2016-12

秋山洋子さんのこと

日本女性学研究会のニュースレター『VOICE OF WOMEN』(略称はVOW)2016年10月号の秋山洋子さん追悼特集に一文を書かせていただきました。このブログにも転載させていただきます。


秋山洋子さんのこと(遠山日出也)
                        
私と秋山洋子さんとの最初のご縁は、1990年、秋山さんがJ.StaceyのPatriarchy and Socialist Revolution in Chinaを『フェミニズムは中国をどう見るか』というタイトルで翻訳なさった際に、私がお招きして中国女性史研究会にいらっしゃっていただいたことである。秋山洋子さんはすでに1970年代のウーマンリブの時期に、抗日戦争中の延安で女性作家・丁玲が中国共産党統治のあり方を批判したことに先駆的に注目しておられたが、1990年当時は、中国女性史研究会の多くの会員の方々も、欧米の新しいフェミニズムにもとづく研究動向に関心を持ち、例会でそれらを何度も取り上げた。その頃は、広く日本のフェミニズムにおいても、Staceyが依拠していた社会主義(マルクス主義)フェミニズムに関する議論が盛んで、上野千鶴子さん、竹中恵美子さん、伊田広行さん、水田珠枝さん、古田睦美さんらがそれぞれの立場から論陣を張っておられた。いま、日本でも、中国でも、ジェンダーと階級をめぐる格差が拡大し、社会運動における性差別やセクハラもホットな話題になっている。ジェンダーと階級の関係などを論じた当時の議論はけっして古くなっていないし、その後の研究蓄積を踏まえつつ、今日さらに理論的にも発展させなければならないと思う。

さて、その後しばらくして私は東京を離れたので、秋山さんに直接お目にかかる機会は少なくなった。しかし、今号のVOWの「新刊紹介」の1と2でご紹介した、秋山さんが編集なさった2冊の本[中国女性史研究会編『中国のメディア・表象とジェンダー』研文出版 2016年9月、小浜正子・秋山洋子編『現代中国のジェンダー・ポリティクス:格差・性売買・「慰安婦」』勉誠出版 2016年10月]――多くの方のご努力にもかかわらず、生前に出版できなかったのが本当に残念だが――に少し書かせていただき、さまざまなご助言、ご指導を受ける機会が持てたことは幸いだった。その2冊の本の件で私が秋山さんと昨年お目にかかった際にも、今年メールでやり取りした際にも、ご病気の影は感じられなかったので、今回のことは、とてもショックだった。秋山さんはしばらく以前からガンを患いつつも、それをごく身近な方にしかお伝えにならず、ガンをコントロールして研究や出版に励まれていたそうだ。先日、中国女性史研究会で秋山さんを偲ぶ集いがあったが、その時にうかがった話では、秋山さんは、お亡くなりになった8月26日の当日も、昼間、校正刷りを病院に届けてもらい、深夜にお亡くなりになったとのことだ。私は上記の本の献本の取りまとめ担当だったので、私自身も、秋山さんから、お亡くなりになる2日前にメールをいただいて、献本先として、中国の3人の友人に郵送してもらうことをことづけられた。ちなみに、私はその締切を27日に設定していたので、秋山さんが締切より早くメールを出されたために、メールを受け取ることができたのだが、秋山さんは生前、締切に遅れたことはなかったそうで、そうした点にも、秋山さんの誠実なお仕事ぶりがうかがえる。このように秋山さんは最後まで女性学や女性史の発展に尽力してくださったのだが、まだなさりたいことはたくさんあったと思うし、それらが実現できていたらと思うと、とても寂しい。私もまだまだ教えていただきたいことがあったし、できれば私なりの研究成果もご覧いただきたかった。本当に残念である。

あるNGOでのセクシュアル・ハラスメント事件が女性たちの連帯で解決へ

目次
 一 「1980青年学社」の曹小強によるセクハラに対する告発と曹の形だけのお詫び
 二 告発の広がりと被害女性8名の共同声明、1980青年学社も声明
 三 曹小強の3通目のお詫び、被害女性8名の応答
 四 趙思楽による事件の分析――とくにフェミニスト刑事拘留事件の際の弁護士によるセクハラとの比較

一 「1980青年学社」の曹小強によるセクハラに対する告発と曹の形だけのお詫び

「1980青年学社」は民間の教育団体(NGO)である。1980青年学社は、たとえば今年の夏は、北京・天津と広州で、10日ほど、大学生や高校生を集めて合宿をし、学者や専門家、NGO関係者などの話を聞いて議論をしたり、民間のNGOを訪問したりするなどの活動している(1)。1980青年学社は、この活動を「留学(游学)」と呼んでいるが、これまでもこうした活動をすすめてきた。曹小強は、1980青年学社で、年長の先輩として活動してきた。

ところが、この曹小強が女子学生に対して「微信」(インスタントメッセンジャーアプリの名称)によるメッセージでセクハラをしたことを、今年6月4日、その女子学生の友人が、証拠となるスクリーンショットを付して告発した。そのスクリーンショットによると、曹は、まず詩歌の議論をして、その女子学生に対して「詩歌があまりうまくない」と言い、彼女に「恋愛をしたことがあるのか?」、「セックスをしたことがあるのか?」と尋ねて、セックスの話を持ちかけた。さらに、曹は、性器の写真や男女が性交しているポルノ写真を送りつけ、その女子学生が嫌がっているにもかかわらず、何度もそうした写真を送りつけた。この告発の中には、被害者自身の訴えも書かれており、彼女が言い表すことができないほどの苦痛や驚き、羞恥、恐怖を感じたこと、その後も生活に深刻な影響を受けていること、こうした人が教育界と公益(=現在の中国では、民間のNGOというニュアンスがある語)界にいることが許せないこと、他に被害を受ける女性を出したくないということが書かれていた(2)

6月5日、曹小強は、女子学生に対する謝罪のメール2通を発表した。しかし、それはごく簡単なもので、自らの責任の取り方についても、具体的なことは記していなかった。また、1通目では、自らの行為の原因を「私個人の若年の衝動」に帰しており、2通目では「女性の人格と意思の尊重が不足していた」ことには触れたが、「異性との交際の基準の理解が不当だった」とも言っており、自らの教育者としての身分を利用したことなどには触れていなかった(3)

二 告発の広がりと被害女性8名の共同声明、1980青年学社の声明

上のような曹のお詫びでは、話は終わらなかった。

最初の告発が出てから12時間経たない間に、5人の女子学生が「自分も曹小強にセクハラされた」と訴えた。

そのうちの1人は未成年の高校生だった。彼女は、曹小強から無理やりキスをされ、胸に触られて、強姦されそうになった経験を述訴えた。すると、さらに6時間経たない間に、被害を訴えた女性は合計11人に増えた。

6月7日、そのうち8名の女性が共同声明を出した。

この共同声明では、曹のお詫びのおざなりさや、彼がそのお詫びを自分のネットワークの中には発表せずに自分と無関係な場に発表しただけであること、お詫びの後も上のような被害の訴えが相次いでいることなどを指摘し、「私たちは曹小強のお詫びを受け入れない。以下のことを厳しく要求する」と述べて、次のことを求めた。

1.曹は必ず新たに心のこもったお詫びの手紙を出して、自分の行為が劣悪なセクシュアル・ハラスメントであったことを認めること。

2.お詫びの手紙は必ず自分のSNSの場(影響を及ぼすことができる関係団体・グループの微信の公式アカウント、微博、自分の友人グループを含むが、それに限らない。自分の友人グループでの完全な発表を必ず含むこと)と少なくとも一つの公衆メディア、公益のセルフメディアで発表すること。

3.私たちは、法律にもとづく追加的な処罰をする合法的な権利を保留する。

4.私たちは、セクシュアル・ハラスメント行為についての社会団体の、事件の後の手立てとして、活動の規約に反セクハラ条項を入れ、セクハラ研修をおこない、セクハラ防止システムを構築することを提案する。

5.私たちは、適切な場で、曹のセクハラの常習犯としてのやり口を公開すし、被害者たちのため相互の心理的サポートを提供する。

6.この一連のセクハラ事件は、青年が学習と親善に力を尽くす公益の場で発生したものである。私たちは公益団体が、その流動的で偶発的な教師-学生/権力関係において、参加者の社会経験の乏しさを利用して、セクハラやその他の不法な侵害をしたものであることを重視するように訴える。私たちは公益圏全体がセクハラ防止のための制度の建設を重視するよう提案する。

私たちは以下のように考える。

曹小強はその教育者としての身分を利用として、指導・教育される身分の私たちにセクハラをおこなった。また、未成年の女子学生に対しても少しもはばかることなくセクハラをしており、その性質は劣悪である。その謝罪も、重要な点を避けており、いかなる反省も欠乏している。

曹小強は自分が公益圏の中で被害者よりも「キャリアが長く」、「地位が高く」、「いささか名声がある」という実際状況を利用して、意識的に権力関係を利用して、職権を使って、女子学生の指導者という名目で、女子学生と会ったり、ものごとをする機会を求めたりし、被害者に対して不適切な性の暗示/明示をした。たとえ彼が行政関係上は被害者と直接の関係はなくとも、権力関係上、彼は、居心地の悪い世論・環境を作り出したり、ひそかに報復したり、プライバシーを漏らしたり、デマを流すなどの方法によって、被害者に直接拒絶できなくさせた。公民の自律的な権力関係において上位の者は、権力関係で下位の者に対して自分から性の要求をする権利はない。

社会の構造を顧みることができる公民として、以下のように考える。

私たちは、この事件の本質は、けっして男女のいちゃつきが誤解を生じたことにはなく、権力関係が対等でない下で起きたセクハラ行為であることを見なければならない。権力関係が上の者の性の要求は、権力関係が下の者にとっては誘導と支配を意味する。曹小強は意識的・無意識的に自分の権力関係を利用し、まったく反省することなく多くの女子学生にセクハラ行為をおこない、その後の謝罪の中では、「年が若くて無知だった」という理由でセクハラ行為における支配欲と権力による放埓を覆い隠している。この点はすべての人が警戒し、対策を建てる必要がある。

声明人:8名の曹小強のセクハラの当事者
2016年6月7日(4)

6月7日には、1980青年学社も声明を出した。

1980青年学社声明

まず、私たちの活動グループ全体として再度おわびをする。私たちは曹小強個人の品行のためにお詫びをするのではなく、私たちを信じ、私たちを支えてくれている人にお詫びをする。私たち自身が問題をすぐに発見して適切に処理できず、学生及びその他の人を傷つけたことに、深くおわびをする。

第二に、曹小強の行為は、被害者を傷つけただけでなく、1980青年学社の名誉を大きく傷つけた。私たちは、1980青年学社は、人を用い管理する問題について全責任を負っており、友人各位の批判と提案を聞いて、完全な運営システムを作り上げることを厳粛に声明する。

第三に、私たちは、すでに不断に弁護士・先生・友人各位の援助を求めており、真剣かつ理性的にこの問題を解決する。私たちは、学社に反セクハラシステムを作って、もし学社のメンバーがいかなる類似の問題を起こした場合でも、私たちは全力で調査に協力し、解決のための意見とリソースを提供して、いかなる人であっても庇わず、遊学の安全を守ることを承諾する。この点については、各界の意見と援助を受けて、意見を積極的に採用する。

第四に、1980青年学社は、かつて初歩の段階において、資金・理念・経験・実践などのさまざまな要素の制約を受けていた。第一期の遊学の中で、私たちは曹小強に指導に来てもらい、曹小強も資金の面でサポートしてくれて、第一期の遊学活動の助けになったことがある。だからこそ、第二期の遊学活動をする際にも、私たちは彼を招いた。これについては私たちも承認した。私たちは、彼がかつて援助したことには感謝している。

第五に、曹小強がかつて学社に指導と援助をしたことは否定できないが、1980青年学社の管理クラスではけっしてなかったし、1980青年学社の活動および遊学活動の組織と運営に参与したことはない。私たちは2日前に曹小強のことについて知ったばかりである。彼の行為は、公益人と教育探索者としてのあり方にきわめて反している。1980青年学社は、2016年6月4日以降は、曹小強にはいかなる指導活動にも参与するような招待しないし、いかなる援助と参与も拒絶する。私たちは夏の北京・天津の遊学活動は、予定通りおこなう。(以下略) (5)

三 曹小強の3通目のお詫び、被害女性8名の応答

6月8日、曹小強は、以下のお詫びを発表した。

すべての人へ

私、曹小強は、被害を受けたすべての女性とこの事件に関心を持っているみなさまに対して深いお詫びの意を表明する。

私は、私の行為が劣悪なセクシュアル・ハラスメントだったことを認める。2013年から、私は、インターネット上で言葉によって、20人あまりの女性に次々にセクシュアル・ハラスメントをした。この一連の事件において、私は主に言葉、写真、動画などを利用するやり方で、自分のSNSアカウントを使って、女性たちに対して公然と言葉によるからかいと侮辱をおこなって、心理的な満足を得ようとした。さらに一部の女性に対しては、彼女たちが望んでいない状況の下で、公の場で身体の接触をした。

ここに、インターネット上に既に共同声明を発表している8名の女性に対して、心から申し訳ありませんでした、と述べる。同時に、まだ共同声明に名前を出していない被害者、および名前を出すことを望まない人に対しても、私がお詫びの意を伝える機会を与えていただくことを希望する。私はすべての懲罰を受け賠償をしたいと思う。

この3年間、私は自分の行為がセクハラになっていることを意識しておらず、2015年になって、私は自分のこのような行為は私に心理的問題があるかもしれないとある程度意識しはじめたが、恐るべき惰性になっていたために、今日のようにコントロールできない程度になり、6月4日、この事件が明るみに出た。そのとき、私はどうしてよいかわからず、どうすべきかを知らず、一度はそこから逃れようとした。数日間の反省を経て、現在私は、事件が起こした劣悪な影響がよくわかった。また、この事件の背景にある私の心理上の良くない、暗い、完全に間違った認知や、非常に低俗な、女性に対してまったく尊重しない誤った認識については、いっそうわかった。さらに私が自分の指導者・文化人・思想家という役割を利用・標榜して、性別・年齢・キャリアの差によって自分を飾り立てていたことが、私がセクハラをする道具になった。

現在、私はすでに社会におけるすべての職務・仕事・事務を停止している。私がかつて職務に就いたり勤めたりしたすべての組織と企業に対して、私は深くお詫びをする。私は、あなた方の信頼と期待に背いた。私がひそかに女性に対してハラスメントをしたために、それらの組織は私の行為についてずっと知らなかった。だから、私はほしいままに出鱈目なことをし、最後には大きな誤りをしでかしたのである。

私は私がこれまでに傷つけた女子学生に対して、すべての責任を取りたい。それは以下の点を含むが、これらにとどまらない。

1.すべての被害者にお詫びする。また、このお詫びの手紙は私の自身の友人グループなどのSNS上でおこなう。

2.負うべき法律的責任を負う。

3.女子学生が求める心理的援助の費用と精神的損失の賠償をする。

4.第三者の、信頼性がある場でも発表する。

5.社会各界からの譴責と批判を受け入れる。

6.心理の医者の治療に積極的に協力する。

7.正面から責任を引き受け、逃避や責任逃れをしない。

同時に自分が泣いてお詫びを述べている動画も公表した(6)

この謝罪を受けて、6月9日、先に共同声明を出した被害者8名は、以下の応答を発表した。

私たちは、最大の善意によって、曹小強のこのたびの謝罪が自己反省の意識を持ち、私たちの訴えも尊重したものであると信じる。慎重な考慮を経て、私たちは曹小強の謝罪を受け入れることに決定し、今後曹小強が彼の承諾したことを一つ一つ実現するよう希望する。私たちも、適切な方法で彼が自分の承諾したことを実行するかを監督する。また、曹小強が謝罪の手紙の中で、「この三年間、私は私の行為がセクハラになっていると意識していなかった」と反省しているのであるから、私たちは彼が主体的に反セクハラワークショップに参加し、この面の認識を強めることを望む。私たちも彼に具体的なワークショップの情報を提供できる。

承諾の中の第3条の「女子学生が心理的援助のための費用と精神的損失の賠償をする」という点に関しては、多くのセクハラ事件は発生して数年がたっているが、現在また明るみに出されたため、当時心理的な傷を負った女子学生が自己の損失をあらためて評価しなければならない。また、一部の当事者はいまなお精神的・心理的な悩みを抱えている。私たちは、各自の具体的情況にもとづいて、いっそう意思疎通と相談をして、具体的な賠償の案を作成する必要があると考える。私たち以外の被害者に対しては、曹小強はお詫びの手紙の承諾のとおり、彼女たちと連絡を取り、誠実に謝罪と相応の賠償をするべきである。

最後に、私たちはまだ法に訴える合法的な権利を放棄していない。

私たちは、曹小強に対して人身攻撃や報復をするつもりはなく、ネット上で彼に対する悪意の推測がおこなわれることも望まない。しかし、私たちがいっそう望まないのは、私たちが公けしたことによる二次被害を受けることである。私たち女子学生に対してエリート的な説教や悪辣な攻撃をする人は、セクハラは社会問題であり、曹小強一人だけが「悪魔」なのではなく、私たちのような被害者は珍しくないということを認識してほしい。私たちを攻撃しているとき、あなたがたの身の回りの女性――それは娘や妻、母親かもしれない――も、セクハラにあったことがあるか、あっている危険がある。

私たちは、セクハラ事件に関心を寄せる人は、まず何がセクハラであるかをはっきり認識して、セクハラの形態は多様で、情況は複雑であることを知ってほしいとずっと思っている。(……)

ある人は、公の場で公然と他人にセクハラをする。たとえば、公の場で身体をさらけ出したり、微博で言葉によるセクハラをする。ある人は、公の場では、自分のイメージを良くするよう気をつけているが、私的に被害者と一人で接触するときには、行きすぎた性の要求をする。けれど、事件が発覚すると、彼らの今までのよいイメージによって、公衆は彼に同情しがちだ。しかし、私たちは必ずセクハラという事実自体を正視しなければならないと考える。過ちや罪を犯した人の良いイメージは、彼に免責を与える特権にはなりえず、年が若いことも、すぐれた才能も、後ろ盾も、特権になりえない。もしこれらのいわゆる技能が免責の通行証になるのならば、この社会は何の公正さがあると言えるのだろうか。

(……)私たちは、こうした議論が多くの人にセクハラの危険性を認識させ、セクハラ防止措置と正しいジェンダー教育が広く採用されることにつながることを望む。(7)

四 趙思楽による事件の分析――とくにフェミニスト刑事拘留事件の弁護士によるセクハラ事件との比較

フェミニストの趙思楽さん(2014年に、セックスワーカーを裁判なしで拘留できる「収容教育制度」についての情報公開申請を、裁判という手段を含めておこなったことで有名な女性)は、今回の曹小強によるセクハラ事件について、「事件の勃発から基本的解決まで1週間もかからなかった。その過程では被害者を責める言論もあった(8)とはいえ、去年の『フェミニスト事件』弁護士セクハラ事件と比べて、その結果も、速度もずっと良かった」と評価した。

「『フェミニスト事件』弁護士セクハラ事件」とは、以下のような事件である。

2015年3~4月、フェミニスト活動家5女性が刑事拘留される事件が起きたが、その際、彼女たちについた王秋実弁護士が、職権を利用して、当事者の家族や仲間に対してセクハラをおこなったことが明るみに出た。5人の拘留中は、捕まっている人の救援に悪い影響があることを怖れて被害者や支援者も黙っていたが、フェミニストで5人の支援者の一人である猪西西さんが公開書簡を出して、王弁護士に対して、公に声明を出して謝罪し、二度とそうしたことをしないことを表明するよう求めた。

ところが、多くの人は、それに対して、「なぜこの公開書簡を出す必要があったのか」、「この書簡が王秋実に対してどんな影響を与えるのか心配だ」などと言った。

こうした状況に対して、やはりフェミニストで5人の支援者の肖美腻(肖美麗)さんは、「私は性暴力に反対する活動をしているので、被害者を責めるロジックはよく知っている」が、「ほんとうにフェミニズムの話題が私たち自身に起きたときの、多くの友人の行為には、失望したし、辛かったし、傷ついた。」「もし私たちがセクハラを受けても声をあげることさえしなければ、その反セクハラ運動の意義はどこにあるのか?」と訴えた。

4月23日、王弁護士は声明を出して謝罪し、二度とこうした事件を起こさないと述べた。

しかし、猪西西さんや肖美腻さんは、この声明は、セクハラを「冗談」だと言って、自分の職権を利用したことも反省していないので、「お詫びではなく、弁解だ」と批判した。さらに、彼は、別の場では、批判について「意に介していない」、「どうしようもない」と言っているのに、彼が所属する北京紀安徳(紀安徳=ジェンダー)相談センター(LGBT団体)は、彼を「給与停止と反省」ですませたことも批判した(本ブログの記事「フェミニスト活動家5女性の釈放とその後の困難、闘い、弁護士によるセクハラ」参照)。

しかし、猪西西さんや肖美腻さんの訴えは、受け入れられることなく現在に至っている。

趙さんは、「『フェミニスト事件』弁護士セクハラ事件は、集団のセクハラに対する容認度が低く、声を上げる自覚が強かったからこそ、明るみに出た。実際は、民間グループでのセクハラと性差別という現象はよくあることなのに、大部分はうやむやになっており、公になることさえ少ない。このたびの曹小強のセクハラ事件をこのような結末にすることができたことは、現在のところ最も良いセクハラの解決の事例だと言いうる」と述べた。

趙さんは、今回の事件が良い結果になった原因には、客観的な要素もあるし、処理のプロセスが妥当だったためでもあると言う。

趙さんは、「客観的な要素」としては、以下の2点を挙げている。

(1)この事件が基本的には公益教育領域の内部で発生しており、異なる集団の相互関係という要素はなかったこと。王秋実のセクハラ事件は、フェミニストグループと人権派弁護士グループとの両者が関係していて、事件が最初からグループ間のある程度の不信と衝突を引き起こした。

(2)曹小強は公益教育領域の中で「一定のキャリアのある先輩」にすぎず、「業界内の有力者」ではなかったこと。しかし、問題が、リソースを掌握していたり、ジャンルを象徴する名誉ある人物に向けられたら、どのような結果になるだろうか? この点は検証する必要がある。

趙さんは、「処理のプロセス」という要因に関しては、以下の2点を挙げている。

(1)もっとも力になったのは、被害者が共同で声を挙げて、権利を守ったことである。それによって相互のサポートと保護ができたし、問題の重大さが体現でき、訴えの力が倍増した。

(2)当事者の友人や曹小強と関係がある機構が、事件の勃発から、隠しだてをするのではなく、援助を求めることを選択し、彼女たちが相談したジェンダーと法律の専門家、NGO内部のセクハラ問題を処理した経験のある公益人(9)が、問題を解決する上で不幸を生じさせなかった。

趙さんは、「全体として言えば、民間のセクハラ問題については、以前は沈黙が守られていた。『フェミニスト事件』弁護士セクハラ事件で沈黙は破られたが、権利を守るのは難しかった。しかし、『曹小強事件』では、是非の上では基本的に解決した。比較的早く欧米のNGOの活動規範と倫理に接触した公益領域で真っ先に前進があったのは、女性の権利団体の過去20年間における研究や意識の養成と不可分である」と述べた(10)

趙さんの分析に付け加えれば、王秋実弁護士の事件の場合は、今回よりも、運動がより体制批判的で、権力からより強く弾圧されている中での事件だったために、加害者への追及がやりにくかったという背景もあるように思う。

日本においても、「労働運動でもその他の社会運動でも、野宿の問題でも、もうセクハラだらけモラハラだらけ」(11)と言われるような現状がある。また、最近の東京都知事選の野党共同候補のセクハラ疑惑についての発言の中にも、性暴力を軽視した見地からのものが少なくなかったことが指摘されている。

そうした意味では、社会運動内部のセクハラは、日本も中国も取り組みはまだ端緒的だし、それだけに、お互いに参考にしうる経験があるだろうし、ともにそうした経験を積み重ねていくことが求められていると思う。

(1)@兔子走丢了「 1980青年学社暑期游学招募(京津部)(报名截至5.20) 」NGOCN(公益服务网)5月12日 12:15、@兔子走丢了「1980青年学社暑期游学招募(广州部)(报名截至5.31)」NGOCN(公益服务网)5月12日12:04。
(2)曹小强?懒叔?青年才俊?性骚扰女同学你还要不要脸」青年思潮2016年6月4日。
(3)8名曹小强性骚扰事件当事人联合声明」女权之声的博客2016年6月7日 18:47、「8名曹小强性骚扰事件当事人联合声明」女权之声的微博 2016年6月7日 18:47。
(4)同上。
(5)1980青年学社声明」微头条2016年7月16日 05:54。
(6)以上は、@豆沙边「独家:曹小强回应性骚扰事件」NGOCN(公益服务网)2016年6月8日 18:14:55より。
(7)以上は、「公益圈性骚扰丑闻8名受害人联合声明:性骚扰概念急需普及」新媒体女性的微博2016年6月9日 21:13:12。
(8)この点は、上の被害者8名の応答の中でも触れられている点だが、公開された微信のやり取りを見て、「被害者があまりきっぱり拒絶していない」と責める人などがいたようだ。それに対しては、加害者と被害者の地位や権力の違いを見落としている、などの批判がなされている(「问句“约吗”有多难? | 公益界性骚扰丑闻男方公开道歉」新媒体女性2016年6月8日 18:04:28)。
(9)1980青年学社の夏季遊学の指導者の中に、趙思楽さんが「フェミニスト活動家、コラムニスト」という肩書きで名を連ねている。また、黄葉韻子(黄葉)さんも、「大学読書サロン黄油詩社の一人、フェミニスト行動派」という肩書きで名を連ねている(@兔子走丢了「1980青年学社暑期游学招募(广州部)(报名截至5.31)」NGOCN(公益服务网)5月12日12:04)。黄葉韻子(黄葉)さんは、2015年に、うつ病の治療方法にもジェンダーバイアスがあることや、女性には外出やスポーツが奨励されない状況を批判するために、北京から広州までの徒歩旅行を試みたことで有名である(本ブログの記事「林鯨らの『性暴力反対・海南島一周自転車ツアー』と黄葉らの『直男癌に抗する、うつ病女性のフェミニズムウォーク』(北京~広州)」参照)。彼女たちが力になったのかもしれない。
(10)以上は、赵思乐「思乐女谈 -性骚扰的民间解决方案」東網2016年6月11日。
(11)[共同討議] 山下耕平、馬野骨介、高橋淳敏、野崎泰伸、上間愛、生田武志、栗田隆子「『自立』そして『支援』とは何か―反貧困運動と自立支援をかえりみる」(『フリーターズフリー』第3号)の馬野骨介の発言より(16頁)。
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広州地下鉄にクラウドファンディングによって痴漢反対ポスターを掲示する試みなど――2016年の女性たちの公共交通での痴漢反対運動

目次
はじめに――2012年~2015年の痴漢防止措置の要求運動
一 人民代表大会と政治協商会議の議員への痴漢防止措置要請
二 広州地下鉄にクラウドファンディングによって痴漢反対広告を出す運動
 1.地下鉄が措置を取らないので、自分たちでクラウドファンディング
 2.広州市交通管理委員会への申し入れ
 3.フェミニスト行動派の役割と彼女たちの微博の一時封鎖
おわりに――日本の痴漢撲滅ポスター、公共広告のあり方など

はじめに――2012年~2015年の痴漢防止措置の要求運動

広州市では、地下鉄での痴漢の問題について、2012年9月、若い女性が広州地下鉄に痴漢防止措置を求める署名を利用者から集める運動をしたり、柯倩婷さん(中山大学中文系副教授)が広州市交通管理委員会と広州地下鉄総公司に対して、痴漢防止措置について情報公開申請や建議をおこなったりした(本ブログの記事「各地の弁護士・市民が地下鉄会社に対して痴漢防止策の建議・署名運動」参照)。

また、2014年11月には、中山大学の女子学生の万欽(万青)さんと市民の于磊さんが、広州市交通管理委員会に行って、「公共交通でのセクシュアル・ハラスメントの防止についての建議の手紙」を手渡した(これは、前年の柯倩婷さんの建議の内容とほぼ同じだとのことだ)。12月には、万欽さんと于磊さんを含む5人が、広州市の交通管理委員会、地下鉄総公司、旅客輸送管理処、公安局(地下鉄分局・公共交通分局)と会談し、職員の研修などの点で前向きの回答を得た。その中で、万欽(万青)さんらの「痴漢防止の宣伝を強化する」という提案については、市の交通管理委員会と市の旅客輸送管理処の代表が、「もし婦女連合会が宣伝活動を主導して、ポスターや標語、ビデオ広告などの宣伝材料も提供してくれるなら、宣伝スペースを提供したい」と述べた。

同年の年末には、「フェミニスト行動派 (行動派フェミニスト、女権行動派)」の微博(中国版ツイッター)が、バスや地下鉄のセクハラ反対運動をするためのボランティアを募集し、来年、広州や杭州、北京などで活動をおこなうと述べた(以上は、本ブログの記事「広州で若い女性たちが公共交通の痴漢対策について交通管理委員会、地下鉄公司、警察、婦女連合会などと会談――各地で『赤ずきん』姿で痴漢・セクハラ反対活動」参照)。

毎年2~3月、中国では各地および全国の人民代表大会や政治協商会議が開催される。中国のフェミニストたちは、この2つの会(両会)の代表や委員(日本で言う議員)たちに向けて、女性のための政策を提案してもらうよう働きかけをおこなう。

2015年1月、万欽さんたちは、広州市の人民代表大会の代表に、彼女たちが書いた「公共交通のセクハラ防止メカニズムを構築する建議」を審議するように求めて、119通の書留と140通の電子メールを送った(1)

その結果、多くの代表が彼女たちに回答を寄こして建議に関心を示し、その半数近い人が、大会に提案か建議を出すことを考えたいと述べた(2)

ところが、フェミニスト活動家5女性が、国際女性デー前日(3月7日)にバスの中でステッカーを配布するなどの痴漢反対アクションを計画していたところ、3月6日~7日に、警察に拘束される事件が起きた。

彼女たちは4月に釈放されたが、その後、こうした若い行動派フェミニスト(フェミニスト行動派)の活動は非常に困難になった。

一 人民代表大会と政治協商会議の議員への要請

しかし、2016年も、全国のフェミニストが、人民代表大会の代表や政治協商会議の委員に公共交通の痴漢対策についての議案を提出するよう要請する手紙を送った。

すなわち、2月2日、全国8の省・市のフェミニストらが、10あまりの省の郵便局から合計一千通余りの公共交通の痴漢防止システムを作る提案を提出してもらうよう建議の手紙を出した(3)

広州、淄博、重慶など8地の十人余りがこの活動に参加した。その中の一人の張累累さん(仮名)がこの活動に参加したのは、「メディアで女性が痴漢にあったという報道がしょっちゅうあります。また、自分がバスや地下鉄に乗ったときの経験からも、公共空間にはこういう多くのまだ明るみに出ていない危険が存在しており、女性にきわめて大きな不安を与えています。しかし、有効な救済システムはないので、痴漢にあっている女性はいつも助けがない状況に置かれています」という理由からだった(4)

この手紙の中で、彼女たちは、以下のような建議をおこなった。

1. 交通部門は、公共交通関連部門にセクハラ防止工作制度を制定するよう督促すること。この制度は以下の点を含む。防止の原則、訴えへの対応、職責の分担、処置のプロセス、監督・審査など。また、この制度を、下級の会社の従業員の研修と審査に組み込むこと。

2. 交通部門は、公共交通関連部門に従業員のセクハラ防止研修をおこなうよう督促すること。研修の中では、次のことをおこなう。・会社にはセクハラを防止する法定の義務があり、従業員は会社を代表してこの義務を履行することが自分の仕事の責任であることを知らせる。・セクハラに関する認識の誤りを正す(「露出が多いとセクハラが増える」など、研究や証拠によって誤りが証明させているいわゆる「常識」を正すことを含む)。・従業員のセクハラ防止業務の分担とプロセスを明確にする。・セクハラ事件に応対する具体的な方法を訓練する。

3. 公共の場所、公共交通の乗り物に、セクハラの訴えの方法を設置・公表する。たとえば、ホットラインを設置し、処理の責任者を公表して、それをバス・地下鉄の目立つ場所に貼る。

4. 簡単に証拠をつかむ手段を設置する。現在、わが国の大多数の公共の場所と公共交通の乗り物には監視カメラがあり、痴漢が発生したら重要な証拠を提供できる。被害者が録画を調べる必要があるときには、責任者が簡単に証拠をつかむ手段を提供すること。

5.セクハラ防止の宣伝を強める。バス・地下鉄の中に不法分子を震え上がらせるスローガンを貼ると同時に、市民に主体的に制止あるいは通報することを呼びかける、たとえば、「セクハラは違法行為です、制止と通報にご協力ください」などと。

6.セクハラの「首問責任制 (最初に対応した職員が最後まで責任を持って対応すること)」を実行する。職員はセクハラの訴えを受けたら、直ちに制止して、加害者を取り押さえ、証拠を固め、すぐに警察に通報して、被害者にその他の必要な援助を提供しなければならない。

7.微博(中国版ツイッター)のセクハラ防止の窓口としての機能を強化する。微博でセクハラ防止の訴えの方法を公表し、積極的に回答をし、微博上でのセクハラの訴えを処理する。被害者を責めたり、乗客の私的言論を暴露したりすることを杜絶し、公衆の監督を誠実に受け入れる。

8.先進国・地域の公共の場の痴漢防止に関する合理的なシステムを参照する。

9.公安部門と交通部門が協力して、公共運輸関連部門に痴漢防止措置の整備を急がせること。(5)

以上の建議は、2014年11月の万欽(万青)さんと于磊さんの広州市の交通部門に対する建議と内容はほぼ同じである。ただし、緑色の箇所が変更ないし付加されている。この点は、一つには、2014年11月の建議は広州市の交通部門に対するものであったのに対して、今回は、国の交通部門に対するものだったからであろう。また、「4」の点は、中国におる監視カメラの普及と関係があるのかもしれない。

張累累さんは、「もうすぐ春節です。人民代表大会の代表が手紙を受け取ったら、返事やフィードバックをしていただくとともに、女性の権益のために的確な行動をして、女性が安全な空間の中で生活できるようにしてほしいと思います」と述べた(6)

これに対して代表たちがどのように反応したかについての報道は見当たらない。実際に回答がなかったのか、回答があっても報道されなかったのかは不明だが、この点は、前年のフェミニスト5女性の刑事拘留以降の運動に対する抑圧の強化と関係しているのかもしれない。もっとも、馮躍さんという男性の代表が、この年、全国人民代表大会で公共交通の痴漢問題で立法の提案をしているが、これは法律上の責任や賠償の問題で改善を図る提案であり(7)、彼女たちの建議とは少し異なるもののようだ。

二 広州地下鉄にクラウドファンディングによって痴漢反対広告を出す運動

1.地下鉄が措置を取らないので、自分たちでクラウドファンディング

2016年の3~4月には、「F女権小組」が、広州の地下鉄で公共空間でのセクハラ(痴漢)に反対する公益広告を出すためのクラウドファンディングをおこなった。「F女権小組」とは、広州で《陰道之道》(ヴァギナ・モノローグスの中国語版)の上演活動などをしてきたグループである。

F女権小組がこのクラウドファンディングをしたのは、「国内のフェミニストの仲間が公共空間のセクシュアル・ハラスメントに反対するために政策提言活動をたくさんしているにもかかわらず、関係部門は何の行動しない」という状況に対して、「それなら、自分で広告スペースを買って地下鉄の状況を少しでも変えたほうがよい」と考えたからだ。

以前から中国のフェミニストも指摘しているように、外国には痴漢を制止するための公共広告がたくさん出されている(8)

彼女たちは、まず3月8日―3月15日の期間に、広告のスローガンを募集した(9)

彼女たちは、広州地下鉄の乗降客の多い「S級」・「A++級」と呼ばれている駅に3.5m×1.5mの横長の広告を出そうと計画し、そのために4万元集めることを目標にクラウドファンディングをおこなった(10)

F女権小組は、資金集めのためのパーティーも4月24日におこなうと発表している。その呼びかけ文やポスターは、「みだら (騒)」という言葉を前面に打ち出している。これは2012年に上海地下鉄の痴漢反対パフォーマンスアートで唱えられた「私はみだらでもいいが、あなたのセクハラは許さない」というスローガンとも関係があろう。このパーティーでは、バニーガールや民謡歌手が出演したり、仮装高潮大会をするなど、いろいろ企画が立てられたようだ(11)

彼女たちは、4月27日までに、1100人余りの人から3.8万元あまりを集めることができた。また、デザイナーは無償で広告のデザインをしてくれた。資金を出してくれた多くの人は収入のない大学生であり、数元、数十元を寄付してくれた(12)

2.広州市交通管理委員会への申し入れ

彼女たちは、上述のように2014年12月に、市の交通管理委員会(市交委)が「もし婦連が私たちに痴漢に反対するスローガンとポスターを提供するなら、私たちは宣伝の方法とスペースを提供してもいい」と述べたことを思い出した。宣伝に参加した高原さん(仮名)は、「私たちにはもうデザインのプランがあるのだから、市交委に行って、本当に私たちにスペースを提供するのか尋ねたほうがいい」と述べた。

4月28日、3人の青年が広州市交通管理委員会陳情事務局に行って、広州の公共交通でセクハラ反対の宣伝をするよう要求し、公共交通の中にセクハラ防止システムを作ること、ジェンダー平等意識を有する公益広告を出すよう申し入れた(13)

彼女たちは、「誘惑は言い訳にならない。痴漢をやめろ」というスローガンの入ったポスターのパネルを持って行った。そのポスターでは、痴漢の手を女性の手がつかみ、周りの者たちが「やめろ!」「やめろ!」「やめろ!」と声をかけている(写真はこの記事の一番上→「广州公共交通工具应加强反性骚扰宣传」)(14)

市交委の陳情事務局の人は、このことを指導部に知らせた。市交委は1時間議論し(彼女たちは、その間待って)、建議の手紙を受け取ったものの、明確な回答をせず、15日以内に受理するか否かを考え、60日以内に処理した結果を考えると述べるにとどまった。

張累累さんはクラウドファンディングもおこなってきたのだが、彼女は、「私や私の身近な友人を含めた多くの女子学生は、みな痴漢にあったことがありますが、有効なサポートをいつも得られていません。これが、私たちが何とかして現状を変えたい理由です」と述べた(15)

張累累さんによると、セクハラ反対運動をする仲間は2~30人いて、その大部分は大学を卒業後あまりたっていない1990年代以後の生まれで、少なくない人が自分自身か周りの友人が痴漢に遭ったことがあるという。張累累さんは1993年生まれで、去年武漢大学の出版専攻を卒業して、今は広州で生活している(16)

残念ながら、彼女たちが申し入れをした後、進展があったという情報は見当たらない。

たしかに2014年に広州市交通管理委員会は宣伝スペースを提供したいと述べた。しかし、それは官制の女性団体である婦女連合会がポスターなどを提供することが前提だった。純粋の民間グループがポスターを作成しても、掲示はできないということなのだろうか?

3.フェミニスト行動派の役割と彼女たちの微博の一時封鎖

このクラウドファンディングと広州市交通管理委員会への申し入れに関しては、「フェミニスト行動派(女権行動派)」の微博アカウントとヴァギナ・モノローグスの中国語版の上映運動をおこなった「F女権小組」が中心的な役割を果たしている。ここから見て、行動派が中心になって行った活動だと考えられる。

ところが、上の運動をすすめている最中の3月末、フェミニスト行動派(女権行動派)の新浪微博のアカウント「女権行動派更好吃(女权行动派更好吃、女権行動派はますますおいしい)」が抹消された。新浪微博のユーザーサービスセンターは、その理由について、「有害情報の発信などの規約違反をしているから」だと述べた。行動派の女性が運営してきた「AntiPETD女権博士組織」のアカウントもログインできなくなった。

張累累さんは、「この微博は、フェミニズム活動とフェミニズムの文章以外の情報は発信してないのに、不当だ」と思った。張累累さんたちの分析によると、その原因は、最近、「広州地下鉄の反セクハラ広告のクラウドファンディング」をしたことかもしれないと言う(17)。この活動は、現在のところ、広告費のクラウドファンディング以外の行動はしていないのだが、彼女たちの一人の友人は、この活動のために、警察が家に来たという(18)

やむなく張累累さんは、「女権行動派吃不完(女权行动派吃不完、女権行動派は食べきれない)」(これは、女権行動派抓不完[女権行動派は捕まえきれない]のもじりで、弾圧に屈しないという意味が隠されている)という新しいアカウントを登録しようとした。だが、「このニックネームは登録できない」という表示が出た。張累累さんは、さまざまな似たような名称を試したが、「女権」という二字が入っていると登録できない。「人権」の二文字が入っていても登録できるのに、「女権」ではだめなのだ。張累累さんは、やむなく「権(权)」の文字を「木」と「又」の2つに分けて、「女木又行動派吃不完」という微博を登録した(19)

この事件は、日本の『朝日新聞』でも取り上げられた(20)

趙思楽さんは「『女権』が禁句(敏感詞、政治的にデリケートな言葉)になった」と述べた。趙さんぱ、中国の公式の場では、「婦女」が最も使われ、「男女平等」がそれに次ぎ、「女性の権益」「女性の権利」はあまり使われず、「女権」や「ジェンダー平等」はほとんど使われないことなどについて分析している(21)。ただし、4月13日には、「女権行動派吃不完」アカウントの登録に成功し、現在も発信を続けているので、「女権」の語が登録できないということ自体は一時的な現象だったようだ。

また、地下鉄に広告を出すためのクラウドファンディングに関しても、反逼婚広告を出すためのクラウドファンディングは、表現こそ穏健にされたものの、弾圧はされていない(「家族などからの結婚圧力(逼婚)を批判する若い女性たちの運動――2014年~2016年」参照)。

とすると、この微博に対する弾圧は、当時おこなわれた広州地下鉄に痴漢反対広告を出す運動が、微博アカウント「女権行動派」が前面に出た行動であり、前年に刑事拘留の口実にもされた公共交通での痴漢反対運動だったことと関係がありそうな気がする。

おわりに――日本での痴漢撲滅ポスター、公共広告のあり方など

日本では、警察などによって痴漢撲滅を呼びかけるポスターが鉄道に貼られている。しかし、「『痴漢撲滅系ポスター』調査プロジェクト」(ツイッター)は、それらにはさまざまな問題点があることを指摘している(具体例の分析)。

それらに比べて、F女権小組が作成したものは、効果のほどは不明だが、被害者非難を含まないのはもちろん、強姦神話も批判しており、口調やデザインからは、真剣に痴漢をなくそう意図がストレートに伝わっているように見える。

日本でも民間の女性団体・人権団体がこうした広告を出す試みがあってもいいように思える。ただし、日本では公共広告と言えば、ACジャパンなどが出すものであり、民間団体が出すものではないと思われている。この点がネックになるのだろうか? だとしたら、それでいいのだろうか?

「意見広告」として出す方法はあるかもしれない。しかし、公共交通機関は、意見広告を掲載することをあまり認めていないように思う。それ自身正当かどうか疑問だし、痴漢反対の広告は政治的な意見広告と同一に扱うべきではないとも思う。日本では、前回取り上げた「逼婚(父母などからの結婚催促・強要)」に反対するポスターを公共交通機関に掲示することも難しいのではないか。

もう少し調べてみる必要があるが、こんな疑問が出てくる。

といっても、日本ではすでに曲がりなりにも公的機関に痴漢撲滅ポスターを作らせる段階にいっており、実際、欧米では日本よりきちんとした痴漢反対のポスターなどもあるのだから、いま日本で最も大切なのは、痴漢取り締まりをしている警察などに正確な認識を持ってもらい、効果的なポスターなどを作らせることだ、とは言えるのだろうが‥‥。

(1)女乘客游说人大代表建立公共交通性骚扰防治机制」2015年1月16日 13:15:42 (来源:女权行动派很好吃微信公众账号)。
(2)防治公共交通性骚扰 从立法做起 数名人大代表阳光回复女乘客公共交通性骚扰建议信」女权行动派很好吃的微博2015年1月29日 16:32
(3)女权行动派很好吃「反对公交性骚扰,TA们给一千多名人大代表寄了信」女权之声的微博2016年2月4日 14:12
(4)八地青年致信千余名人大代表:我们要公交防治性骚扰机制」就业性别歧视监察大队 2016-02-03 20:05:30。
(5)女权行动派很好吃「反对公交性骚扰,TA们给一千多名人大代表寄了信」女权之声的微博2016年2月4日 14:12
(6)八地青年致信千余名人大代表:我们要公交防治性骚扰机制」就业性别歧视监察大队 2016-02-03 20:05:30。
(7)全国人大代表建议完善公共交通性骚扰立法」南方网2016年3月30日 20:22:43(来源:重庆时报)。
(8) 以上は、F女权小组「广州地铁反性骚扰广告众筹」女权之声的微博2016年3月16日 11:42。
(9)女权行动派很好吃的微博3月10日 20:38
(10)广州地铁反性骚扰广告众筹
(11)F女权小组「【广州反性骚扰愁款趴】4月24日晚体育西路, 购票即送醉熊!」2016年4月24日。
(12)广州公共交通工具应加强反性骚扰宣传」新快网2016年4月29日。
(13)女权行动派吃不完「90后青年约谈广州市交委,要求公交反性骚扰宣传」女权之声的微博4月28日 15:07
http://weibo.com/ttarticle/p/show?id=2309403969253463207504→(ほぼ同じだがタイトルなど変更) @小田切菜「90后女生约谈广州市交委,要求公交反性骚扰宣传」2016年4月28日 15:13:22
(14)广州公共交通工具应加强反性骚扰宣传」新快网2016年4月29日。
(15)以上は、女权行动派吃不完「90后青年约谈广州市交委,要求公交反性骚扰宣传」女权之声的微博4月28日 15:07 http://weibo.com/ttarticle/p/show?id=2309403969253463207504→(ほぼ同じだがタイトルなど変更) @小田切菜「90后女生约谈广州市交委,要求公交反性骚扰宣传」2016年4月28日 15:13:22
(16)广州公共交通工具应加强反性骚扰宣传」新快网2016年4月29日。
(17)女权之声的微博【“女权”二字不能提,新浪微博这是要封杀女权?!】3月31日 12:17
(18)趙思樂「思樂女談:當「女權」成為敏感詞」東網2016年2月4日。
(19)女权之声的微博【“女权”二字不能提,新浪微博这是要封杀女权?!】3月31日 12:17
(20)(消される言葉 天安門事件から27年)デモ参加後、消えた戸籍」朝日新聞デジタル2016年6月2日。
(21)趙思樂「思樂女談:當「女權」成為敏感詞」東網2016年2月4日。
関連記事

公共トイレの男女の便器数の不公平是正を求める運動の2014年以降の展開

 はじめに――2012年、2013年の運動 
 一 2014年世界トイレの日:李麦子ら、「都市公共トイレ設計基準」に男女の便器比率を1:2にする強制的な規定導入を求める書簡
 二 2015年2~3月:全人代の代表や全国政協の委員への働きかけの広がりとフェミニスト5女性の刑事拘留
 三 2015年世界トイレの日:観光地のトイレ整備計画に便器比率におけるジェンダーの視点を求める建議
 四 2016年青年節:8大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙
 おわりに――運動の継続、新しい参加者

はじめに――2012年、2013年の運動

行動派フェミニスト(女権主義行動派)の活動が最初に広く知られたのは、2012年2月~3月に全国各地でおこなわれた「男子トイレ占拠」のときであろう。

中国では(も)、公共トイレの便器数が男女の生理的差異などを十分考慮せずに決められているため、女子トイレの前にはしばしば行列ができる。それに対して、李麦子さん・鄭楚然さんをはじめとした女子大学生が、広州市の越秀公園近くの男性トイレを一時的に占拠し、行列を作って待っている女性に男性トイレを使用してもらうパフォーマンスアートをおこなって、女性トイレ不足の解決を訴えた。その後、全国各地の女子大学生たちが同様のアクションをおこなった。

また、李さんと鄭さんは女子トイレを増設する提案を微博やメールを使って全国人民代表大会(全人代)の代表や全国政治協商会議(全国政協)の委員(いずれも日本で言う議員)を送り、全人代などに提出してもらった(本ブログの記事「女子大学生の『男子トイレを占拠する』アクション」 「WANに『中国の女子大学生の「男性トイレ占拠」アクションと日本のメディア』掲載、および日本における女性用トイレ不足問題について」「女性トイレの増設求める運動続く――『男子トレイ占拠』から8ヶ月」)。

さらに、2012年の世界トイレの日(11月19日)には、女子学生の増加が著しい全国の12の師範大学(北京師範大学、天津師範大学、河南師範大学、広州第二師範大学、華中師範大学、信陽師範大学、杭州師範大学、重慶師範大学、江西師範大学、西北師範大学、陝西師範大学、新疆師範大学)で、各大学の女子学生が、女子トイレ増設を要望する手紙を学長に送り、いくつかの大学から増設するという回答を得た。また、2013年の世界トイレの日には、13都市の女子大学生らがそれぞれの都市のケンタッキーとマクドナルドの店舗にユニセックストイレ設置を求める手紙を出した(本ブログの記事「全国の12師範大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙」、「世界トイレの日に、13都市の女子大学生らがケンタッキーとマクドナルドの各店舗にユニセックストイレ設置を求める手紙を出す」)。

こうした動きに対して、衛生部(医療や衛生を担当する省)も、2013年2月、「公共トイレ衛生基準」の意見募集稿において、男女の便器の比率を1:2にすると定めた。それに対しても彼女たちは、同年7月、全国9都市の公共トイレの便器の状況を調査し、現状ではむしろ男性用便器の方が多いので、衛生部の「基準」に強制性を持たせるべきことなどを訴えた(本ブログの記事「ジェンダー平等活動グループ、9都市の公共トイレの便器数の男女比の調査報告発表」参照)。

「男子トイレ占拠」で有名になった彼女たちだが、その後は、彼女たちの労働や教育における女性差別、女性に対する性暴力に関する活動がより注目されるようになった。

しかし、2014年以後も、公共トイレの問題についての運動は続いている。そして、2015年2~3月に李麦子さん、鄭楚然さんを含むフェミニスト活動家5女性が刑事拘留されるという弾圧にあって以後も、運動は続いている。今回は、そのことについてご紹介したい。

一 2014年世界トイレの日:李麦子ら、「都市公共トイレ設計基準」に男女の便器比率を1:2にする強制的な規定を求める書簡

2014年の世界トイレの日には、「都市公共トイレ設計基準」の男女の便器比率を1対2にすることを強制的な規定にするために、李麦子さんは、12都市(北京・西安・蘭州・杭州・寧波・重慶・東莞・武漢・広州・昆明・韶関・香港など)の23名の大学生や設計師とともに、中華人民共和国住宅・都市農村建設部と各地の住宅・都市農村建設委員会に建議の手紙を出した。

この活動に参加した、蘭州で都市計画を専攻している女子大学生の小雨さんは、「昨年2月の『都市公共トイレ設計基準(意見募集稿)』は、『公共トイレのサービス地区の男女の人数がほぼ同じならば、男女の便器の比率は1:2とするのが適当である』と言っていますが、強制力がないために批判されています。もし強制しないならば、女子トイレの増設はやってもやらなくてもいいことになってしまいます」と話した(1)

この建議に対しては、各地の住宅・都市農村建設委員会からも、必ずしもすぐに改善するという内容ではないが、何通か返信が届いた(2)

二 2015年2~3月:全人代の代表や全国政協の委員への働きかけの広がりとフェミニスト5女性の刑事拘留

2014年2月には、李麦子さんが微博で呼びかけて、100人あまりの女子大学生や若い女性が、300人余りの全人代の女性代表に対して、女性用便器不足の問題を取り上げるように郵便やメールで訴えた。

この活動に参加した北京の大学二年生の林さんは、冬休みの期間を利用して、100人余りの代表の連絡先を調べた。中国の全人代の代表(議員)は、日本の国会議員と違って専業ではなく、議員事務所があるわけではない。それでも代表が教授や企業家の場合は調べやすかったが、公務員の場合は調べるのが難しかったという。

代表からの返事は、「受け取りました」という簡単なものが大半だったが、取り上げるとか、参考にするといった積極的な回答も2通あった(3)

2015年にも、154人の女子大学生などの若い女性たちが、全人代の代表や全国政協の委員らに対して、女性用便器不足の問題を取り上げるように訴えた(4)

すなわち、2012年には李麦子さんと鄭楚然さんの2人でやった全人代の代表などへの働きかけが、2014年、2015年には100人、150人の運動へと広がったのである。

しかし、同年3月6日から7日にかけて、李麦子さんと鄭楚然さんを含む5人のフェミニスト活動家(フェミニスト五姉妹)が刑事拘留されるという弾圧にあう。

ところで、この年の全国政協では北京大学中文系教授の葛暁音さんが「公共トイレ建設における女性トイレ比率向上に関する提案」を出したのだが、この提案は、上述の154人が出した提案にもとづくものだったのだ(5)

つまり、全国政協で公共トイレの女性トイレ便器比率の向上が提案されたのに、そのような提案活動をしてきた李さんや鄭さんたちは獄中にいるという皮肉な事態になり、女性たちの中から批判の声が上がった。

また、4月29日付けの「女権の声」の微博は、「男子トイレ占拠」から3年にして、北京市が全市の公共トイレについて、新しい基準にもとづいて、女性便器の数を2倍にする見込みであることを伝えた(6)。こうした事態も、5人の刑事拘留の不当性を浮かび上がらせたと言えよう。

5人は4月13日に釈放された。しかし、「フェミニスト五姉妹の釈放は、けっして弾圧の終わりではなかった。彼女たちは現在に至るまで本当の自由を取り戻していないというだけでなく、恐怖と混乱によって、フェミニズムアクティビズムの活動空間全体が大きく縮小された。街頭での活動はストップし、講座やシンポジウムにも中止されたものがある。一部の参加者は運動から退き、多くの人はもうNGOには加入しなくなった。中国のフェミニズムアクティビズムは衰えた」(呂頻)(7)

しかし、李さんらも若い中国のフェミニストも、トイレの問題に関する活動をストップしたわけではない。

三 2015年世界トイレの日:観光地のトイレ整備計画に便器比率におけるジェンダーの視点を求める建議

観光地の女性トイレに行列ができることは、中国でもよくある。

2015年4月6日、中華人民共和国国家観光局は、「全国観光トイレ建設管理行動3カ年計画」を発表し、2015年から2017年までの間に全国で5万7000カ所の観光トイレを新築ないし増築するとした。しかし、この計画は、男女の便器の比率には全く触れていなかった(8)

そこで、2015年の世界トイレの日、李麦子さんは、10都市あまりのジェンダー平等に関心を持っている人と連名で、観光地の女子トイレの比率を高めるとともに、ユニセックストイレの増設を求める書簡を国家観光局に出した(9)

この書簡は、「『全国観光トイレ建設管理3カ年行動計画』を完全なものにし、女性便器の比率を高め、ユニセックストイレを増設する建議」と題するもので、具体的には、以下の点を要求していた。

1.「行動計画」の中に、以下についての強制的な規定を入れること。公共トイレの女性用便器(しゃがみ込み式、腰掛式)と男性用便器(しゃがみ込み式、腰掛式、小便器)の比率は必ず2:1に達していなければならず、そのうち女子トイレと男子トイレのしゃがみ込み(腰掛)式の比率は必ず4:1に達していなければならず、女子トイレの面積も必ずそれに応じて増やさなければならない。

2. 「行動計画」の中で、公共トイレについては、必ずバリアフリートイレを増設するとともに、適切にユニセックストイレを増設しなければならないと規定すること。

3. 「行動計画」の中で、公共トイレの審査・許可、および検査の上で納品する制度を規定し、各地の観光管理部門がきちんと執行するよう要求すること(10)

四 2016年青年節:8大学で女子学生が各学長に女子トイレ増設求める手紙

2016年5月4日の青年節(五四運動を記念して定められた日)には、8大学(陝西師範大学・遼寧師範大学・北京師範大学・広州大学・広州工業大学・南京財経大学・鄭州大学・汕頭大学(11))で、女子学生たちがそれぞれの学長へ手紙を出す活動をおこなった。それらの手紙は、大学の男女の便器の比率を変えて女子トイレを増やしたり、ユニセックストイレを増設するなどして、女子学生の長期にわたるトイレ難の問題を解決することを求めるものだった。

さらに、彼女たちは、大学の学内や校門前で、手に「トイレの比率は2:1、そうでなければ女子学生は待ち切れない」と書いた紙を持っている写真を公表した(12)。この活動を報じた微博の記事には、陝西師範大学・遼寧師範大学・広州大学・広州工業大学・南京財経大学での活動の写真が掲載されている(13)

青年節の日に行動を起こした理由について、広州大学の蔡さんは、「公共空間において女性が権利を勝ち取らなければならないというだけでなく、より重要なのは、私たちは若い女性として、若い女性という形象でフェミニズムのために行動をすることだった」と述べた(14)

今回の活動の呼びかけ人は、陝西師範大学の在如さんだ。在如さんは、ずっとフェミニズムに関心を持っていたが、卒業する前にこの問題を何とかしなければならないと思った。在如さんは、かつて女子トイレが満員だったために、やむをえず男子トイレに入ったこともあり、この件はもう猶予できないと考えていた。在如さんは、自分の大学のトイレの情況について実地に調べてみた。在如さんが調べたところ、「私たちの大学は師範大学で、女子学生の方が男子学生よりはるかに多く、わが校の公式微信によると、2015年の男女の学生の比率は3:7であるのに、男女の便器の比率は基本的に1:1です。授業が終わると、女子トイレの入り口には長い列ができるのに、男子トイレにはほとんど人がいません」とのことだ。

在如さんは、同じような情況の大学の学生たちに対しても、学長に手紙を出す活動をしようと呼びかけたところ、8つの大学から応える声が上がった(15)

活動に参加者した北京師範大学の張雪莉さんは、「2年前に私たちの大学では、女子学生が学長に女子トイレを増やすよう求める手紙を出したので、2つの教学楼でトイレを3:1の比率にしました。けれど、私は先日、ある教学楼ではまた元に戻したことを発見しました。私もいつもトイレに並んでいるので、本当にもう待ちきれません」と語った。

「男子トイレ占拠」の呼びかけ人である李麦子さんは、「トイレは大学にはなくてはならない教育施設なので、大学の男女の便器の不合理さの問題は、実は教育資源の分配の不合理さの問題であり、女性の平等な教育権に関わる問題なのです。2012年から今までに、多くの大学が改革をしました。一部の男子トイレを女子トイレに改造した大学もありますし、教師の休憩室を女子トイレに改造した大学もあります。これはどちらもよい手本であり、各地の大学も参考にできます」と語った(16)

今回活動がおこなわれた8大学のうち、北京師範大学と陝西師範大学は、2012年の世界トイレの日にも活動がおこなわれている。しかし、他の大学は、2012年とは異なっている。2012年当時の学生はおおむね卒業しているであろうことから考えても、2016年の活動は新たな担い手によって進められたのだろう。

成果

2012年と同様に、今回もいくつかの大学で成果を収めた。

この行動によって、1カ月も経たない間に便器の比率が変わったのは広州大学だ。

広州大学では、ジェンダー/セクシュアリティの問題に取り組んでいる「Gスポットグループ(G点小組)」の4人の女子学生が、学長に手紙を出して、大学の男女のトイレの比率を1:2にするように訴えた。

この行動を呼びかけた菜菜さん(仮名)らが、広州大学の2つの文科の教学楼の男女の便器の比率を計算したところ、だいたい1:1であり、1:1.5という規定にも達していなかった。まして、文科の教学楼では女子学生はもっと多いので、女子トイレに対するニーズはもっと高いはずだ。そこで、菜菜さんは、広州大学の最近3年間の学生募集の男女比率を調べるとともに、大学の各学院の男女の比率も調べた。すると、4つの学院では女子学生の比率が80%を超えており、それらはすべて文科専攻だった。こうした調査を経て、菜菜さんらは、学長に手紙を出したのだった。

約2週間後、菜菜さんは、広州大学の学長の事務局と後方勤務部から電話で、「便器の比率を調整するというプランを試行する」という回答を受け取った。具体的には、6つの男子トイレを女子トイレに改造して、6月から使用できるようにするということだった。

他にも、陝西師範大学と遼寧師範大学で、大学当局からトイレの改築をおこなうという回答があった(17)

陝西師範大学では、5月17日、在如さんと後方勤務部、学校の各学院の学生工作部の書記が便器の比率の計画について協議をした。5月20日には、大学は「雁塔校区の一部の教学楼のトイレの調整プラン」を発表し、男子トイレを女子トイレに改造して、これまでは男女の便器の比率が3:2だったのを、1:2に変えるとした。

遼寧師範大学では、鐲子さんが学院の党総書記と話をした。党総書記は「男女のトイレの比率の問題と調整の問題は夏休みの計画に入れる。大学は学生が理にかなった提案をすることを奨励するし、理にかなった提案は積極的に取り入れたい」と述べた。

南京財経大学の維尼さん本人には大学から回答が来ていない。しかし、ある日、教学楼で、後方勤務部の職員と警備の職員と不動産の職員がいっしょにトイレの状況を調査して、彼らはトイレを改造することに関してしゃべっていることが目撃された。

ただし、広州工業大学の阿思さん、汕頭大学の春暁さん、鄭州大学の木木さん、北京師範大学の張雪莉さんには、現在(5月下旬時点)、まだ大学からの回答などはない(18)

広州大学での運動の成果は、地元の『羊城晩報』でも報道された(19)

ユニセックストイレ

上述のようにユニセックストイレの設置も要求されているが、とくに最近はそれがトランスジェンダーの問題としてもしっかり論じられるようになったと感じる。

李麦子さんは、「大学でもユニセックストイレを増設してはどうかと思います。なぜなら、男子トイレと女子トイレという二元的区分は、セクシュアルマイノリティの一部にはフレンドリーではなく、彼/彼女がトイレを選択しようとしても、選択しようがないからです。それに、ユニセックストイレを設置したら、女子トイレには長い行列ができるのに、男子トイレは誰も使っていないという状況をなくせるからです。だから、ユニセックストイレは将来の趨勢でもあります」と述べている(20)

李雪莉さんも、「私たちは女子学生のトイレ難についてだけでなく、大学には一般にユニセックストイレがなく、バリアフリートイレもないことにも注意し、解決しなければならない」と述べている。

李雪莉さんは「実際には人は2つの性別があるだけでなく、トランスジェンダーもいる。トランスジェンダーは、性別と関係する公共施設を使うときに困惑を感じる。たとえば、MtFとFtMのトランスジェンダーは、男が女装することもあり、女が男装することもあるので、トイレに行くときに、周囲の人が困惑したりフレンドリーでなかったりするし、セクハラや痴漢だと言われることもある」と述べている。

ただし、大学側はユニセックストイレには、まだ消極的なようだ。

在如さんは、少なからぬ人がユニセックストイレに対する要求を持っていることは知っていたが、女子トレイ不足の問題という厄介な問題をまず解決したかったので、手紙にはそれは書かなかったという。しかし、彼女たちが大学の指導部との面会したときには、ユニセックストイレについても議論した。大学は、ユニセックストイレについてもプランに書くとしたら、過激すぎると言った。すなわち、ユニセックストイレには良いところもあるけれども、大学に圧力がかかる(?)かもしれないし、ユニセックストイレだと男女の間、あるいはさまざまな性別の間でセクハラの問題が起きるかもしれないので、しばらく棚上げにすると話したという(21)

おわりに――運動の継続、新しい参加者

以上をまとめると、まず、2014年、2015年と、全人代などの代表への働きかけに参加する人数は広がっていたことがわかる。

フェミニスト活動家の刑事拘留事件の後は、活動の規模は縮小したが、世界トイレの日の活動に見られるように、運動は継続されている。

とくに2016年には、2012年の12大学には及ばないまでも、8大学で学長への手紙や写真での要求のアピールがなされ、成果も上がっている。これは、街頭での活動でこそないものの、全国一斉の(ネットでなく)実地での活動であり、新しい人々による活動の広がりを示すものであるように思われる。

(1)女权之声的微博【厕位比例2:1,否则女生等不及!建议住建部强制比例】2014年11月19日 11:57
(2)麦子家的微博【占领男厕所两周年,各地建设部门对于扩建女厕的回复。】2015年2月24日 20:55
(3)百名女大学生上书两会代表:希望解决女性如厕难」『北京晚报』2014年3月6日 16:47
(4)女代表女委员关注公厕改革 不能对女厕排长队习以为常」『中国婦女報』2015年3月14日。
(5)同上。
(6)女权之声【“占领男厕所”3年了,北京市公厕女性厕位数有望翻倍】2015年4月29日 11:58。
(7)Lu Pin“Critical Mass? On the Perilous Point”Free Chinese Feminist2016.1.31.
(8)关于印发《全国旅游厕所建设管理三年行动计划》的通知旅办发﹝2015﹞ 78号」中华人民共和国国家旅游局2015年4月8日。
(9)麦子家的微博 2015年11月18日 19:32
(10)关于完善《全国旅游厕所建设管理三年行动计划》,提高女厕位比例、增设无性别厕所的建议」问道网。
(11)この大学名については、「学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)にもとづく。
(12)女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(13)同上および「学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)。
(14)男女比例失衡4女生致信校长改厕所 广大6男厕改为女厕」金羊网2016年5月30日 16:17、
(15)以上は、「中国式厕所风波」自由亚洲电台(RFA)2016年6月3日、女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(16)以上は、女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(17)以上は、「女权青年在行动:一封信,让男厕变女厕!」新媒体女性的微博 2016年5月25日、「男女比例失衡4女生致信校长改厕所 广大6男厕改为女厕」金羊网2016年5月30日 16:17、「广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。「广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。
(18)学校真随意,男厕所说改就改?还记得青年节致信校长的那些大学生吗」(女权之声的微博2016年5月25日 15:48)にもとづく。
(19)广大4女生致信校长“改”厕所 校方回应:文科楼6男厕改女厕,6月1日启用」『羊城晚报』2016年6月1日。
(20)女权行动派吃不完「8所高校女生致信校长呼吁增加女厕比例,增设无性别厕所」女权之声的微博2016年5月4日 15:25:51。
(21)以上は、「中国式厕所风波」自由亚洲电台(RFA)2016年6月3日。
関連記事

家族などからの結婚圧力(逼婚)を批判する若い女性たちの運動――2014年~2016年

<目次>
はじめに――「逼婚」「剰女」という流行語
一 2014年:「逼婚」を肯定するコマーシャルに対する抗議運動

 1.家族のために結婚することを肯定する「百合ネット」のコマーシャル 2.インターネット上での抗議運動 3.バレンタインデーに十数名が百合ネット総本部前などで、替歌とプラカードで抗議
二 2015年:北京・上海・広州の街頭で活動
 1.北京 2.上海 3.広州
三 2016年:クラウドファンディングで北京の地下鉄に反逼婚広告
 1.クラウドファンディングと微博での逼婚反対の呼びかけ 2.広告審査によって表現をソフトにされつつも、北京地下鉄の東直門駅に広告を掲示 3.「反逼婚連盟」はその後もオンラインとオフラインで集い 4.「女権の声」が反逼婚についての体験談を募集
おわりに――「逼婚」の背景として、中国的「孝」、若者の経済的情況、人口政策なども

はじめに――「逼婚」「剰女」という流行語

子どもに結婚をするように圧力をかけることを、中国語で「逼婚」と呼ぶ。とくに子どもが春節(旧正月)で帰省したときに、家族や親せきから「なんでまだ結婚しないの?」「相手はいるの?」「なんで連れて帰ってきて会わせてくれないの?」などと結婚を催促されることが多く、若者たちの悩みの種になっている。

2012年には、親が子供に早く結婚しろと強要する「中国式逼婚」が、流行語にもなった(1)

2016年2月には、「中国関心下一代(次世代に関心を持つ)工作委員会健康スポーツ発展センター」が『中国逼婚調査報告』を出した。この報告では、25歳から35歳の若者に対する圧力が最も大きく、86%の人が結婚を催促されたことがあるという。女性の方が男性より6%比率が高いこともわかった(2)

結婚適齢期を過ぎても独身でいる男女を軽蔑して呼ぶ言葉である「剰女 (残った女、売れ残り女)」「剰男」も、流行語になっている(3)。こうした言葉も結婚規範の強さを示している。

一人っ子政策などに起因する性別のアンバランスによって、本当は「剰男」の方が大量に出現している。彼らの大多数は貧困で、学歴も低く、農村に住んでいる。しかし、メディアは彼らが単身であることは咎めない。

中国のマスメディアの「剰女」についての記事の多くは、都市の教育を受けた単身女性に対して、「仕事にはもう頑張るな、高望みをするな、結婚相手をえり好みするな」というものである。「男の30歳は花であり、女の30歳は黄土の泥である」という言葉があるが、これは、単身男性と単身女性の二重基準を示している。中華全国婦女連合会のサイトさえ、「剰女」に関する文章を無批判に転載し、その中には、「剰女」を「娯楽の場での一夜の情事が好きだったり、役人や金持ちの妾になったりする」などと否定的に捉えたものもある(4)

もっとも、結婚を強要することを批判する「逼婚」という言葉が流行するようになったことは、結婚規範からの脱却を志向する若者の意識が強まったことを示しているとも考えられる。

さらに、近年、「逼婚」を批判する社会的運動もおこなわれるようになった。この運動は、行動派フェミニスト(女権主義行動派)と呼ばれる人々が中心になっていると見られる。つまり、こうした運動が起こったことは、新しい女性運動の台頭とも関係している。

以下、「逼婚」を批判する、こうした女性を中心とした運動について見ていきたい。

一 2014年:「逼婚」を肯定するコマーシャルに対する抗議運動

1.家族のために結婚することを肯定する「百合ネット」のコマーシャル

「逼婚」を批判する運動が起きた1つのきっかけは、2014年の春節の前に、結婚相手の紹介会社「百合ネット」が次のようなコマーシャルを流したことである。

主人公は高等教育を受けた美女である。彼女は、祖母のもとに、学士帽をかぶって卒業証書を届けたりしてきた。ところが、祖母からは、毎年、「結婚したの?」と聞かれる。けれど、彼女はずっと結婚しなかった。しかし、祖母が病に倒れて「結婚しなさいよ」と言ったので、彼女は「今年は祖母のためにも、必ず結婚しよう」と思って、百合ネットの実店舗に行って、結婚相手を探した。最後の場面では、ウェディングドレスを着た彼女が、病床の祖母の前に一人の男性を連れて来て、目に涙を浮かべて「おばあさん、結婚したよ」と言う。

このコマーシャルは、春節の期間、中国中央テレビの3つのチャンネル、10の衛星テレビ、多くの都市の駅のスクリーンで放映された。

2.インターネット上での抗議運動

このコマーシャルに対して、微博(中国式ツイッター)上で批判が巻き起こった。たとえば、@我是你認識的王小能さんは、このコマーシャルは、「仕事をするより結婚したほうがいい!」「あなたはきれいで、有能で、学歴が高く、仕事の出来がいい。でも、結婚していなければ何の価値もない」という価値観を反映していると指摘した。また、@風小餐さんは、女は適齢期になれば結婚するのが「天地の定め」で、女は子どもを産むことが「本分」であることも示していると述べた。

1月29日、百合ネットは謝罪したが、コマーシャルの放映を中止するか否かには触れておらず、ネットでは、誠意がないと評された。

2月6日、@柴晋寧さんが、新浪微博で「#1万人が百合ネットをボイコットする#」活動を始めた。彼女は、百合ネットにコマーシャルの削除と謝罪を求め、それに同意する人はこのエントリを転載(リツイート)するよう呼び掛けた。そうしたところ、2月8日昼までに、1万5119回、このエントリは転載された(5)

3.バレンタインデーに十数名が百合ネット総本部前などで、替歌とプラカードで抗議

2月14日のバレンタインデーには、十数名の若い女性が北京の百合ネットの総本部に抗議に行った。彼女たちは、自分たちが作った替歌《おばあさん、強要しないで(外婆别逼我)》(テレビの人気バラエティ番組《パパはどこに行くの?(爸爸去哪里)》[아빠! 어디가? の中国版]の主題歌の替歌)を合唱した。彼女たちは、「お父さん、お母さん、もう私に強要しないで。私は、一人で生活するのもいいのです。結婚することも、子どもを産むことも、選択ではないの? 私自身に選ばせて」などと歌い、「私に強要しないで」「私は結婚したいときにする。結婚しないならどうだというのか」などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。若い男性も、「おばあさんに言われたからといって、私と結婚しないで」というプラカードを掲げた(動画→「女权青年逆袭百合网反逼婚 」女权之声FeministsVoices)。

彼女たちは、百合ネットの広報部の責任者の楊晶さんに、「結婚を強要するコマーシャルの放映はもうしないでください」という訴えを提出した。そこには、以下のように書かれていた。「まず、このような結婚・恋愛観が陳腐である。結婚は女性の生活の選択肢の一つでしかなく、女性の価値はけっして婚姻によって実現しなければならないものではない。婚姻を女性の最も重要な、ましてや唯一の生きていく道だと考えるのは、女性を拘束し、差別する行為である。また、結婚するかしないか、いつ結婚するか、誰と結婚するかは、みな女性自身の問題であり、家族の圧力や親孝行と関連づけるべきではない。百合ネットのコマーシャルは、倫理道徳によって女性の婚姻自主権を否定している疑いがある。」(6)

彼女たちは、ビルの中の百合ネットの総本部前だけでなく、ビルの外や、地下鉄の車両内や地下鉄の構内でも、歌を歌い、プラカードを掲げてアピールした(動画→女权青年逆袭百合网反逼婚 」女权之声FeministsVoices)

百合ネットは、その日の午後二時、メールで、コマーシャルの放映を中止すると回答した。

この抗議行動は、『南方人物周刊』によると、NGO団体「女権の声」が組織したものである。

この抗議行動に参加した熊婧さんは、「女権の声」に入る前は、武漢の師範大学の学生だった。熊婧さんの父母は、卒業後は、熊婧さんが教師か公務員になって、安定した生活を送ることを望んでいた。しかし、熊婧さんはジェンダー研究を専攻する大学院生になり、自分がフェミニストだと自覚するようになって、賃金が低く不安定なNGO「女権の声」の職員になった。最も母親の心配と父親の怒りを引き起こしたのは、彼女の不婚主義だった。熊婧さんは、父親とはできるだけ交流を避けるようになった。

また、艾可さんの母親も、艾可さんが結婚するまでは家を出てはならないと考えていた。しかし、艾可さんは、長い時間をかけて母親を説得した。けれども、多くの人は、親元から逃れるために結婚することが多い。艾可さんは、これはとても悲しいことだと考えている(7)

二 2015年:北京・上海・広州の街頭で活動

2015年には、北京・上海・広州の3都市で街頭行動がおこなわれた。

1.北京

2015年1月24日午後、未婚の若い女たちと男たちが、北京の三里屯や工人体育館前などで、流行している《小さなリンゴ(小苹果)》という歌と踊りを反逼婚バージョンに改編した歌と踊りを踊りつつ、通行人に「自由を愛し、結婚を強要しない」という歌詞で包んだおひねりを配布した(動画: 小苹果反逼婚)(8)

2.上海

2月4日には、上海の繁華街や地下鉄の車両内で、4、5人の若い女性が、結婚強要を批判するプラカードを持って無言で抗議をおこなった。彼女たちのプラカードには「非暴力不合作剰女連盟(非暴力・非協力の売れ残り女連盟) お母さん、春節のときに結婚を強要しないで! 私の幸福は私が決めます!」と書かれていた(9)

4月末には、5月1日に、上海で結婚を強要された女性や「剰女」というレッテルを貼られた女性10~12人を集めるワークショップをすることが発表された。その協力者として、「万静如(北京BCome小組コーディネーター、話劇《陰道の道》シナリオ制作および俳優の一人)」と「李橙(北京某ジェンダーNGO研究員、BCome小組メンバー)」のお2人の名前が掲載されている(10)

3.広州

3月6日、広州のある街頭で、数人の若い女性が、「私は子どもを産まないことを選択する」と書いたボードと「私はシングルを選択する」と書いたボードを持って、通行人に「シングル」や「不出産」に対する考え方を書いた付箋を貼ってもらう活動をした。

こうした活動をしたのも、終わったばかりの春節で、親戚たちから結婚や出産を催促されたからである。たとえば于磊さんは結婚して3年になるのに、まだ子どもができいなので、姑に「村の中で面を挙げて歩けない」と言われたり、舅に「子どもができなかったから、気が晴れなかった」と暗に言われたりしたという(11)

2015年は、このように街頭行動が3都市に広がった。これらがおこなわれたのは、フェミニスト5女性が刑事拘留された3月6~7日の直前の時期(広州における活動は、まさにその前日)である。つまり、運動が前年よりも広がったことに加えて、街頭行動の自由に対するまだ制約が弱かったことが幸いして各地で街頭行動ができたと言える部分があろう。

三 2016年:クラウドファンディングで北京の地下鉄に反逼婚広告

1.クラウドファンディングと微博での逼婚反対の呼びかけ

2016年1月17日、微博アカウント「@反逼婚聯萌」が、以下のように、反逼婚広告を出すためのクラウドファンディングを呼びかけた。

愚痴や恨みごとを言うよりは、力を尽くして変えるほうがいい! 2016年の春節には、私たちは共に反逼婚行動を起こして、この「逼婚文化」に満ちた社会に対して、結婚を強要する親戚たちに対して、私たちの心の中の声を表に出そう!

結婚するのも、しないのも、私の私事、私の生活、私の自由。

私の人生は、他の誰の支配も受ける義務はなく、まして「上の世代の人の言うことを聞いて」、人に指図され、動かされる義務はない。道理は、こんなに簡単なことだ。

私たちは団結し声を上げて、反逼婚の心の声を、老若男女の誰でも見ることができる主流のチャンネル(たとえば屋外広告)を使って、すべての人に向かって大声で叫ぼう! (12)

目標は3万5000元である。当時、メンバーは約10人だったようだが、1m×1.5mの広告を出すためには3万8000元かかるので、彼女たちだけでは負担しきれず、クラウドファンディングを呼びかけたとのことだ(13)

出した金額に応じて記念品を送ることも宣言された。たとえば、38元出した人には、結婚を強要する親戚や父母らに出すための、「あるフェミニスト芸術家が特別にデザインした『反逼婚はがき』」が贈られる。また、148元、198元を出した人には、それぞれ反逼婚手提げかばん、反逼婚Tシャツが贈られる。

このクラウドファンディングによって、最終的には、383人から2万8593.50元が集まった(14)

この活動の最終的な目的は、公共空間で声を挙げることであり、単に一枚の広告ボードを出すことだけではなかった。そのためには、小さな範囲内で宣伝するだけで満足しはならず、メディアの影響力を使い、SNSに載せて、不断に自己の影響力を放射する必要があった。反逼婚広告は潜在的な広範な受け手とのコミュニケーションが必要だという考えから、お礼の品を送るという方法を使い、寄付をした人とつながりを作ることができるようにした。もっとも、実際にやってみると、「38元」以上というのはハードルが高すぎると思う人もいたので、現物によるお礼はしないが、より少額なサポートを提示したところ、寄付の総額はかえって増えたので、少額の寄付が非常に重要だということがわかったという経験もした。また、お礼を送ること自体にも、時間と精力が必要なので、今回のような場合は必ずしも必要ではないかもしれないといった認識も得た(15)

『北京晩報』の記者が、呼びかけ人の一人の「Coby」に対して、「なぜこの活動を呼びかけたのか?」と尋ねると、「Coby」は、そのきっかけは、幾人かの友だちがみな「結婚を強要された」経験があることだと述べた。学校に通っていたときは、家族に「ボーイフレンドを作るな」と言われ、卒業したら、「女の子はすぐに結婚をして嫁に行くことを考えなければいけない」と言われる。「家族は、いつも私に結婚するように言います。わが家は伝統的で、祖母は、私がボーイフレンドを見つけないのは我儘で、家族に心配をかけていると言います。母親は、結婚していない女は、完全な女ではないと言います。父親はもっとひどく、私の友達を家に呼んで私に勧めます」と述べた(16)

反逼婚聯萌のアカウントは、「#今年の年越しは逼婚なし#」というハッシュタグも作って、微博上での各自の意思表明を呼びかけ、それに応えて、さまざまな人が、自らの顔と自らの意見を書いた紙を写した写真を発信した(17)

北京LGBTセンターの人たちもそうした写真を発表した。たとえば、小鉄主任は「逼婚はいらない。オーガズムに達せられることが必要だ」と書いた(18)

2.広告審査によって表現をソフトにされつつも、北京地下鉄の東直門駅に広告を掲示

彼女たちが最初に広告会社に提出したデザインは、若い女性が頭上で両手をクロスさせて「ノー」の意を示すポーズをとっているもので、「逼婚退散」と横に大きな字で書かれ、縦には、「今年の春節は結婚を強要するな 私の人生は私が決める」と書かれたものだった。彼女のTシャツの上にも、「逼婚」の文字にバッテンが書かれていた(19)

このデザインは、広告会社と北京工商局に下属する部門に審査された結果、拒否された。熊婧さんによると、彼らは拒否した理由は言わなかったそうだが、もっと大人しいデザインにすることにした(20)。つまり、「鋭い」内容は削除して、できるだけ温和で和やかで、前向きな言葉づかいに変えなければならなかった。また、彼女たちも、目上の人および社会の公衆が耳を傾けて、共鳴することができるような表現を望んだ(21)

2月4日、北京地下鉄の東直門駅に、照明看板広告を出すことができた。

それは、可愛い女の子の絵が、大きなハートマークを抱えているデザインであり、その中には、下のように書かれていた。

「親愛なお父さん、お母さん、心配しないで。
世界は広く、
さまざまな人生があります。
独身でも幸せになれます。」

その下には、「単身者も良い青年です。単身のプラスのエネルギーを届けます」と書かれ、「単身自在ホットラインへの電話を歓迎します」として電話番号と受付時間(毎週水~金、12:00~19:00)と記してあった(22)

@反逼婚聯萌は、この広告の前で写真を撮って発信することを呼びかけ(23)、李麦子さんもこの広告の前で自分を撮った写真を微博で発信した。その写真では、李さんは頭上で両手をクロスさせて「ノー」の意を示すポーズをとっている(24)

5月1日には、北京798芸術地区で、反逼婚ポスターの設計者の米果が、ポスターと「連盟」の活動の贈呈用の葉書を印刷した。そのデザインは、地下鉄内の当初のポスターのデザインだった(25)

3.「反逼婚連盟」はその後もオンラインとオフラインで集い

@反逼婚聯萌は、ホットラインだけでなく、微信(Wikipediaによる説明)で交流グループを作って、お互いの経験を交流している(26)

『南方周末』に、5月7日、北京の雍和宮新胡同の醒覚コーヒー館で、「反逼婚連盟」のメンバーである16人の若者(女性14人、男性2人)が集まって集会を開いたという記事が掲載されている。この集会は、2月に「連盟」が結成されて以降初めてのオフラインの活動だったという。この記事は、「反逼婚連盟」には、百人余りのメンバーがいると伝えており、1月にクラウドファンディングを呼びかけたのが約10人であったのと比べて、ずいぶん増えている。

この記事内には、以下のようなメンバーが出てくる。
・Coby――連盟の「盟主」、28歳。
・Caroline――大学3年生で、「連盟」の話劇グループの主要メンバーの1人。
・猪川――33歳の男性で、父母に結婚をひつこく催促されて8年になる。
・二猫――「連盟」の対外ホットラインを管理している。

あるメンバーは、結婚を催促する圧力があまりにも大きいのですでに結婚したが、結婚した後も問題は解決していないと述べている。なぜなら、続いて父母は2人日に子どもを産むよう迫っている。キーワードは変わっても、やり方はまったく同じだと(27)

また、未婚の男性と比べて、同じ年齢の単身女性は、より大きな逼婚の圧力に直面していると述べる参加者もいた。「70年近く以前に、ボーボワールは『第二の性』の中で、『社会の伝統が女性に賦与した意義は、婚姻である』と述べました。現在の社会は多元化したといっても、保護者の多くは伝統的な考え方を強く持っています。今回の広告を出す活動に参加した女性の人数は男性よりずっと多かった。私は、これは重要な要素だと思ったので、反逼婚広告では、私たちは女性を主役にしました」と言う(28)

4.「女権の声」が反逼婚についての体験談を募集

4月20日、微博アカウント「女権の声」が、以下のように「私の反逼婚の話」を募集した。

 今の若い人には、「結婚を催促」されたことがない人は、ほとんどいない。一定の年齢になると、父母や親戚、同僚、同級生、関係のない他人、商業広告、社会の文化全体が、いっせいに飛び出してきて忠告する。

 結婚すべきだ、結婚すべきだ、結婚しないと年をとって/遅くなって/相手がいなくなって/子どもを産む一番いい時期を逃して/死んで……、さまざまな結婚を催促する理由の、一つはあなたに当てはまっているに違いない!(……)

 逼婚文化は強大だが、現実の中には、妥協に甘んじず反抗する者も少なくない!

 それは、理想の伴侶を見つけるためには、「妥協」したくないからかもしれない。

 事業と自己の価値の実現に忙しいので、「結婚」を日程に上らせる時間がないからかもしれない。

 一生、何ものにも拘束されないという自由を愛しているので、「包囲された都市」の中に閉じ込められたくないからかもしれない。

 社会が良くないので平等な婚姻の権利を享受できないからかもしれない。

 結婚しない理由は多いけれども、それぞれの反逼婚の話には、みんな個人の意思と生活の方法についての省察が含まれている。みんな自由を追求し、改革を渇望する勇気を含んでいるから、これらの話は有意義であり、記録される値打ちがある。(29)

この呼びかけの結果集まった文章のうち、7点の力作が「女権の声」の微博に掲載されている(30)

そのうち、ある男性は、「逼婚」の圧力の強さを次のように語っている。父母に「しばらく結婚しないつもりだ」と答えると、親戚の子どもの名前を出して「あなたと年はあまり変わらないのに、みんな結婚して、とてもしっかりしている」と言い、ガールフレンドがいると知ると、「どこの人? 年齢は? 仕事は?」と尋ねる。いなければ、「条件がいいのがいる。紹介しよう」と言ってくる。「結婚しなくてもちゃんと生活していけている」と言っても、「誰それはあなたより何歳も年下なのに、みんな結婚して、あなたが残っている!」と言い、弁解したら、今までに10回以上も、涙声で訴えられたり、突然激怒されたりして、「なんでこうもわからずやなの。年をとるほど馬鹿になる。まともな人間なりなさい。そんなに自分勝手ではいけません」と言われたりする。春節には、親戚が遊びに来て、私に会うなり次々に、「相手はいるのか? いつ結婚するのか?」と聞く。(31)

ある女性は、次のように訴えている。「私は永遠に自由で自分のために生きていたい。けれども、あなた方は、私に結婚を強要して、私を婚姻の牢獄に閉じ込め、一人の男に縛りつけて、もう自分ではないようにする」、「逼婚は、『あなたのため』という名目を付けているが、実際は貴方の幸福を奪うことにすぎない」(32)

おわりに――「逼婚」の背景として、中国的「孝」、若者の経済的情況、人口政策なども

中国における「逼婚」圧力の強さは、上述のようなジェンダー構造と関係しているのはもちろんだが、中国における「孝」が、単に親に尽くすことではなく、子どもの出産により血統を継ぐことに重点が置かれていることと関係しているという指摘もある。たとえば、呂頻さんは、「逼婚」の背景として、「伝統的観念においては、結婚して子供を産むことがいつも『孝』という倫理道徳と堅く結びつけられてきた」ことを挙げ(33)、彭暁輝さんも、「中国では結婚は個人の問題ではなく、家族の問題である。また、中国人は代々血統を継ぐという家族理念が強いことも、特有の『逼婚』現象を引き起こす」(34)と述べている。

ただし、結婚を催促する圧力そのものは、日本でもけっして軽視できないことは言うまでもない。

また、問題は、単なる親の意識やマスコミの論調にだけではなく、若者を取り巻く経済的な面にもある。若者が「逼婚」に反対しようとしても、現実の問題に直面することが指摘されている。すなわち、海外に留学するには学費がかかり、商売をするには立ち上げる資金が必要で、家を買うには「頭金」が必要なのだから、若い人が父母に助けてもらおうとすれば、父母の意向には背きにくいということである(35)。こうした、現在の社会における青年の自立を支える社会的条件の弱さと関連しているという点も重要で、この点も日本にも同様の問題があることが指摘できよう。

さらに、マスメディアが結婚を奨励する理由として、「社会の安定」のためであるとか、「激烈な総合的な国力の競争」のために、「人口の資質」を向上させるためということも言われている。「人口の資質」を向上させるというのは、都市の高学歴の女性に結婚させて「優良な」遺伝子の子どもを作らせるという意味である。メディアはしょっちゅう嬰児の「出生欠陥」についての報道をしており、かつ大多数はその責任を「高齢で初めて出産する産婦」のせいにしている(本当は環境汚染の影響が大きいにもかかわらず)ともいう(36)

こうした側面を見ると、一見家族内の問題のように見える「逼婚」に反対することが、社会のジェンダー構造、婚姻システムの問題はもちろん、それ以外の面でも大きな社会的な広がりを持っていると言えるだろう。


(1)互動百科、2月の十大ネット流行語を発表 (2)」人民網日本語版2012年3月7日、趙 蔚 青「2012年中国の新語・流行語」(愛知大学中日大辞典編纂所『日中語彙研究』第2号、2012年)。
(2)江苏人逼婚最执着,平均每年超10次?」『扬子晚报』2016年2月14日。
(3)時代の流行語『剰男剰女』」新華網日本語版2010年12月8日、「剰女」Insight CHINA日本語版2013年10月23日。当局側の文献の中では、2007年に初めて教育部の文書が「剰女」を新語として挙げている(「关于“剩女”你知道的十个常识」新媒体女性的博客2016年2月1日。
(4)做一个剩女,到底碍了谁的事儿」2016-01-31 新京报书评周刊→「做一个“剩女”,到底碍了谁的事儿」女权之声2016年2月1日。
(5)【传媒观察室】百合网“借外婆逼婚” 网友联合反击道德绑架」南都网2014年2月8日→「百合网“借外婆逼婚” 网友联合反击道德绑架」女声网2014年2月10日。
(6)不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议」女声网2014年2月14日(来源:邮件)=女权之声的微博【不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议】 2014年2月14日 12:09。
(7)冯寅杰「逼婚广告,让爱等待」『南方人物周刊』2014年3月24日。
(8)女权之声的微博【春节将至反逼婚 女青年街头跳“小苹果”】2015-1-28 18:02
(9)上海女青年举牌抗拒父母春节逼婚」中新網2015年2月5日。
(10)[5.1上海]【爱自由•反逼婚】故事工作坊及论坛剧场招募」女权之声2015年4月28日 14:02。
(11)@兔子走丢了「她们选择单身和不生育?!你怎么看?」公益服务网2015年3月9日。
(12)[反逼婚众筹]:送个我们自己的新春“红包”」反逼婚联萌的微博2016年1月17日 22:25。
(13) DIDI KIRSTEN TATLOW“Exalting Life as a Single in ChinaThe New York Times, February 3, 2016→狄雨霏「中国单身青年反逼婚,没那么容易」纽约时报中文网2016年2月3日→女权之声的微博2016年2月4日。
(14)反逼婚众筹:送个我们自己的新春“红包”
(15)被纽约时报报道,她们的众筹有何神奇之处?」2016-06-15 灵析
(16)大龄青年众筹“反逼婚广告”」『北京晚报』2016年1月21日。
(17)反逼婚联萌的微博#今年过年不逼婚#
(18)北京同志中心1月29日 11:53
(19) DIDI KIRSTEN TATLOW“Exalting Life as a Single in ChinaThe New York Times, February 3, 2016→狄雨霏「中国单身青年反逼婚,没那么容易」纽约时报中文网2016年2月3日→女权之声的微博2016年2月4日。
(20)同上。
(21)为了反逼婚,她们直接在北京地铁投了广告! 」尖椒部落2016年2月4日、女权之声的微博【为了反逼婚,她们在北京地铁投了广告】2月4日 12:14
(22)同上。
(23)过年必须拍的一张照片,来看看你拍了吗?」2016-02-05 单身也幸福的 反逼婚联萌。
(24)麦子家的微博2016年2月4日20:17
(25)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(26)被纽约时报报道,她们的众筹有何神奇之处?」2016-06-15 灵析
(27)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(28)为了反逼婚,她们直接在北京地铁投了广告! 」尖椒部落2016年2月4日、女权之声的微博【为了反逼婚,她们在北京地铁投了广告】2月4日 12:14
(29)女声征文│我的反逼婚故事」2016年4月20日。
(30)猪头猫「被逼婚,我遭过的“七宗罪”」2016年5月3日 17:37、米果「请停止社会给予单身的负面意义」2016年5月17日 12:16、Ele_象「拒绝做受人摆布的附属品,我们已踏上“反逼婚”的征程」2016年5月18日 17:27、冬惊「传宗接待是每个成年人应尽的义务?」2016年5月19日 11:48、卢平「女孩,别让逼婚毁了自己」2016年5月20日 16:36、七七「反逼婚十年,我越活越美丽」2016年5月20日 16:54、Gabby「反逼婚历险记」2016年6月12日 18:26。
(31)猪头猫「被逼婚,我遭过的“七宗罪”」2016年5月3日 17:37
(32)☆卢平「女孩,别让逼婚毁了自己」2016年5月20日 16:36
(33)不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议」女声网2014年2月14日(来源:邮件)=女权之声的微博【不满广告逼婚 情人节女青年百合网总部唱歌抗议】 2014年2月14日 12:09。
(34)为了反逼婚,他们走到了一起」『南方周末』2016年5月20日。
(35)大龄青年众筹“反逼婚广告”」『北京晚报』2016年1月21日。
(36)做一个剩女,到底碍了谁的事儿」2016-01-31 新京报书评周刊→「做一个“剩女”,到底碍了谁的事儿」女权之声2016年2月1日。
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