくないかもしれないとのことですが、独自の展示しているそうです(中国首家“慰安婦”資料館開館 免費対外開放」『青年報』2007年7月6日、「国内首家慰安婦資料館在上海対外開放」『東方早報』2007年7月6日←ともに写真入りの記事です)。現在は、毎週火・木・土の9:00~16:00が開館時間です。

 台湾のサイトも、中国のサイトも、今後、英語版や日本語版も作成して国際的にアピールしていくようです。

[3月29日追記]

 海南島事件の高裁判決に関しては、プログ「Gazing at the Celestial Blue」さんの「『海南島戦時性暴力被害賠償請求』高裁判決のメモ」という記事も、ぜひご参照ください。

台湾の立法院が日本政府に「慰安婦」謝罪要求決議

 11月11日、台湾の立法院が、以下の決議をしました(議事處「立法院第7屆第2會期通過之議案(PDFファイル)」)。

 「日本政府は、はっきりとした曖昧でない態度で、戦時の日本軍の性奴隷制度の歴史的責任を公式に認めてお詫びをし、引き受けて、被害を受けたサバイバーに対して直接に謝罪と賠償をして、一日も早く慰安婦の被害者の名誉と尊厳を回復し、国連の人権委員会の勧告に従って、今の世代と次の世代に正確な史実を教育するべきである(日本政府應以清楚且不曖昧的態度,正式地承認、道歉且接受戦時日軍性奴隷制度的歴史責任,対受害倖存者進行直接謝罪和賠償,以利早日回復慰安婦受害者的名譽和尊嚴,遵守聯合国人権委員會建議,且教育這一代和下一代有關這段正確史實)。」

 黄淑英さん(民進党)、楊麗環さん(国民党)ら、28人の女性の立法委員が超党派で共同で提案し、全会一致で採択されました。

 この決議に関する内外のさまざまな報道や台湾の「慰安婦」については、碧猫さんのブログ「Gazing at the Celestial Blue」が「台湾立法院にて、『慰安婦』謝罪要求決議採択」で、ブログ「Stiffmuscleの日記」さんが「台湾国会で『慰安婦』謝罪決議案が可決」で詳細に書いていらっしゃいますので、ぜひご参照ください。

海南島裁判の原告の証言その他

 少し以前のことになりますが、1月15日、中国海南島「慰安婦」訴訟控訴審の第四回口頭弁論が東京高裁でおこなわれ、原告の黄有良さん(80)が証言しました。ハイナンNETの方によると、50人ほどの傍聴席に対して、100人以上の方が傍聴に駆けつけたそうです。

 黄さんは、14歳のときに日本兵から性暴力を受けました。そしてその後、約1年3ヶ月の間に2箇所の兵営で監禁され、性行為を強要され続けました。黄さんは、そのなかでも一番辛かった体験として、「目まいで倒れそうになると殴られ、また同じ姿勢にさせられて集団暴行された。何時間続いたか覚えていない」ということも証言しました。黄さんは、今も当時の光景が目に浮かんだり、悪夢に襲われて飛び起きることがあるそうです(1)

 黄さんは「日本政府に謝罪してもらい、名誉回復と賠償をしてほしい」と国会議員にも訴えました(2)。黄さんによると「当時のことは自分の孫や子どもにも話していない」といいます。けれど「日本の若い人たちが応援してくれて元気になりました」(3)というふうにもおっしゃったようです。

 黄さんの証言に先立ってハイナンNETでは、さまざまなアクションをしました。私は滋賀在住なのでカンパしかできませんでしたが、たとえば、その一つとして「いまさら? いまなお? いま、ここから。日本軍『慰安婦』ユースフォーラム」を開いたことが報じられています(4)

 次回の裁判は、5月15日(木)午前11時から東京高裁818号法廷で行われる予定です。

 また、ブログGazing at the Celestial Blueさんが詳しくお書きになっていますが、2月にも、海南島から新たに88歳の元「慰安婦」女性が被害を公表なさったということです。

(1)「中国海南島 60数年前の悪夢 今も 『慰安婦』訴訟原告が証言」『しんぶん赤旗』2008年1月17日。元「慰安婦」の方の体験については、同紙2007年7月16日付記事「暴行されたのは私と同じ人間だ 『慰安婦』裁判を支えるネット百数十人に成長」に詳しく書かれています←この記事は、ぜひお読みください。
(2)「名誉回復 力貸して 元『慰安婦』原告 紙議員に要請」『しんぶん赤旗』2008年1月17日。
(3)「人模様:戦争体験、日本の若い世代へ――黄有良さん」『毎日新聞』2008年3月1日。
(4)Hainan-ACT 2日目 シンポジウム報告「日本軍『慰安婦』問題 どう学び・どう伝える 若者らフォーラム」『しんぶん赤旗』2008年1月15日。

1月13日~16日、海南島「慰安婦」裁判で連続アクション

 ハイナンNET(中国海南島戦時性暴力被害者への謝罪と賠償を求めるネットワーク)では、今月、原告の来日や本人尋問に合わせて、Hainan-ACT 2008という連続アクションを以下の日程でおこなう予定だそうです。

1月13日(日)
 「慰安婦」問題フィールドワーク

 10:00~
 靖国神社、女たちの戦争と平和資料館、元日本軍兵士の証言を聞くなど。
 *詳細はこちら

1月14日(月・祝)
 日本軍「慰安婦」問題ユースフォーラム2008

 13:30~16:30(開場13:15)
 文京区シビックセンター4F シルバーホール
 全国で「慰安婦」問題に向き合っている若者たちによるフォーラム
 *詳細はこちら

1月15日(火)
 裁判・原告本人尋問&報告集会

 14:00~
 東京高裁818法廷で黄有良さんが証言
 (大法廷申請中)
 (13:30丸ノ内線・霞ヶ関駅A-1出口)
 昨年8月一審判決が出され、被害事実の認定がされたものの、法的には国の責任は問えないという意味で敗訴の判決が出ました。二審では、「被害の現在性」をポイントに、一審判決を乗り越える主張を準備していらっしゃるそうです。
 *詳細はこちら

1月16日(水)
 議員回り


 いずれも東京でおこなわれることもあり、私は行けませんが、原告の来日やイベントの経費に充てていただくため、私も少額ながらカンパをいたしました。
 郵便振替口座
 口座番号00170-6-593309
 加入者名 ハイナンNET

8月2日午後2時~ハイナンNETがネットラジオ

 8月2日(木)午後2時~、ハイナンNET(中国海南島戦時性暴力被害者への謝罪と賠償を求めるネットワーク)が、ネットラジオをするそうです。
 西野瑠美子さん(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク共同代表)をゲストに迎えておこなわれます。西野さんは、7月30日のアメリカ下院で「慰安婦」決議が採択されたことなどについてお話になるようです。
 ネットラジオの特設のアドレスは、(ハイナンNETニュース「ハイナンNET-Radio」をご覧ください。

 また、7月31日には、日本の戦争責任資料センター「戦争と女性への暴力」日本ネットワークアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」の3団体が、提言「日本軍『慰安婦』問題における謝罪には何が必要か」を発表しています。
 簡潔ながら、ポイントを突いた提言だと思います。

「慰安婦」に関する中国弁護士協会などの調査報告

 中華全国弁護士協会と中国法律援助基金会が共同で設立した「中国元『慰安婦』被害事実調査委員会」は、7月3日、「慰安婦」に関する調査結果を公表しました。この調査は、昨年9月から今年3月にかけておこなわれました。
 「『慰安婦』 日本軍の組織的強制 中国弁護士協会が調査結果」『しんぶん赤旗』2007年7月4日
 「中国、日本軍従軍慰安婦被害事例関連で初めて報告書」『中央日報』2007年7月3日

 原文は、中華全国律師協会の中国律師網に掲載されています。わりあい簡単なものですが、あくまで第一段階の調査報告です。
「中国元『慰安婦』受害事実調査委員会発布第一階段調査結果」2007-7-2(概要は、上の『しんぶん赤旗』などの記事のとおりです)。

 もちろん中国の「慰安婦」に関しては、中国人自身による調査研究も、すでに蘇智良さんのものなどがあります(蘇智良『慰安婦研究』上海書店 1999年[「書虫」データペースのこの本のデータ]など)。ただ、中華全国弁護士協会のような公的(半官半民)機関による調査は今回が初めてではないでしょうか?

ハイナンNETの活発な活動

 海南島戦時性暴力被害訴訟(以下、海南島裁判)の支援を中心に活動しておられる、ハイナンNET(中国海南島戦時性暴力被害者への謝罪と賠償を求めるネットワーク)という団体があります(ホームページ)。
 大学生やフリーターなど、10~20代の方がメインのネットワークだそうです。

 最近、このハイナンNETの活発な活動が、次々にそのブログ(ハイナンNETニュース)で報告されています。その中のいくつかをご紹介します。

海南島裁判・高裁第1回弁論

 5月15日、海南島裁判の高裁での第1回弁論が行われました。
 最高裁は4月27日、中国人の戦争被害者について、裁判上での請求権を失ったとする見解を示しました。そのため、一部マスコミなどでは「戦後補償裁判はもう終わった」という議論もあります。
 しかし、それにもかかわらず、海南島裁判の高裁第1回弁論は、みごと、満席になったそうです。ハイナンNETの方のご努力が大きかったのでしょう。
 
 この日、国側の代理人は、最高裁判決をたてにして、審理の早期打ち切りを求めました。原告側の弁護団は、それに反論します。
 3名の裁判官は進行協議の調整のために審理を一端中断しました。原告側が主張するように「請求権の問題と原告の受けた被害をセットにして次回以降審理をすすめる」のか、国側の代理人が主張するように「請求権の問題のみに限って実質的に審理を打ち切る」のか、中断は30分以上にも及んだそうです。
 戻ってきた裁判長が下した決定は、「請求権の問題と原告が受けた被害は一体であるため、分けて議論するのは難しい」、また「今回の件が、(最高裁の中国人の請求権に関する)判決の中のことか、外のことかについて審理する」という言葉で、請求権の問題に関しても含みを持たせたそうです。
 原告が来日して証言する可能性も高くなったとのことです。

 次回弁論期日は9月25日(火)10:00~だそうですが、原告側弁護団や支援者は、一部ではもう決着が着いた(→たたかっても無駄である)かのように思われている裁判においても、不屈にたたかっておられるわけです。
 詳しくは、ハイナンNETニュースの記事「傍聴ありがとうございました」を参照してください。

大学で出張授業

 ハイナンNETのメンバーは、最近、東京経済大学の本橋哲也教授のゼミや授業で2度、出張授業をなさいました。その報告も書かれています。
 ゼミの学生には「従軍慰安婦」のことを知らない人が多く、少しショックだったそうです。けれど、授業が進んでいくうちに、学生の方も色々なことをそれぞれ感じたり、考えたりしたようで、ハイナンNETのメンバーの方もうれしかったとのことです。
 2回目の授業では、元「慰安婦」の方の証言ビデオの上映や2グループに分かれての意見交換などもなさったとのこと。

 メンバーの方は、「こうした出張授業では、学生の方とのコミュニケーションに時間がとれるのが利点だ」と言ってらっしゃいます。学生の反応などについては、詳しくは記事「出張授業in東京経済大学」「出張授業in東京経済大学 第二弾!!」をご覧ください。
 「『今度また来ないの?』って言われた時はマジでうれしかった」とのこと。そうですよねー。

海南島へスタディツアー

 原告1人1人へのご挨拶のために、海南島へスタディツアーもおこなったとのこと。 
 スタディーツアーに行かれた方が、原告のお話を聞いて一番強く思ったことは、「彼女たちが現在でも60年以上前に受けた被害によって苦しんでいるということ」だったそうです。「旧日本軍による加害が、解放後~現在までどれほど彼女たちの生き方をゆがめてきたのかを強烈に印象付けられる証言でした」と言います。
 「じっさいに被害者の1人1人とお会いしてお話を聞いたり、一緒の時間をすごしたことで、原告への想いがより具体的になるとともに、これまで以上に原告と向き合っていくことを強く決心しました」。
 詳しくは、記事「スタディツアー報告!」をご覧ください。

ミーティング

 このブログでは、ハイナンNETのミーティングについても報告されています。
 最近、ミーティングを開くたびに新しい人が参加してくれるとか、今後の出張先もすでにいくつか決まっているなど、明るいニュースが書かれています。

 こうしたミーティングでは、出張授業や海南島スタディツアーに行ってきた人からの報告などもなされていますが、アジア連帯会議で韓国に行っていたメンバーによると、「(年齢的・体力的に)海外で証言できるハルモニは本当に限られてきている」といいます。
 この話を聞いて、ある新しいメンバーは、「あらためて1回1回のハルモニたちの貴重な来日の機会をもっと有意義なものにしていきたいと切に思った」とのことです。
 詳しくは、「ミーティング報告」「6/26 ミーティング報告」をご覧ください。

その他いろいろ

 以下のような記事もあります。
 ・「女たちの戦争と平和資料館」(WAM。http://www.wam-peace.org/wam.html)で開催されている「中学生のための『慰安婦』展」(2008年5月まで)のオープニングイベントに参加した報告(「WAMのイベント、『私にとっての「慰安婦」問題』に参加して」)、
 ・ワシントンポストの広告やアメリカ下院決議案に関して、いろいろとしっかり考えた意見(「ワシントンポストの広告と公娼制について」「アメリカ下院決議案」)

「ガイサンシーとその姉妹たち」

 ハイナンNETは、来る7月4日(水)には、「ガイサンシーとその姉妹たち」の上映会を、東京外国語大学(府中キャンパス。研究講義棟 226教室。開場15:00、上映15:20。無料)でなさるとのこと。
 班忠義監督もいらっしゃるそうです(詳しくは、「『蓋山西とその姉妹たち』上映やります」をご覧ください)。

中国人「慰安婦」訴訟、最高裁が上告棄却。海南島訴訟、高裁へ。

 4月27日、最高裁は、中国人「慰安婦」第一次訴訟(1995年8月提訴)、第二次訴訟(1996年2月提訴)において、上告を棄却しました。
 「中国人戦争被害者の要求を支える会」のHP(http://www.suopei.org/index-j.html)には、第二次訴訟に関する以下の弁護団声明などが掲載されています。このHPには、この訴訟に関する他の資料も掲載されていますし(各裁判の紹介→「慰安婦」訴訟の箇所を見てください)、間もなく第一次訴訟に関する声明なども掲載されると思いますので、ぜひご覧ください。

弁護団声明
1 本日、最高裁判所第一小法廷(才口千晴裁判長)は、日本軍によって「慰安婦」とされた中国人被害者らが、1996年、日本政府に対して損害賠償を請求した訴訟(中国人「慰安婦」第二次訴訟)において、上告人らの請求を棄却する判決を下した。

2 本件は、中国山西省において、旧日本軍が当時13歳と15歳の中国人の少女を強制的に拉致・監禁し、継続的かつ組織的に性的暴力を加えた事案である。
 本判決は、上告人らの損害賠償請求権について、日中共同声明により個人の請求権は「裁判上訴求する権能」が失われたものであると判示した。
 しかし、日中共同声明の解釈は、本来二国間の一致した解釈によるべきであるところ、日本国側にのみ立った不公正な判断である。また個人の賠償請求権の放棄を明記していない条約の文言解釈にも反するもので、到底受け入れることはできず、極めて不当なものであり断固抗議するものである。

3 もっとも本判決は、本日判決された西松強制連行事件と同様、個人の賠償請求権につき、その権利は実体的には消滅しないと判示した。これは、個人の賠償請求権につき、裁判上訴求する機能のみが失われたとするものであり、個別具体的な請求権について、債務者側において任意の自発的な対応をすることは何ら妨げられないものである。

4 この点、日本政府も、二国間条約で損害賠償問題は解決済みであるとの主張しながらも、「慰安婦」の問題について解決されていない問題があると認め、1993年、河野洋平官房長官の談話(以下「河野談話」という)において、被害者に対して事実を認め謝罪をし、適切な措置をとることを表明した。
 そして、日本政府は、「慰安婦」問題につき「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を設置したが、同基金によってすら中国人被害者に関しては何らの措置もとられていない。
 したがって、本判決で損害賠償請求権が裁判上訴求できないからといって問題が解決されたわけではなく、未だ河野談話の見地にたって解決されなければならないことにかわりはない。
 しかも、それは過去の戦後処理の問題ではなく、被害者らが今なお苦しみの中で生きており、まさに現代において速やかに解決すべき課題である。

5 近時、アメリカ連邦下院における対日謝罪要求決議に現れているように、国際社会は、被害を受けた女性の尊厳と人権の回復のための真の措置をとるよう日本政府に強く迫っている。
 これに対して、安倍晋三内閣総理大臣は「河野談話」を承継すると表明し、また訪米前には、いわゆる「慰安婦」問題は女性達の人権を侵害した問題であり、日本にその責任があると述べた。
 しかし、今、日本政府に問われているのは言葉ではなく行動である。真に河野談話を承継し、また女性達の人権を侵害した問題であると理解しているのであれば、なによりもまずそのことを行動で示すべきである。

6 本件判決は、それぞれ上告人らが旧日本軍により強制的に拉致・監禁され継続的に性的暴力を受けたという中国人被害者らの被害の事実を明確に認めている。
 日本政府が真に河野談話を承継するのであれば、まず上記加害と被害の事実及び責任を認めるべきである。そして、被害者ら一人一人が納得するように謝罪をし、その謝罪の証として適切な措置をとるべきである。
 私たちは、日本政府に対してこれら被害者らの要求の実現を求めるとともに、これらの要求が実現されるまで戦い続ける決意を表明するものである。

 2007年4月27日
中国人「慰安婦」事件弁護団
中国人戦争被害賠償請求事件弁護団


中国海南島戦時性暴力被害訴訟、高裁での口頭弁論まもなく

 先日の最高裁の一連の上告棄却で、「戦時賠償裁判はもう終わった」という論調もあります。
 けれど、「中国海南島戦時性暴力被害者への謝罪と賠償を求めるネットワーク(ハイナンNET)」の皆さんは、負けずにたたかいを続けていらっしゃいます。
 ハイナンNETから、中国海南島戦時性暴力被害訴訟の高裁での期日が決まったという、以下の連絡が入りました。

 高裁 第1回 口頭弁論
 日時:2007年5月15日(火)14:00~
 場所:東京高等裁判所 818号法廷
 所在地:ここをクリック
 
 今回原告の方が来日する予定はありませんが、この問題の重要性を司法に訴え、慰安婦問題に関する私たちの関心の高さを示すためにも、是非とも傍聴席をいっぱいにしたいと考えています。
 平日の午後ですのでお忙しいとは思いますが、ぜひ傍聴に足を運んでください!
 また裁判終了後に、隣の弁護士会館で報告集会を行います。そちらもぜひご参加ください。

 ハイナンNET
 HP  http://hainannet.org/
 ブログ http://blog.goo.ne.jp/hainan-net

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